「小説‼ルパン三世」(辻真先・集英社文庫)感想

 こんにちは。ルパン三世にハマってから、図書館とアマゾンマーケットプレイスとまんだらけがより近しい存在になってしまった、とりこ。です。もちろん、新刊で買えるものは新刊で買っていますが、すでに絶版ものが多いのですよ。なので、自分内の覚え書きとこれから読んでみようかとか探している人の参考に少しでもなればと、絶版本のルパン関連書籍の感想も書いていこうと思います。すでにご存じのかたからしたら、なにをいまさらな内容でしょうが、よろしくお願いします。

 というわけで、今日はこちらをご紹介。「小説‼ルパン三世」(辻真先・集英社文庫)です。

 わたしはこの本を図書館で借りたのですが、この集英社文庫の懐かしさに転げまわる思い。ああ、こういう装丁で、氷室冴子とか新井素子とか読んでた……。初版が昭和57年です。この頃の集英社文庫ってアニメのノベライズをけっこう出してたのですね。裏の既刊案内、宇宙戦艦ヤマトとかベルばらとかブルーノアとかですよ……。なにもかも懐かしい……。

 さて、辻真先先生といえば、まさにアニメ界のリビングレジェンドでいらっしゃいます。84歳の現在も、Twitterでのお言葉の現役感ハンパなし(URL)。いつもツイート楽しみにしています。こどものころに、それこそラノヴェの走りとして、辻先生のミステリをよく読みました。名犬ルパンシリーズ大好きだった。そんな風にとにかくキャリアが長いかたで、そのなかでいろんなお仕事もされていたというわけで、これはそのなかのひとつかな。

 内容的には、ああ、あの頃の少年少女向けのノヴェライズだな……という感じで、その世代を知っているわたしは懐かしかったのですが、世代じゃなかったら、キョトンとするノリかもしれません。オフザケの感じや文中の遊びかたが、当たり前なんですけど、骨の髄まで昭和という感じです。登場するスターの名前が薬師丸しのぶです。

 しかしながら、それでもさすがというべきか。白乾児を敵にしたストーリー展開は、アニメの設定に沿わしていながらも、白乾児の妹まで登場するなど、独自の展開を見せて、けっこう読ませてくれます。ルパン一味もそれぞれ過不足なく活躍しているし、そのキャラたても違和感なし。ちなみにルパンのアジトの家事は男三人の輪番制らしく、次元はスーツのボタンを器用に縫い付けてたり、五ェ門はたすき掛けで玄関を箒で掃除したりしてます(女性読者のみなさま、キャーかわゆいと思いませんか?と著者からのひとことあり。はい、かわゆいです!)。

 あと、なにより。この表紙からは予想してなかったのですが、挿絵がモンキー・パンチ先生です。それも適当に持ってきたのではなく、ちゃんと作品内容に沿った内容なので、描き下ろしているんですね。それもけっこうな数。イキのいい三世さんとキレイな不二子ちゃんをたくさん見ることができて楽しかったです。