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「不安の種+(2)」中山昌亮(秋田書店・チャンピオンコミックス)
by くさてる

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 日常でふと通り過ぎる、この世のものでないものたちとの邂逅、或いはもっとおぞましいものとの対面を、オムニバスで描いた連作短編集です。ひとつのエピソードが数ページなので、あっけないといえばあっけないし、パターンではあるかもしれないけれど、これだけバリエーション豊かに「なにかがいる感じ」「絶対に踏み入れてはいけないところ」「見てはいけない存在」を描けたら、それもいいのではないでしょうか。描かれる異形のものたちは、時にどぎつくグロテスクなデザインではあるのですが、出しすぎていない。なにが欠けてなにが強調されていたら怖い、ということをよく分かっている描き方だと思います。

 世にいくらでも溢れるホラー系のマンガでも、わたしがこれを気に入ってる理由は、そのほど良さ感にあります。ホラーは、絵で見せるマンガだと、とにかくどぎつい描写を見せるインパクト勝負になったり、人間関係の歪んだ構図をこれみよがしに強調したり(女子向けホラーはとくにそうなりますね)、と味が濃くなりがちだと思うのですが、この作品はそれをぎりぎりで押さえて、出すときは出して、のバランスがとても巧い感じがします。気持ち悪いものを見たいのではなくて、一瞬、ぞっとする感覚を味わいたい、わたしのようなタイプのホラー好きには、それがたまりません。どこまでそのバランスを保っていけるのかなと思いつつ、続きを楽しみにしたい作品です。どの巻から読んでも問題ないうえに、安めの価格設定でもありますので、奇妙な話や、小さな怖い話がお好きなかたはぜひどうぞ。おすすめです。


|| 23:25 | comments (x) | trackback (x) | ||
「小説課長バカ一代」(原作:野中英次・著者:ベンジャミン野口)(講談社・KCノベルズ)
by くさてる

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 かの名作のノヴェライズです。そもそも、あれを小説に出来るのか、出来たとして意味があるのか、そして、それは面白いのか、と書店で見かけたときには思ったものですが、パラ見して読んだ冒頭のテンポの良さに購入しました。

 淡々としたその文体で繰り出されるネタは、原作に負けず劣らずのシュールなのに分かりやすいもの。字体変えもサイズ変更もなく、擬音すら皆無なあたりが実に分かってらっしゃる感じ。あのトンデモなさには、そういうこけおどしは必要ないのです。なにより、原作のあの独特の「間」を、ここまで再現できていれば文句なしでしょう。原作のエピソードも消化しつつ、さりげなくオリジナルネタもはさみこんでいて、いい感じです。原作ファンなら文句はないのでは。

|| 18:45 | comments (x) | trackback (x) | ||
「絶対可憐チルドレン(1)~(7)」椎名高志(小学館・サンデーコミックス)
by くさてる


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 こっちも喜んで全巻購入。週刊連載中の少年マンガのコミックスまとめ買いは「銀魂」以来です、癖になってないことを祈らずにはいられません。

 超能力者が増加した近未来を舞台に、特務エスパーと呼ばれ活躍している生意気盛りの10歳になる女の子たち三人と、彼女らの監督役である青年を中心にした展開が、元気良くて楽しくてなりませんでした。ミニスカ姿の女の子たち三人(おてんば、眼鏡っ娘、おしとやか)というあたり、いかにもな設定に見えるかもしれませんが、個人的に思うのは、ちょっときけんなおおきなおともだちを誘いこむのは、やっぱり5,6歳までだろうと思うし、もうちょっとナボコフ的に正しい意味でおおきなおともだちのストライクゾーンは、13,14歳でしょう。そういう意味で、この10歳という年齢は絶妙。

 幼児ではないし、少女にもぎりぎりいたらない、この年齢だからこそ、お守りの皆本青年との距離感がちょうど良い。彼女らの皆本へのなつきっぷりは、いわゆるおにいちゃん萌えにかかるのかもしれないけれど、わたしにまったっくもってその属性がないからか、どちらかといえば、ぱぱ萌えに近いと思える。超能力を持たない普通人として、危うい未来のヴィジョンもかいま見つつ、それでも自分たちを心配して守ってくれてかまってくれる皆本は、いくら弱くても、間違いなく少女たちの憧れの存在になります。そのもっていきかたがすごく自然で、可愛い。ていうか、皆本、可愛い。←そっちか。

 そう、実はわたし、途中から皆本に萌え萌え。だって眼鏡にスーツで特殊能力(天才なんだ、一応)をもってるくせに、10歳の女の子と本気で喧嘩して、自分がオトナだということを忘れない、不器用なキャラですよ。うん、そうだよ、もちろん、すっごく情けないよ!(笑顔)ああ、可愛い。もちろん、メインのキャラクターだけでなく、サブキャラもみな可愛くて魅力的です。みな、外伝のひとつや二つは創れそうなキャラ立ちです。少年マンガはこうじゃなくっちゃね!

