聖飢魔ll 地球デビュー40周年期間限定再集結大黒ミサツアー「THE END OF SEASON ONE」(広島文化学園HBGホール)感想※ネタバレあり

 こんにちは、くさてるです。閣下宗です。

 というわけで参加してきました。いつものように感想を書こうと思います。あらかじめ、お約束の諸注意を。

 まず、このブログを読む信者以外の人にも分かりやすいように、魔歴ではなく西暦で記述しているなど、悪魔用語が不徹底な箇所があること、および、構成員のことを「ひと」と書く場合がありますが、それはもちろん「人間」という意味ではなく、単なる代名詞としての表現ということをご理解ください(悪魔だということは重々承知しております)。さらに、言葉の端々にたいへん不遜な表現や信者として不勉強かつ至らないところが見受けられるかもしれませんが、そこらへんもどうぞご容赦ください。あと単純にレポではなく、くどくて長い自分語りの感想です。マジで。

 このツアーは現在進行形(2025.6.7現在)のため、以下の感想は完全ネタバレとなります。ネタバレありきでないとまともな感想にならないうえに、自分で書いたものながらあとで読み返したときに何のことを書いているのかさっぱり分からないためです。ご容赦ください。同ツアーは神戸公演がニコ生で生中継されセットリスト及び演出はあるていど公開されているものかと存じますが、今後の公演に参拝される方やネタバレを求めない方は、けしてご覧にならないでください(そして参拝後に戻って読んで下さると超嬉しいです!)。

 もっとも、当然のことですが録音もなにもしていない、ぼっち参加のアラフィフ信者の記憶に頼ったレポの為、曲順とかMCの内容的には不完全な部分があるかと存じます。そのあたりも気になる部分などありましたら、拍手からのコメントかSNS(現在BlueSkyとTwitterにいます)でご指摘くださるとたいへん助かります。どうぞよろしくお願いします!

↓以下、感想です。くれぐれもネタバレ注意でお願いします。

 小雨降るなか訪れた会場の広島文化学園HBGホールは広島駅からバスで30分ほどでした。会場のあちこちに貼られた閣下のがん啓発関係のポスターとのぼりが広島ぽかった。「早期発見・早期治療で治る確率は高まるぞ。吾輩のように!」ってコメントがほんまそれな。閣下は最強のキャッチコピーを手に入れました。もちろん、がんにならないに越したことはないんだけど、そんな状況でも、こうやってたしかなものを手に入れて帰ってきた閣下は最強です。

 公式FCで取ったチケットはかなりの良席で有難かったです。開場してすぐのステージ撮影は個人で楽しむ範囲内での撮影は可能。ということで記念に撮りました(SNS公開は不可)。こうやって思い出作りできるのありがたい。グッズ販売にも並びたかったけど、なんといってもツアー初日なのでなにかと気持ちが落ち着かず、入場してからは自席で地蔵のように座り込んでいました。見渡すかぎり同世代の男女のみなさまが、聖llグッズやTシャツを身につけているのが良かったので、そのうち購入したいと思います。閣下のソロとかでもそうだったんですが、会場にいるみんなが聖飢魔Ⅱを好きなんだなあ、というのがいつもちょっと不思議ですごく嬉しい。わたしもだよ。わたしも聖飢魔Ⅱが大好き。

 開演前の構成員挨拶はジェイル代官でした。相変わらずのお人柄がうかがえる、気さくでシンプルな語り口があんがい可愛らしい悪魔さまです。10代の頃は、代官に対してこんなことを思うようになるなんて、想像もできなかったなあ。

 やがて聞こえてきた「三大怪獣・地球最大の決戦」。身体が反応するとはこのことよという感じでガタッと立ち上がってしまいましたが、東京ドームとかにランダムに人を詰め込んで、いきなりこれを流したら、信者をあぶりだせるんじゃないかな。わたし、めっちゃあぶられる自信がある。

 「創世記」で登場してきた構成員さまに悲鳴を上げつつも、会場全体に沸き起こるリフに合わせた「オイ!」という野太い叫びにちょっとびっくりしました。閣下もあとでMCで触れていましたが、お客様に若い男性が多くなっている印象はあったけれど、それか。いまだにこういう新しいノリが導入されていくの面白いです。アガる。というか、閣下が登場した瞬間にわたしがアガった。もうあとは知らない! 閣下ー!

