ルパン三世PART6第1話「シャーロック・ホームズ登場」感想

 ルパン三世PART6第1話「シャーロック・ホームズ登場」の感想です。公式サイトによるあらすじはこちら(URL) 。以下の感想は、完全にネタバレですので、大丈夫な方のみご覧ください。では、どうぞ!

 舞台はまだ朝も明けないロンドン。いかにもの霧の深さがじつにそれっぽいです。ひとり街を歩く老紳士の姿をうかがうのは、次元、不二子、五エ門の三人。ここで初めて大塚さんの次元が登場。「フン」とすこし笑うだけでしたが、初台詞です。

 厳重な警備の建物に入ったフォークナー卿と呼ばれた紳士は「LONDON BLITZ OF LOVERS」(ロンドン大空襲の恋人たち)と題された絵を入手します。いかにもな絵画っぽくはない、お芝居か映画のポスターに見えますね。

 しかし、翌朝、屋外のカフェで、紳士はスコットランドヤードのレストレード警部に確保されてしまいます。紳士の正体はアルベール、それを見抜いた男こそ、本シリーズにおけるルパンの敵役(?)シャーロック・ホームズでした。わたし、この紳士がルパンなのかなあと思って見てたんだけど、みごと外れました。ホームズの推理によりアルベールの企みは白日のもとにさらされるわけですが、その様子を観察していたのが、ルパン三世そのひとです。ここでOP。

 今回のOPですが、どこまでもカッコ良くて楽しくて、どうしようかなと思いました。TVシリーズの復活にふさわしいシャープさに満ちていたPART4も、フランスらしいキュートさに溢れてたPART5も大好きなのですが、今回のOPはまさにいまのルパン三世! 良すぎて本編を進める前に、何回も見ちゃった。

 赤と黒を基調に描かれた、後ろ姿から銃を抜きざま振り返るルパンさまという冒頭から、ルパンファンのわたしのハートはわしづかみ。やだこのひとカッコいい。そして、その銃口から放たれた弾丸がタイトルに突き刺さって、水辺を疾走するフィアット、ルパンのアップという流れのスマートさ。今回の「ルパン三世のテーマ」はギターがカッコ良いので、ぴったりなのです。

 そしてロンドンの街角を歩く次元さん。2021年でもくわえ煙草のスタイルを保持してくださってありがとう。ポイ捨てしたその吸殻を切り刻むかたちで五エ門が登場という流れもいいのです。そのまま現れるルパンの顔を舞台に踊る不二子ちゃん。妖艶というよりは、キュートでグラマラス、若くなったなあと思いました。その不二子ちゃんの投げたカードに映るのはカップラーメンをすする銭形警部。らしいです。

 それに続くは、アジト(?)でご飯を食べまくるルパンと次元、そば(たぶん)をたぐる五エ門とワインを飲んでいる不二子という、この数秒でなんのご褒美ですかありがとうございますという楽しいカット。わたし、ここコマ送りで永遠に見てられる。

 ハンバーガーを頬張ったあと、箸でなにかをかきこむ次元さんが食べるの下手で可愛いったらありゃしない。次元さんが箸を使うの、あんがいレアじゃない? ルパンと次元が食べながらやりあってるのも、我関せずでグラスを口に運ぶ不二子と、そばを手繰る五エ門もいい。そして、このカットの最後、4人が同時に足を組み替えるタイミングよ。神か。ルパンのジタン、次元のグラス、肉食系女子の不二子ちゃん(ナプキンにルパンマークが入ってる)、五エ門のお猪口が映る流れがほんとに最高。今回のルパンはこういう一味なんだって感じがして、大好き!

