というわけで、行ってきました。「カリオストロの城」MX4D版!いやー、楽しかった、というのがいちばんの感想です。
MX4D版ということで、画面に合わせて座席が揺れる動く、水しぶきがかかる風が吹くという仕様です。体験系乗り物全般が苦手なわたしとしてはその点がネックだったのですが、実際に体験してみれば、なんとかなるレベルでほっとしました。ただ、膝の上に乗せられるレベルの荷物なら大丈夫と言われたものの、それでも膝の上のバッグが不安になりましたので、荷物はいさぎよくすべてロッカーに入れたほうがなんの心配もなく楽しめると思います。
個人的には、ここぞという場面だけで動くのかなと思っていたところ、冒頭のカジノの場面から、車が動くと座席も動くという感じなので、びっくりしました。基本的に、車やバイク、乱闘、走るなどのキャラクターの動きがある場面ではほぼ動くという印象です。あと、座席が動くだけじゃなくて、乱闘のときとか座席シートの背中のとこなどがぽこぽこ突き上げるように動くのが面白かったです。水しぶきの場面では、メガネのひとは要注意なくらいにけっこう濡れます。ご注意を。
MX4Dならではの体感の感じ、その効果などについては、公式Twitterが紹介していたこちらの「体験レポート「ルパン三世 カリオストロの城 MX4D版」ココがスゴイ!」(URL)でかなり具体的に書かれています。感想もほぼ同意見です。
でも、個人的には、そういうMX4Dならではの楽しみよりも、大画面で「カリオストロの城」を見た!という満足感のほうが大きかったかもしれません。わたしは、新ルパンの本放送の最後のあたりがかろうじて記憶にあり、その後の再放送と金ロの「カリ城」がルパンの原体験という世代ですので、やっぱり「カリ城」はとくべつな存在なのですね(そういう世代のアニメファンのよくあるパターンとして「未来少年コナン」から「風の谷のナウシカ」という流れにも浸かっていた宮崎ファンでもあります。宮崎駿の最高傑作は漫画版「風の谷のナウシカ」と信じてやまないめんどくさいタイプのファンです、ええ)。
もちろん、もっとディープに「ルパン三世」という作品世界を知るにつれ、ルパン三世ワールドにおける「カリ城」のちょっと微妙な立ち位置的なものも理解できるようになりました。うん、わたしも「ルパン三世」として正しいのは「複製人間」のほうだと思います。でも、まあいいじゃん!と無責任に思ってもいます。なんせ傑作なのは間違いないですから。
ストーリーについてあれこれ言うのはいまさらすぎるのでいちいち書きませんが、とにかく、大画面かつ集中できる環境でじっくり見てしまうと、その情報量に圧倒されました(冒頭のフィアットの後部座席で札束に埋もれている五ェ門の姿も確認できた!)。これ、TVシリーズやりながら6カ月で作ったって……(絶句)。
しかし三世さんファンのわたしとしては、とにかくまあ大塚康生さんによるルパン三世のキュートなことに倒れました!知ってたけど!でもやっぱりかわいい!クラリスという宮崎監督が必要以上に魂をこめたヒロインの存在のせいで、おじさんルパンと言われるカリ城ルパンではありますが、いや、これ、ほんとうに可愛くて可愛くて!クラリスと塔で再会するあの場面なんか、ルパンの背伸びっぷりカッコつけっぷりの可愛いさに萌え死にました。なんだこの緑のかわゆい生き物は(悶絶)。そしてこのかわゆいルパンに山田康雄さんの声……(ときめき)。声の演技というのはこういうことだと思い知らされた気がします。軽やかで自由で、でも、どこまでもルパン。ルパン三世。ひさしぶりに山田さんのルパンに会うことが出来た喜びを強くかみしめました。
もちろん、大塚康生さんの次元さんもかわゆかったです。驚いたときに目が見えるのが超キュートです。次元さんも、16歳のクラリスがいるせいで、おっさんくさいですが(あと、基本的な所作がおっさんなのだ)、きっとまだ30代なんだろうなあと思えてしまうくらいに、小林清志さんの声も若々しい。一方の不二子ちゃんは、ルパンとの仲が達観レベルになっているのがよく分かる立ち位置で、実にカッコいいです。物語上のハブ部分をすべて引き受けて下さっているこの有能さよ(笑)。「カリ城」では銭形警部との関係もいいですよねー。
え?ジゲフジ的にはどうかって?(聞かれてない)ひとつありましたよ。ルパンが庭師の所で寝込んでいるときに不二子ちゃんが大司教の記事を届ける場面。「不二子の単車だ!」って次元さんが気がついてるじゃないですか、わあジゲフジ!(迷いのない目で言ってます)
カリ城は基本的にクラリスと伯爵とルパンがメインの物語なので、五ェ門、次元、不二子、銭形は脇にまわっているのですが、それでもそれぞれの関係性が分かる場面がとても楽しくて愛おしい。わたしがカリ城でいちばん好きなのは、城の地下から脱出したルパンと銭形が地上にかけあがってクラリスのもとに向かうところ、あの「サンバ・テンペラード」が流れる場面なのですが、何回見たか分からないのにもかかわらず、ここで涙が出ましたよ。ああ、ルパンだなあと思いました。わたしは、ルパン三世を見ているなあと思いました。
というわけで、MX4D版の感想というよりは、「カリオストロの城」そのものの感想になってしまいましたが(笑)、ほんとうに楽しい体験でした。この「カリ城」、動員・興行収入ともに好発進!!とのことですし(URL)、この流れで「複製人間」も大画面で見たくなったくらいです。入場特典のポストカードに、公式の50周年のアイコンが印刷されていたのを見て、素敵なアニバーサリーイヤーが始まることを確信しました。
そして来週にはいよいよ「血煙の石川五ェ門」。こちらももちろん楽しみにしています!