ルパン三世PART5第3話「殺し屋は荒野に集う」の感想です。公式サイトによるあらすじはこちら(URL)。(わたしはHuluにて視聴しています)以下の感想は、完全にネタバレですので、大丈夫な方のみご覧ください。どうぞ!
今回はアバン無し。この新OP可愛いから何度も見ちゃうなあ。緊迫感漂う、第2話のラストの場面からの続き、海岸でアミと共にいたところを殺し屋に囲まれているルパン、それを上空のドローンのカメラが追っている場面から始まります。ドローンがいるから当たり前なんだけど、こんな場面までネット中継されて無責任なコメントがつくあたりがとっても現代ですね。
えーと、ここでまずお断りです。今回登場する殺し屋たちは、みな原作ルパン三世に登場する殺し屋がモデルです(名前は同じだけど、あくまで雛形というか元キャラ扱いですよね?そもそも死んでる人のほうが多いしな)。わたしが分かった範囲で、名前とその登場話を書いておこうと思います。複数話に登場しているのは代表話のみ。話数については双葉文庫版を参考にしています。間違ってたら教えてください。公式Twitterさまが前日に殺し屋リストの画像をUPしてくれた(URL)おかげで、放送前夜に原作をあわてて読み返したよ……。
「観念したか、ルパン三世」と迫る殺し屋は、魔山神平(ルパン三世29話「ブラックポイント」)。「おれがいまなに考えているか教えてやろうか?」というルパンに「命乞いか?」と答えます。それに「今夜抱く女のことさ」とウィンクしつつ不遜に答えるルパンのカッコいいこと!まあカッコいいといえばこのあともすべてカッコいいんですけどね。倒れたアミに対して手を差し伸べ「走るぞ、アミ」というあたりとか。「大丈夫か?」じゃなくて、「走るぞ」っていうのがいいじゃないですか。そして手を伸ばしたものの、ルパンの手を握るに至らないアミの手をぎゅっとつかむ。この力強さがルパンなんだよなあ。
走るルパンたちですが、その様子は依然ドローンによって撮影され続けています。車の中で、その中継を見ているのは、ネズミ一族の族長(新ルパン三世63話「魔女ルカ」)とその手下。バイクに乗って追いかけているのは、イモリとアニイ(ルパン三世45話「男の中の女の顔」)。殺し屋リストで、この「アニイ」だけがほんとうに分からなかったんだけど、イモリと手を組んでいるので、コミックのなかで「あにィ」と呼びかけられている仲間だと判断しました。いやもう探しても探しても心当たり無くて、ミュージカルかよと思ったりしたよ……。
そしてルパンたちふたりは車の工場に逃げ込み、あわや袋のネズミか……という危機になります。この工場にひとりずつ集まってくる殺し屋たちが、なんかもう前回の次元さんのお言葉通りの殺し屋オールスターズで嬉しいなあ。いきなりキング(ルパン三世11話「健在ルパン帝国」)が現れてときめいたわ。これで「ルパン帝国」話が再燃したらどうしようかと思いましたが、さすがにそんなことはなかったな(そしたら次元さんの妹話も……)。犬を連れて登場は不乱剣博士(ルパン三世106話「ドクター不乱剣」)です。でも、そういう殺し屋たちをアミのハッキング技術とルパンの技の両方で手際よく倒し、颯爽と工場から飛び出す流れが見ていて気持ちいいです。出口じゃなく、そばの壁をぶち破って、というのがやられた!って感じでルパンぽい。しかし、工場を取り囲んでいたネズミ一族、族長の撃った弾がアミの背中に当たります。
その様子を寿司屋(フランスだよね)で見ていた、銭形警部とヤタくん。ICPOの捜査権限がいまルパンがいるブワンダにはないことを承知の上の銭形は、休暇を取ってブワンダに向かうことを決めます。そう、ルパンはブワンダ国外に出ればICPOに追われ、ブワンダ国内にいれば殺し屋オールスターズに狙われる身の上なのです。詰んでる、と笑う「マルコ・ポーロ」の幹部たち。
場面はそぼ降る雨の中、潰れた床屋のなかに隠れているルパンたちに切り替わります。カップラーメンをすすってる次元さんが、こう、いかにも次元さんで、可愛くて、ときめきました。一方、ありあわせの道具でアミの傷の手当をするルパンと五ェ門(次元さんは見張りの役回りなんですね)。痛い!と声を上げるアミに「痛いのは生きている証拠だ」と声をかける五ェ門がらしいですね。痛みを紛らわせるために話でもしろ、というルパンに応えて、アミは自らの身の上を語ります。6歳のころ、キッズポルノの業者にさらわれたこと、写真を撮られたあとは買い手がつくまで同じような子供たちとともに豚以下の暮らしをさせられていたこと、そんな身の上を救ったのが、自分のプログラミングの技術だったこと……。