 続いて、ピカデリーサーカスの電光掲示板と思しき建物をバックに歩く次元、ルパン、五エ門のカット。掲示板には不二子ちゃんのセクシーカット(歴代シリーズのオマージュになってます)がつぎつぎ映し出されますが、ちょうど次元さんのバックにひときわあられもないお姿の不二子ちゃんが映し出されているので、ジゲフジ!と思いました。わたしはそういう脳の構造なのでお許しください。まあすぐに銭形さんのセクシーじゃないカットに変わるのですが。

 ここでルパン、次元(目が見える!)、五エ門のカットから、ルパンと不二子のツーショット、その上を走る不二子とバイク、英国らしくティーカップを持つ不二子、二人乗りの自転車で走る次元とルパンと目まぐるしく変わるのも楽しい。建物の上を走る三人とそれを追いかける銭形さん、フィアット(上に五エ門が乗ってる)を追いかける銭形のパトカーと、並走している不二子のバイクが水面に映る四人のカットから、ネオンカラーのルパン、次元、五エ門の増殖(突然のYMO←すいませんどうしても言わずにいられなくて)のあとに、冒頭の赤と黒の基調で描かれる、ルパン、次元、五エ門というラストカットまで、実に楽しかったです。最高!

 今回のルパンはこういうルパンなんだなーと思いました。いろいろあったPART5のあとだけに、こうやっていかにも「ルパン一味!」という感じで描写されると、嬉しいな。基本は三人だけど、不二子ちゃんと銭形警部の扱いまで含め、新ルパンぽいんですよね。楽しいー。

 そしてタイトル「シャーロック・ホームズ登場」。「~LupinⅢvs.Holmes~」と添えられているのは、このエピソード(PART5同様に、時系列が連続するいくつかの別のエピソードで構成されているとすれば、ですが)のタイトルなのかな?

 フォークナー卿を騙るためのアルベールの動きを見抜くホームズの推理が語られますが、そこに現れたのはMI6。その混乱に乗じて、アルベールは絵を奪い、その場から逃亡します。しかし銃弾を受け、傷を負って追い詰められたアルベール。覚悟を決めたそこに現れたのは、ルパン三世そのひとでした。登場がイケメン。アルベールがすごくイヤそうなのがいい。PART5では似たようなシチュエーションで次元さんがお世話になりましたね。

 にしても、ルパン三世が現れたから、特殊迎撃隊を準備するっていうのもなんかすごい話ですが、MI6とはいろいろあったルパンだけに特別扱いなのかしら。ここは二クスがいなかった世界線なのかなあ。逃亡するルパンとアルベールをロケットランチャーでカバーして合流する次元さんが楽しそう! 疾走するフィアットに次元さんの長い脚がなかなか収まり切れずにぶらぶらしてるのも楽しい。ここ、カーチェイス自体はCGぽさが目立ちますが、ルパンの表情がいいなあ。

 そこにマグナムがきかない相手が! でも、どこからともなく(ホンマにな)現れた五エ門がいるから大丈夫ってつくづくチートな人たちだ。しかし、爆風にあおられて、絵はアルベールの元を離れ、半分に分かれてしまいます。その半分を拾った五エ門はお手柄ですね。

 アルベールとルパンの会話で、大戦後イギリス政府を陰から操ってきたレイヴンと呼ばれる組織と、そのお宝を10年かけてルパンが追ってきたことが明らかとなります。アルベールがフォークナー卿に目をつけた理由は密告者からの情報提供であることまで説明されて、ここでアルベールは退場となりました。早くまた出てきて、こんどはちゃんとルパンに借りを返すと言いつつやりかえしてくれると嬉しいな。このままだとただのかませ犬になってしまうので。

 一方、ホームズはリリーという女の子を学校まで迎えに。町の人々からも親し気に声を掛けられているふたりの住居はベーカー街B221。下宿の女将さん(というには若いけど)はハドソンさんというあたりはお約束ですね。リリーとホームズの関係がなにかわけありなことが示唆されて、Aパートはここまで。

 今回のアイキャッチは、なんと、「ルパン三世T」などのコミカライズで活躍されていた棘茸先生によるもの(URL)一目で分かりました。可愛くて楽しい!