 しかも一曲目がいきなり「LOVE LETTER FROM A DEAD END」! うわああ、嬉しい! ここはやはり「地獄の皇太子」とか定番の曲かな? と思ってたこちらの予想を軽く蹴り飛ばして「LOVE LETTER」! 聖llのなかではほぼ最新(「Kiss You Dead or Alive」が最新ですよ、もちろん)といってもいい新しい曲を、再集結ミサのトップに持ってくるとは、悪魔さま側の気概と自信に大喜びしました。わたしもこれを聖llの最新代表曲だと思ってます。HM/HRのジャンルの枠を超えたというか飲み込んだといってもいい、いま現在の聖飢魔Ⅱのカッコ良さが詰まってる曲だと思う。ほんと大好き。悪魔さまはつねにこうだ、信者の予想を超えて、やってくれるんだ!

 とかいってたら続いたのは「1999 SECRET OBJECT」ですよ。ギャー! あのイントロの瞬間に、会場内で誰よりも汚い悲鳴をあげたのではないかと心配になりました。だいすきだいすきだいすき! これまでのミサで何回も見たけど、あと何回見てもいい、閣下とギタリストのターン! マントの翻り方がほんと芸術なのよ。この曲ではその昔、「脅えた聖者は転げまわる」で閣下が実際にステージを転げまわっていたこともありました。つくづく名曲だよなあ。まあ聖飢魔Ⅱの曲、とりわけミサで演奏されるような曲はみんな名曲だけどね! サビで手振りするのが楽しくて大好きな曲です。

 そしたら「アダムの林檎」。これもイントロでだれよりも汚い(略)。あ、いつものお約束MCは無しで始まるんだ、とちょっと思いましたが、まあ、この会場にいるような人であのネタを知らないような人はいないだろうからな…と思ってたらちゃんと途中で入れてくれてめっちゃ笑った。これもいまの時代ではコンプライアンスとかセクハラとか言われてしまうのでしょうか。しかし実はあれはまったく下ネタではないのだよな。ただもう林檎の話とミサあるあるの話をしてるだけなので……(嘘じゃないよ)。しかし言うまでもないですが、「アダムの林檎」のジェイル代官はつくづく完璧ですね! マジみとれました。

 ここでMC。でも、ごめんなさい、ほんとうに内容覚えていない。頭から脳内麻薬が噴き出てるから、ずっと笑ってたことしか覚えてないんです……(曲順もあやしいので、ニコ生で中継された神戸ミサを参考にしました)。あ、でも「〇首」は覚えてます。ほんとコンプライアンス。

 しかしここで始まったのが「STAINLESS NIGHT」! 一気に当時に引き戻されました。聖飢魔Ⅱがどんどん勢いに乗ってた頃の名曲です。人気もある曲だと思うけど、前回の再集結では披露されなかっただけに、嬉しかった。サビで拳を上げるのが楽しくてね。なにより、あの光る棒(知識が幼稚園児か)を前にした閣下のパフォーマンスが懐かしかった! 最後にのけぞる閣下の顎のラインがほんとに素晴らしいのです。大好きでした。

 続いて、イントロとMCで、これはもしや……? と思った瞬間に、頭を振ってて、脳より身体が覚えてたと気づかされた「満月の夜」! やっぱり「恐怖のレストラン」は名作だよ。前回の再集結で「鬼」が聴けたから、今回はこれなのかな。こういう昔の曲、それも定番曲ではない曲をやられると、当時の記憶がそのまま刺激されますね。ちょうど20代で学生で、時間に余裕があったせいで、この教典のツアーはいちばん通ったツアーだったから、当時の思い出が噴き出てたまらなかった。閣下が「写ルンです」のCMで一般層にもすごく人気が出てた時期で、なのに出した教典がこれというあたりにすごくシビれちゃったんだよなあ。カッコいいよ!って。