このアミの身の上話はちょっとキツかったけど、これもまた2018年のリアルなんですよね、きっと。そして、第2話でアミがルパンに「ルパンはわたしとエッチがしたいの?」と聞いた理由も分かった気がしたし、アミ自身の、極端ともいえる論理性にこだわった態度に納得がいきました。アミにはルパンという“男”が自分に寄せる感情(要するに「ほっとけない」ってやつですね)が理解できないから、自分の知っている理由をとりあえずあてはめてみたのだろうし、そういう過去があったからこそ、すべてが論理的に組み立てられていて、正しければ動くし、間違っていれば動かない、まさにプログラム的な考えによりどころを求めたのかなあと。なぜなら彼女の運命はまったくもって非論理的で理由のない悲劇で、そこから彼女を救ったものが、そういう論理によって成り立った技術だったから。そういうことなんだろうな。
しかし、個人的には、この話を聞いたときのルパンが、ほんとうに、どこまでもルパンで、泣きそうになりました。辛い過去を語るアミが、一瞬、言いよどんだときに「聞いてるぜ?ちゃんと」ってすごい。同情も慰めも怒りもなく、ただ聞いている。おそらく初めて感情を持った肉声で話しているアミのことを、尊重している。ルパンカッコいい。ルパン大好き。やばい。もう何回目か分からないけどまた好きになった。このルパンわたし大好き。
傷の手当も終わり、眠るアミを見て「おれがもうちょい慎重だったらなア……」っていうときのルパンの顔がいいですね。それに対し「ひとの心配してる場合か」と怒りつつ、カップラーメンを投げてあげる次元さんはやはりルパンの相棒です。そして「ルパン、作戦はおぬしにまかせる。まずは結論を聞こう。対決か逃亡か」という五ェ門もまた、ルパンの仲間。それに対し「決まってらあ、一網打尽よ」と笑うルパン。ここからルパンの逆襲が始まるという雰囲気にすっごくわくわくわくしたところでアイキャッチです。
さて、殺し屋オールスターズが集まっている酒場(?)。ここでまずはユニオン・ママ(新ルパン三世11話「ユニオン・ママ」)がネズミ一族の族長を挑発しますが、挑発され返し、いきりたつのは一郎(新ルパン三世11話「ユニオン・ママ」)です。スマホを見ながら「出たぞルパンだ」といち早く気がつくのが、万屋十完(新ルパン三世153話「パートナー十完」)。
ルパンからのメッセージは「ひとりずつは面倒だ。まとめて相手してやっから、かかってこい。おれはヌレバレ族の住居遺跡にいる」というもの。このときのルパンさまの顔が実にワルくってカッコよくてイタズラ小僧で最高です。「ワトソンによれば、ヌレバレ族の住居遺跡にはハッキングで操れるものはない」と設定どおりの台詞でフツーにしゃべってわたしを驚かせた(いやだって、本人とは思わないじゃないですか)のは、シャードック(新ルパン三世147話「シャードック」)。殺し屋たちは我先にとルパンの挑発に乗り、飛び出して行きます。
そんなルパンのメッセージはとうぜんネットの住人たちの目にもとまります。無責任なコメントを流し続けるネット住民たちの冗談(「きっと下から巨大ロボットが出てくるんだよw」「出てこねーよw」「wwww」)を見て、マルコポーロの幹部が言う「そんな都合のいいことあるわけねえだろ、ここは現実だよ」という台詞に、わたしはちょっとひっかかりもしました。もちろんネット空間も現実のひとつなんだけど、ネットという媒体を通すことでそこに映し出されるものはまるで仮想空間のように思える。だからこそのネット住民たちのこの冷たさと野次馬根性なんだけど、この幹部はそれも現実だとはたしてほんとうに認識できているのかなあと。なんかキーワードっぽく感じたんですよね。まあわたしの深読みはオタクの考え過ぎと同意味ですので流してください。
そして舞台は飛行機に。わたし、銭形警部が乗った飛行機かと思ったんですが(でもまあ改めて見直せば、明らかにプライベートジェットです)、まさかの不二子ちゃんが登場です。コバルトブルーのドレスが麗しい。「このゲームならわたし、世界一の自信があるの」というPVでも流れた台詞で、いよいよ不二子もこの「ルパン・ゲーム」に参戦ということが匂わされます。しかし美しいな、この不二子ちゃん。