 とにかく明るくて元気がよく、テンポの良いギャグがはさみこまれる漫画でもありますが、それだけでなく、超能力というものが持つ負の側面も拾い上げて、場を引き締めることも忘れません。できれば、このままスピーディな展開で、楽しく明るい大団円を迎えてほしいものですが、勢いがあるので、まだまだこれからでしょう。続刊が楽しみです。


|| 22:18 | comments (x) | trackback (x) | ||
空知英秋「銀魂(5)~(15)」(ジャンプコミックス・集英社)
by くさてる

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 というわけで完読しました。幸せ。

 TVアニメにもなってるので知ってるひとは知ってると思いますが、知らないひとは公式サイトを。正直云って、これでも全然判らないというか「銀魂」の面白さというのはダイジェストで説明いにくいことこのうえないものであります。それこそ読んで頂くしか

 SF設定をなんでも自由に出来る隠れ蓑ていどにこそっと振りかけつつも、その実は幕末モノでもあるんだけど、真面目な幕末スキーが読んだら怒っちゃうことは請け合いのトンデモさ。主人公と脇役が今週のジャンプを奪い合うだけで一話使うこともあれば、敵味方入り乱れた総力戦を単行本1巻使ってやることもある、破天荒さ。基本は人情モノのふりをして、どうっしようもない下ネタ全開で突っ走る力技も見せてくれ、泣かせるところは巧みに読ませ、笑わせるところは素晴らしいボケツッコミの嵐を繰り出す、まさになんでもありのそんな作品。

 ある意味、正しい少年マンガだと思います。冷めたふりして時にはベタかも。でもベタって強さだから。それを無視してつまんないマンガ読むよりは、ベタを最大限利用して、こっちを笑わせ泣かせてくれるマンガのほうをわたしは読みたい。とくに妖刀紅桜篇(単行本11~12巻)のクライマックスあたりは、作品の盛り上がりに明らかに絵が追いついてないんだけど、それくらいぐいぐいと物語が先に先に進んでいくのが分かる。生理的に気持ち良いくらいに、面白い。良い意味で、ノートにシャーペンで描かれた中学生男子のマンガ並みのプリミティブな勢いに溢れてる。わたしはその結果の画面よりも、むしろそのエネルギーに涙する思いでした。やっべー超面白い、そんな言葉しかいらないそのたくましさに、正しさを感じた。

 なんといってもキャラクターが良い。主人公三人トリオや準レギュラーの真選組の隊士たちだけでなく、一回限りの脇役や思い出した頃に登場するレギュラー陣に至るまで、しみじみと、良い。ときにはギャグのあまりに人格が破壊されるさまもまた愛らしい。わたしのお気に入りは、クールぶってるくせにエリザベスなる素敵オトコマエなかのヒトは大変だなキャラをこよなく愛してるじつはかなりのさみしんぼうなヅラこと桂小太郎と、ゴリラと連呼されるストーカーだけれどヒゲだし実に良い眼をしてる常に懲りずに報われない近藤勲局長です。トーンを多用しない描線で描かれるキャラクターはことさら美形とうたっていなくとも、誰もが実に凛々しく涼やかです。ぶっちゃけ、やったらおしまいないけないことが好きな姐さんがたが、惹かれる気持ちは判ります。わたしも、桂と銀さんが二人で肩を並べて高杉にタンカ切ったときには、萌えた。あ、でもね、これどっちかというと萌えより燃えだから!わたし、二次元では男男より男女カップリング萌えだから!(いま自分をフォローしようとしてあらぬ方向に深い墓穴を掘らなかったか、わたし)

 男女カップリングといえば、その話も。女の子がお約束でない少年マンガは良いマンガと相場が決まっていますが、この作品もその面ではお墨付きです。綺麗でカッコいい女子も多数登場しながらも、ギャグレベル以外での恋愛要素はほとんどないあたりも、読んでるこっちがうっとり妄想できる余地が残されていてまた嬉しい。局長とお妙さんの手も握らない(握れない)静かな午後のある日、みたいな二次創作が読みたいなー。静かなのは局長が息をしていないせいかもしれませんが(最新刊では土方さんがお妙さんの女心を推察していたが、土方さんが女心を分かっているとはとても思えない…笑)。
 
 あのジャンプ連載作品だけあってこれから先の展開がまったく読めずに、ただ単行本を心待ちにするしかありませんが、久しぶりにこういう感覚を味わうなあ、とにこにこしてます。ジャンプのマンガが嫌いじゃなくて、下ネタもOKで、戦う男子ときりっとした女子が良くて、ボケとツッコミの応酬が好きで、幕末ファンじゃなかったら(いやだって幕末ファンはいろんなこと厳しいみたいだし…しかしそんな幕末ファンのツッコミもいなせに流しちゃう空知先生って素敵)、おすすめの作品でございます。よろしければ、ぜひ。

|| 21:54 | comments (x) | trackback (x) | ||
「銀魂(1)~(4)」空知英秋(集英社・ジャンプコミックス)
by くさてる

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 以前からアニメ版を見てはげらげら笑ってた(笑)。ので、お試しで途中まで購入。普段だったらそういうときはマンガ喫茶行くんだろうけど、なんか手元に置いておきたかった。で、一読した感想はひとこと、面白かった!

 その素直な面白さに、なんか感動した(笑)。不思議な江戸(ていうか幕末だろう)世界を舞台に繰り広げられるストーリーは、ギャグとシリアスの配分が絶妙なうえ、展開がスピーディで、実に飽きさせない。ギャグも、感性勝負のシュール系では全然なくて、素直なボケとツッコミなので、懐かしい気持ちになった。ちょっとした台詞や場面で、泣かせる配分も心得てるしね。トーンを多用しない絵も、白黒の対比が綺麗だし、キャラクターも魅力的です。こりゃ人気出るし、アニメにもなるわ、と納得しました。当然、続刊も購入予定です。わーい、楽しみ。

 正統派って強いなとちょっと思いました。ジャンプ系からは遠ざかって久しいわたしですが(いま買ってるの「クレイモア」だけだ)、ほかのいまのジャンプコミックスも読んでみようかな。

|| 00:48 | comments (x) | trackback (x) | ||

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