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「戸川純」(岡山デスペラード)
by くさてる
 お久しぶりです。まだブログは生きておりました、くさてるです。

 後述する事情でライブに行くことも出来ず、帝國も活動があんな感じで(わたし、神風の方はご縁が無くノータッチです)、すっかり読書ブログと化していたものの、それも忙しさにとぎれていました。まあそのほかにもちょっと忙しいことがあって、いまは主にツイッターにおります。

 まず、個人的なお話で恐縮なのですが、わたくし、2012年にライブで音響外傷からの突発性難聴をやりまして、ここ数年、ライブ参加を自粛していました。しかしいいかげん耳の症状も固定し(基本的にずっと低音が聴き辛く、疲れた時など体調次第で耳鳴りがひどいくらい)、これ以上良くも悪くもならないことが分かってきて、そろそろライブに行くのを再開したいなと思うようになりました。さすがに昔のような爆音系は無理としても(耳を痛めたのがまさにそういうV系のイベントだったので、気持ち的にリラックスして楽しめないと思うんですよね)。でもじゃあなにかと言われたら迷う感じで日々を過ごしていたわけです。

 そしたら去年の12月に、戸川純の歌手活動35周年を記念したセルフカヴァーのベスト盤「わたしが鳴こうホトトギス」が発売されました<amazon>。これがまああなた、素晴らしくて。ぶっちゃけ純ちゃんはやたらとベスト盤が多い方なので、最初はあまり期待してなかったのですが、このセルフカバー、ほんとうによかったのです。純ちゃんそのもの、剥き出しになった戸川純という存在をぶつけられているような歌声がそこにありました。

 ここでわたしと戸川純についてすこし語らせてください。わたしは彼女が一世を風靡した時代(80年代、いわゆる“お尻だって洗ってほしい”とかの頃ですね)にはまだ子どもだったので、後追いで、まずはいわばレジェンドのお勉強として聴き始めました。それでも、ゲルニカは正直、ぴんと来ず、ソロ作品もハマるものとそうでないものがあり……な感じだったのです。しかし、そこで、出会ったのが彼女のバンド、YAPOOS。よりにもよってリアルタイムで「ダイヤルYを廻せ! 」<amazon>です。あんなものを、遅れてきた厨二病発症中のメンヘラかぶれの十代後半の女子に聴かせてはいけません(真顔)。これと「Dadada ism 」<amazon>で決まりでした。
 
 この二枚のアルバムが当時のわたしに与えた影響たるや。そこの収録された一曲一曲にどんな意味があったかということを、ここでいちいち語るのはあまりに煩雑に過ぎるしこれ以上の黒歴史の陳列には意味がないので割愛しますが、どの曲も、まさに当時のわたしのテーマソングでした。しかしそれから時は流れ、YAPOOSの活動も止まって久しくなり、そんなこんなで気がついたら約二十年ですよ二十年!歳がバレるってもうええわそんなもん!そんな感慨にふけりながら、それでも単なる懐かしさだけではない新しさも、その「わたしが鳴こうホトトギス」から受け取りました。これはいいなあと思って、ついライブスケジュールを確認したら、なんと地元でライブが予定されているではありませんか。それで、とうとう5年ぶりのライブ参加を思い切ったわけです。

 心配な耳は、ライブ用の耳栓を準備して赴きました。この商品です<amazon>。結果として、たいへん快適に過ごせました。音の聞こえ自体も、かえってクリアに聞こえた気がするくらいです。終了後の耳鳴りも、映画やカラオケのあとくらいの感じで、時間の経過とともに落ち着いていきました。良かった。

 というわけで、前置きがとても長くなりましたが、戸川純、岡山デスペラードの感想となります。前述のとおり、わたしはコアな純ちゃんのファンとはとても言えず、ちゃんとしたファンのかたからしたら申し訳ないような記述もあるかもしれません。メモも録音も当然ながらしていないので、こまかいところで記憶違いなどあるかもしれませんが、ですが、当日感じた自分の気持ちの整理として感想を書いておきたいと思います。広いお心で見守って下さったらと思います。よろしくお願いします。

 デスペラードは、いつ以来かともったら2009年に人間椅子を見に来て以来でした。そのときも感じたけれど、この落ち着いた雰囲気、いいなあ。同世代かちょっと上の感じの客層で、にぎわっていて安心いたしました。

 しかし、10分ほど押しで始まったステージ。バンドメンバーが揃って始まった前奏で「バーバラ・セクサロイド」だ!とテンションがあがったところに、登場した純ちゃんを見た瞬間に駄目。涙ぐみました。だってピンクのフレームのサングラスにレース付きのバカでかいリボンがついた帽子ですよ。往年のピンクハウスを思わせるギャザーとフリルいっぱいのワンピースですよ。いま2017年なのに!そして約二十年ぶりに生で見た純ちゃんは、記憶よりいくぶんふくよかになってて(ご本人はやたらと“太ってしまった”“デブだ”“これじゃいけないとダイエットして7キロやせた”とまで言ってましたが)、あの折れそうだった少女めいた雰囲気が薄らいで、より柔らかそうな女性になっていました。そして、腰が悪いせいで、座ったままのステージとなりました

