2023年1月27日よりAmazonPrimeにて配信開始された「ルパン三世VSキャッツ・アイ」の感想です。<URL>
みっちりバージョンでお届けします。ネタバレ前提であるうえに、個人の意見や感想や悲鳴で構成されております。「キャッツ・アイ」に関する知識は、おおむね原作準拠です。どうぞそのあたりをご了承のうえで読んで頂けたらと思います。よろしくお願いします。
冒頭。花火の上がる墨田川を背景に、屋形船で絵の取引をしている男(デニス・キルヒマン)がいます。その男は、神出鬼没の変装名人の男が来ることを警戒してみせたうえで絵を持って自分の船に乗り込みますが、入れ違いざまにやってきたのは、キルヒマンそっくりの男でした。そう、最初の男こそ、ルパン三世そのひとの変装だったのです。本物のキルヒマンによるルパンの追跡が始まります。
しょっぱなから「変装の名人」とか言われたら、そりゃこれがルパンの変装よね!というお約束でにっこりです。屋形船の船頭姿の次元さんも楽しい。ざふぁとはまた違ったCGルパンなだけに、キャラがどうかなーと思ってたんですが、ここ、変装をかなぐり捨てたルパンの「わりいわりい」の顔で、ルパンファンのわたしはオールオッケー。これはセクシーだ。そしてやっぱりピンクのジャケットがいいな!
一方、東京ではキャッツ・アイからの予告状が理由で、美術展のレセプションパーティが中止される騒ぎが起きていました。責任者の内海俊夫刑事は、ビルのオーナーをなだめるのに必死でしたが、やってきた警官に呼び出され、オーナーと共に現場を離れます。しかしその警官こそ、キャッツ・アイの三姉妹の長女、泪の変装でした。そしてビルの屋上にやってきたのは次女の瞳。すでにビルにもぐりこんでいた三女の愛は、ビルを停電させます。エレベーターに閉じ込められた俊夫は、キャッツ・アイの仕業だと直感しますが、その勘は当たっていました。
キャッツ・アイのほうのビジュアルは、原作とも80年代のアニメともまったく違うアプローチですが、これはこれで良いのでは。愛ちゃんのお目目がおっきくて丸いのがすごく可愛い。個人的には俊夫のキラキラ加減のほうが慣れるのに時間がかかった。ここのキャッツの手口が新ルパンあたりのルパンの手口とよく似てるんですが、キャッツたちも昔から同じようなことやってたんで違和感ないですね。
逃げるルパンを追うキルヒマンでしたが、地上部隊は五エ門の刃の前に倒れるものの、キルヒマンの追撃は終わりません。一方、泪の計略で警官が追い払われ、俊夫はエレベーターに閉じ込められたままのビルでは、瞳が展示室に向かいます。が、それを察した俊夫はエレベーターシャフトを上り、展示室に向かいます。さらに、ルパンたちの前に現れたのは、ルパンがかく乱のために呼びだした、埼玉県警を率いた銭形警部でした。のです。ルパンは銭形のそばをすり抜けていきますが、邪魔する銭形の船を蹴散らしたキルヒマンは、橋の上を通るトラックを横転させ、積み荷の鉄骨をルパンたちの船の上に落とします。
五エ門カッコいい! でもCG画面の川の描写とキャラの違和感もすごい! いやその。川の質感が実写そのままなので、よけいにこう、浮いてる感がすごいですね……。鉄骨曲げちゃうマグナム弾を撃つ次元さんがカッコいいから問題ないですが……。あと、怒られそうですが、船に乗って現れたとっつあんを見て「埼玉には海が無かったのでは?」と思ってしまいました、ごめんなさい。そこらへんの草を食べます。そしてひさしぶりにルパンが銭形に「愛してる」とやったのが楽しかった。ルパンはとっつあん大好きでいてほしい(もちろん仇敵でもあってほしい)。
泪が入手した主催者の指紋データを使って展示室に入り込み「花束と少女」という絵画を盗もうとした瞳でしたが、絵が壁から離れた瞬間にトラップが作動し、危うい場面に。なんとか脱したものの、駆け付けた俊夫に投げ手錠で拘束され、もみ合いになります。しかし、泪と愛の助力で、俊夫は気絶し、三人は無事にその場を去ります。一方、キルヒマンはルパンたちの船から絵を回収します。ここで、キルヒマンから報告を受けたボスが連絡を入れたのは、あの峰不二子。不二子は不二子で、別の絵を手に入れようと計画を練っているようです。もちろんルパンは死んでおらず、キルヒマンの元にある絵はすり替えられたものでした。どうやらキャッツの絵を含めた、ミケ―ル・ハインツ作の三枚の絵が、ルパンの狙いのようです。そして銭形がやって来てルパンは逃げ出しました。
ここで俊夫が「憧れの刑事の技」って言ってるのは銭形警部のことなんでしょうが、この作品での日本の警察における銭形警部ってどんな存在なのかなあと思いました。知る人ぞ知る存在なのか、あれでけっこうマスコミに出てるから有名人なのかな。投げ手錠を披露したことあるのかな。あと、軍服姿の不二子ちゃんがひじょうに麗しくて良かったです。次元さんもこの軍服着てほしいな……。
