ルパン三世PART6第2話「探偵と悪党」の感想です。公式によるあらすじはこちら(URL )。以下の感想は、完全にネタバレですので、大丈夫な方のみご覧ください。では、どうぞ!
冒頭は、1話の直後の場面から。炎の中からバイクに乗って現れたルパンを見たリリーは、ホームズの腕のなかで気絶します。ルパンはそのまま逃走しますが、日本のパトカー(持ってきたの?)に乗った銭形警部とヤタくんが必死で追走。あの無茶な走りができるんだから、もしかしてヤタくん、運転技術すごいんじゃないの。そのまま川に落ちちゃう(そして平気)なあたりは、新ルテイストで楽しいです。ルパンは、姿をくらませることに成功。それを見送ったホームズは「なぜ、この街に……」と苦々し気につぶやきます。アバンはここまで。
スコットランドヤードを訪れたホームズは、リリーをレストレードに託してルパンを追いかけようとしますが、レストレードに止められて断念し、現場での捜査を開始することに。そしてここで、リリーが記憶を失っている事実が明らかになります。
一方、アジトでのルパンたち。絵の半分を手に入れたはいいものの、その意味はさっぱりというルパン。映画のポスターということで、ビデオでその映画を見てたりしています。ここ、新ルっぽい一味感があって楽しい。それぞれの個性が出てていいですね。
いつものようにソファに寝ころんでる次元と、同じようにソファに転んで爪のお手入れなどしている不二子ちゃん、お似合いではありませんか!(このふたり、どっちも怠惰なときは怠惰だからな……)。大塚次元がちゃんとおしゃべりしてるのを初めて聞きましたが(「スッキリ!」で事前に流れた場面ですね)、無事に聞きなれていけそう。はやく大声で笑う声が聞きたいな。そして、「絵の良しあしなど、それがしにはとんと分からん……」って真面目に言う五エ門が可愛いです。
ここでレイブンという組織の説明がルパンからなされます。レイブン=Raven(ワタリガラス)という名前から、八咫烏くんと関係があったら驚愕すると思いました(ねえよ)。そしてちょっと気になるのは、ルパンが映画を見ていたのは、いまどきVHSのビデオなんですよね。テレビデオ、どれくらいぶりに見たかも思い出せない。それくらい昔の映画で、DVD化もネット配信もされてないってことかな。隣にノーパソがあるので、時代設定がカオスってことはありえないし。テープを巻き戻す時間表示もなんかあるのかな。レイブンの財宝を狙って焦る不二子ですが、ルパンはホームズのことが気になっている様子。
そのホームズは、ルパンによると、世界でただ一人の「諮問探偵」。なにそれって感じですが、原作ホームズの職業名なのですね。「どういうかたちで継承されてるかはおれも知らないが……」というルパンの台詞がちょっとキーワードかも。なぜなら「ルパン」の名前もまた、アルベールが存在するこの世界線では単純な世襲制ではないはずだから……。ここで次元さんが懐かしのホームズ三世の名前を口にしますが、ルパンは「あんなまがい物と一緒にすると、痛い目にあうぜ」と笑ってます。
つまり、ホームズのことを知っているのは、このなかではルパンだけなのです。「なにがあったのか、あらいざらい喋っちまいな」と起き上がる次元さんの猫背がたまらなく次元さん。でも、ルパンは適当にあしらってそれに答えようとしません。1話で不二子に問われたときも答えなかったように。ここでルパンが寝ようとしつつも、次元に銃の手入れをしてるか問うのは、ホームズが来ることを予期してたからですかね。「誰に言ってんだ?」って銃を振る次元さんがらしくって嬉しかった。そして、ルパンは、ホームズが十年前のレイブン絡みの事件で、相棒、ジョン・H・ワトソンを失ったことを口にします。
一方、ベイカー街に戻ったリリーとホームズ。ここでのリリーとホームズの会話から、リリーの父親が、ホームズの相棒(H=ホレイショなのかしら)であること、その相棒が倒れた場所にルパンが居合わせており、幼いリリーがそれを目撃していたことが分かります。そのショックで記憶を失ったということですよね。覚悟を決めた様子のホームズは、髪をかき上げ、パイプとステッキを持ち、夜の街に出かけます。親し気に声をかけてくる近所の人々にも応えないまま。
