ルパン三世PART5第10話「泥棒と泥棒」感想

 ルパン三世PART5第10話「泥棒と泥棒」の感想です。公式サイトによるあらすじはこちら(URL)。(わたしはHuluにて視聴しています)以下の感想は、完全にネタバレですので、大丈夫な方のみご覧ください。どうぞ!

 今回のアバンも、前回のラストの場面から始まります。黒い手帳を求めて、ギョームのもとを訪れたアルベール。しかし、そこにいたのは哀れな恰好で縛り上げられたギョームとほかでもないルパン三世でした。たがいの狙いは同じと知って、いったん、銃を収めるルパン。しかし、それだけのことだというのに、この場面のルパンの流れるような動きが素晴らしいですよね。

 アルベールは銃をギョームに向け「質問するのはおれだ」と言い切り、容赦なく引き金を引きながら、ギョームを追いつめていきます。その口から、ジョゼが裏切ったこと、大統領選を自らに有利に進めるためにテロを引き起こしているカルヴェス候補の存在、黒い手帳がジョゼの手の中にあるかぎり、警察上層部はジョゼの思うがままであることなどを聞き出します。ついにアルベールは「ジョゼはどこにいる」と駄目押しのように聞くものの、一瞬口ごもるギョーム。

 その表情を一変させたのは、ルパンが放った一発の銃弾でした。ルパンは、ギョームの後ろの壁に飾られた絵を撃ち抜いたのです。あの、この場面の、割れて飛び散るガラスの破片ごしにワルサーを構えている三世さんがカッコ良すぎて、どうしたらいいですか。えっと、ルパン三世って、通常はモンキーフェイスとかおサルさん顔とか言われちゃうひとのはずが、これ、フツーに最高にイケメンなんですけど。たしかに犯罪者だけどそれにしてもこの美しさは罪とか口走ったくらいにキレイで激しく動揺しました。じつはアニメイトタイムズさんの予告カット(URL)で、これを見たときから殺されそうになってました。PART5のルパン三世、こういうこと多くないですが。いいぞ。もっとやれ

 飛び散ったガラス片が頭に刺さって出血したうえに、ルパンがワルサーを構え直したのを見て、とうとうジョゼの居場所を吐いたギョーム。そのまま、ジョゼがいる古城に向かうアルベールとルパンですが、アルベールは「尋問はおれにまかせるんじゃなかったのか」と不満そう。それに対してルパンは涼しい顔で「手ぬるくてみてらんなかったんでな」とウィンクします。それを見たアルベールが大変に不快そうで、そしてルパンがご機嫌で、見ていてとても楽しい。このふたり、ずっとこんな感じだったんでしょうな。アバンはここまで。

 ジョゼの古城に向かって車を走らせるアルベール。「こうやっておまえを乗せて走るのもひさしぶりだな。ヘルシンキでおまえがドジ踏んで以来だ」と笑いますが、ルパンはルパンで「ほざけ、おまえがメキシコで殺されかけたのをおれが助けてやったとき以来だろうが」とくわえ煙草で笑います。このときの意地悪なドヤ顔がアバンで見たあのイケメンと同一人物なんだよ。ルパン最高。それにしてもこのエピソード2、こういう感じで台詞をまぜっかえすやりとりが多く印象的で面白いです。

 ルパンのそんな台詞に「馬鹿言え、そんなことあるわけ……」と一笑に付そうとするアルベールですが、そんな過去の一場面をたしかに思い出します。なにか古代遺跡のお宝かなにかを盗み出そうとしたのでしょうか。グインサーガの主人公みたいなの(豹頭だから)を前に危機に陥ったアルベールを救ったのは、たしかにルパンの銃弾でした。ここの若きルパンのカッコよさよ……。それでもそのことを素直に認めようとしないアルベールにルパンはイラついた様子を見せます。

 そんなとき、かれらの車を後ろから銃弾が狙います。「はめてて良かった防弾ガラス」と笑うルパンでしたが(可愛い)、ジョゼとはまた別口の治安総局の下請けが襲撃してきたと知り、「汚れ仕事の押し付け先には事欠かないってわけか」といささかあきれ気味。なんとか振り切ろうとするアルベールですが、敵はさらに追い上げます。しかし、そこにまた新たな銃弾が。