そして鉄骨が落ちてきた屋形船から上手に逃げだしたルパンはすごいなと思いつつ、まあルパンだから納得なんですが、さっさとフィアットに乗り込んでルパンを迎えに来た次元ちゃんも次元ちゃんだなあと思いました。いっしょに川の中にいるのかと思ってたの。
さらにここで、ルパンを取り逃がしてわたわたしちゃってる銭形さんが、なんというかこういう銭形さんひさしぶりだな!という感じで懐かしかったんですが(ほら最近の銭形さんって、わりと切れ者キャラじゃないですか)、それを見て「やつらはだませても、とっつあんはだませねえなあ」というルパンがとても良かったです。さきほどの「愛してる」発言といい、直接に手を組まなくても、こういう風に相手を認めてる感が出るのが好きです。
そしてここでOPなんですが(直前に冴羽獠いましたね!)、これがすっごくカッコ良くてお洒落で良かった! キャッツとルパンの両方のモチーフが使われてて素敵でした。そして一瞬映るデザイン画(?)の6人のカットも良くて、やっぱりムック本出してくれませんか、トムスさん……。
翌日、昨夜の盗難事件のニュースが喫茶「キャッツアイ」で流れます。さんざん上司に叱られてぐったりしている俊夫と三姉妹の前に現れたのは、ハインリッヒ・ベルガーと名乗る画商でした。かれは三姉妹をキャッツアイと知っていました。三姉妹は俊夫を追い出し、ベルガーの話を聞きます。ベルガーは、三姉妹の父親、ハインツと旧知の仲でした。姿を消したハインツに恩があるベルガーは、この17年間、世界中に散逸しているハインツの絵を集め、かれの居場所を探してきましたのです。そこで、ベルガーは、先日キャッツが盗んだ「花束と少女」に似た絵の写真を見せ、あの作品が連作だったこと、そしてその絵を持っていた画商がルパン三世に殺され、絵を奪われたことを三姉妹に教えます。
ここ、瞳の手をきゅっと握って抱き寄せる俊夫を見て、俊夫はこんなキャラだっけと思いましたが、あとで正体を知って納得。さすがだな。俊夫のキャラデザがカッコ良すぎるから(原作ではもっともっさりしてるんですよね……そのもっさりが可愛いというか、もっさりしてるからこそのエピソードもあるんですが以下略)どうしても違和感があったんですが、そのあたりは、ストーリーが進むにつれて、これはこれでありかなと思うようになりました。そして、俊夫がいるにもかかわらず、ぐいぐいすごいことを言ってきたベルガーにはちょっと笑った。そこはお人払いを、とか言うべきではないだろうか。まあ、俊夫は80年代からいる難聴系主人公なので問題ありません。
そう、ベルガー。原作にもハインツに恩を感じて三姉妹に協力する画商が登場するので、ちょっとだまされましたが、ルパンが画商を殺した、という段階で、あ、こいつ悪者だ、と気づきましたね。ルパンが絵を奪うために殺人を犯すわけはないので、見る人が10人いれば10人そう理解するよね。視聴者は気づいていることに三姉妹は気づかないハラハラの演出だと思ったんだけど、違ったかなあ。
ベルガーの話の最中、監視カメラに映った俊夫の姿を見て瞳はその場所に向かいます。残された泪と愛に向かい、ベルガーは、ハインツの絵にナチスドイツの秘宝のありかが隠されていることを告げます。ハインツはナチスに奪われた美術品を取り戻す活動をルパンに協力してもらっていたが、ハインツの絵を狙っていたルパンにより情報を悪党に流されてしまい、その結果ハインツは失踪したというのです。一方、俊夫を追いかけた瞳は、俊夫が自分たちの絵の保管庫に向かったことに気づきます。そして、ベルガーと愛と泪のもとに、ここにいないはずの俊夫がやってきて、ふたりはさきほどの俊夫の正体に気づくことに。
あの、ナチスドイツの秘宝ネタなんですが、ルパンもそろそろ何度目か分からなくなっているのではと思いました、ごめんなさい。ナポレオンとかどうですか(それもたいがい使った)。そしてここでベルガーが語る話も、ルパン三世を知っていれば嘘としか思えないもの。でも、愛と泪はルパンを知らないから信じてしまう……ていうかその前にベルガーはどうしてこの三姉妹がキャッツアイだと知ったのですか。そこを突っ込みましょうよ、泪さんと思いました。
「花束と少女」を前にした俊夫のところにやってくる瞳。しかし、それは俊夫ではありませんでした。この絵から手を引けと警告するニセ俊夫に、瞳は爆発するカードを投げつけ、その変装を解きます。俊夫に化けたいたのはルパン三世でした。その場に駆け付ける、泪と愛。ルパンは三人を銃で脅し、絵を奪って去っていきます。なすすべもない三姉妹に、ベルガーはこの絵が三連作であり、もう一枚の作品があることを告げます。一方、店の外に追い出されたと思しき俊夫の目に映ったのは、銭形警部の姿。銭形は、先日のキャッツアイの事件にルパンとの関連性を感じて、犬鳴署にやってきたのです。ルパンを追っていた過激派組織を洗うことで、ルパンの手掛かりを得ようとしている銭形に、俊夫は協力することとなりました。