 さて、Bパート。スコットランドヤードでは本物のフォークナー卿が釈放を要求していますが、ルパンとアルベールの狙いが分からないレストレードはこれを拒否。そしてここにフォークナー卿の秘書を騙って現れたのが不二子ちゃん。秘書にふさわしく清楚な装いながらも、お得意の胸元チラリを利用して、レストレードに絵を持ってこさせようとします。それを外で待ち受けるのはルパン。グラサン姿がいいな。

 そして、謎の黒づくめの存在が、囚われのフォークナー卿の元を訪れます。わたしは単に囮にされて保護されていただけのはずのフォークナー卿がなんでこんなにボロボロなんだろうと思ってたのですが、拉致されて拷問まで受けたってアルベールそんなことしたの? そして、謎の存在はおびえるフォークナー卿に近づきます。この場面で、10年前の裏切り者のホレイショ―(シェークスピア?)の存在、ブラックドローイング(侵入と言っているからにはこれがフォークナー卿の口走った部屋の名前?)といったキーワードが、謎の存在により口にされます。

 そこにまたやってきたMI6。エリオット部長が、レストレードにフォークナー卿の身柄の受け渡しを要求しに来たのですが、すでにフォークナー卿は謎の存在により爆死させられる運命にあったのでした。

 一方、ご近所の人と仲良くお茶を楽しんでいたホームズのもとに、スコットランドヤードでの事件の一報が。その混乱に乗じて、不二子は絵を手に入れようとしますが、そこに現れたのが銭形警部! はるばるやってきたって本当にはるばるなんでしょうね。そこで、手首ひとつで手錠を外しちゃう不二子ちゃんがキュートです。窓から逃げる不二子とそれを迎えるルパン(この銭形を見るときの顔がカッコいい!)。そしてそして、窓から追いかけかける銭形を止めるところで、八咫烏五郎くんがPART6初登場です! キャー(悲鳴)。ちょっと髪の色が明るくなったかな?

 ホームズとリリーはスコットランドヤードに向かいます(ここでハドソンさんの台詞で、懐かしい感じ、まるでかれが戻ってきたみたい、という言葉があります。かれってホームズそのひとってことなんでしょうかね)。また、ルパンと不二子は銭形の追跡を逃れようと、バイクでロンドンの街を失踪するのですが、ここでもルパンは「失敗したものは処刑する……レイヴンのやり方は変わってないようだな」とつぶやきますが、不二子もまだルパンとレイヴンの因縁を知らないことが示唆されます。

 タクシーで移動していたリリーとホームズですが、渋滞に巻き込まれ動けなくなります。しかし、その一瞬、バイクで逃走するルパンの姿を見かけたホームズは顔色変えて、リリーにレストレード宛の手紙を言づけます。

狭い路地を駆け抜けるルパンのバイク、警察車両との追いかけっこの場面ですが、ここ、わたしはごく自然に不二子とルパンがパートナーぽくなってるのが嬉しかったなあ。そりゃもちろん骨の髄までジゲフジ者のわたしではありますが、やはり公式ではルパンと不二子の関係は良好なものであってほしいのです。

 一方、レストレードの元に着いたりリーは、ホームズから託された手紙がただの白紙だったと知り顔色を変えてホームズを追いかけることに。ここのリリーは可愛かった。実は、そもそもわたしは小生意気なこどもがわがままで大人を振り回す系の展開がすごく苦手なので(「峰嘘」のジーンがギリ。「ノストラダムス」のジュリアはアウト)、この話でもリリーを愛せるかどうかをずっと心配してたのですが、ここで大丈夫かなと思いました。頭がいい子は可愛い。

 逃げるルパンと不二子は、スコットランドヤードの方向に戻る流れに。文句を言う不二子と困っているルパンの組み合わせが楽しい。銭形さんに一方的に詰められているヤタくんはもっと可愛い。そして再会するリリーとホームズ。「ホームズさんが昔みたいにもっと活躍できるように……」というリリーの台詞、ハドソンさんの台詞と照らし合わせても、昔はこんな感じじゃなかったってことですよね。その理由はおそらく……。

 そして、ガスタンクの爆風とともに、ホームズたちの前に現れるルパン。「リリー、大きくなったなあ」という謎めいたその台詞と(悪人声)、ルパンとの因縁を隠さないホームズの表情、ルパンを見て悲鳴を上げるリリーの姿で、第1話は終了です。

 そしてED。Akari Dritschlerさんによる「MILKTEA」は、曲も可愛いけど、カバーガールの不二子ちゃんのイラストも可愛くて、良かった。最後の照明を消す感じまで、EDにふさわしい流れ。大人の雰囲気で見せたPART4、本篇の流れも汲んだドラマティックなPART5とはまた違っていいですね。

 予告。「久しぶりだなホームズ」というルパンの言葉。五エ門対ホームズと屋根の上の次元さん(「スッキリ」で流れたあたりかな?)、「その髪と髭、どうしちゃったの?」という台詞から、昔はそうでなかったことが示唆されて、第2話のタイトルは「探偵と悪党」でした!