 次元と五ェ門の登場です。キャー!ハンドルを握りながらマグナムを使う次元に、五ェ門は助手席で腕組して座っているあたり、PART5の五ェ門は徹底してそういうところからは距離を置くスタンスなんでしょうね(バイクでもサイドカーだったしな)。そしてそれを見てアルベールは「白馬の騎士、登場か」と笑い、ルパンは「うえー。髭面のナイトさまってのはぞっとしねえけどな」と返します。えーっと、これを聞いたときのわたしの第一声はとりあえず「アルベール、自重」でしたごめんなさい。ていうかルパンも嫌がりつつも否定しないんだなあ。こういうときはせめてニュアンス的に「騎兵隊」でしょうとも思ったのですが(わたしのこの語句もたいがい古いな……)。それにしても、ルパンの恋人だったり騎士だったり、PART5の次元さんは大忙しだね!

 しかし、そんな会話のなにかを感じたのか、大きくくしゃみして狙いを外し、鼻水たらしちゃううえに、敵のマシンガンに帽子の下から丸い目を見せて驚く次元さん。そんな姿を見ることが出来てわたしは大喜びです。可愛い!次元さんは可愛い!そして、あわてて頭をひっこめた次元に代わり、いきなり立ち上がって斬鉄剣を振るい、得意の銃弾切りを披露する五ェ門。かれがそのまま宙を飛び、敵の車に乗り移るのを見届けると、自分は不敵に笑って車に銃弾を撃ち込む次元。この流れが最高なの。ふたりのバランス、銃と刀という組み合わせが、素晴らしいの……。

 そして、車の天井から五ェ門が斬鉄剣を刺すと、そのすき間から血が噴き出る演出にはどきっとしました。なによりも、このときの五ェ門の表情がすごく「人斬り」でね……。PART5のかれらにはこういうところが垣間見える瞬間がいくつかあって、まさに大人のルパン三世、2018年のルパンという印象です。

 やがて、いかにもしつこそうな敵を見て、次元は「こいつはおれが始末する。おまえはルパンといっしょに行け。向こうにはもっとやっかいな連中がいそうだからな」と五ェ門に言います。それを聞いて「心得た!」とルパンの車に飛ぶ五ェ門。ここのね、このときの次元の声の響きが、コバキヨさん最高って感じでね……。ちょっと笑って、仕方ねえなという感じをこめつつ、おそらくジョゼのところで待ち受けている連中の相手には、自分より五ェ門が適任だろうという的確な判断をする次元さんの、その心中まで察しちゃうというものですよ。ルパン、あなたほんとうに最高の相棒を持ってるんだよ!(三世さんの背中を叩く勢いで言ってます)。

 そして、それを見て「おせっかいな泥棒仲間がいるみたいだな」というアルベールに「ああ、おめえと違ってな」と皮肉に片目をつぶって見せるルパン。舌打ちするアルベール、という流れも良いですね。アルベール、基本的に人望が無いんだろうな(すいません)。けれど、少数が熱狂的に追いかけ回すカリスマタイプだと思います。ルパンは基本的に人たらしだけど、最終的にそばに残る人間は限られる、そんなタイプですかね。

 やがて、夜の森の小道を行くルパンたちの車(withボンネットの五ェ門)の前には、あのクロが。満月を背景に相対するクロと五ェ門の姿は、美しいといってもいいほどです。「ルパン、ここはそれがしにまかせろ」という五ェ門の台詞に、いったん抜いた銃を収めて先に進むルパン。ここで、ちゃんと銃を抜いているのがルパンらしくていいな。「いいねえ、あんた。あたしの好みだよ。血の匂いがぷんぷんしてさ」と笑うクロに、一瞬、苛立つ五ェ門。わあ、ここ、いろいろ考えちゃうなあ。

 一方、ジョゼのいる古城の入り口までたどりついたルパンとアルベール。モノクルで赤外線レーダーの存在を確認して、どうやってしのびこむか……というルパンに、自分たちの存在はすでに知られているのだから、「こっそりしのびこもうとするだけ無駄だ」と正面から歩き出すアルベール。「おめーには泥棒のロマンってものがねえのか!」と怒るルパンですが「ああ。そんなものは橋の上に置いてきちまったよ」とアルベールは振り向かずに答えます。ここが両者の違いというかなんというか。現実主義のアルベールとロマンチストのルパン。でも同時に、リアリスト(泥棒として生きる)のルパンと理想主義(フランスを手に入れようとする)のアルベールでもあるんですよね。ほんと、面白いわ、このふたり。

