ルパン三世ベストセレクション第23位「ボクたちのパパは泥棒」感想

キター!」(cv.小林清志)

 ルパン三世ベストセレクション、第23位はPARTⅢ「ボクたちのパパは泥棒」でした! 個人的に、パースリのなかでもお気に入り度が高い話なので、ランクインにニコニコです。というわけで前回に引き続き、ベストセレクションが放送されていない地域に住まうわたくしが、エア感想をつづって参ります。ネタバレありなのでお気をつけください。あらすじはこちら→(URL)。そしてエア感想なので、クリカンさんの解説は見られないままなのでした……。

 冒頭から、いかにもなパースリ美女と作業服のルパンたちが登場して楽しいです。全編を通して、山田康雄さんの声がほんっと軽やかでふざけてて、真面目じゃないのがいいなあ。こういうルパンさん大好きです。そして宝石展示の場でいきなり首飾りをゲットしてる不二子ちゃんは大胆すぎやしませんか。

 夜通しの作業の後、マンホールから顔を出したルパンの前にいきなり現れた男の子は、ルパンを見て「パパ!」と言い出し……という場面はやり取りのひとつひとつが楽しくてならない。なんといっても次元さんの「キター!来た来た来た来た、ついに来ましたルパンさん!」ですよね。パースリにおける次元さんの名台詞は数あれど、いちばん印象に残っているのはと問われたならば、これを答えてしまいそうな自分が怖い。アジトに帰ればさらに赤ん坊まで置かれてて、ちょっとした「スリーメン&ベイビー」状態の一味が楽しいです。

 子どもを前にしたルパンに対して「おめーは!なぜこの街に来ると欲情するのかっ」とあきれていた次元さん(これも名台詞だ……)や「不潔っ」と眉をひそめていた五ェ門のところにまでそれぞれの子供が現れちゃう展開がおかしい(そして、ここでなにも知らない状態で「なんだい、お嬢ちゃん」と次元さんが女の子にかける声がすごく優しいのですよね……)。とうとう、こっちはこっちで忙しそうな不二子ちゃんに助け舟を求めるルパンですが、このなかでいちばん子ども扱いが下手なのはどう考えても不二子ちゃんだと思うんだけどな。次元と五ェ門はあんがい上手そうだ。
 
 とうとう子ども連れの状態で宝石展に盗みに入るルパン一味(ここで父親になり切っているルパンと、自分の子どもの頭を撫でてる五ェ門が可愛い!)、単独で行動してた不二子ちゃん(キャッツアイ風のレオタード姿がいいですね)がバッティングしたものの、さらっとかわすルパンがいい感じです。こどもたちがいなくなり、心配で青くなるルパンに対し、ここらへんで(やっと)冷静になった五ェ門の「どう計算しても拙者と次元にはまるで心あたりが無い」という台詞に、次元さんはともかく、五ェ門も計算したの……?という思いになった方は多いでしょう。ルパンさんはそこらへんいちいち心当たりがあり過ぎるのですね。

 しかし、そこで不二子ちゃんが登場。自分がすっかり騙されてたと知って、ルパンたちをまき込む逃走劇に突入です。「あたしひとリじゃシャクじゃない」と言い切って、ルパンに「いい性格してるよ」と言われ、にこっと笑う。ここらへん、不二子ちゃんの憎めない抜け目のなさがよく出てますね。可愛いの。

 そして、銭形警部の目を盗むためのショーウィンドウのなかでの苦し紛れの女装姿、ルパンはともかく、やる気がまったく感じられない次元さんの雑な女装は必見です。旧ルパンの女中のほうがよっぽどちゃんと化けていたような気がします。TVSP「お宝返却大作戦」は、あれは女装というよりドレスを着ただけだしな。一刻も早いナースリンゴちゃんのアニメ化が望まれます。話がそれました。そういえばここでは「おめえをだますとはたいしたやつだな」「どういう意味?」とツンツンしあうジゲフジの姿が見られます。パースリではちょくちょくみられるふたりの角突合せる感じがここでも!ぜんぶで3秒くらいですが!お好きなかたはぜひ。あと、この頃にはOPが初期バージョンから変わってて、ジゲフジな場面(ふたりで!戦車の下に!ふたりっきりで!)があるバージョンなのですよね。それも見直してニコニコしてました。

 そしてこどもたちの正体が分かり、アクターズスタジオに向かったルパンたち。そこでルパンと再会したとたん「ルパンおじちゃん!」っていうマークがいいですね。あの瞬間、ルパンの寂しさと子どもの無邪気さが対になって、展開が分かりやすくなる。あくまでこどもたちにはなにも知らせないままのルパンがほんとうにやさしい。ちょっと個人的に思うんですけど、パースリのルパンってオジサンですよね。カリ城のおじさまルパンとはまた違う意味でオジサン。旧ルのギラギラした若さや新ルのやんちゃな青年ぽさからひとつ抜けて、いいかんじの成熟が感じられて、わたしはこの三世さんも大好きです。そしてオジサンなのでオヤジギャグが多いのは当然なのです。美輪さま大リバイバル後の現在はともかく、パースリ放送当時「ヨイトマケの歌」は本当に古かったはずだ。「ガンバルマン」はリアルタイムかな。しかしいまとなってはなにもかも懐かしい……。

 最終的には不二子ちゃんを裏切った敵役から宝石も手に入れて万々歳。しかし、ルパンたちに人としての温かい家庭があったことをずっと引きずっている銭形警部も可愛いですね。そしてその認識のまま最後まで行くあたりも楽しかった。

 というわけで、「ボクたちのパパは泥棒」。しっかり楽しんで見させていただきました。全228話のなかから選ばれたベスト23位なんだもん、面白いに決まってるよなあ、というのと、個人的にこの投票、けっこうコアなルパンファンのみなさまの票によって成り立っているのではと思うので、このあとも楽しみです。ニコニコとDVDコレクションで試聴しつつ、地元の日テレ系列の地方局に放送お願いするメールも送っておきます。これからも続けて感想を書いていきますので、どうぞよろしくお願いします!