 しかし、それでも歌い始めると、なにかが一変した。ステージの上で、まるで見えない幕がばんっと上がった気がした。やはり声が。この声が。安定してるとはお世辞にも言えない、どこまでも不安定に揺れて震えて、なのに強い。はかりしれないほど、強いとしか言えない力があって、ああこれだ、と思いました。これが戸川純だと思いました。たぶん、声量とか声音ではなく、ただ歌うというこ自体が自己表現のひとなのですね。

 そして一曲歌い終えると、MCに。ちょっとびっくりするくらいの呂律だったのですが、よく考えれば昔からこんな感じの喋り方だった気はする。バンドメンバーも観客もみな一心に純ちゃんのたどたどしい喋りをにこにこと、時には心配そうに見守る感じ。そうこんな感じ。

 「バーバラセクサロイド」「ヴィールス」「シャルロット・セクサロイドの憂鬱」「肉屋のように」など、YAPOOS時代の名曲をつづけざまにやられて、わたしはもうくらくらしてました。泣いちゃうかなと思いつつも、とにかく普通に好きな曲ばかりなので、嬉しい方が大きかったのですが、Vampilliaとのコラボである「lilac」YouTube)あたりでキた。こういう曲を歌うときの、純ちゃんの声の優しさあどけなさはハンパない。ほんとうに、美しくてたまらない。

とか思ってたら、まさかの「赤い戦車」YouTube)が来てしまいました。これはあかん。号泣しました。背中震わせて泣きました。これはその昔、腰の手術を受ける前にだったか、その手術が失敗したらもう女優はやれないかもしれない、でもあたしはもう女優だったと思った純ちゃんが書いた詩です。人間のもつ生命力の賛歌、どのような運命でも生きると決めた人間の歌です。いつだったか、それこそ二十年くらい前に、いつかのライブでこの曲を聴いたことがあります。そのときも号泣しながら聴いたことを唐突に思い出しました。あのとき、わたしはただひたすらに、わたしも生きたい、生きたいですと泣いていました。なにをそんなに悩むことでもあったのか、いまではそのときのことをさっぱり思い出せません。そしていま、そこまでの切実さとはまた違う思いで、ただ、生きたいなあ、生きてきたなあと泣きました。

 歌の最後、それまで座っていた純ちゃんは立ち上がってまさに雄たけびとしか言いようがない声をあげました。言葉にもならず、意味もなさない、歌詞の最後の「色」という声が、響いて、わたしのなかに響いて。なんだろうなあ、理由は分からないけれど、この感想を書いているいまでも思い出したら涙ぐみます。ああいうものを聞けて、ほんとうに良かった。

 ここであまりに揺さぶられてしまったため、これが続いたらどうなるかなあと思っていたのですが、今回のライブは二部形式(おそらくは純ちゃんの体力のため)となっており、このあと数曲で休憩となりました。結果として、いい感じで気持ちを切り替えることが出来ました。助かった。

 二部は大好きな「Men’sJUNAN」で幕開け。その昔、ダウンタウンがやっていた番組でダウンタウンとその他の芸人たちが番組のゲストの持ち曲をカヴァーする(もちろん演奏するのです)という企画があり、そこに純ちゃんがゲストで来たときにこの曲をカヴァーしたことを覚えております。なんというか、おおらかな時代だった。
 それからは「バージンブルース」「吹けば飛ぶよな男だが」というカヴァー曲、これがほんとうに良くてうっとりと酔うような気持ちになったのですが、そこでまさかの平沢進「金星」が来てしまい、悲鳴を上げました。いや、純ちゃんと師匠の仲から言えばそう意外な選曲でもないはずなのですが、あの曲と純ちゃんの歌声、アレンジが美しくて、夢のようで、ほんとうに、夢のようとしか言いようがなくて。目を開けたままで夢の中にいる感じ。泣くとかそんなんじゃない、痺れるようなきもちよさがそこにはありました。

 そしてそのまま「好き好き大好き」や「諦念プシガンガ」「蛹化の女」と進んでいったときに、わたしは気づきました。そうか、わたしはヤプーズっ子だったから、これまでにソロの純ちゃんの曲を生で聴くことはほとんど無かったんだ!と。だからおそらく、ソロの代表曲のほとんどが初見なのです。その事実に気づいてからは、なんだか文化遺産でも見ている気になりました。いや日本人なら「諦念プシガンガ」はいちど生で見ておくべきだろう(錯乱してます)。そして歌詞のインパクトがなにかと取り上げられがちなこれらの代表曲が、生の歌で聞くと、その歌詞がすっと胸に入ってきて、単語のインパクトよりもそこに現れる物語性のようなもののほうがずっと重要に思えて、しみじみと染み入るものがあることがわかりました。「諦念プシガンガ」の、まさに諦めとしか言いようがない静けさと、でもそこにあるより大きな感情のうねりのようなもの、ほんとうに素晴らしい。

 本編ラストは「電車でGO!」。その昔、ランドセルと黄色い帽子をかぶってこの曲を歌っていたときの純ちゃんを思い出しました。が、いまの目の前の純ちゃんも、記憶の彼女に負けず劣らず、とてつもなく可愛かった。可愛いなあ、素敵だなあとにこにこしながら「GO!」とこぶしを挙げました。すごく楽しかった!そしてアンコールは「パンク 蛹化の女」でした。なんかここまで来ると、これらの曲を体験できたこと自体がお宝に思える。純ちゃんも立ってステージを動き回りながら歌ってくれて、とても嬉しかった。楽しかったです!