いよいよ住居遺跡で殺し屋たちを待ち受ける次元たち。タブレットに向かい背中を丸めているアミに「痛むか」と声をかけ「作業に支障はない。心配してくれたの?」と答えられ、口ごもって頬を染める五ェ門が可愛い。ちょっとカリ城の「可憐だ」を思い出しました。一方、双眼鏡をのぞいて集まってきた殺し屋たちを見て「ああ!?」と驚く次元さんも可愛いですね。どう考えても前髪はオールバックにした方が機能的だと思うんだけどな……。ぼさぼさも可愛いけどな……。
それはともかく、集まった殺し屋たちをカメラで確認し、顔認証システムを使ってディープウェブのデータベースと照合し、リストを作り上げていくアミ。ここで五ェ門と次元によって殺し屋たちの名前がひとりひとり明らかになっていきます(うん。昨晩、我慢しきれず原作をひっくり返してはひとりひとり確認したわたしなんだけど、もしかしなくてもこれを待てば良かったのかもしれないな……。いいの、原作面白かったから……あと同じようなことをしたルパンファンはきっとたくさんいるはずだから……)。これまでにはっきりと登場していなかった殺し屋を追加しますと、ラッキー(新ルパン三世11話「ユニオン・ママ」)、赤奇血汐(新ルパン三世35話「赤奇血汐」)、ですね。
そして、「ルパン・ゲーム」のチャット上にアミが作成した殺し屋リストが現れ、ここからルパンの作戦が始まるのです。それはルパンをここまで追い詰めた、ルパンの死ぬ日を賭けるトトカルチョ「HappyDeathDay」自体の仕組みを利用したものでした。ルパンが死ぬ日、つまりルパンを殺す日が他の人間と被ったら賞金はその人間と山分けとなってしまうから、誰もがほかの人間とは違う日に賭けるのがセオリーのこのゲーム。そのために、あらかじめルパンを拉致しておいてから、自分が予想日に指定した日に殺すことが殺し屋たちの真の狙いだったのです。
まず、ルパンを探して階段を歩くのは、金閣と銀閣(ルパン三世79話「バカとハジキは使いよう=エロチック篇」(このふたりが登場すると知って、ルパンがあのSEX催眠術を使ったらどうしようとわくわくいえどきどきしたのはわたしだけかな。深夜だからもしかしてとちょっと思ったんだよな……)兄弟。そこに、このふたりがルパンの死ぬ日として賭けたのは「今日」という情報がルパンによって流されます。そのふたりの前に現れたのは、銀蠅(新ルパン三世183話「解読合戦」)(すごくカッコよかった。出番がこれだけなのすごく勿体なかった……)。さらにそこに黒マムシ(ルパン三世80話「任侠ルパン節」)まで現れて三つ巴の戦いに。
そう、このゲームの最大の敵は、自分がルパンを拉致する前にルパンを殺そうとする相手なのです。だからだれがどの日に賭けたか、という情報を流してしまえば、あとは勝手に殺し屋たちがたがいに殺し合ってくれるというこの仕掛け。ルパン三世、頭いいな!素直に感心しました。やだもうルパンさま、さすがIQ300!
でも、その肝心のだれがどの日に賭けたかという情報を探るのはさすがのアミにも難しく、さきほど流した情報はアミの「あてずっぽ」だったのですが、そう知って大笑いするルパンも素敵です。「おまえさん才能あるぜ」「リアルで生きていく才能さ」って台詞もいい。PART5はキャラのやり取りがいいなあ。
というか、ここまでキレキレでカッコいいルパンを見せられると、三世さんファンのわたしは、正直言って、戸惑うくらいだったりします。なんかお中元とお歳暮をいちどにもらったような気さえする。わたしはずっとこういう、カッコよくて、頭も良くて、敵の一歩先を行くルパンさまが見たかったんですよ。なんか夢みたい。
でもカッコいい次元さんも見たかった!というわけで、赤奇血汐との対決は堪能させていただきました。次元さんは早撃ちだから、勝負の時間が短すぎるのがさみしいけど……。五ェ門も、骨船長(新ルパン三世98話「骨とギター」)をあっさり倒し、ミノ虫(新ルパン三世106話「MINO虫」)はおやっさん(新ルパン三世181話「ソナタ刃短調」)と鉢合わせし、ふたり仲良く(?)次元によって倒されます。五ェ門はさらに、防人(新ルパン三世183話「解読合戦」)も始末します。
そんな争いの最中、アミはルパンに「今夜抱く女ってだれ?」という追い詰められたときのルパンの軽口についての質問をします。「それ聞くか?」とあきれるルパンですが、アミはあくまでまじめに「あれからずっと考えていたけど、見当がつかない」とたずねます。「次元と五ェ門が女性である可能性は」「気持ち悪いこと言うなよ」のやりとりは笑った。くしゃみするふたりが可愛い!
