冒頭。レベッカの元に届いたルパンからのカード。街中を逃げ回る次元。お仕事中のルパン。そんな状況のなか、あの二クスに背後を取られてしまった次元は、そのまま殴られ、意識を失います。「相手が、悪すぎる……」という警告をルパンに残して。
さて、いよいよPART4のメインキャラのひとりである二クスの本格的な登場です。しかしPART4の次元さんはお目目がまん丸で可愛いな。それどころのシーンではないんですが。
サンマリノにやってきたと思しき英国皇太子を警護するボディガードの元に「不審者の尋問を開始する」との二クスからの報告が届きます。その不審者こそ、次元。拘束された状態でバケツの水を浴びせられ、サンレオへの訪問の意図を問われると「観光だよ、観光」と嘯きます。それを聞き、なにやら拷問らしきものの準備を始める二クス。場面は移り、やってきた英国皇太子を迎えたのはあのレベッカでした。レベッカは、いつもの強引な調子で、先日発掘されたマリーアントワネットの首飾りのかけらをサンレオに見に行こうとしている皇太子を引き留めます。一方、囚われの次元は拷問を受けながらも沈黙を守っています。それを見て二クスは「そこまで義理を通すのは、99.95%、ルパン絡みだろう」と次元の意図を見抜きます。
次元が拷問を受ける場面はこれまでの作品でも何回か描かれてきましたが、なんど見てもそれぞれにテイストが違って良きものですね、とか言っちゃうごめんなさい。今回の場面に関しては、いつもMI6はその十字架をどこから持ってきたんだ、ウルトラセブンの処刑かと思って笑ってしまいます。早川先生のコミカライズでは普通に椅子に括りつけられていて、そっちの方がリアリティありますよね。でも、両腕を広げた姿でシャツをはだけて胸毛がチラ見せのセクシー次元さんでしか得られない栄養があるのも確か……。
MI6の手は不二子の元にも。といっても、不二子ちゃんは拷問を受けたわけではない様子。その不二子ちゃんの証言によって、かの有名なマリー・アントワネットの首飾りの詐欺事件の犯人とされたカリオストロ伯爵が、サンレオの獄の壁に埋めたとされる首飾りのかけらが今回のルパンの狙いであることが明らかになります。「まさかルパンが本気にするなんて思ってなかったけど」ってのが素晴らしく不二子ちゃん。それを聞いた二クスはいそぎ現場を離れようとしますが、次元は「無駄だ」と不敵に笑います。「いまごろ首飾りは、やつの手の中だ」。そして、その次元の言葉通り、ルパンは首飾りを手に入れていたのでした。
ここの不二子ちゃん、青系のドレスとアイシャドウが似合ってて超かわいいですね。不二子ちゃんは余裕で紅茶を飲んでMI6をあしらい、ルパンのことをさらっと売ってますが(これこそ峰不二子クオリティ)これもコミカライズでは不二子ちゃんはMI6にこちょこちょ拷問を受けてます。早川先生のこういうプラスアルファほんとに楽しい……。そして、最後の最後の次元さんが嬉しそうなのがたまらない。それまで沈黙保ってたくせにね! ルパンはおまえらの手に負えねえよ、って言ってやりたくなったんだよね、この相棒大好きガンマンめ、可愛い!
レベッカはホテルの屋上で、皇太子を接待中。二クスは上司より、皇太子がホテルを離れる16時半までに首飾りを保護するよう命を受けます。地下水路に降り、なにかに耳を澄ませたあと「ターゲットを捕獲、任務遂行率100%」と二クスはその場を後にします。そしてその推察通り、地下水路から地上の教会に姿を現し身を隠すルパンのもとに現れる二クス。一方、拘束されたままの次元は、二クスの任務が完了するまでこのままだと知らされ「ってことはおれは一生ここから出られねえってわけか」と毒づきます。もうすぐ出られる、と相手にされなくとも「そいつはどうかな?」とルパンへの信頼を隠さない次元。二クスに追い詰められたルパンは「そんなに欲しけりゃ、力づくで奪ってみるか?」と二クスを挑発し、それに対して二クスも「いいだろう」と笑って応じます。Aパートはここまで。
十字架に縛り付けられたまま減らず口を叩く次元さん。お約束ですがだからこそ次元大介。「男とお見合いする趣味はない」っていうけど、女とお見合いするのもいやがるくせに、そういうこと言うの可愛いな。二クスのキャラはこの段階ではまだ未知数ながらも、クールにルパンを追い詰めるのはいいですね。
教会で対峙するルパンと二クス。二クスの射撃は正確で、ルパンも応戦しますが、二クスは余裕で銃弾をかわします。ルパンはそれを見て愕然とし、地下水路に逃げ込みます。しかし二クスはルパンの逃げる先に先回りして現れ「なんで先回りできんだ、あいつ」とルパンを驚かせます。追い詰められたルパンは煙弾をぶつけますが、そのとたん耳を押さえる二クス。ルパンは再び姿を消しますが、二クスはその行き先を知っているかのように車で先回りします。そして、地下水路から上がってくるルパンを待ち構えますが、予想は初めて外れ、ルパンの姿はそこにはありませんでした。それでも二クスは「任務遂行率99.80%。問題ない。誤差の範疇だ」と不敵に笑います。
やがてルパンは囚われの次元のもとに。次元もまたルパンと同様に、二クスに逃亡先を先読みされていたのでした。「おかげでおれはこのざまだ」という次元に、ルパンはこともなげに「なんてこたあねえからくりだ」と返しますが、そこに二クスが現れます。ルパンは、二クスに対して、靴底で音を出して自分の隠れ場所を当てたこと、煙玉を出したときに真っ先に己の耳を守ったことから「おまえの力は音の反響で周囲の状況を把握する、エコー・ロケーションだって分かったのさ」と言い放ちます。ルパンはそれに勘づき、裏をかいたというわけでした。しかし、二クスは「慢心したな。私の特技をひとつ見破ったくらいで勝った気でいるとは」と平然とふたりに銃を向けます。