ここの俊夫に化けたルパンの俊夫(ややこしいな)が、カッコ良いです……。俊夫がキレイなので、それがルパンの仕草で振る舞うの、カッコ良かった……。でも、そのあとのルパンさまの顔になってからもカッコ良かった。このあたりで気づきましたが、この作品のルパンはカッコいいルパンですね。可愛いとかよりカッコいい、クールなルパン。ありがとうございます大好物です。泪が放ったボタンをキャッチして潰したあたりとか、同業者に向けた自信満々の傲慢さがあって、すごく良かった。ルパンカッコいい……(これ永遠に繰り返します)。
しかし銭形警部もカッコよかった。犬鳴署に現れたときの横顔、美人さんだった。「憧れの刑事」といわれても平然としているあたりがいい。後々に分かってきますが、この銭形さん、ほんとにルパン以外のことはどうでもいい銭形さんなんだよな。好みです。でもほんと俊夫はどこで銭形さんを知ったの。ルパン三世のことをふわっとしか知らないくせに銭形さんが憧れっていうことは、そのあたりの国際的な活躍で知ったわけじゃないってことなので、銭形さんが日本にいたときになにかあったのかな。スピンオフよろしくお願いします。
三姉妹は、べルガーの準備した飛行機で残されたもう一枚の絵のもとに向かいます。永石の協力で、各国の軍事組織が動いていることが分かっているため、ルパンよりも先に絵を奪うことが姉妹の狙いなのです。絵は、軍用列車で運ばれており、すでにルパンたちの監視下にありました。しかし、そこに不二子の影があることに気づいた次元と五エ門は仕事から降りてしまいます。一方、犬鳴署では、俊夫と銭形警部が、過激派組織の情報を求めて資料を調べています。手掛かりは武装組織の船に描かれていたマークだけ。難航する調べに俊夫は根を上げかけますが、銭形はあきらめません。
ここ、泪と瞳にはそれぞれ父から残されているものがあるけれど、愛にはない。しかし、愛が自分にもあるに違いないと思うくだりは、アイテムこそ違うものの、原作にもあるエピソードです。愛ちゃんがすごく可愛いの。そして、出たよ永石さん。キャッツアイ最大の謎の永石さん。わたしの推しの永石さん。いったいどういう経歴なのかははっきり描かれたことはありませんが、要するに何でもできちゃう三姉妹の協力者なのです。若い頃は傭兵もしてたので、次元さんを知ってたら面白いのに、と思いました。
で、ですね。わたし、この話ではまったくあると思ってなかったのに(むしろ泪さんとの絡みを期待していた)、こんなところでいつものお約束、誰よりも先に不二子ちゃんの存在に気づいてイライラしちゃう次元さんを見ることができて幸せです。いっつも目ざといよねー。すーぐ不二子ちゃんを見つけちゃうんだよねー。「ただの女じゃねえ」っていい台詞だな! この綺麗な不二子ちゃんとダンディな次元さん、もっとからんでほしかった……。
そして銭形さんと俊夫。80年代が舞台なので、ネットがないんですね。この銭形さんの真面目というよりちょっとファナティックな感じがたいへんよろしいです。オスカーがここに居たら、汚物でも見るような目で俊夫をにらんで「やる気がないなら、去れ」と吐き捨てたと思います。八咫烏くんがいたら、俊夫といっしょにコーヒー淹れに行って、銭形警部の武勇伝を延々と語ってたと思います。どっちにしても疲れるな、俊夫。
一方、絵を乗せた軍用列車は、緊急事態が起きて停車。もちろんキャッツ・アイの仕業です。そしてそれを監視しているのは、不二子。三姉妹はトンネルの中で列車を切り離すことに成功し、その様子は仕事をおりたはずの次元と五エ門の目にも入ります。気になる様子の次元に、五エ門は「まだ間に合うぞ」と告げます。一方、犬鳴署で資料の山にうずもれながら手掛かりを探していた俊夫が、息抜きでめくっていた雑誌のドイツの極右組織の記事のなかに、武装組織のマークと同じマークを発見します。
トンネルのアクションは、キャッツアイの見せ場、という感じで良かったですね。普段はここまでアクションしないんだけど、今回はルパンに合わせて、という感じかな。そしてやっぱりルパンのことが気になっちゃう次元と、それを察してる五エ門の関係もいい。ていうかたぶんこの五エ門はぜんぶ分かって、次元を後押ししてる感がある。そういう五エ門、嫌いではありません。でも、この次元さんとてもカッコいいので、そろそろちょっと目チラが欲しいなーという思いになりました。
銭形さんの「熱海」と「内海」の言い間違い、楽しいけれどちょっとしつこいのでは、と思ったんですが、この銭形さんの場合、本気でルパン以外のことに関心がないだけという可能性も高いと思いあたり、ちょっと怖くなりました。ファナティック銭形さんは好きです。