 そんな風に感慨にふけってたら、まさかまさかの「赤い玉の伝説」が。悲鳴が(略)。当時、映画まで観に行った(樋口可南子のヤクザ映画の主題歌だったのです)。ドラマティックで、カッコ良くて、大好きな曲なんだけど、ずっとミサでは聞いてなかった気がする……。「風車はまわる 陽炎の中」で風車をリアルに持った閣下のお姿はもう。なんていうか語彙力の敗北。ていうか、このあたりで、これはなんとなく悪魔さまの時代順のセトリなのでは……と思い始めました。つまり、どんどん、自分的に滅茶苦茶に聖飢魔Ⅱが好きだった時代の再体験になっていることにも。いやもちろん聖飢魔Ⅱのことはずっと好きだったんだけど、解散前と後は体験している量が違うのです。これはもうわたし、たいへんなことになるのでは……と思っていたら。

 「ファラオのように」!わー、「有害」だ! これはもう、踊り狂いました(翌日、腰と膝が死にました)。でも、この曲は踊らないと嘘だよ! 和尚のベースラインがたまらない「魔界舞曲」に並ぶ聖飢魔Ⅱのダンスナンバーだと思います。当時のツアーでエース長官御自らが「腰を使うんだよ」的なMCをおっしゃってたのを思い出しました。これもミサではひさしぶりだったので、実に楽しかったです。「HeyHeyHey!」で拳を上げるのも大好き。この曲、ミサでは最後の部分、いろんな女性有名人の名前に替え歌するのがお約束だったと思うのですが、いまひとつ聞き取れなかったのがプチ残念。

 そしてまさかの「夏休み」。まさかすぎて神戸ミサの中継で確認するまで確信が持てなかった。ていうか次の曲のインパクトがすごすぎて、吹き飛びました。

 「TEENAGE DREAM」! 始まった瞬間に腰が抜けた(リアルで)。床に膝をついた(リアルで)。だいすき。もうだいすきなんだ! 「PONK!」という大教典自体には、当時リアルタイムで信者だったみなさまにはいろいろご理解頂けるであろうあれこれな気持ちがあったわたしですが、この曲は特別。その当時の聖飢魔Ⅱはほんとにいろいろあって、リアルタイムでいろんな思いがあって、でも、そういう嵐のような雑多な思いが通り過ぎたあと、わたしにはこの曲が残りました。大事な曲です。わたしのなかで、それこそ胸の中で小さく灯る柔らかい光のような曲なんです。

 聖飢魔Ⅱのなかでは異色といってもいいタイプの曲(でも聖飢魔Ⅱという素晴らしく広い度量をもつスーパーデラックスエクセレントバンドはこんなタイプの曲だって自分たちのものにしちゃうんだけどね!)なだけに、ミサで定番とはまったく言い難かったはずの曲。信者であれば、そんな自分だけの大事なレア曲を一曲はお持ちかと思います。それがまた聴けた。再集結という貴重な場で、悪魔さまがこの曲を披露してくださった。わたしという一信者にとって、それがどれだけの意味があることか。ありがとうございます。ありがとうございます、閣下……。

 ここで構成員紹介。なんか昔に比べてみなさま、コンパクトになったというか、おしゃべりが巧みになってお話のまとめかたがうまくなったなあと思いました(失礼?)。殿下は、デビュー直後の中国地方ツアーで、軽油で走る悪魔カーに間違ってガソリンを入れられてしまったエピを披露。当時の侍従長の方がすぐに気づいて事なきを得たとか。代官はシンプルな煽りだったけど、それも代官らしかった。和尚は、「アダム」でかじった林檎をいつまでも呑み込めず、出たげっぷが林檎の匂いがしたとほのぼのエピ。参謀は、悪魔の閣下が一日警察署長になった話から、世間ってのはいつ評価を変えるんだろうね、という話を、昔は抱かれたくない芸人ナンバーワン、いまは好感度ナンバーワン芸人の某氏を例に挙げて首をひねり「理由が分かった、年をとると脂が抜けていくんだよ……あ、閣下は抜けてない!」(うろ覚え)っていうのがおかしかったです。