 というわけで第1話でした。まだまだ話の始まりというか、分からないことしかないので(笑)、感想も難しいんですが、まずは導入として面白かったです! いまのとこはOPにすべてを持っていかれた感もありますね。

 キャラ的には、大塚次元の初登場ではありますが、台詞が少なすぎて言えることはあまりなかった。でも、違和感はないし、これからいっぱい喋ってくれるのが楽しみです。そこはご贔屓、八咫烏くんにもいえる。まあヤタくんはそもそも活躍は期待できないので、名前があるモブレベルでもまずは出番があるだけでも御の字かなと思っています。で、たまにすごいことやってほしいの。空気読めないポンコツぶりを披露してほしいの。

 感想の中でも書きましたが、不二子がルパンと協力してイキイキお仕事してるのが嬉しかった。丸藤さんの不二子ちゃんは色気よりは健康的な美しさがあって、それが今回のルパンに甘えないけど冷たくもない、大人の不二子ちゃんに良く似合ってる感じがします。立ち位置的には新ルパンの頃同様に、ルパン一味のひとりとしてお仕事一緒にしてるみたいなので、その流れで声が若くなった髭のひとともいろいろからんで頂きたいです。よろしくお願いします。

 まあ、この1話だけで想像できるのは、10年前、レイヴンという組織とルパンになにか因縁が起きる出来事があって、その中でルパンはホームズともやりあった。当時のホームズは髪も髭もちゃんとしていて、活躍をしていた。そのホームズとルパンの争い(?)に幼いリリーは巻き込まれたことがあり、現在、ホームズはリリーの保護者となっているってことくらいですかね(レストレードも手伝った感あります)。裏切り者とされたホレイショという人物がリリーかホームズの関係者だったりするのかしら。でもホームズがリリーと暮らして3年なんだよね。リリーにもなにか秘密があるのかな。分かんないことばっかりだ(笑)。

 ルパンが悪党なのは別にかまわないというか悪党だと思いますので、だからといって過去の因縁で傷ついてみせたり極端にウェットにならなければいいなという感じです。まだ次元や五エ門とまともに会話してる場面もないので、三人の関係は未知数ですが、OPを見るかぎり、仲良くやってそうでなにより。謎で引っ張る展開だけに、ところどころで息抜きできる場面も期待したいですね。

 あと、未知数なのは、このホームズとルパンの話で、連続話はずっといくのか、それともPART5のように、大筋はありつつも(レイヴンという組織の存在)、いくつかの話に分けるのかというあたりですが、そこも今後の楽しみにしたいのです。オムニバスは言うに及ばず。

 個人的には、ちょっと絵の線が荒い気がするけど(レストレードさんとかもうちょっと細かく描いてあげてほしいというか、いかにもトムスのモブ顔なのでちょっとお気の毒。まあ文句なしのトムスのモブ顔、八咫烏五郎くんも、もっと細かく描いてくださってもいいんですけど)、キメるところはイイ感じなので、キャラデザの慣れの問題かなとも思っています。背景となっているロンドンの美術は美しいし。

 しかし、いまはとにかく、ほんとうにPART6始まったな!という喜びが多いです。だって、あと23話も新作のルパンが見られるんですよ。しかも毎週ですよ、毎週。楽しみしかないわ。PART5もそういう感じであっという間に終わったけれど、今回はどうなるかなと思います。もっとも、PART5は平日でしたが、今回は週末だけに、わたしの週末がもう大変。

 そういえば、前回の感想を読んで頂きありがとうございました(拍手もたくさんありがとうございました!)。わたしは、基本的に客観的な批評をルパンに向ける人間ではないので、無邪気に楽しみ誉めまくる能天気な感想ばかりになるかと思います(押井がやらかさなければ……いやそれさえももはや楽しみ)、そんなのんきな感想でよければ(あとジゲフジ視点に偏ったものになるのが前提ですが)、これからも毎回更新しますので、読みに来てくださったら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!

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