 というわけで、終わってしまえばただ浮かぶのは「とても楽しかった、ありがとう」の一言に尽きます。耳を傷めてライブに行くのを自粛してて、もう大丈夫かなと思いつつ行くのをためらっていたいちばんの理由は、もういちど同じように耳を傷めてしまったらライブに参加するということ自体を後悔してしまうんじゃないかということを恐れる気持ちでした。結果として、耳は傷めなかったし(耳栓超優秀!)、地元のライブということで体力も大丈夫だったし、なにより、ライブって楽しいなあ、やっぱりライブっていいなあと思えました。昔のような無茶な参加はできなくても、ライブに行くのが怖くなくなった。それがほんとうに嬉しい。

 いまよりもずっとずっと、普通でない女の子に居場所が無かった時代、変わった女子には見世物台か座敷牢しか準備されていなかったころ(純ちゃんは実際に自分をそう言うところに入れる話があったとインタビューで話していたことがありました)から、戸川純は、そうでしかいられなかった女の子でした。世の中に「個性的」と言われる女性表現者はたくさんいます。。浜の真砂は尽きるとも世に不思議ちゃんの種は尽きまじ。しかし、どうしてわたしが戸川純に惹かれたかと言えば、世の中にたくさんいるその手の女性たちは、みな(精神を病んだ子以外は)、結局、みな自分を肯定して、わたしはわたしよ!とポジティブに生きることを目標にしているように思えたのです。けれど、純ちゃんは、変わった女の子である自分にいつも戸惑っているようにわたしには見えました。その戸惑いが、リアルだったんです。

 みんなと同じでいたいのにどこが違うのか分からない。みんなが生まれたときからもっている「女子の生き方マニュアル」を自分も持っているはずなのだけど、どうやら自分のそれは落丁と誤植まみれっぽくて役に立たない、と途方にくれる女の子がこの世には一定数います。そして、間違いなくそのひとりであったわたしにとって、純ちゃんは、大人になる直前の自分に寄り添ってくれた、或いは手を握りあって世間という名の嵐をともに眺めてくれた、そんな存在だった気がします。そして大人になったいま、あらためて見れば、純ちゃんは間違いなくすぐれた表現者でパフォーマーで歌手でした。嬉しいなあ、ほんとうに素晴らしかった。

 そしてわたしはYAPOOSの新アルバムを待ち続けます。最後のミニアルバム「CD-Y」が出たのが1999年ですから、それからずっとニューアルバム「人類ヒト科」を待っているのです。今日のライブでも「またYAPOOSをやるときには」という発言がありました、楽しみです!ほんとうにありがとうございました。


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犬神サーカス団「『ビバ!アメリカ』レコ発単独興行」(岡山CRAZYMAMA 2nd Room)
by くさてる
 さて、ライブが続くよ日曜日。というわけで、今日は地元にて、犬神サーカス団のワンマンライブです。イベントではちょこちょこ見ていたのですが、ワンマンはなんと3年ぶり。

 本来は10月発売だった新作「ビバ!アメリカ」<amazon>は、ちょっとした事情の為、iTunesでのDL販売が先行となっています。犬神といえば、歌詞もとても重要なバンドの為、パッケージ販売を待とうかとも思っていたのですが、ついつい待てずにDLで購入しました。そしたらこれがあなた。大変な傑作。個人的には、「形而上のエロス」以来の作品です。それ以後のアルバムもどれも良作なのは間違いないのですが、この「ビバ!アメリカ」を聴いてしまうと、あともうひとつ欲しかったのかなあ…となんとなく思ったり。それだけこの「ビバ!アメリカ」が良かった。たとえば、他人にバンドをお勧めする際に、どれを聞かせたらいいか悩む事ってあるじゃないですか。無難なのはベスト盤かもしれませんが、本当ならば、そのバンドの最新アルバムを聴かせて「こういうバンドだよ!」と胸張ってお勧めできれば気持ちいいですよね。このアルバムはそれが出来るアルバムです。これだけの曲数(15曲)の、どれもが捨て曲無しで、どれも犬神、バラードも振りつけ曲も激しい曲もずらりと勢ぞろい。もちろん、犬神の世界観は濃厚にゆるぎない。たまらないです。そんなアルバムの発売記念ライブとあれば、期待も高まるというものですよ。
 
 会場は、外階段に並ばされるので印象深い岡山CRAZYMAMA 2nd Room。幸い、大して並ぶこともなくするっと入れました。お客さんは30~40人くらいだったからね…。イベントでは何回か来岡していますが、ワンマンで来るのはここ数年ではないことでは。それもあってか、地元バンドのO.A有り。
 