 サポートのおふたりもここで紹介されました。なんかもうキラキラしてて若いっていいな………と思いました。RENOくんはD.H.Cで観てたけど、ギタリストとしての存在感が素晴らしいし、SYUTOくんは普通に女性と思われるというエピを披露する可愛さのうえにあのキーボードなので、文句ありません。こんなにイケてる若い子たちが、悪魔さまを支えてくれてほんとにありがとう、と思いました。

 SYUTOくんの奏でる美しい旋律と共に始まったのは「BAD AGAIN 〜美しき反逆〜」。いやほんとにわたしの思い出の走馬灯を回し続けて下さってありがとうございます、知らなかったけどわたしもうすぐ死ぬんですかね? という思いになりました。ここの閣下、歌声が素晴らしいとかわざわざ言わなくてもいいとは思いますが、やっぱり言わせて。素晴らしかった。若いころとはまた違った技巧と迫力で、名曲を何度も再構成してくれるんだなと思いました。当時から、さまざまな思いがこめられた曲だと思っていました。美しいのはもちろんですが、じつはすごい怒りと覚悟を秘めた曲だとわたしは思っていて、閣下がこの曲ならではの長いマントをひるがえす瞬間、あの背中にそれを感じました。プロとしての矜持のようなものがきらめいたように感じた。わたしは閣下のこういうところがほんとに好き。わたしは閣下が大好き。

 そしてそのまま新曲「Kiss U Dear or Alive」! いい流れ! これはもうわたし、ほんとに大好き。ジェイル代官らしいグルーヴ感あふれる名曲だと思います。閣下の投げキス大放出というのも大きな理由ですが(ごめんなさい正直者で)、この曲を初めて聞いたとき(「LOVE LETTER……」もそうだったんだけど)、まず「現役のバンドだな」と思ったんですね。懐かしの皆さんがお好きなナンバーぽいのをお届けします、じゃなく、いま揃っている構成員がいま作った自信作です! というような現役感が、音のすみずみに溢れてて、素直にカッコいいなあと思いました。新しい試みを感じるんです。なによりかにより、ただもうカッコいいし! 

 この曲に限らず、歴のあるバンドが再集結したライブで新曲をやったら過去曲に比べて盛り下がっちゃう流れになってもおかしくないのに、聖飢魔Ⅱはそうでない。すくなくともわたしはそうでない。前回の再集結から二年しかたってないせいもあるんだけど、聖飢魔Ⅱって余裕で現役のバンドだよね、と思いました。大好き。

 続いて「有害ロック」。ギャー! 「老害ロック」が新曲だから、これは演奏するだろうと思ってたけど、やっぱりこの曲はアガります。わたしね、生まれて初めてのミサ体験が「電波帝国」ツアーだったんです。それまでに教典は聞きつくし、ANNや「電波帝国」ももちろん毎週聞いて録音し、「悪魔組」にも入会し、ようやく初めて体験できたミサが、地元での「電波帝国」ツアーで、しかもちょうど「有害」の発布前日だったんです。とうぜんみんなフラゲしてて、閣下があのピンクの有害アレイを出した瞬間に、会場内に一斉に突き上げられたアレイたちが壮観でした。そんな光景を一気に思い出しました。今回も、会場内に突き上げられる有害アレイ。当時ものならわたしも持っているのですが、さすがに使えるとは思えず持参しませんでした。そもそもジュリ扇とかフラッグとかも出すタイミングが読めなくてあわあわしちゃう不器用な人間なので……。

 そのまま「老害ロック」。わたしのなかで過去と現在がつながりました。もちろんこの曲も大好き。とても参謀らしい曲に、閣下でないと書かない歌詞だと思う(語彙力)。カッコいいし、ノれるんだけど「メスで切られ 胸を開かされて 一度死んで 生まれ変わり」のところで、やっぱり閣下の御病気のことを思い出し、胸が辛くなりました。閣下は、ご病気のことをあまりおおげさにはおっしゃらないけど、楽な体験だったわけはない。閣下、ほんとうに良かったです。無事に帰ってこれて、ほんとうに良かった。そして「夢を続けろとやかましい 振り返るのがお好きだね」ってとこ、ぐっと来ませんか。日和ってない。閣下はほんとに、そういうとこ、閣下。