銭形警部とヤタくんは、手掛かりを求めて、フォークナー卿のいた「ブラックドローイング」へ。ヤタくんがいっぱい喋ってて嬉しかったです。でも後ろ髪をちょっと切りたいです。バッキンガム宮殿の「ホワイトドローイング」と対になる場所なのかな。そのうち、バッキンガム宮殿で大暴れとか女王様にご対面とかコーギーに追いかけられる次元さんとか見れたらいいな(妄想)。ここでレストレード警部が現れ、銭形警部に協力を申し出ます。
じつはわたし、ここでレストレードが銭形さんたちをパブに連れて行ってまあ一杯という流れになってPVで一瞬見た酔っぱらいヤタくんが見られるのかな!と期待したのですが、それはありませんでした。残念。レストレードと銭形警部は気が合いそうなので、ヤタくんにもお友達が欲しいところです。あの、無駄にエラそうだったけどツメは甘いMI6のエリオットくんとかどうでしょう。
そしてひとり街を歩くホームズが、何らかの手掛かりを得た様子で夜明けをむかえたところで、Aパートは終了です。
Bパート。一時撤退とアジトを片付けているルパンですが、他の一味は納得していない様子。「いつものおまえなら、後先考えず突っ込んでいくはずだぜ」という次元に賛成するかのように「わたしのためにレイブンのお宝を手に入れてくれるんじゃなかったの」と怒る不二子ちゃん。一瞬、ふたりだけの絵になるのでわたしが喜びました。ふじこちゃん、お着替えしてるのがいいな。
そこに現れたホームズ。あわてて絵をお胸に隠す(隠せてない)不二子ちゃんと、その隣でモニターをのぞきこむ次元さん。ふたりの距離が近い。ヤバい。この場面、なぜここを突き止められたのかというホームズの推理の説明が(ルパンによって推測されたものとはいえ)、いかにもホームズの推理で良かったです。そうなの、ホームズはそういう感じで、いきなり「見たところ、アフガニスタン帰りですね」とかやるんだけど、その説明は理に適うものじゃないといけない。ここ、良かったなあ。
そして、それくらいの男じゃないとルパンの敵役にふさわしくないのですね。「さあて、厄介なことになったぞ」と言いつつ、ルパンの顔がどこか楽しそうなのはそれが理由かもしれない。
ここからがホームズの本領発揮の展開です。あの五エ門が翻弄されちゃううえに、バリツで投げ飛ばされちゃったのはちょっとお気の毒かなあ。わたしも、走りながらとはいえ、次元さんがこんなに外すのはちょっと悔しい(笑)。でも、それも単に超人的だとかご都合ではなく、どちらかというと頭脳戦の結果ではあるので納得です。
なにより、ルパンにたどりつくまえに、それ以外の面子を相手に出来ないようでは、ホームズの強さが表現されないので仕方なし。でもきっと五エ門はこのあと修行のやり直しとか言って滝に打たれに行ったと思うよ。で、自己流で覚えたバリツができるようになって帰ってくるよ(練習と称してルパンか次元が投げ飛ばされるところまで見えた)。
それでも次元の追撃に、地の利で勝ち目がないと悟ったホームズはドゥカティで逃走。それを見て「あの野郎、自分から乗り込んできて逃げるのか」と焦る次元さんです。このあとの流れを冷静に考えればみごとにホームズに乗せられちゃったことになりますね。でもいいの。それが、このあとの展開につながるので……。
というわけで、逃走するホームズを見て焦る次元のもとに、ハーレーに乗った不二子ちゃんが駆け付けて、「次元、乗って!」という、PART6(0話をのぞき)「ふたりの初めての共同作業です!」が来ました。予告カットを見てから、いつこの流れになるかずっと待ってた。「これがルパン一味の次元大介と峰不二子です」とかいうイメージカット一枚で終わったらどうしようかと思ってた。良かった。
しかし、あれだけブログでふたりの肉体的接触とかわめいてたわたしから、みなさんに残念なお知らせです。ここからの追走、画面を止めながら繰り返し確認したんですが、次元さんは不二子ちゃんの身体に触れてなかった! そもそも二人乗り用のシートもなにもないのによく乗ってられるなと思って見てたんですが、次元さんがつかんでたのはグラブバー(シートについてた捕まるための棒)でした! 紳士か! そういうとこは悪党でいいのに!(そっちの方が安定してるとかいうツッコミはなしでいいですよ)。