無事に列車を切り離した愛と瞳でしたが、そこにルパンが現れます。すでに絵を手にしているその姿を見て顔色を変える愛。泪も駆けつけますが、隙をついた不二子によって列車は止められてしまいます。そして武装組織を調べていた俊夫と銭形さんは、かれらが「ファーデン」と呼ばれる、美術品取引シンジケートを隠れ蓑とした武器商人であることを突き止めます。背後にさらなる闇があることを察した銭形は、いそぎヨーロッパに飛ぶことを決め、俊夫もそれに付き合うこととなるのでした。
ルパン登場で盛り上がりますが、不二子は不二子でキルヒマンと結託してるみたい。そして「ファーデン」の存在に気づいた銭形さんが、ICPOの立場を使ってかれらに接近しようと考えるあたりの賢さとやっぱりちょっとファナティックな感じがとてもよろしいです。
キルヒマンとその部下が到着し、追い詰められるルパンとキャッツアイ。しかし、ルパンは咄嗟のアドリブで、不二子の立場を危うくさせることに成功します。そして、そこに駆け付けたのは次元と五エ門。爆破の衝撃で列車は谷底に落ちかけますが、絵をあきらめきれなかった愛を助けたルパンはキルヒマンに追い詰められ、ともに谷に落ちるのでした。
不二子ちゃんが信用ならない女であることを利用して、罠にかけるルパンさま、頭が良くてカッコいい! 不二子ちゃんとの関係はいまどきのルパンらしく、よきライバルって感じなんですね。そしてやってきた次元と五エ門の無双っぷりも楽しかった。時間通り、とルパンは言ってたけど、ここに来る前に連絡を取り合ってた様子はないので、おれにイラついた次元が落ちつくまで何時間、とか考えてたのかな。まさか。
そして、ギリギリの状況で「行くわよ」と判断できる泪姉さんがカッコ良かった。次元たちに助けられた泪たちですが、助けられっぱなしではなく、ちゃんとワイヤーを使ってピンチを脱する手伝いをしてたの良かったですね。しかし、ここで次元と五エ門、泪と瞳は初めて顔を合わせたわけですが、どんな会話がなされたのか気になります。ベルガーから聞いた話をそのまま話しても、次元たちにはとても信じてもらえないと思うんだけど。
いや、大事なのはここです。初対面なんですよ初対面。ルパンを助けに来たはずが、成り行きで助けた美女二人とあのガンマンとサムライがどんな会話をしたのか、それぞれの第一印象はなにか、とか気になりませんか。どう考えても、こういう場面では、泪さんと次元さんが場を仕切ったんじゃないですかね(五エ門がまったく頼りにならないので)(瞳は泪姉さんにまかせそう)。よく分からないけど、おたがいに愛とルパンが一緒に消えたので、見つかるまでは手を結ぼうか的な話になったはずですよね。次元さんどんな顔してそんな話したのかなー。
なんとか谷底から上がったルパンと愛ですが、キルヒマンの捜索は続いています。ルパンは愛に逃げ道を教え、去るようにと諭しますが、ルパンが怪我をして片目が見えにくくなっていることに気づいた愛は、その場を去ることを拒否し、ルパンと共に歩き始めます。愛は、ルパンから父であるハインツとのいきさつを聞き、契約を果たした所有者に栄光をもたらす伝説の秘石「フォルトゥナの石」を見せられます。ハインツに助けられた若き日のルパンは、その石をハインツに託したのでした。ハインツはそれをナチスに略奪された美術品を取り返す交渉材料として、また、立派な人物に渡して世界を良くしてもらうことを考えていたのです。ルパンがパパを裏切ったんじゃなくて安心した、という愛に、ルパンは顔色を変えますが、そのとき、キルヒマンの追手がルパンたちを捕らえたのでした。
わたしはルパンと少女の組み合わせはあまり好きでないのですが(というかクラリスでお腹いっぱい)、この愛との関係は悪くないなあと思います。愛ちゃん可愛いんだよな。もちろん、愛が絵をあきらめられなかったせいでこんなことになってるんだけど、それは愛のわがままではなく父とのよすがを求める真剣な思いからだし、ルパンもただ目の前の子どもを守っただけに過ぎないから、キャラ変でもない。ルパンが愛たちキャッツアイを助けた理由はのちほどの展開で明らかになるわけですが、それがなくとも、目の前の少女の命くらい盗んじゃうのがルパンだと思います。
でも、ここでの愛とルパンの距離の縮まりかたは自然で良かった。ルパンにとって、愛はただの子どもだということがよく分かるし、愛もまた、生意気なようでいてそうでない、自分の意志を持った賢明な女の子であることが伝わってきます。
あと、初見では分かりにくかったんだけど、ルパンはフォルトゥナの石を盗んだときに大怪我をしてハインツに助けられたんですよね? で、そのときに盗んだフォルトゥナの石をハインツにあげた。でも、ふたりの関係はその前からはじまってたってことかな。あとの方の描写を見ると、ルパンにフォルトゥナの石の情報を伝えたのはハインツなので、そうなるんだけど。ちょっとわかりにくい。