 そしてアルベールの言葉通り、ふたりの存在に気づいているジョゼ。おそらく、クロに始末を命令していたのでしょう。「しくじったか……いや、悪い癖が出たか」というその言葉の意味するものは?続く五ェ門とクロの戦いの場面を見て、なんとなく分かった気がします。クロは好敵手を見つけると楽しくて仕方がなくなるタイプなんでしょうね。しかし、ここの五ェ門とクロの場面はスピーディでカッコいい。月明りしかない夜の闇にまぎれてやりあうふたりの姿、素晴らしいです。

 さて、どうやら正面から侵入したのはいいものの、予想通りの敵の猛襲を受けて、東屋に身を隠したアルベールとルパン。「どうした、もう息切れか?」「おまえに撃たれた傷が痛むんだよ」「治りが遅いな、トシか?」というふたりのやりとりが実に楽しそう(アルベールが)。

 そして、正面の扉に一気に向かうしかないというアルベールの言葉に真面目にしたがい、「せーの!」で飛び出したものの、走り出したのは自分一人でみごとアルベールに囮に使われたルパン、という流れには爆笑しました。アルベールひどい(笑)。ここ、銃弾を受けてコミカルな黒目になるルパンが最高です。

 ようやくたどりついた扉に爆弾を仕掛けて蹴り開けたはいいものの、マシンガンがお出迎え。それを見て「おい、こんどはおまえが囮だ!」と叫ぶルパン。それに「馬鹿言え、こんなところに飛び込んだらハチの巣だ」と答えるアルベール。その返答に一瞬目を丸くして、「さっきおれにやらせただろうが!」とルパンは怒りますが、アルベールは「おまえならやれると思ったからさ」と答えます。それを聞き、見るからに不本意そうに「おだてたってなにも出ねえぞ」とふところを探るルパン。チョロい(ごめんなさい、つい言わずにいられずに)。そしてそこから出た手りゅう弾でみごと敵をせん滅です。それを見て「出たじゃねえか」というアルベールの悪い顔!この口の悪い感じ!このエピソード2、最初のあたりの冷血クールガイの雰囲気はどこへやら、ですね。

 しかしここまでのやりとりを見てたら、なんだかもう色々と考えました。だってもう、アルベール、機嫌良くない?というか、あなたルパンのこと大好きじゃない?という感じがそれこそビンビンしてて、笑っちゃうくらいです。なおかつ、アルベールが使ったようなひっかけはルパンもよくやることなんだよねえ。わたしはこれまでアルベールとルパンは水と油とか思ってたんですが、違いますね。このふたり、そっくりだ。それこそ、双子のように。でも、きっと、持っているなにかが違う。そんな感じがします。

 そして、とうとうジョゼの足元にまで迫ったアルベールとルパン。そこに現れたのは、あのガストンの故郷でルパンたちを襲い、カミーユを殺した仮面の男、ルブランでした。「あいつとはちいと因縁があるんでね」とアルベールを先に行かせるルパン。しかし、ワルサーの銃弾はどうやら通用しそうにありません。息を呑むルパン。というところでアイキャッチです。

 後半の舞台はクロと五ェ門が戦う、夜の森へ。五ェ門の斬鉄剣はクロの爪を切り飛ばしますが、一方のクロも、斬鉄剣に歯を立てて、五ェ門から刀を奪います。五ェ門の頬に傷が浮かび、そこから垂れていく血。五ェ門はクロに奪われた斬鉄剣を取り戻そうとぶつかりますが、クロの蹴りの前にはなすすべもなく地にうずくまります。とどめを刺そうと迫るクロ。しかし、その両目に、五ェ門が飛ばした破片が突き刺さります。それはさきほど五ェ門が切り飛ばした、クロ自身の爪でした。

 あまりのことにクロがひるんだすきに、斬鉄剣を奪い返し、走る五ェ門。その横顔はまさに、あの、人斬りの顔でした。一瞬の刃のきらめきのあと、「あんたの喉笛を食いちぎれないのが、残念だ、よ……」と言い残し、上半身と下半身がずれる姿で絶命するクロ。その倒れる音を背中で聞き、五ェ門は深くため息をつくのでした。