 ここでMC。何十年も前に書いた歌詞でも現代にも通じる……というお話は確かここ。そしてその前振りで始まったのが。

 「MASQUERADE」! 本日、二回目で腰が抜けました(リアルに)。だいすきだいすきだいすき! これも、もうほんとにわたしをどれだけ20代に戻したら気が済むんですか? 身体はもうきかないんですよ!という曲。手扇子(懐かしい言葉だな)が止まらなかった。

 思い出話またしていいですか。わたしの「MASQUERADE」には必ずこの思い出が付きまとうのですでに書いたことがあるかもしれませんが、また書きます。この曲が発布されたときのツアーがちょうどライブハウスツアー。たしかわたしにとって神戸がツアーはじまりだったのですが、フードをかぶった閣下が新曲のこの曲を歌い出し、サビでいきなりフードを取った瞬間、あの、閣下宗のなかでは伝説に残るオレンジのおかっぱ頭が現れたというあの思い出。忘れられない。みなさんご存知ですか、人は本物のショックを受けるとリアルで床に倒れます。

 文字通りライブハウスの床に昏倒したわたしを助け起こしてくれた友人は、別会場ですでにこれを見ており「あなたのこの反応を見たくてずっと黙ってたんだよ!」と一言、27年たっても忘れられません(み〇んちゃんお元気ですか。わたしはこのとおり元気です)。はっきり言いますが女性スキャンダルよりショックだった。いまとなっては、ただただ可愛いんだけど。いや「MASQUERADE」の思い出話をオレンジのおかっぱ頭で終わらせるなわたし。

 閣下もMCでおっしゃってましたが、何十年も前の曲でも、現代の世相に当てはまるどころか、いまこそぴったりかもしれない曲としてこの「MASQUERADE」はまさにピカイチ。この令和に出されたならば「ちょっとイマに合わせ過ぎじゃない?」と言われてしまうかもしれないくらいに。それはもう、閣下の才能だと思うんですよね。

 閣下はわりと世相を斬るタイプの歌詞を書かれるけれど、表面的なことをなぞっただけでなく本質に触れているから、何十年も残る歌詞になるのだと思います。あと言葉遊びもお好きだけど、あんがいストレートにご自分の思いや体験を歌詞に昇華されることがある。閣下って、歌声の評価は確定していると思うのですが、作詞方面についても、いろいろ評価されてもいい方だと思います。

 「老害ロック」もそうだけど、時代を追っていくと、閣下ご自身の環境とのリンクや成長と変化がかいま見られて面白いんですよ。そしてもちろん、歌詞だけじゃなく、曲も素晴らしい。この頃の聖飢魔Ⅱ、というか、HR/HM方面とはまた違った聖飢魔Ⅱの楽曲世界を彩る名曲のひとつだと思います。すごいのこのバンド、なんでもできちゃうの。なんでも〝聖飢魔Ⅱ〟にしちゃうの。

 そして「Brand New Song」! やっぱりこれだ、と思いました。前回の再集結ツアー、ライブビューイングで観たときは号泣しました。今回は泣くというより、ああ、嬉しい、また聴けた、というせつない喜びでいっぱいになりました。名曲中の名曲、殿堂入り中の殿堂、聖飢魔Ⅱというとどうしても初期三枚の名曲がクローズアップされがちだけど、わたしとしては、聖飢魔Ⅱ解散までの厳しくも危うい道を、果敢に戦ったとしかいえないかれらを支えた後期の名曲として「SAVE YOUR SOUL 〜美しきクリシェに背をむけて〜」と並べてこれをあげたい。これも歌詞が。ほんとうに歌詞が。泣くしかない。