ここからの抱くの抱かないのという、アミとルパンのやりとりは絶妙ですね。アミちゃんはきっとすでにルパンにほのかな想いは抱いていると思うけど、それを自分ではっきりと意識はしていないような気がする。でも、やまれぬ気持ちで、いろいろと確かめているのでは。だからルパンも軽くあしらってはいるものの、無駄にからかったりはしない。ルパン、大人だ。「おれは大人しか抱かねえの」って言ってるし。……とか思ってたら爆弾来たよ。
「峰不二子さんみたいな?」ってアミちゃんなにいきなり言うんですか!
そしてルパンもなに優しい良い顔してその名前を聞いてるんですか!「一部には恋人という噂もある」というアミちゃんの言葉に「その情報は古すぎるな。不二子とはもうそんなんじゃねえよ」って。えええ!わたし、ここで素で声が出ました。PART5のルパンって、不二子にはそのスタンスなの?いや、浄園Pのインタビューではたしかにそういう感じだったけど、いつものあの「ふーじこちゃん♡」じゃないんだ。マジか!ていうかアミちゃん、噂だけなら次元も恋人だからね!(違)次元も不二子も恋人ってルパンさまなんだかさすがだわ……。そして、あの、もちろんジゲフジ者としては一瞬、「ルパン様の公認キター」とか、その、思っちゃったりして……すみません……。
わたしがそんな風にあわててるうちに(関係ない)、五ェ門は一郎と一騎打ち。ここ、なんかもう五ェ門ずるいな!というくらいカッコよくてですね……。一郎の糸が首にかかったときの五ェ門の美しいこと。そしてまさかの「血煙」を彷彿とさせるこの戦いの結末には驚きました。さすが深夜。PART5の五ェ門は、つくづく人斬りで、そこがいいなあ。
一方、アミちゃんは冷静に、ここの殺し屋を全員始末したとしても、ルパンがずっと追われる運命にあることを指摘しますが、話が終わる前に、ルパンの前にネズミ一族の族長が現れます。この戦い、良かったなあ。次元も五ェ門も殺し屋を始末していったけど、ルパンそのひともまたルパンらしいやりかたで自分の命を狙う相手を片付けるのだ、ということが分かる。カタギじゃないの。
「うちの広報担当の分、お礼をしなくちゃと思っていたところだ」というルパンの背中をモニター越しでなく、肉眼で見守るアミがいいですね。そしてみごとに裏技(?)で勝利をおさめ「悪いな、おれにはまっとうに勝つって美学はねえんだよ」ってルパンさまマジルパンさま。もうどうしたらいいのこんなルパン。これ、小池ルパンじゃないよね?あくまでTVシリーズのルパン三世だよね?なのに、こんなに歪んで、ズルくて、悪くて、最高にカッコいい……。 もちろん、煙草の煙を吐いて「……美味い」という次元も、刃を鞘に納めて「悪くない日だった」という五ェ門。このふたりも悪くてカタギじゃなくて、しかもカッコいいんですよね。ルパン一味最高かよ。
しかし、そんなところに空から舞い降りてきた存在が。「不可解で最愛の敵」である、女そのものの、峰不二子の登場です。「おれを心配してきてくれたのか?」「まさか。あたしがあなたをおいかけるなんてありえないわ」に始まる、ここからのルパンと不二子のやりとりはもうなんというか思わせぶりすぎて考えるのがたいへん。しかしここでの「結婚式からわたしを盗み出したくせに?」って不二子ちゃんの発言に、一瞬、「どの結婚式?」と素で思ってしまったことを告白します。いや、あの、不二子ちゃんってよく結婚式するから……。そして、いかにも訳ありの大人の男女のやり取りを眉をひそめて聞いているアミちゃんがなんだかいじらしくて。しかしここで「プレゼントよ、ルパン。わたしからは4年ぶりの……どうせ殺されるなら、わたしにしてよ」とルパンに銃口を向ける不二子ちゃん、という衝撃の展開で本編が幕となりました!