一方、どうやら無事に逃げおおせた次元たちの車に不二子のバイクが近づき、ルパンと愛がパリにあるファーデンの事務所にさらわれたことと、ヘリに乗っていた男が、デニス・キルヒマンであることを知らせて去っていきます。そして、次元はルパンからストーンを託されていたことに気づき、一行はベルガーの飛行機でパリに向かうこととなりました。ファーデンの事務所にどう入り込むかと相談する一行ですが、ベルガーが画商としての立場を使い、まずは自分が、と申し出ます。
あ、ダブルデートのご一行様だ!(暴言)ルパンはどこまで次元たちに話をしていたんだろう。五エ門が義理で動いた、と言ってたからには、キャッツたちの父親であるハインツとの関係は話したのかも。
とか思ってたら不二子ちゃん来た! 次元さんたら安定の「疫病神」呼ばわりで楽しいです。不二子ちゃんの情報提供も疑ってかかってるあたり、お約束でいいな! ほんとに信用してないんだな! (わたし、ジゲフジのひとです念のため)。そして、ちゃっかりベルガーの飛行機に同席してるあたり、泪さんとなんらかのやりとりはあったんですよね、ね? でもそこでストーンを無警戒にベルガーの前に晒してるあたり、次元さんもだいぶうっかりさん。そしてどうやって事務所に入り込むかのくだりで軽口を飛ばしてるあたりも、次元さんにしては心を開くのが早い気がする。やはりなにかのやりとりが(略)。
ファーデンの事務所で、拷問を受けるルパン。石のありかをたずねるキルヒマンに、権力者に知恵と栄華を与えるものの、失ったとたん破滅するフォルトゥナの石にまつわる呪いを口にします。その権力者のなかにはファーデンの初代総帥、イエーガーの名もありました。しかしそれはキルヒマンの父だったのです。ルパンが石を盗まなければ父は死ななかっただろう、と復讐の意味もこめ、あえて愛に電流を流そうとするキルヒマンでしたが、そこにICPOが現れたと呼び出しが入ります。その場を出ていくキルヒマン。しかし、それがルパンの反撃のはじまりでした。拘束を外し、照明を壊した暗闇の中で敵を倒すと、ルパンは愛に鍵を渡してともにその場を離れるのでした。
ここのキルヒマンがルパンを拷問にかけるくだり、愛ちゃんはぜったいひどい目に遭わないと分かっていても(そういうものなので)、緊張感ありましたね。キルヒマン、いい悪役かもと思いました。そしてやっぱりルパンさま! 拘束なんて鼻で笑っちゃうのがルパンさま、カッコいい! 「暗闇の方が見えるんだよ、泥棒だからな」ってくっそカッコいい。でも、ここで、愛ちゃんを置いていかず、でも鍵を投げるだけではずしてあげないあたりが、愛を保護しなくてはならない子どもではなく、同業者として扱ってる感があって、とても良いです。愛ちゃんならそれができると分かってるんだろうし、愛ちゃんの物おじしないところとか、気に入ったんだろうな。
一方、ファーデンの事務所に向かうベルガーと泪たち。そして、それを確認する不二子の姿が映ります。かれらが事務所の裏口に着いたころ、銭形と俊夫のふたりはファーデンの事務所でキルヒマンを待ち受けていました。不安いっぱいの俊夫に対し落ち着いた様子の銭形ですが、キルヒマンからは軽くあしらわれて終わりになります。食い下がろうとする俊夫でしたが、銭形はあっさり引き下がり、裏口から侵入しようとします。そんな二人の姿を見た瞳は驚きますが、持ち場から動くことはできません。そして、首尾よくファーデンの内部に入り込んだ、ベルガーと次元、泪は、ルパンたちの居場所を監視カメラから探そうとして、カメラに映っていない部屋に向かうことに。
ここ、銭形さんが、頭が回る上に手段を選ばない感じでとても良かった。昔だったら単に食い下がって追い出されて終わりだったのに、賢くなった。でもその大胆さに俊夫が困ってるのが可愛かった。やっぱりこの銭形さん、ルパン以外は目に入らないファナティック銭形だよ。いいよいいよ。そして、ベルガーの目の付け所を誉める次元さんがまたうっかりさんパート2でした。泪と次元の距離感良くないですか……。
ルパンと愛は、カタコンベ(地下墓地)を抜けながら、ファーデンの本拠地を進んでいきます。そこに現れたのは不二子。ルパンは、不二子が探しているお宝の場所を教える見返りに、いざというときに愛を助ける約束を取り付けます。そして、ルパンは、愛にもヤバくなったら逃げると約束させ、自分もハインツの絵を必ず取り戻すことを約束するのです。
ここでのルパンと不二子の関係性もいい。もう「るっぱーん」「ふーじっこちゃーん」みたいなやり取りは見られないのかなあと思いつつ、令和の空間では、あれをやりつつ二人の魅力がそがれず関係性を平等なものとみてもらう描写って難しいだろうし、ふたりが平等でない関係はわたしもいやなんだよな。
なにより、こういう、ライバルでありつつも、男と女としての雰囲気が残ってるルパンと不二子も悪くありません。愛を助けるという約束が、言葉なしに成立するのもいいよね(愛ちゃんはよく分かってない、そこがいい)。あと、ストーリーが進めば分かりますが、不二子ちゃんは他の誰よりも早く、ルパンの意図を見抜いている存在になっているわけです。すごいル不だ!