それでも振り落とされずにマグナムを撃てる次元さんの体幹能力こそミステリーかもしれない。無理せず目の前のつかまりやすそうな身体に捕まってもいいのにー。のにー。でも、次元というキャラを考えたら、やらないですよね、そりゃ。「墓標」のルパンみたいなこともしない(あたりまえ)。でもさー、肩くらいつかんでもいいんじゃないかなー……。
そしてそのままホームズに廃ビル(工事現場?)に誘い込まれたふたりは、みごとバイクを転がされ、次元さんは盛り土、不二子はなんとホームズの腕の中に飛び込むことになるのでした。
このくだりねー。じつは警戒してたんですよ。というのも、先日発行された「ルパン三世アニメ全史ぴあ」の不二子の紹介文で「色男に弱いのが玉にキズ」という一文があったのです。ほかの文はいつものテンプレなのに、これだけ添えられてるのは?と思ってたら、キャラクター紹介PVでホームズの腕の中のこの場面が一瞬あったので、もしかしたら……と思ってました。口に出したら言霊でほんとになっちゃうのがイヤで黙ってたんだけど……。
でも、ホームズにぽわわんとなってた不二子ちゃんは可愛かったのでオーケーです。それになにより次元さんが!「ふん! カッコつけやがって」って! ムカついてる! そりゃまあいいようにされて土くれのなかにつっこまされたんだから、それだけでもムカついてるだろうけど、でもなんか腹立ててる。「カッコつけやがって」の明夫さんの言い方がまた。あきれ半分という感じでいい。ヤキモチ? そう思った瞬間に、わたしが不二子ちゃんみたいにぽわわんとなっちゃいましたよ。えーえー、そうなの? 次元さんヤキモチ妬いてるの? つまりふたりはつきあってるの?
そんな二人を残し、ホームズはとうとうルパンと対峙することに。ルパンは五エ門や次元と相手させることで、現在のホームズの力量を量るとともにホームズを覚醒させたかったのかなあと思いました。「そんなんで本当にリリーを守れるのか?」って台詞がね。でもまあ、そこはまだ分からない。なんといっても「おれは悪党だ。嘘だって平気で言うし、人だって殺すぜ」なんだから。しかし、このふたりのケリがつくのはいまではない。警官隊がやってきて、肩透かしのようにふたりの勝負はお預けとなります。そして、リリーが見る夢。リリーの父を殺したのはルパンなのでしょうか……。
というところで終了。なんでルパンはリリーが記憶を取り戻しつつあることを知っているのか。ルパンの狙いは本当にレイブンの財宝なのか。普通に考えれば、リリーの父親(ジョン・H・ワトソン)を殺したのはレイブンの一味であり、ワトソンがホレイショであるとするならば、かれはレイブンの裏切り者だったことになる。でもワトソンの役目を持つ人間にそんな色付けするかなあ。
それか、娘の目の前で父親を死なせてしまったルパンが、それを負い目に感じ、ホームズにはリリーの前には現れないと約束したものの、レイブンの手がリリーに迫っていることを察してやってきたとかそういうベタな流れなのかしら。それじゃお約束すぎるよねえ。でも、ホームズはルパンをワトソンの仇とは見てない気がするんですよ。
まあいろいろと書きましたが、こうやっていろいろ予想して、あとで恥をかくまでがリアルタイム視聴のだいご味ということで読み流してください。なんといってもわたしはPART5第2話で五エ門がヤタくんの銃を切ったときに「二人はこれからライバルになるのかしら」とかほざいた女……。
とか思ってたら、EDのあとに、まさかのアルベールの登場! 嬉しい、噛ませ犬で終わらなかった! 世界中で目撃されてるルパンのカットが楽しい。オーストラリアのオペラハウスに北極に、ウユニ塩湖に、京都にタージマハールにニューヨーク! (右端の上はマダガスカルのバオバブの木かなあ。左端だけが分からない……ナイアガラの滝にしては寒そうだし)「ルパン三世とシャーロック・ホームズか」と不穏に笑うアルベールで、幕。
予告。あれ? いきなり雰囲気変わったぞ。「どでかい庭に作られたマーカス侯爵の田園鉄道」って、ホームズは?と思ったら、タイトルが「大陸横断鉄道(嘘)の冒険」。脚本「辻真先」の名前が。キャー! つまり、もう単発話が入るわけです。めっちゃびっくりした。しかもレジェンド辻先生ではありませんか。予告とかで出てたメイド姿の不二子ちゃんはこの話だったんですね、期待しかありません。楽しみ!