 まずは、KILER(公式サイト)。GtとVoのユニットで、今回が結成してから、ライブ三回目、とのことでした。訥々としたVoのMCによると、前のバンドで一緒だったGtとユニットを組むにあたり、活動頻度はゆっくりで行こうと話していたにも関わらず、Gtから来た今回の話はとても急で「一生のお願いだから」と言われたとのこと。なぜか。Gtが犬っ子だから。「怪談首吊りの森の頃からファンです、今回、サインをもらえるんじゃないかと淡い期待をもってきました」とにこやかに語るGtに好感度上がる。例えリップサービスだとしても、こういうこと云われると嬉しくなるじゃないですか(でも、Gtは後でブログに「よしき君へ」と書かれたサイン付きCDの写真をUPしていたので、リップサービスではなかったと判明)。でもまあね。そういうのはおまけでね。ちょっとね、えらいことが。主にわたしのなかで。チラシを見た段階では、正直、まったく期待してなかったのに。演奏が始まり、何曲も聴くにつれ、メロディアスな楽曲と抽象的で甘い歌詞、そしてVoのハイトーンで歪まない声が。が。ががが。わたしのなかのマスケラとかBABYLONとかが入っていた部屋をこんこんとノックして、「すいませーん新入りです」って云った。いま云った間違いなく云った!来たよこれ来た!という感じで、うはうはとCDも購入してしまいました。お友達が聴けば、はい、くさてるんの好みですねとお分かりかと思います。視聴ができるMySpaceはこちら。ぜひひとつ。 
 そんなわけでKILLERにふにゃふにゃしてたもので、続くセツナ神姫さんは、まったりと眺めてしまいました。様式美って楽しいなあと思った。

 そしていよいよ本編、犬神サーカス団の登場です。これからツアーに参加されるかたのために、曲名だけ保護色にしておきます。

 犬神サーカス団を生で見るたびに思う。この凶子さんの声が、音源で再現されないのはなぜなんだろう。もちろん、音源の声も素晴らしいんだけど、生声で聴くときの、響きというか質というか、とても可愛らしく、広がる感じが大好きです。今回のアルバムがわたし的に大傑作なので、そのアルバムのお披露目ツアーということで、期待はもちろんあったのですが、期待以上に、ライブで聴く新曲は良かったです。犬神はとても巧いひとたちなので、音源だけで完成されているのは間違いないのだけど、ライブではそれが再現されるだけで終わらない。当たり前と言われるかもしれないけれど、それが意外と当たり前でないバンドも多いと思うのよ…。アーティストが実際に眼前に実在している有難さというだけでない、ひとつの作品としてのライブ。そういう感覚を、別に芝居仕立てとか構成がどうこうというレベルで無く、感じることが出来ました。

 また、わたしにとっての犬神サーカス団は、出会った時期が個人的にとてもしんどかった頃で、その楽曲でずいぶん救われたという一方的な思い込みがあるバンドです。歌詞に励まされたとか共感したとかとはまた違う話で、歌詞も演奏も楽曲もぜんぶこみで、この曲に救われたという思いがした曲が何曲もあります。「夜が終わっちまう前に…」「鬼畜」「父親憎悪」などなど。今回のアルバムにも、いずれそうなっていくだろうなという曲が何曲もありますが、初聴からやられたのが、間違いなく「幼女人形」。絶対に放送されないどころか印刷された歌詞もあれだろうと思うものですが、この激しさと切なさ、美しさに、わたしは涙ぐむ思いになりました。この日のライブでも、この曲には激しく胸を掴まれたような心持ちになりました。どんな表現でも、その表現でしか現すことができないなにかがあるからには、そこに存在する意味を否定することは、誰にもできない。わたしは犬神の歌詞については、世間で思われてるほど、猟奇だの狂気だのというものは感じないのです。むしろそれを小道具にしながら、自然とにじみ出るなにかがある。それを受け取ればいい、そんな印象でいます。

 まあ、そんな理屈は置いておいて(笑)、今日も犬神サーカス団はみんな可愛かった!個人的にやりたいこと、というお題に、それなりに真面目に答えた兄さんたち(ジン兄「もっとピック弾きが出来るようになって、15周年で作ったピックを減らしていきたい」情次兄「楽屋でスポーツチームを作るとか盛り上がっても、いろいろ調整するのがめんどくさくて実現しない。なので、そういうことを調整してくれる若くて可愛い男の子を探す」明兄「小説を書いて賞金二千万を獲得する」)を見て、「みんなすごく真面目に答えてる…。あたい、雲に乗るとかそういうのでいいと思ってたのに…」とつぶやき、場の爆笑を引き起こして驚くきょんきょん。ツボに入って笑い続ける明兄さんとこみで本当に可愛かった。きょんきょんの笑い声は、それを聞くだけでこっちが笑っちゃいますね。極上。様々な振り付けや小道具に対応する犬っ子の皆さんを見て「みんな本当に柔軟ねえ」というコメントもおかしかった。みんな楽しそうなのでいいと思いますよ!
 あと、グッズのシュシュについて「一個ニ個じゃなくて三個着けるのが東京では流行ってるんだよ、トリプルテールって」としれっと云う情次兄さんも地味におかしかった。「振りつけは、フリーで行こう」とお約束を忘れない明兄さんといい、可愛い謎の店員さんが愛らしかったジンさんといい。犬神はメンバーみんなが犬神サーカス団を楽しんでいる感じが伝わってきて、それだけで、見ているこっちも楽しくなります。