つづいて予告。担当は五ェ門ですが、本編の結末で悲鳴をあげたわたしがさらにここで悲鳴を。キルケ―のごとき奇声をあげたね。いや、次回はどうやらブワンダに来た銭形がルパンとアミちゃんを連行して砂漠の中をさまよう展開っぽくて、題名も「銭形の誇りと砂漠の埃」で「洒落をいったわけではない」と照れる浪川五ェ門可愛かったんですが、すまない、わたしはそれどころではない。あのですね、この予告の冒頭にですね、次元さんが不二子ちゃんに銃口を向ける場面があるんですよ!それも次元が本気の、すごい目つきしてて。キャー(悲鳴)
待ちに待ったPART5での次元と不二子、ふたりの初接触がこれですか。マジかマジか。いや、そのですね、わたしみたいにこじらせたジゲフジ者としてはですね、PART5ってすっごくルパフジなのは間違いないから(EDからしてあれだしな)、過去のシリーズやTVSPがそうであったように、同じ画面に映っているとか会話しているとかがあれば御の字、PART4が奇跡のTVシリーズだったんだから、あれと同じものを求めてはいけない、心を広く持ってルパンに負けない紫モノクルを装着して、あるかないか分からないジゲフジ場面をひとつひとつ拾って愛でていこう、くらいの心持ちだったわけですよ。
……それが、いきなり濃厚すぎませんか。だって銃口を向けるんですよ。愛と憎しみは紙一重って本当ですね!
ええ、もちろん、分かってます。危機一髪のルパンのところに次元が駆けつけて、不二子に銃を向けているだけの場面ですよ。うん、わかってるの。たぶん、軽くいなされて終る。で、メインはルパンと銭形の仲良し珍道中だ。それは分かる。でもさあ……。よりによって初接触がこれかと思うと、動揺して吐きそうです(吐くな)。すごくびっくりした。なんかいろいろとサービス多いPART5だけど、わたし、ほんとうにそんなに期待してなかったから(そもそも期待するなという話かもしれない)(たまに忘れるんだけど公式ではふたりは恋人どころの話ではない)(たしか)(たぶん)(そうだっけ?)、いきなりこんなものを持ってこられて、ときめきが止まらないのです。いやあ、息が止まりました。
しかしときめきが止まらないといえば、今回のルパンさまですよ。なんだろうこのカッコ良さ……。悪いんですよ。すっごく悪い。でも、ユーモラスで、カッコつけて、頭もキレる。PART5のルパンってこうなんだなあと思うと、こんなルパンに毎回会えるかと思うと、いまから倒れそう。そして今回のシリーズは五ェ門がいいですね!人斬りなんだけど、サムライで、でもどこか純真なとこがあって可愛い。ふたりに比較すると、次元さんは新ルパンのブラッシュアップという感じで、路線を外さず、でもハードボイルド一辺倒でもなく、適度にお茶目で、すごくらしい。たぶん次元大介というキャラは完成されているから、微調整ですむんだな。
そして不二子ちゃんですよ。これまでに登場したルパン一味(+銭形警部)は、基本的なキャラ設定があるから、それを尊重しつつ磨き上げていけばいいんだけど、不二子は毎回、あくまでその時代のファムファタール、魅力ある女性キャラじゃないといけないのが難しいよね(それに気をつけたアップデートを怠ると、単なるテンプレ悪女キャラになってしまうのだ)。わたしはこのPART5っていうのはつくづく2018年のルパン三世だと思って見ているんですが、不二子にも2018年という現代のファムファタールにふさわしい女性像を見せてくれないかなと期待しているのです。思わせぶりで謎めいた悪女、でもいいんだけど、あともうすこしプラスアルファが欲しいなあ。不二子は本来、とても可愛い女でもあるんですよ。
あと、本編で「4年ぶり」って言ってたけど、PART4のあとすぐに続いた話というわけではないんですね。そのすき間に、不二子がだれかと結婚しようとした話があって、それをルパンが横からかっさらい、かといってふたりは結ばれたわけでもなく別れて……という展開があったわけでしょうか。そういえばEDにだれかに手を取られて走るウェディングドレス姿の不二子ちゃんの場面もありました。あれか。
とりあえず、楽しかった第3話でした。興奮した。原作キャラが出てきた楽しさはもちろんのことながら、それに負けないアミというキャラクターの深みやお話そのものの面白さが素晴らしい。おかげで感想もまた長くなってしまいました……。まだ第3話(たぶん次の4話がつなぎで、5話でこの「ルパンゲーム」の話は一段落かな?)なのに、こんなに楽しませてもらって最高の気分です。でも次の4話ではさらに大変なことになりそうです。わたしはPART4大好きだったんだけど、PART4がまるでこのPART5のための助走だったような気さえしています。いやあ、ほんとうにどうかこの調子で続けてほしい、PART5、大好きです!
※拍手にてご指摘いただいた個所を一部修正をしています。ありがとうございました!(2018.4.21)