 「FIRE AFTER FIRE」ギャー! このイントロでおかしくなるのはもう信者ならデフォですデフォ! でも、ここまでずっと解散前の信者モードに浸っていたわたしが思い出した「FIRE AFTER FIRE」は閣下のソロツアーにジェイル代官が参加した際の「FIRE AFTER FIRE」でした。いくら大橋さんがいるとしても、閣下のソロで聖飢魔Ⅱの代表曲、しかも「FIRE」をやるとは思わなかったので、死ぬほど驚いた。でも、たしか、そんなこだわり、いらないんじゃないの、と大橋さんが笑ったからこそこの曲を閣下のソロで披露した経緯があったはず。そんなこんなの聖飢魔Ⅱが解散したあとのさまざまな出来事があって、そしていまもこの曲が聴ける空間に聖飢魔Ⅱがたどりついた奇跡に想いを馳せましたが、同時に拳と頭が忙しかった。いろいろと飛んでしまう、本編ラストを飾るにふさわしい、名曲だと思います。

 そしてここでいったん休憩。アンコール待ちのDJタイムは、ライデン殿下の「ステージに上がると緊張してしまう」ドラマーのかたへの真摯かつ優しいアドバイスでした。それを聞きながらも、わたしは、ただもう幸せな気持ちでいっぱいでした。ほんとうに楽しい。聖飢魔Ⅱのミサってこうだったよね、ほんとに楽しくて幸せで、嬉しくてしかたがない。聴きたい曲が聴けて、構成員さまがリアルにその場に存在して、閣下のおしゃべりに笑わされて、こぶしを突き上げ頭を振り、叫んで。ほんとうに叫んで。明日のことなんかどうでもいい、この会場を出たあとのことなんか知らない。ただもうこの瞬間が素晴らしくて嬉しくてしかたない、ありがとう聖飢魔Ⅱ、ありがとう閣下! ってにやにやしながら何度も繰り返す。聖飢魔Ⅱのミサってこうだったーと思いました。

 思えば、解散後の再集結は期間限定だったから、その場その場にただ圧倒されていた気がする。今回は前回の再集結から2年しかたってないから、ようやく、余裕を持って聖飢魔Ⅱのミサに参拝出来てるのかもしれません。楽しいな、ほんとうに。でも、もうすぐ終わっちゃうんだよね。そう思うと、どうしてもっと参拝券を取ってなかったんだろうという思いに駆られました。もちろん、自分が行ける範囲の会場は頑張って申し込んだんだけど、それでも、ね。もっと、もっと見たいのに。

 百回見ても足りないのに。

 アンコール明けのジェイル代官による「悪魔組曲」コーラスの教示、ギターの音一回だけであの「あーあーあー」を歌える訓練された信者のみなさまに笑いましたが、わたしももちろんそのひとりです。今回は「あー」ではなく「モーミージー」で歌うという閣下のお言葉。広島だからね!(ということは香川は「うどん」だな)、このまま「悪魔組曲」でラスト? と思ったところに始まったのは、なんと「EL.DORADO」。そんな、アンコール一曲で終わっちゃうの?! と思ったわたしをだれが責められようか(いやない、反語←懐かしい)。さすがに聖飢魔Ⅱがそんな分かりやすいお約束で終わらせるはずがないと思いつつ、やっぱりそこは「EL.DORADO」なので、ちょっと涙ぐみそうになりながら拳を上げました。何百回観ても「EL.DORADO」は美しい、特別な曲です。閣下と代官がマイクシェアで寄り添う「早く行け」のコーラス部分はほんとうに尊い。

 「EL.DORADO」が終わったけれど、予想通り「また会おう」の流れにはならず、ほっとしました。スクリーンに映る森の風景と閣下のMCで「蝋人形の館」が始まると気づき、確かに、この曲をやらないわけはない。でもラストの曲という感じではないよなあと思ったりしたものの、閣下のMCに笑い転げちゃって、すぐにそれどころではなくなりました。閣下は、広島ミサの前日、あれも話そうこれも話そうとワクワクして眠れない遠足前の子ども状態だったそうですが、それがこれか! というくらいにローカル広島(空港の話だった)ネタで、他県人のわたしにはついていけないくらい。でも、会場はどっかんどっかん受けてた(笑)ので、わたしも笑ってしまいました。個人的に可愛い! と思ったのは、「世を忍ぶ仮の小学生時代、広島から東京に帰るときにはまだ新幹線が広島まで来ておらず、吾輩はフェリーに乗って(さんふらわあ号)、見送られた」というエピソードです。紙テープを投げる仕草をする閣下の可愛さ無限大でした。