 曲について。「ビバ!アメリカ」収録曲は全部演奏したんじゃないかな?一般に、バンドの新譜発売のツアーでは、新曲中心だと、つい過去曲が聴きたくて寂しくなることがあるのですが、今回は問題なし。アルバムを事前に聴きこんでたせいもありますが、ライブ映えする良い曲ばかりで、本当に楽しかったです。とりわけ、ライブで絶対に楽しいと思っていた「メメントモリ」や「DEAD END KIDS」が予想通りに楽しくて、しっかり拳を上げてました。また、「華麗に舞え!」にあんなに可愛い振りつけがあるとは(笑)。犬神の振り付けはその場で見てもすぐに対応できる難易度なので、有難くも楽しいです。また「CRAZY CAT LADY」の「猫にゃんにゃんにゃん!高部知子もにゃんにゃんにゃん!奥菜恵もにゃんにゃんにゃん!」には笑った。年齢ハードル高っ(笑)。 新曲以外では、大好きな「花嫁」が嬉しかったし、まさかのアンコールでの「黄泉の国」では、実に楽しく振りつけさせて頂きました。最後の最後での「命みぢかし恋せよ人類!」は、定番ながら、盛り上がるので良かった。ああ楽しかった。

 安定した完成度でいつも楽しませてくれる大好きなバンドです。今後も見ていきたいと思います。ありがとう、犬神サーカス団。

|| 22:44 | comments (x) | trackback (x) | ||
「セットリストがリクエスト!?年末ファン感謝ワンマンツアー 〜あなたの想いが届いたから〜」グルグル映畫館(HOLIDAYOSAKA)
by くさてる
 さて、今回は、グルグル映畫館-セットリストがリクエスト!?年末ファン感謝ワンマンツアー 〜あなたの想いが届いたから〜-に参加です。グルグルはやっぱりワンマンで見たいなあという思いが常にあったところ、願ってもない楽しそうなリクエストツアーということで、日程的にも問題なく、うはうはと参加いたしました。ちなみに三曲限定だったリクエスト、わたしは、「そのままでいいよ」「僕」「滔々と」でした。
 当日は、寒さが厳しくなっていた大阪でした。大阪駅に到着すると、何度行っても迷ってしまうHOLIDAYOSAKAに向かいます。途中、大きな宝くじ売り場があったので、勢いにのまれるように購入したり、歩道橋上でぼんやりしているところで、真夜さん姉妹と合流になりました。お茶しながら見せた結婚写真の感想は「うん、横溝正史劇場に出てたよね“血塗られた花嫁”とかいうタイトルで」というものでしたが、これがまた、白無垢のわたくしは、本人も否定できない昭和の花嫁でして…。洋装は、なんか70年代の洋画みたいな色合いで、ドレスもカメラマンさんにも罪はないと思うのだが…。そのあとはいつものお店をぶらついたり(負けなかったもん!)、隔離室のようなマック喫煙室で芋にまみれたりしていましたが、開演時間が近くなると、再びHOLIDAYに。しかし、その途中のお初天神通りがわたしを吸いこんでしまいそうで、実に危うかった…。チェーン店ぽいお店までわたしを誘うんですもの…(それは単に呑みたかっただけでは)。

 さて、いよいよ開演。セットリストは、天野鳶丸氏のブログより転載。

-蒲田行進曲-
1.春の白さに僕、負けた。
2.どうしてくれようこのヱレジィ
3.君と僕との彼岸の唄
-MC-
4.月に行った猫
5.日曜日の朝
6.りっしんべん
7.赤い花・空の青
-MC-
8.そのままでいいよ
9.ロックンロールは形而の下で
-MC-
10.滔々と
11.想像
12.破戒
-Dr+MC-
13.痴人の恋
14.百万回目の夕方に
15.14歳の斜陽
-大人になった僕へ-

en1
1.ダダだ
2.知ったかぶりの猫かぶり
3.ブ然たり

en2
1.ケガレモノ達のララバイ

 やだもうどうしよう。このひとことに尽きるセトリといえるかもしれません。一曲目がいきなり「春白」で吹いたところに、大好きすぎる「エレジイ」が始まって、これで三曲目が「このままでいいよ。」だったら、わたしはそのままおうちに帰ったかもしれません。「見るべきものは見尽くした」とかつぶやいて。いや、まだあるんだけど!しかしこの「エレジイ」は本当に良かった…。グルグルらしさと楽曲の良さが見事に合致しているだけでも、大好きなのですが、サビの部分の悲鳴のようにうねる天野氏の歌声が実にたまりません。素敵。

 「月に行った猫」に、しみじみしたり、「りっしんべん」に名古屋の存在しないM嬢の悲鳴を感じたりもしましたが、これまたお気に入りの「赤い花・空の青」も嬉しかった。グルグル映畫館は様々な切り口から見ることができるバンドだと思いますが、わたしとしては、こういう抒情的な部分がさらなる感情を引き起こすような曲がたまらない。そういう意味では個人的にグルグルを代表する一曲だとまで思っています。終わってしまった季節。届かなくなった声。それでも存在する「僕」。