そして愛とルパンの関係性もさらに深まりました。泥棒の心得を語るルパン、やっぱり愛ちゃんを同業者(まだ卵扱いだろうけど)として扱っている。甘やかしてないの。でも同時に、恩ある男の娘として、ぜったいに守らなければいけない存在だと肝に銘じてもいる。さらに、子供っぽい指切りの約束には付き合わず、愛ちゃんのカードで応えるそのやりかた、このルパン、超カッコいい大人の男です……。
ファーデンの事務所にもぐった銭形と俊夫ですが、あわただしくなった雰囲気をチャンスととらえる銭形に、俊夫は戸惑いつつも引っ張られ、武器倉庫らしきものと取引リストを発見します。一方、瞳と五エ門の元には敵が迫り、五エ門は内通者の存在に気づき、瞳は顔色を変えます。そして、その通り、ルパンたちが捕らえられていた部屋にたどり着いた泪と次元は、キルヒマンに迎えられ、ベルナーの裏切りを目の当たりにすることとなるのでした。これで三つの石を揃えたベルガーは、フォルトゥナの石を我がものとする儀式を執り行うことにします。そこで、ルパンもキャッツアイも片付けようというのです。
銭形さんの迷いの無さがいい。このひとやっぱりルパンの仇敵ですよ。頭がおかしいもの(誉め言葉)。でも、それについていけなさそうな一般人である俊夫が、いつも何かを発見するのですね。この組み合わせも楽しいな。そして、次元に「どうする?」と問いかける泪と、泪を銃弾から守る次元さんに萌えるのに忙しかったです。さらに、ようやくここで初めてベルナーの裏切りに気づく次元たちですが、遅いよと思ったわたしを責めないでください。「どうも怪しいとは思っていたが」ってぜったいに嘘ですよね次元さん。さすがに激昂する泪を押しとどめる冷静さはプロって感じで素敵です。
取引リストを抱えた俊夫と銭形は、キルヒマンとばったり行き会います。そこで起きたいざこざで生まれた敵の隙を見逃さず、泪と次元は敵を倒し、泪は愛の元に向かいます。次元はキルヒマンのRPGの洗礼を受けることに。同じく、瞳と五エ門も地下に潜入し、瞳は愛の元に向かいます。
ここ、地上でICPOの捜査員が100人包囲している、とかハッタリかます銭形さんに笑ってしまった。こういう銭形さん好きだ。しかし、そのせいで出来た敵の隙を見逃がさず、阿吽の呼吸の協力プレイで敵を倒す泪と次元も大好きです。そして気づいたんですけど、泪さん、次元にタメ口ですね。「ここは食い止める、行きな」といわれて、泪が「うん」と言ったのには参っちゃった。あのクールで大人の女性の泪さんが「うん」って。少女のように「うん」。なんか破壊力あったな、「うん」。これ、下手したら次元さんのことも「次元」呼ばわりなんじゃないですか。ヤバい、そのカットシーンどこで見られるの。
そして五エ門と瞳も同じような流れだったんですが、「ここはそれがしが」といわれて「ありがとう」と返す瞳のまっとうさよ。そうだよ、こっちが普通の距離感だよね。でも、ここの五エ門が無双すぎてさすがに笑いました。「なぜ当たらない!」ってわたしもそう思う。なぜならそれは五エ門だから。でも、斬鉄剣が刃こぼれしたのにはちょっと驚いちゃったな。
泪と瞳は、愛のシグナルを追っていますが、その愛はルパンと共に儀式が行われる部屋にたどり着いています。そこに現れたベルガーの姿を見て驚くことに。ベルガーはルパンが来ていることを見抜いており、なおかつ、愛に向かって本来の声で語りかけます。ベルガーは、三姉妹の警戒を解くために、これまでハインツの声を使っていたのでした。
ベルガーの変声器についてなんですが、三姉妹が(あのいつも慎重な泪さんでさえ)ベルガーに騙されたのはこのせい、というのはちょっと無理ないですか。泪や瞳が父親の声を覚えているかどうかもあやしく、なおかつ「……どこか懐かしい感じがする方ね、信用していいと思うの」とかいうやりとりがあったわけでもないので。あるいはキルヒマンに指示するボスの声がベルガーと同じであっては視聴者に対するネタバレになるからという設定の都合なのかもしれないですが、それが理由ならもっとわざとらしいボイスチェンジャーを使った宇宙人声でも良かったのでは、と思いました。繰り返しますが、視聴者には、ベルガーが悪人なのは、最初の登場場面でバレバレだったので……。
