「ルパン三世単行本未収録作品集」モンキー・パンチ(双葉社)感想

 ようやく発売しましたよ。

  やったー!というわけで、当然ゲットです。以下、感想(ネタバレあります)。

 ますは赤を基調とした背景に白黒で飛ぶキャラクターという装丁にグッときました。手に取ると厚いのがまた嬉しい。たくさん読めるなあと思いました。でもあっという間に読み終わっちゃったんだけどね。だって楽しいし、とにかくカッコいいから!

 “幻の”と言いつつも、オフィシャルマガジンなどに再録された作品もあるので、全部が初読というわけにはいかなかったのですが、それでもこうやってまとまって読めると嬉しい。とくにわたしはモンキー・パンチ先生の80年代の絵がすごく好きなので、それがたくさん見られて良かった。なによりマンガの構図がダイナミックでカッコいいのです。初期の自由奔放な“MAD”風コミックの絵柄も可愛いしキュートだけど、この頃の心持ち太くなった描線でハッキリ描かれるキャラクター絵も好き好き。この本は1970年から1985年の作品が収録されてますので、広い時代の先生の絵が楽しめるのです。

 個人的な一押しは、やはり、TV版「バラとピストル」をアレンジした内容となった「オレの銃弾は……素敵……だぜ」ですかね。リンダは出てこないし、TV版とおなじところは次元の胸に飾った薔薇の花と銭形警部の小型手錠くらいなんですが、ほんとうに、あの、個人的思い入れで言いますけど、次元と不二子がふたりきりで話している場面が3頁もあるだけで、わたしのなかで殿堂入りです。そもそも原作はジゲフジの絡みが少ないので(例外は「特盗」かな)、これは貴重です。またこの不二子ちゃんがキュートかつセクシーで、次元さんにプンプンして、次元さんが余裕で受け流してるのがたまらなくいい感じです。まあ、ニセ次元だけどな!不二子ちゃん撃たれちゃうけどな!しかし、このあと駆け込んできたのはニセ次元なのかなあ、やっぱり。いいのよ、ホンモノ次元が血相変えて「不二子!」と叫んだのでも……わたしのなかではそうしておこう……という気持ちになりました。

 でもやっぱり「SEXYルパンⅢ」が素晴らしいですね。この頃のモンキーパンチ先生の絵の構成がほんとうにカッコいいし、お話しもシャレてて言うことない。なかでも、PARTⅢ「カクテルの名はリベンジ」と同じ内容の「ロールスセーラー」がすごく好きです。アニメでは見られないセクシーな展開も素敵なんだけど、後姿で登場した瞬間、立てた片膝にやせこけた黒猫が乗っている次元さんは、まさにパーフェクト。なにこの世界でいちばんカッコいい感じ。まあ三世さんも基本的にどの場面でも世界でいちばんカッコ良くて可愛いんですけどね! (わたくし、三世さんファンです)あ、でもカッコいいといえば「女だけの刑ム所」も、次元さんがカッコ良かった。やたらとルパンのことを「三世」呼ばわりするのもですけど、やっぱりあのラスト「なア/バラってヨ/あんなに美しかったかな……!」ですよね!ね!(だれかれかまわず同意を求めるわたし)

 しかし、こういうの読んじゃうと、やっぱり原作を一から読み返したくなりますね。文庫版は絵が小さいし、かといって中公版のワイドコミックスは手に持って読むのに重いし……とか思ってたんですが、普通に文庫版がKindle化されていることに気づいてしまいました。なんでいままで気づいてなかったのか、うかつなわたし。しまった。Kindleなら自由自在に絵も大きくできるし、持ち運びできるし、なにより紙と違って劣化がない……(悩み中)。いまから文庫版ぜんぶ買い直そうかなあ……。

 というわけで、50周年のお祝いにまたひとつ喜んで乗りました。9月には「複製人間」に浜中町だ!(ツアーやってくれるのかな……ツアーないとぜったい行けない……)まだまだアニバーサリーイヤーを楽しんでいきたいです。ルパン三世大好きだ!