 とか言ってたら、まさかの「そのままでいいよ。」です。「りっしんべん」を演奏した段階で聞くのを諦めていたこの曲に(どういうジンクスやねん)、狂喜乱舞。曲として大好きなのはもちろんですが、思えば、わたしにとってのグルグル映畫館はこの曲で始まったのです。それまでまともに聴くことはあえて避けていた部分もあったバンドだったのですが、「宇宙と恐竜」の話があって、先入観無しに天野鳶丸というひとに興味を持って、ちょうどそのときに初めて聴いた曲がこれだったのです。これ以外も含めて、あのミニアルバム「そのままでいいよ。」は大好きですが、いやあ、もう本当にこの曲は素晴らしい。ロックとして優れた曲だと思うし、それにのっかる天野氏の歌詞もグルグルぽいとかそういうの抜きで、たまらなく好き。こういうひとのこういう視点でないと書けない、ある種可哀そうな、でも残酷な、人間の一部分を切り取った曲だと思います。名曲だ。そのまま「ロックンロールは形而の下で」に続く流れも良かった。

 流れといえば「滔々と」(咲いた)のあと、「想像」に続く流れも、良かった!「滔々と」はとても古い曲だし、「想像」は最新の曲。けれど、この繋がりはまったく不自然でなく、むしろ自然すぎるくらい。「想像」も良い曲ですが、ライブで聴くとこんなにまた良いんだなあと実感しました。「滔々と」の余韻を壊さない、むしろ生かすような雰囲気で、聴いていて実に気持ちよかった。

 アンコールも「ダダだ」にはレア曲というだけでなく大変に盛り上がり、気持ちよく頭を振れましたが、隣の真夜さんが柵でそのまま前方にくるんと回転しそうな勢いだったのが大変に楽しかったです。それがちょっとうらやましかった。こういう、バンドの歴史に沿って自分の思い出が重なっていて、一曲一曲に思い入れがあって、より深く味わうことができること。その感覚の楽しさを知っているから、それがすごくうらやましかった。わたしにもそういうバンドはあるけどさ(笑)。でも、いいなあ…。

 終演後は、新幹線の時間があったので、あわただしく、けれど呑みたいという気持ちを諦めきれずに、真夜さんたちと軽く打ち上げ。今度はぜひ、もうちょっとゆっくり呑みたいですね。

 一年の締めのライブとして、とても楽しい時を過ごしました。ありがとうグルグル映畫館。

|| 19:15 | comments (x) | trackback (x) | ||
「密典カーニバル」GARGOYLE(岡山ペパーランド)
by くさてる
 さて、今日は岡山ペパーランドにて、GARGOYLEです。
開場ぎりぎりに着いたけれど、その時点でお客さんはざっと40人ほど。いつもの岡山ガーゴイルですね。でも、日曜のわりには少ないかなーと思ったり。

 さて、そもそも今回のツアーのもとであるアルバム「黒密典」<amazon>の感想がまだだった。素直に絶賛、いまや大のお気に入りである「龍風」、地味に面白がれた「刀」と違い、なんだかとても曲者な感じがするアルバムです。聞いても聞いても違う味がにじみ出てくるようで、うまく感想がまとめられないままでした。正直、初聴の印象は「バトルみたい」。ぱっと聴きにはそうメロディアスでない。けれど、よくよく聴けば、ちゃんと存在しているメロディラインが陰になって凝った構成を支えているような、印象としてそういう楽曲が多かった。なのに、結果としてポップな感じもあったりするのがまた面白い。決め曲にはならなくとも、「この一曲のためにこのライブに来た!」と言い切るお客さんが存在しそうな、癖のある楽曲たち。でも、GARGOYLEであることは変わらない。これだけ長いことやってるのに、自己の再生産のループに陥らないGARGOYLEは本当に面白いと思った。そういう曲が中心なだけに、ライブで聴いてみないと最終的な評価は出来ないのかもしれないとも思いますが、まずは音源をしっかり聞き込んでおきました。GARGOYLEはライブで聴いてなんぼ、という考えにも、わたしは賛成ですが、でも音源も立派なGARGOYLEの作品なんだから、それだけで判断するのも別に間違いじゃないよとも思います。ライブは生き物なだけに。

 今回は「黒密典」の曲を全部やる、ということだったのですが、一曲目がそれこそ「enigma」。お好きな人にはたまらないタイプの曲で、ひとによってはこれこそが「黒密典」と太鼓判を押すんじゃないかな。もちろんわたしも大好きです。「ようこそソドムへ」の歌詞に痺れたわたしはしょせんそういう人間なのですが、いいじゃないですか、このカッコつけが!そして、この曲で、ギターソロの前に、真っ赤なマントをひるがえしゆくぞぼくらのKIBA姫が。いやその。今回のKIBAの衣装は、懐かしい感じでチャイナでごてごてで、ものすごく好みなのですが、そのきらきらしい感じが、「enigma」という曲にすごく似合う感じがした。マントですよマント。黒と金に染め分けた御髪も、肩のあたりまで伸びてきて、とてもいい感じです。
 しかし「黒密典」の曲は、どれも意外なほどライブに映えて、楽しかった。「ゼロブラッド」があんなに可愛いと思わなかったし、タイトルを最初に聞いたときには驚いた「ぶっちぎりクラッシュ!」も、躍動感があって、実に良かった。個人的には「黒密典」というアルバムを一曲で紹介するのならこれを選びたい、実に印象的で不思議な音、でもたまらなくカッコいい「Psychological treatment 」が、ライブで聴くと、こんなにアガるとは。全身が浮きそうなアガりかた。音の響きが生理的に脳神経に作用するんじゃないか、あれ。
 またGARGOYLEの歌詞といえば、どれをとっても座右の銘にしたい印象的なフレーズが多いということは周知の事実だと思いますが、わたしとしては「マグマキッド」の「軽蔑するものは敵にも選ぶな」という一言がベスト。この矜持。予想通りに可愛らしく楽しかった「ガラポン」の「まじめに遊ぶんだ/まじめにふざける/まじめに適当を極める」もいいのですが、なんというか、これはもうすでにずっと似たようなことを実践している気もする。あー、だからGARGOYLEが好きなんだな、わたし。