 そして「蝋人形の館」はやっぱり楽しい。わたしはこの曲の閣下のパントマイム、百回見ても飽きません。10年ぶりの声出しミサということで、わたしもマスクの下で思いきり「ラララ」を歌いました。前回の再集結のときには出来なかったことができて嬉しかったです。そのときも思ったけど、やっぱり聖飢魔Ⅱすごいよね。いまから40年前に「蝋人形の館」を聞いたひとのうちどれだけのひとが、この曲が40年後もこれだけの人々を楽しませると想像しただろう。わたしだって想像できなかった。40年後なんてあるとも思わなかったこどもだったからだけど。そして、それは、この「いかにも」な曲、聖飢魔Ⅱのパブリックイメージを作り上げたと思しき名曲を、いまでも聖飢魔Ⅱが大事に代表曲として扱っているからですよね。それでこそ。だからこそ聖飢魔Ⅱ。

 そして。いよいよミサも終盤。最後の一曲が近づいたときに、わたしはただもう手を握りしめて願ってました。最後です、最後。だから最後は「Winner!」をくださいって。

 前回の再集結のときから、わたしはずっとミサの最後は「Winner!」で終わってほしいと思っていました。これまでの信者として参拝してきたミサ、最後の曲は、たいてい「EL.DORADO」、あるいは「悪魔組曲」そして「Winner!」だったから。もちろん他の曲も素晴らしいけれど、わたしはなによりも「Winner!」終わりが好きでした。

 最後の最後、息も絶え果てるくらいに消耗して、構成員の名前を叫んで歌って、喉も枯れて、汗もかいてて、そろそろ拳を上げる右腕も痛い、そんな状態で聴く「Winner!」の多幸感は他のなににも代えがたかった。リアルでキラキラの紙吹雪が舞うような、ステージから降り注ぐ光がまばゆく、まさに勝利としかいいようがない美しさのあの空間が素晴らしかったから。聖飢魔Ⅱ御本尊はもちろん、ここまで聖飢魔Ⅱを応援して大好きな我々信者だって「Winner!」だよね! と喜んでぴょんぴょん飛び跳ねちゃう、あの楽しさはほかにない。最後でも湿っぽくならず、ありがとう! だいすき! またね! と手を振って言えるようなあの雰囲気を「Winner!」という楽曲は与えてくれるのです。

 そして今日はすでに「悪魔組曲」も「EL.DORADO」も可能性はない。これはもしかして「Winner!」来てくれるんじゃないの? という思いと、いま文字通りいろんなことは考えられない頭で思い出せない名曲が、出てくる可能性もあるし……という思いで、おかしくなりそうでした。それでも、お願いですってずっと思ってたわたしの前で、閣下のそれらしいMCが来た瞬間、始まったのが。

「Winner!」でした。優勝。

 この曲をなんと表現したらいいんだろう。わたしが本気で聖飢魔Ⅱを好きになって初めてリアルタイムで予約してまで購入した大教典が「OuterMission」でした。だから個人的にも特別な曲です。もちろん、名曲なのは間違いない。でもやっぱり、いまの聖飢魔Ⅱはまさに勝者だからこそ、このツアーで聴きたかった。「we gonna be a winner」? いいえ、あなたがたはまさにいまこの瞬間、“勝者”だよ! だって、こんなにたくさんのひとが、あなたがたの歌を歌ってる。40年前の曲を楽しんでる。歌番組にはあんまり呼ばれないかもしれないけれど(MCネタ)、あなたがたはこんなに求められて、愛されてるんだから!