 ここ、すごいですよね。PART5のなかでも、いまのところもっともキツい描写だと思うのですが、それ以上に、五ェ門の人斬りとしての側面がこんなにクローズアップされるのが意外でした。「血煙」の流れを汲んでいるかのような描写ではあるけれど、それを単なる刺激的な場面に終わらせてないのは、BGMに流れる今回のVerの「斬鉄剣(五ェ門のテーマ)」ではないでしょうか。このもの悲しさ、夜の闇と月明り。PART5の五ェ門、なんかすごくないですか……。

 一方、ルブランを目の前にして「おまえとやりあうんじゃねえかと思って、いいもの用意してきたぜ」とヌンチャクを取り出すルパン。構えはけっこう本格的……と言いたいところが最後の「アチョー」で台無しっすよね。もちろんルブランが付き合うわけもなく、ルパンは銃弾から逃げながら「ノリ悪いなあー」と叫ぶのでした。あたりまえやん(笑)。落いつめられたルパンが逃げ込んだのは、中世の武器や拷問器具が収められた一室でした。

 そして、アルベールのもとにも、あのワイヤー付きの分銅を使う少年、アラニエが現れます。

 ルブランを相手に、中世の武器と防具を使って応戦するルパン。追いつけられたとみせかけて、ルブランをあの悪名高き「鋼鉄の処女」の前におびき寄せます。一瞬のスキを突き、ルブランをその中に叩きこむルパン。やがてあふれ出した血だまりを見て「じいさん、仇はとってやったぜ」とつぶやくのでした。この場面もスピーディで迫力ありました。そして、PART5のルパンらしく、時と場合によっては人殺しをためらわない。けれど人間味を失わない、そういうルパンでもあったと思います。月明りだけが差し込む、この薄暗い部屋の後姿の描写がたまらないですね……。

 アルベールもアラニエを相手に苦戦を強いられます。ワイヤーに吊り上げられたものの、特殊鋼を刃に使ったワイヤーカッターを使い、なんとか窮地を脱し「泥棒の七つ道具のひとつだ」というあたり、やっぱり泥棒としての矜持は忘れてないのかな。しかし、腕をやられ、銃はアラニエに奪われます。「ボクはこういう大きな音がするオモチャは嫌いなんだ……けど、せっかくだから、キミの持ち物で殺してあげる。だって、そっちの方が悔しいでしょ」と笑う、このアラニエの悪魔ぶりよ!そして響く銃声。

 やがて、ジョゼのもとにアラニエから侵入者を始末したという報告が入り、あとはルパンだけかとジョゼはほくそ笑みます。しかし、そこに現れたのはルパンそのひとでした。「……おれを殺しに来たのか」「先に仕掛けてきたのは、そっちだぜ」という短いやり取りのあと、銃で撃ちあうふたり。ルパンに撃たれ、ソファに崩れ落ちるジョゼ。勝負あったと思いきや、ジョゼの手首が飛んで、ルパンに電流を浴びせるのでした。ロケットパンチ(違う)。床に倒れたルパンにとどめを刺そうとするジョゼ。しかしその胸は突然の銃弾で撃ち抜かれるのでした。

 その弾を放ったのは、もちろん、アルベール。アラニエはアルベールがとっさに放ったアラニエ自身の分銅で目をやられ、ワイヤーに吊るされる最期を遂げたのでした。ここ、ちょっとクロにかぶりますね。どちらも自身の武器で、悲惨ともいえる死を迎えた。女子供がここまでの目に合うのはルパンでは滅多にないことです。しかし、女子供とはいえ、クロはたまたま性別が女というだけだし、アラニエもまた見かけ通りの存在だったかどうかは怪しい。

 ここで告白ですが、わたし、前半で、五ェ門をルパンに付いて行かせた次元のくだりが、理由が分かっていても、すこし不満だったんですね。えー、次元さんお留守番?とか思っちゃったの。でも、そこらへんはこのくだりを見て納得しました。ここの戦いは、あまりにダークで、ノワールというよりビザールに近い。次元にはこの雰囲気は似合わない。まあ、そもそもクロもアラニエも、マグナムでまともに対応できる相手ではなかったですけど……。