ルパンは儀式のためのテーブルに爆薬を仕掛けていたのでした。部屋全体が崩れて生き埋めになると言われても、ルパンは気にしません。ルパンはハインツの絵を返すことと、今後キャッツアイに手を出さないことを条件にベルガーに取引を申し出ます。しかし、愛は目の前に出されたハインツの絵を前に飛び出してしまい、キルヒマンに捕まります。愛を人質に取られ、動けなくなったところを撃たれて奈落に落ちていくルパン。
不二子は地下水路の奥に眠る、ナチスが略奪した絵画を見つけ出しています。ベルガーは儀式により、石との契約を結びますが、そこに、ハインツの声が響きます。フォルトゥナの石をルパンに盗ませたのはベルガーで、先代のボスの地位を奪うためだったと。それを聞いて、先代の息子だったキルヒマンは顔色を変え、ベルガーに銃を向けます。ハインツの声を出していたのは瀕死のルパンでした。ルパンはキルヒマンに取引を持ちかけますが、キルヒマンは受け入れず、愛を殺そうとします。そこにキャッツアイのカードが。
ルパンはいったいいつ爆薬を仕掛けたのだろうと考えました。フォルトゥナの石を盗んだときにやったのなら、ずいぶん長く持った爆薬ですね、という感じだし、そのついでに不二子ちゃんに教えたナチスが略奪した絵画を見つけたなら、それをハインツに渡してないのも不自然だ。やっぱりこの話が出てきたあたりでもう一回忍び込んだと考えるのが自然かな。でも、ここでキルヒマンのキャラが立ちましたね。かわりにベルガーがえらく小物になってしまったのはちょっと残念。ラスボスは強くあってほしい。でも流血のルパンはとてもカッコいいので……。
愛は姉たちと再会します。しかし、武器はカードのみ。そこに瞳たちにルパンの声が届きます。約束のカードを使えというルパンからの伝言によって、愛はキャッツカードで暗闇を作り出し、みごとキルヒマンを拘束することに成功します。しかし、肝心の絵はベルガーに持ち去られていました。そして、儀式の部屋から逃げ出したベルガーによって、起爆装置のスイッチが入れられ、部屋は崩壊。追い詰められたキャッツアイを助けたのは、不二子でした。カタコンベを逃げるベルガーを迎えたのは、傷だらけになった次元と五エ門、そしてルパン。ハインツのロマンを実現させてやれなかったことを悔やむルパンにより、フォルトゥナの石は破壊され、ベルガーの契約は破棄されます。
愛と泪と瞳が再会して「逃げるわよ」といった瞬間に、「ルパンは?!」と声が出ました。置いてかないで愛ちゃん。そしてここのルパンのアドバイス、初見時にはよくわからなかったんだけど、周囲の空間を隅々まで記憶しておいて暗闇を利用しろ、ということだったのかな。ここの三姉妹の動きはカッコよくて良かったです。そしてRPGに狙われたのに、生きてる次元さんはたしかになぜ生きているって感じですが、まあ次元さんだから……。個人的には斬鉄剣が折れてたのがすごくショックでした。そりゃ五エ門も「死して償え」って言うわ。早く打ち直してもらって……それで直るかどうかは疑問だけど……。
ベルガーは額を撃ち抜かれ、絶命します。撃ったのはキルヒマンでした。失えば死ぬという、フォルトゥナの石の呪い通りにしたのです。見逃がそうというキルヒマンの言葉を嗤うルパンに、キルヒマンは銃を向けますが、次元と五エ門もまたその前に立ちふさがります。「おれたちはこっからが強えんだぜ?」というルパンがキルヒマンに突き付けたのは、ハインツの絵を渡すことと、今後キャッツアイにはかかわらないと約束することでした。キルヒマンはそれを飲み、ルパンたちは去ります。カタコンベが崩れさるなか、不二子もまた地下水路からキャッツアイを救い出し、去っていきます。キャッツアイもまた、迎えに来た永石とともにパリを去るのでした。
ここはもう、ルパンさまのカッコ良さに免じてもう。という感じの良さでしたね。もうちょっと見せ場が欲しかった次元と五エ門ですが、ここでルパンが「おれたち」という表現をしたのでよしとします。個人的には、ここで次元さんの目チラだよ! と強く思いましたが……。でもルパンがほんとにカッコ良かったので満足です。そして不二子ちゃんも大人の女の雰囲気あって良かったですね。永石さんは、最初からもうちょっと強引に介入しておけばベルガーの正体も分かってこんなことにならなかったのではと思いましたが、それだと話にならないか。
日本に帰り、喫茶「キャッツアイ」で、崩落事件とファーデンの悪事が明るみに出たニュースを見る三姉妹。そこにルパンからのメッセージが。謎めいた文面でしたが、なにかを感じた愛は、絵の保管場所に走ります。そこにはハインツの三枚の絵が飾られており、最後の一枚は生まれる前の愛をお腹に抱えた母の姿だったことが分かります。「ありがとう、ルパン」という愛の言葉とともに、三姉妹は抱き合い、フィアットは去っていくのでした。