 「黒密典」以外の曲は、結果として少なかったのですが、わたしとしては何年ぶりか分からない「懊悩の獄」が。「懊悩」が(昇天)。手振りがよどみなかった本能万歳。また、「龍風」から選ばれたのが、二曲ともわたしの大好きな「人間の条件」と「楽園に死す」だったので、も一回昇天。好き好き大好き。「楽園に死す」は、ひとつのライブ中で、あと3回やっても問題ないです(わたしは)。疾走感とせつなさが混ざり合ったあの感じ。たまらない。

 MCも楽しかったです。今日はどのメンバーも良くしゃべって、また一人のしゃべりに他のメンバーも遠慮なく突っ込んで重なる感じで、面白かったなあ。今日のライブは記念すべき1001本目。つい先週チッタという大きなところで100本目の記念ライブをやったあとが、ツアーのなかでも一番小さなここというこの落差がいいねという話になりました。TOSHIくんによると、岡山では、もうずっとペパーランドでしか演奏したことがない(イベントは別)。名古屋なんかあんなに転々としてるのに…(アポロシアターでやったこともあるんだよな。それ行きたかった)と、「こうなったらもうずっとここでやる!どんなに客が増えてもここ!300人でもここでする」ってその300人という数字の微妙さが素敵。「そのかわり、入りきらんから、6回回しな。ジャニーズ方式で、三回目からは口パクや」ひどい(笑)。なんかそんな感じで、TOSHIくんが面白かったです。「岡山愛してるよ」と云ったあと「まあ二日後には神戸愛してるっていうてるけどな」と落とすあたりがさすが。「浮気性やから…(ブーイングを受けて)そんなオレが好きなくせに(笑)」ってもうあなたどれだけTOSHIくん。そして、それを受けて「岡山愛してるよ」と云ったとたんに、会場全体の爆笑を受けてしまうKATSUJIも可愛い。

 そういえば、44歳になるKIBA姫は、みなにおめでとうと言われて愛想を振りまいてました。実に愛らしいのですが、その勢いで、投げキッスまでされました。ちっす姫がちっす。わたしが激しく動揺。

 アンコールのMCでは、三日後の広島のチケットがやばいらしいという話に。GARGOYLEの最低観客動員記録は、高知ワンマンで38人という未だに破られていない「燦然と輝く」(TOSHIくん曰く)記録があるらしいのですが、三日後にライブを控えて、現在はその半数も売れてないという話。むしろ行きたくなりますよね。「だからKENTAROくん貸切りや」と言われて「なんでぼく?」と困るKENTAROに、KIBAも困って「その…カッコいいから」っていうのが地味に面白かった。あ、「みんな来てくれ。KENTAROの衣装も隠しておくし」っていうTOSHIくんも面白かったけど。ヌーディストギタリストが見られるかもしれないらしい。「なんで広島あかんのかなあ」「若者おらんのかな」って行ったTOSHIくんへの、GARGOYLEのお客さんは若くないっていうツッコミはわたしがその場で心の中でつぶやいたからみなさんもういいですよ。そのまま「単車乗って忙しいんかな」「ぴったりの曲あんのになあ」とぼやき続けるKIBAとTOSHIが面白い。記録塗り替えかなあ…というそんな年寄り二人(あ)に「記録塗り替えたら、ぼくらもう広島行けなくなってしまう。そんなの、ねえ…」と真面目にコメントするKENTAROは、なんというか、苦労を知ってるな。

 そんな楽しいおしゃべりタイムもはさみつつ、肝心のライブは、やっぱり楽しかったですよ。昔と違ってきたのは、こっちもなのかあっちもなのか分かりませんが、昔のような酸欠で汗だくだくでつぶされるーとかじゃない、もうちょっと余裕はあるんだけど、でも、声の限りに叫ぶ、こぶしを振り上げる、頭を振るということには変わりが無い。お客さんがライブを愉しんでる感と、もちろんメンバーもというのが伝わってくる、すごく良いライブなのです。GARGOYLEの曲を媒介として広がる、心地よさ。この感覚が、わたしは大好き。三回目のアンコール「CRAZY SADISM 」でTOSHIくんが客席に乱入して、みんなが輪になってそれを囲み「CRAZY SADISM 」と拳を挙げたときの、あの楽しさと激しさ。わたしはGARGOYLEが大好きです。
 