 アルベールは勝利を確信して笑いますが、倒れたジョゼの顔には不敵な笑みが。なにかを察したルパンは立ち上がり、自爆したジョゼからアルベールを守ります。並んで大の字によこたわるふたりがなんかいい。そして黒い手帳はルパンのもとに。おまえには必要のないものだ!とあせるアルベールに「ああ、そうだ。けどよ、おれはひとさまが欲しがっているものを見ると、横からかっさらいちまいたくなるんだヨ」と、皮肉な目で笑うルパンがいいですね。

 これまでさんざんアルベールにやられてきたけど、最後をさらうのはおれさま!という感じのルパン。一方、自分の身体の状態を再確認して「まったく、おまえってやつは骨の髄まで泥棒だよ」とあきれるアルベールの表情もいいです。このふたり、きっとこんなやりとりをこれまでに何回も繰り返してきたんだろうなという感じがします。

 一夜の冒険が終わった早朝に、ルパンはアルベールを送ります。途中で車を止めさせて、ひとりで帰ろうとするアルベールですが、足がふらつき、ルパンが支えることに。家まで送っていってやろうか?というルパンにアルベールは「よせ。おまえに親切心を起こされると蕁麻疹が出る」と拒みます。どこかで聞いたようなセリフですね。結果として、ふたりはろくな言葉も交わさずに、そのまま別れます。

 が、車に乗り込んだルパンは「アルベール、おまえも骨の髄まで泥棒だな」と笑い、アルベールもまたルパンから抜き取った黒い手帳を見て微笑みます。しかし、アルベールのその笑いはすぐに驚きにとってかわるのでした。なぜならその中身は白紙だったから。そして小口をずらせば、そこには、「LupinⅢ(ルパン三世)」の文字が浮かび上がるのでした。今回の事件のなにもかものはじまりだった、あのナポレオンの聖書の小口に「Albelt(アルベール)」と記されていたのと、同じように。

 そしてそれを見て「やられたよ、今回はおまえの勝ちだ。ルパン三世」とアルベールは晴れ晴れと笑い、それを川に投げ捨てるのでした。ここのアルベール、ほんとうにいい顔してたなあ……、このあとティッキーの待っているおうちに帰るんだろうな、と思うと、お疲れ、アルベールという気持ちにもなりました。ルパンもまた良い表情で、早朝のパリの街を車で走り去ります。おそらくは過去に、良い関係とはいえないまま離れたふたりに、新しい道が開けたという感がありますね。ここで本編が終了してEDが始まったからすごく驚きました。

 ED後。1階がカフェになっている、いつものアジトで、カルベスの大統領選撤退とギョームの更迭の記事を読む次元。「そういやルパン。例の黒い手帳はいったいどうしたんだ」と問いますが、ルパンは「ん?あれか。持ち主に返してきたよ」とトボけます。ガストンの墓の上に置かれたバラの花束が映って、今度こそ、エピソード2が幕。

 次回予告。担当は次元です。いきなりの赤ジャケルパンに吹いた。麻薬王パブロの遺産を手に入れるために南米へ飛んだらしいんですが、不二子ちゃんのボインボインのお身体が映ってそれどころではなくなりました。五ェ門も着物が青だー。割れるモチと不二子ちゃんのお胸の谷間はなんですかねこれ、サブリミナル?なんか派手な感じで、しかも色っぽい不二子ちゃんの出番がたくさんみたいだなーと思ってたら、いきなり次元さんが「ルパン、不二子なんか見捨てちまえ」とか言うからさらに吹いた。次元もあの濃いグレーのジャケットだし、これは新ルオマージュの一話完結モノですね!第11話の題名は「パブロ・コレクションを走れ」でした。楽しみ!

 というわけで、ルパン三世PART5、エピソード2が完結です。4話で終了だったのね。エピソード1とは趣が違い、不二子も銭形も出てこないというかなり思い切ったエピソードでしたが、そのぶん、新キャラであるアルベールがとても良かった。最初のテンプレクール系冷血タイプの悪役かと思わせるような登場からはじまって、その皮がはがれてからがほんとうに良くなった。肝心のルパンとの過去とか関係がまったく明らかになってないあたりも、わたしはむしろこれで良いと思います。このさき明らかになるのかもしれないし、ならないかもしれないけど。わたしとしては、あんな感じでチラ見せを続けられて、見ている側が勝手にいろいろ考える余地があるのも楽しいです。