 そんな思いで泣きました。ほんとにこの「Winner!」は嬉しかった。夢みたいだった。ほんとに、ありえない夢みたいだった。「星あかりは永遠の物語を奏でるShiningStar」の旋律の美しさに酔った。ある意味、なにも覚えてないくらいに幸せでした。これまでにミサで体験した「Winner!」の素敵な思い出がクロスオーバーして、自分がいまどこにいるのか分からなくなった。ありがとうとしか言えない空間でした。

 本編終了後、閣下の送り出しメッセージ、ああ閣下が昨日眠れずにずっとメモしてたのはこれかな?と思うくらいに広島のコアなご当地ネタが連続でした。閣下はいつもそうだといえばそうですが、広島ということもあってか、ほんとにご当地ネタが輝いていました。すごく楽しそうだった。ほんとに閣下可愛かった。

 以上、ミサの感想といいつつ、ご当地ならではのMCネタとか、その場だけの構成員の素敵な様子とか、そういうものをほとんど書いてなくて申し訳ありません。楽曲の衝撃度とそこからまつわる自分の個人的思い出に圧倒されて、それいがいのこと、ほんと覚えてないのです。曖昧な言葉で表現して間違いがあってもいけないし。もちろん構成員のみなさまがカッコ良くて素敵で愛らしくて可愛くて話が理屈っぽかった(最後だけポイントで表現するな)のはいうまでもないと思います。この感想だと閣下以外の構成員がいないみたいですが、ミサのときってほんとに閣下しか目に入らない閣下宗で申し訳ありません……。

 全体の感想といえば、ほんとに年寄りの個人的な感慨で申し訳ないのですが、「わたしの」聖飢魔Ⅱだった、という一言でした。わたしの、つまり10代から20代だったわたし、1984年に聖飢魔Ⅱに出会ってから1999年の解散まで、信者としてかれらを追いかけていたわたしが見ていた聖飢魔Ⅱだった、と思いました。でも、それよりなにより大きかったのは、それが同時に「いまの」聖飢魔Ⅱであったこと。過去の思い出をあれだけ語っておいてなんだと言われそうですが、やっぱり聖飢魔Ⅱは現役のバンドなんだと強く思いました。リアルタイムでカッコいい。過去曲はすべて歴史。最高の歴史を持つリビングレジェンド。リビングだから、生きてるの。聖飢魔Ⅱはそこにあるんです。すくなくとも、きっと今年いっぱいは。

 だからわたしはこれからのミサも喜んで参加するつもりです。現在発表されているところでは香川のみ参加ですが、後半に追加ツアーはあると信じてますので! そこでも同じメニューなのか、アレンジした選曲なのか、どんなセトリかは分かりませんが、そこはもう聖飢魔Ⅱを信頼してるから(「HOLY BLOOD」とか「虚空の迷宮」とか「闘う日本人」とか「G・G・G」とか「世界一のくちづけを」とか「正義のために」とか追加されないかな…)。

 それにしても、閣下もおっしゃってましたが、聖飢魔Ⅱのミサには、ほんと、アンチエイジングというか、若返りの効果があるんじゃないかな! というくらいの元気をもらった思いです(翌日の筋肉痛は、身体内部のアンチエイジングは難しいということを教えてくれましたが……)。とにかく、前回の再集結では泣いてたわたしが、今回はもうにこにこで「閣下、わたしも頑張ります!」みたいな気持ちになりました。

 10万60歳越のおじいちゃんたち(失礼じゃないよね)があれだけのことをしてくれてるんだもの。アラフィフのババアも頑張らなくてどうするの、という思いです。なにを頑張るかって、それはミサ参拝とかはもちろんなのですが、それ含めて、なんていうか「生きていくこと」に頑張れる力を貰ったんだと思います。若いころのことを思い出して、いろんなことあったけれど、コアな部分の自分はちっとも変ってないと分かった。なら、やれることはまだまだあるんじゃないかと思いました。聖飢魔Ⅱはいつだって、わたしを裏切らないから。わたしの人生に存在してくれて、力をくれる。これからもきっとそうだから。だからわたしは頑張れる。

 ありがとう聖飢魔Ⅱ。ほんとうに大好きです。ありがとう!

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