 KIBAもMCで「22年前、GARGOYLEをはじめたのは、なんか楽しそうだったから。ファミレスで二三時間しゃべるのも楽しい。公園で花火するのも楽しい。最初はそんないくつもある楽しいことのひとつでしかなかった。でも、いまでもずっと楽しい。なんか楽しいでいいんじゃないか」ということを云っていましたが、うん、わたしもそう思う。楽しいと思う気持ちは、大人になるにつれて、色んなことに邪魔されていく。いちばんは自分のナチュラルな気持ちよりも他者の目を優先することなんじゃないかと思うんだけど、でも、きっと「なんか楽しい」は、最終的に人生を救ってくれると思います。

 終わったあと、ガーゴイラーの皆さんが興奮さめやらずな感じで、口々にどの曲やった、あの曲で泣きそうになったと言われているのが、なんかわたしまで嬉しくなって良い雰囲気でした。やっぱりライブが終わったあとは、興奮して、いつまでもいつまでもそのライブとバンドの話をしていたい。すごく好きだというその気持ちのほとばしりを斜めにかまえてみせることで無駄に流すことは、もうしたくないと思います。

 そして終演後のがちゃがちゃをなにげなく回すと、一発でTシャツを引いてしまい驚きました。わたし、がちゃがちゃ運だけはなぜか強くて、Tシャツはこれで二枚目、メンバー写真の写るんです、などを当てています。ただし、メンバー写真はすべてKATSUJIという、それで計算あってるのかなって大変に失礼ですね。今回のTシャツはGARGOYLEというバンド名に合わせてのガーゴイル模様で、カッコよくて嬉しいです。

 本当に楽しいライブでした。ありがとうGARGOYLE。これからも大好きです。

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メトロノーム ONE MAN TOUR-2009- 「Please Push Pause」(岡山IMAGE)
by くさてる
 今月末での解散決まったメトロノームのライブです。地元ながらも、色々と考えてぎりぎりまで行くのを迷ってるうちに、チケットを購入するタイミングを逃していました。それを、思わぬご厚意で見ることが出来ました。ありがとう、かのるん。
 わたしが初めてメトロノームを見たのは、なんと「宇宙と恐竜」が出たイベントです。七年前。うきょが復活したその年に、同時に出会った彼らとお別れする。まったくもってただの偶然にすぎないんだけど、うきょを見るときにはふと思い出すような、そんな気がしました。初めて見たときの印象は「素敵なピコ音」。それだけだったら、そのままだったかもしれないけれど、そのときに聴いた「ハーメルン」がすごく心に響いて、お気に入りのバンドとなりました。それからもずっと、音源を押さえていて、ライブにも機会があれば参加していました。ものすごく入れ込んでいたわけではないわたしが、感傷的になる資格はないのでしょう。ほぼ間違いなく、かれらを見る最後の機会となっても、たいした実感はありませんでした。そのぶん、変に構えずにすんだのかも。以下、親切なスガ○ヤ天使から頂いたセットリストです(一応、保護色にします)。

1.プラネット
2.朧
3.一週間
4.セルフコントロール
5.ス・ペ・ェ・ス!ロマンチック
6.スターマン
7.生きてるゴッコ
8.不シワ合わせ
9.薔薇と紅蓮
10.魔法
11.僕の右脳猿の左脳
12.アリガト
13.デスチョコレイツ
14.東京バビロン
15.パパパラノイア
16.三つ数えろ
17.コンピュータ
アンコール1
18.世界はみんな僕の敵
19.めんどくさい
20.絶望さん
アンコール2
21.不機嫌なアンドロイド
22.φD-SANSKRIT
アンコール3
23.ボク偉人伝


 ぎりぎりまで、実感がないなーとSOLDOUTできゅうきゅうのハコのなか、ぼんやりと立ち尽くして、ライブが始まるのを待っていたのですが、そこで始まった一曲目が、よりにもよって「プラネット」で、一気に沸き立ってくるるものがありました。出逢わない僕たちの終わらない物語。さらに「スターマン」後の新曲が、びっくりするほど良くて、ちゃんと最後まで音源買わないと駄目じゃん、という気になったのもつかの間、続いた「薔薇と紅蓮」にけっこう追い込まれました。メトの歌詞の、ネガティヴであるけれどそれに淫しないバランスが好きだったので、ここまで正面きった歌詞は正直、苦手であったのですが、それと面と向かったシャラクの声が、すごく響いた。たまらないなあ、と自分のなかにもたしかにあった暗黒な時期を思い出さずにはいられない気持ちになったところで、続いた「魔法」が、もう、良くって。同じくらいにネガティブではあるんだけど、同時に突き抜けた先には透明な明るさもあるのだと思わせるようなこの曲で、初めて胸ににじむものを感じました。たまらなかった。

 わたしはとても恵まれた人間で、大好きなバンドに、大好きでたまらない時期に解散された経験は、ほとんど皆無といっていいと思います(マスケラがかなり近いけど…あと、今年の6月で解散が決まったBABYLONも入れていいですか…)。メトロノームも、ずっと見ていたコアなファンにとっては、色々と予感があったり、あるいは波乱があったのかもしれない。でも、わたしは最後に見るかれらがこんなに力に溢れていて、透明な美しさに溢れていたのを、単純にすごく嬉しく思います。来て良かったと思います。シャラクもフクスケも、おしゃべり楽しかったしね!最後まで、楽しませてもらいました。ありがとうメトロノーム。

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