 でも、わたしが思うに、アルベールとルパンはこの10話で見せたようなやりとりをずっと続けてきたんだろうなと思うんですよね。で、このふたりは気が合うといえば合うんだけど、じゃあ相棒とか仲間とかは無理!な感じじゃないですか(たぶん、アルベールが先に音を上げる)。それで、わたしがつくづく感じたのは、ルパン、次元を大事にしなよ……ということですね。いやほんとう、あんなに出来た相棒、見つからないよ……。

 あと、アルベールはティッキーという恋人がいるから、ちゃんと他者と愛情を構築してかつ持続できるひとなんだと思うけど、わたしが思うに、ルパンはそれできないひとですよね。「おれはひとさまが欲しがっているものを見ると、横からかっさらいちまいたくなるんだヨ」という台詞、わたしは不二子ちゃんのことを連想して、すこしどきっとしちゃいましたよ。ルパンはかっさらうけど、かっさらったあとの魂の面倒を見る人ではないのだ。そこが両者の違いかなあ……。

 しかし、アルベールの再登場は決まっているから、本当の意味でのルパンとアルベールの話はまだまだこれから、ということでしょうね。楽しみに待ちたいです。

 しかしこのエピソード2、本当に楽しませてもらいました。キャラの描写と関係性が、素晴らしい。不二子ちゃんが出なかった分、ルパンと次元と五ェ門、という三人の関係性と立ち位置がよりくっきりと面白く、しかもそれをわざわざ説明することなく、お話の流れのなかのキャラの立ち居振る舞いで表現するのがまた良いのです。楽しかったー!
 
 次回は一話完結話ですから、その次からまた次のエピソードなわけですが、いまのところどういう話かはまだぜんぜん出てきていないので、それも楽しみです。不二子ちゃんに登場を願いたい気持ちはやまやまながら、ルパンとのやりとりが、(ルパン的に)あまりウェットにならなきゃいいなあと思ったりもします。ジゲフジ的には、あの「天才金庫」を越える回はさすがに無いと思うのですが……(笑)。あと、個人的にはヤタくんが!もっと活躍してほしいです。

 というわけで、第10話の感想でした。エピソード2を終え、やっぱりPART5が大好きと思えて幸せです。自分が「ルパン三世」という作品にハマっているときに、現在進行形で放映されている最新作が最高に自分好み、それ以上の幸せがあるでしょうか。これからもその幸せにひたりつつ、感想を書いていこうと思います。PART5を楽しんでいるかたといっしょにキャッキャッするような気持ちで読んで頂けるようなものを書けたら最高だなと思います。拍手をありがとうございます。励みになります。メッセージもいつでも歓迎です。どうぞこれからもよろしくお願いします、ありがとうございました!

 >6月3日にフォームよりメッセージを下さった方へ(反転でお読みください)
  はじめまして、えだまめさま。メッセージをありがとうございました。とっても嬉しくにこにこと読ませて頂きました。PART5でジゲフジにハマるなんて、分かってらっしゃいますね!(笑)そして、わたしの作品へのお言葉、とても励みになりました。「アルファベットの花嫁たち」も「このうえない幸せを」も、自分でも好きな話です。それだけに、きちんと読みこんで楽しんで下さったことが伝わるお言葉が有難かったです。また、公式作品の感想も楽しんで頂けているなんて、光栄です。好き勝手に思うがままをつづっている感想ですが、作品を楽しむヒントのひとつとなっている部分があったなら嬉しいです。これからもいろいろと書いていきますので、よろしければまた読んでやってください。これからもよろしくお願いします!

2件のコメント

  1. とりこ。さーん、私も思ってました!
    2人の共闘を見て盛り上がりつつも、それにつけても次元ほど出来た相棒はいないよなぁと。しみじみと、あらためて(笑)
    最後、おウチに帰ってきたとこで終わった安心感、ハンパなかったですw

    1. >RYUさま
      こんにちは。コメントありがとうございます!
      ですよね(笑)アルベールとルパンの共闘、すごく楽しかったしカッコ良かったんだけど
      このルパンの相棒はやっぱり次元しかいないというか、次元くらいできた相棒はいないという結論に達しました。ルパンはもっと次元を大事にしていいと思います(笑)
      最後はやっぱりあのいつものアジトでふたりで過ごすって安心でしたね。PART5、これからのふたりの活躍も楽しみです!

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