というわけで、連続話はここでお休みというか、二話しかないので、あくまでプロローグですね。そう来るかーという感じですが、このエピソードだけで何話も続けてみるよりは小休止あったほうが歓迎なので嬉しいです。ていうか、いきなりレジェンド辻真先先生が! (わたしは「迷犬ルパン」シリーズが大好きでした)いかにも新ルぽいテイストが感じられる予告ではありませんか。そう、ちょっとおかしい金持ちはルパン世界の必需品です。楽しそう!
さて、そんな第2話でしたが、このさきどうなっていくのかな? 1クール目のテーマはミステリー、2クール目から違うテイストになるならば、このリリーの話は1クールで終わるはず。ホームズはずっと出るのかな。わたしはまだホームズのことが良く分からなくて、好きとも嫌いとも言えないんだけど、これから好きになれたらいいなと思います。アルベールがそうであったように。
そして、あの、このわたしが書いてるので(こういう人だと慣れて頂くしかないのが恐縮のかぎりですが)、ジゲフジに関してもひとこといいでしょうか……。
まだ2話目でこんなこというのもなんなんですが、ぶっちゃけ、この話のメインだった次元と不二子の共同作業とそのオチまでを見たあとでは、PART6のふたり、ふつうにつきあってると解釈してもいいんじゃないかなとか思ってしまいました……。なんかこう、不二子の立ち位置が、ルパンに対してすごくフラットなんですよね。まあ、時代の流れか、2010年以降のルパンはそういう傾向が強いんですけど、普通に仲間っぽい。イチャイチャしてない。
となると、まあ、他の髭と職場内恋愛もありかなって……。たぶん、このPART6、0話と1話のあいだに0.5話があって、そこで「試し撃ち」をすませたのかなって……。
だって、不二子との協力作業があまりにもスムーズだったうえに、次元さんヤキモチ妬いてるんだもん。ホームズにめっちゃムカついてるんだもん! この展開はわたしには新鮮で、見ていて大変どきどきしました。ルパン相手には妬かないだろうけど、他の男だと面白くねえってことなんですかね。わーわー、そういうのもありだ。でも、不二子ちゃん、あんまりやきもきさせちゃ可哀想なので、ホームズのことはさっさと忘れてください(ホームズ、金はなさそうだから大丈夫だと思うけど)。
というわけで、そんな感想で申し訳ありません。まずはPART6のプロローグが終わり、これから本編といったところでしょうか。連続話はもちろん、単発話もすごく楽しみにしていたこの身としては、もう3話目でそれが見られるのが楽しみでなりません。6人のプロフェッショナルによる6本の単発話(……いや複数書いて下さってても何の問題もないし、2クール目に新たな人が追加とかも歓迎なんですが)をわくわくと待ちたいです。
それにしても、PART6のおかげで、土曜の夜と日曜が動きが取れなくて嬉しくもあり苦しくもありな週末です(笑)。でも、出来るかぎりは日曜に感想を更新していきたいです。これまでの感想も読んで下さって嬉しいです(拍手もありがとうございます!)。ほんと、こんな感じのオタク喋りの自分勝手な感想で、詳しい方からしたら失笑もののことも書いてるかもしれません。それでも、また読んで下ったら有難いです。これからもどうぞよろしくお願いします!