エコー・ロケーション。すごいことはすごいとは思うのですが、それ、閉鎖空間ならともかく開放された野外とか屋外ではどうなんだろうと思ってしまう能力ですね。もちろん二クスが言った通り、二クスの能力はそれだけではないというのも後々明らかになるんですけど。そしてここで蝙蝠の例を挙げて分かりやすく解説してくれるのが次元ちゃんぽくていいなと思いました。昔からストーリーの要ではいろいろ親切に解説してくれるひとでした。
「99.80%。わたしが算出した任務遂行率だ。貴様が生き延びる率は皆無に等しい」という二クスにルパンは「おお、ありがてえ。そいつは励みになるわ。0.2%も可能性があるんだから」とうそぶき、もみ合いになりますが、肉弾戦は二クスの方が一枚上手で、「チェックメイトだ」と額に銃を突きつけられます。覚悟を決めたのか、最後の一服を求めるルパン。「まさか最後の一本になるとはな」と次元も煙草をくわえ「せいぜい味わおうぜ」とルパンも煙を吸い込みます。「時間だ」と二クスに告げられ「ちゃんとここ狙ってくれよ」とこめかみを指すルパン。
しかし、二クスが引き金を引きかけたその瞬間、本部から二クスに緊急事態を告げる連絡が入ります。皇太子のいるホテルに異変が起きたとのことで、至急そちらに向かうことになった二クスは「運が貴様に味方したようだ」とその場を去ります。それを見送り「次元の言うとおり、こんどばかりは相手が悪かったみたいだな」とルパンは息をつくのでした。
「ちゃんとここ狙ってくれよ」のルパンさまがでらイケメン。個人的印象として、PART4の作画は描線にちょっと癖があって、整ってるというより味を優先してる感があるんですけど、わたしはそれが好きなんですよね。で、このギリギリでルパンさまは助かったわけです。二クスもルパンと次元をさっと撃ち殺してから懐を探り首飾りを回収すればよさそうなものですが、万が一首飾りをルパンが保持してなかったら面倒なことになるから断念したんだろうな。
一方、皇太子のいたホテルの騒ぎの原因となった音の正体は、ルパンがあらかじめ仕掛けておいた花火でした。ルパンはレベッカを利用して皇太子をホテルに引き留めたのです。首飾りを狙えば、MI6が出張ってくることを察していたルパンは、16時きっかりに花火と銃声が出る仕掛けをホテルの屋上に仕込んでパニックを起こし、その目をくらまそうとしていたのでした。無事、その目論見は当たり、不二子と成功のシャンパンを味わうルパン。一方、MI6の本部は二クスに対し「例の件をかぎつけられたらやっかいだ」と、ルパンの動向をマークするよう命じるのでした。例の件、それは「イタリアの夢」………。
というわけで第3話でした。お話としては、PART4におけるルパンのライバルキャラ、二クスをフューチャリングした内容で、囚われの次元、お仕事するルパン、それに絡んでいる不二子、ルパンとまだつながってるレベッカ、囚われの次元、実はちゃんといろいろと考えてあったスマートなルパン、囚われの(もうエエ)といったポイントをしっかり押さえていて、楽しめるものでした。
PART4はルパンのTVシリーズとしては初めて、各エピソードに連続性を持たせたシリーズなので、そこかしこに慎重な新機軸への目配りが感じられるのが面白いです。また、それだけでなく、次元やルパン、二クスの会話とか、それらしさもちゃんと健在なのが嬉しいですね。それと、不二子ちゃんとルパンの仲がここまで良好なのはちょっと新鮮な感じ。まあ、不二子ちゃんするっとルパンのことをMI6に話してましたが、そこで義理立てすると不二子じゃないしな……。
え? ジゲフジ的にはどうかって? 最後があんなにいいルパフジだったのになに言ってるんですか?(真顔) でもきっとルパンのシャンパンには睡眠薬が入ってて、不二子ちゃんは首飾りのかけらだけもらってトンズラって落ちなんだろうな。真面目にいえば、ルパンと不二子のあの大人の雰囲気にはすでに元カレ元カノならではの落ち着きもあるような気もするんですが……。いやだってそもそもルパンはもう既婚者だからね!
あ、あと、個人的には、囚われていた次元さんを十字架に張り付けようと提案したり(ほんとこれどこから持ってきたの)、シャツをわざわざボタン一つ残してはだけさせたり、帽子とスーツの上着、マグナムを大事にそばのデスクに置いてあったのはMI6の誰なのかが気になりますね。賭けてもいいけど、資料を口実に拘束した次元さんの写真、馬鹿みたいな枚数撮ってる。動画で撮ろうとして二クスに睨まれて断念したに決まってる。次元さんのぱんつの色まで知りたいひとがここにいるのではないかと思われます。次元さんほんとに人気者だな……。やはりあの残って次元さんとにらめっこしてたひとかな……。
こんなバカな調子で書いている感想ですが、これからもこの調子でゆるゆると書いていこうと思います。わたしはPART4大好きなので、これまでにも何度も見てるんですが、こうやってみっちり感想を書くために見直すと、いろいろと発見があって楽しい。全話書こうと思ってますので、良かったら読んでやってください。これまでにも拍手やメッセージをありがとうございました。これからもよろしくお願いします!