というわけで、終わりです。長い感想でごめんなさい。
で、全体的な感想としましては、思ってたよりずっと面白かったです! というもので、ほんとうに失礼にもほどがあるので公式のキャンペーンにも応募できないんですが、だってほら、最初はキャラデザにも慣れなかったし、いまごろキャッツアイと言われても、という感じだったしで……。でもこうやって見てみれば、絵には慣れたし、CGにはところどころ違和感ありつつも、キャラクターはみな奇麗でカッコ良かったし、お話も、キャッツアイの「父のためにその作品を集める泥棒」という部分に焦点を当ててルパンとの接点を作るアプローチは正解だったと思います。
あとで、プロデューサーの方とかのインタビューを読んで、あ、カリ城を作りたかったのかと気づきましたが、そう言われたらオマージュされたような場面はありますね。不二子とルパンの関係もそうだし、ルパンが妨害のために銭形を呼びだすとか、不二子がバイクで助け船を出して去っていくとことか、売り出し中の若き傷ついたルパンがハインツに助けられるとことか、儀式の部屋で傷ついたルパンがマイクを通してメッセージを言うとことか、ルパンを追っててとんでもないものを見つけてしまうとことか、ありがとうルパンとか、いまぱっと浮かぶだけでもこれくらいはあります。次元が最初に降りるといいだしたあたりで、ルパンにコブラツイストかけなくて良かったと思いました。
でも、個人的にはそんなにカリ城っぽさは感じませんでした。敵キャラが違うし、愛ちゃんとクラリスの差も大きい。あと、なにより、ルパンが違う。今回のルパンは感想でも何回書いたか分からないけど、ほんとにカッコいいのです。いや、カリ城のルパンもカッコいいけど、質が違う。このルパンには余裕があって、大人なんですよ。おじさんじゃなく大人なの。そういうルパンも大好きなわたしに文句があるでしょうか。
わたしは「キャッツアイ」のコアなファンでないので、キャッツアイとしてはどうとはあまり言えないんですが、原作のエッセンスも使いつつ、ところどころでファンも納得な雰囲気のところもあって良かったと思います。ルパンの相手を愛にしたのも納得です。このルパン、泪を相手にしたら3分で抱くでしょう。瞳でもやりかねない。あと、キャッツアイ世界を舞台にしたことで、銭形に振り回される俊夫を通して、ルパン世界ではあまり目立たない銭形さんのファナティックさに気づけたあたりがとても楽しかった。
さらに、舞台は、80年代なわけだけど、あまりそれは感じなかったかなあ。インターネットとパソコンとスマートフォンがない世界だなあとは思いました。
あと、これはやはり全世界に配信される作品ということもあってか、ルパンも次元も、喫煙描写、なかったですよね……? それは残念。でもしょうがないのかもしれない。ただ、こういう単発作品ならともかく、TVシリーズは死守してほしいです……。
もちろん、あともうひとつ欲しかった、というところはあります。ストーリー上しょうがないんだけど、もうちょっと次元と五エ門のこれという場面が欲しかった。ふたりともちゃんとアクション場面の見せ場はあるんですが、なにかもうひとつ人間味を感じるところがワンカット、一言二言の場面でもあればもっと良かったのにーと思うんです。だってカッコいいこのふたりをもっと見たかったから……。愛ちゃんとルパンくらいの絡みが次元と泪さんにあったらたいへんでした(たどり着くのはやはりそこか)(五エ門は)(だって瞳には俊夫がいるので)。
ええ、いつもジゲフジジゲフジとうるさいおまえがずっと泪さんと次元さんとうるさかったですが、それはもう北条先生の描き下ろしイラストのせいです、お許しください。もちろん、わたしの脳内ではこの世界線でもジゲフジは成り立ちます。たいへん、次元さんに命はあるかしら。
こんな風にいろいろツッコみましたが、全体的にはとても楽しい作品だったと思います。キャッツアイやルパン三世がリアリティを持って存在できる時代を背景にして、満足できる内容でした。こういうCGルパンもアリだし、スピンオフとしても面白かった。ほんと、良質のTVSPとして胸張って出せるレベルだと思うので、金ロで放送すればいいんじゃないかしら。ありがとうございました!