「泣く子も笑うインターナショナルルパン三世よ。ご存知でハラショー?」(cv山田康雄)。
ルパン三世ベストセレクション、第19位は、PARTⅢ 第50話「原潜イワノフの抹殺指令」でした!第20位に続き、パースリがランクインです。さっそく、いつものように、ベストセレクションが放送されていない地域に住まうわたくしが、エア感想を書かせて頂きます。ネタバレありなのでお気をつけください。あらすじはこちら→(URL)。
「原潜イワノフの抹殺指令」といえば、放送が間延びしたためある意味幻のパースリ最終回です。放送当時、こどもだったわたしはずっとパースリの最終回はとっつあんが養子になった話だと思ってました。
さて、その本物の最終回であるこの話。しょっぱなからパースリらしい自由きわまりないグニャった作画全開で笑ってしまいました。あ、悪口じゃないですよ、可愛いんですよ!(それでもさすがにあの場面の不二子ちゃんはもうちょっとなんとかならんかと思ってしまった。どの場面か見た人はお分かりですね)。まあ、パースリに限らず80年代のアニメっておおむねこんな感じでしたから、たいした問題では無いのです。
80年代アニメといえば、CIAのエージェント役の古川登志夫さんの声がキャラに合って実にかろやかで良かった。諸星あたるがCIAに就職したのかと思いました。そしてこれまでもルパン三世においてたくさんのゲストキャラを演じてこられた滝口順平さんの登場も嬉しかったです。勝手な印象ながら、滝口さんのお声があると、ルパンぽさが増す気がします。
モサドにKGB、CIAと各国のスパイがごった煮的に登場しては矢継ぎ早に暴れまわる派手な展開が、TVSPぽいなーと思ったんですが、脚本が、かの柏原寛司さんだと確認して納得です。原子力潜水艦「イワノフ」も登場だしね(もっともノリノリで乱入してくるCIAを見たときには浦沢義雄さんの脚本かとも思った)。DVDコレクションのマガジンによると、当時「バビロンの黄金伝説」の為にあげられたオリジナルプロットのうちのひとつだったそうで、それもうなずけるスケールの大きさです。まだソ連があって冷戦も終わっていない時期のお話なんだなあ。
そして、そんなスケールの大きい設定はあくまで背景にとどめておいて、ルパンをどこまでもしつこく追う銭形警部、どんなときでも己の欲望に忠実な不二子ちゃん、詳しいことは露とも知らずお宝探しに励むルパンと次元、という三つの視点でテンポよくどんどんストーリーがエスカレートし、転がっていくのがいいです。飽きたりダレたりする場面がないのね。これはやっぱりTVシリーズ、それもパースリならではの味という気がします。
基本的にキャラ中心のお話しではないので、キャラ萌え的にはいちいち拾ってキャッキャッできる部分は少ないんですが、まずは銭形警部。付き合いが長いとはいえ、ぱんつ一枚になった不二子ちゃんを見てもべつに頬のひとつも染めることなくきょとんとしているのがいいですね。思えば新ルでもそんな場面がありましたな。この話の銭形さんはそんなことよりどこまでもルパンを追いかけることにいそがしいのだ。個人的な萌えポイントはイワノフの中で珍しく水兵帽をかぶってたり上着を脱いでたりする次元さんかな。「どうせあの女がまたなにかたくらんでるんだろうぜ」とルパンに釘をさしたり、いっしょにババ抜きしてるのも可愛い。そしてイワノフを高く売りつけたとご満悦な不二子ちゃんに対して「どうかな、その話。軍事機密ってのは金になるようでならないからな」と指摘するあたりもパースリっぽいジゲフジポイントですね!(ポイントなのかそれ)。
しかしわたし、バミューダの財宝はぜったい不二子ちゃんのフカシだと思っていたので、それが本当に存在していたうえに、ルパンが手に入れられない(しかもそれはメインのプロットにはたいして関係ない)展開には驚きました。しかし、さらにこのお話は「イワノフやそんなに欲しくば二等分」と五ェ門が斬鉄剣でイワノフをまっぷたつにしちゃう超展開でラストにいたるわけですが、ここまでくればこのお話のカラーにはあってるかなあ、と思います。そんな風に、一応最終回ではあるものの、ことさら最終回ぽいお話ではなく、ただ、銭形警部とルパン三世の追いかけっこは永遠に続くよ的な終わりなのはいいですね。楽しかったです。
というわけで「原潜イワノフの抹殺指令」だったんですが、これが19位となると、もうここからあとの順位に関しては、単純な完成度だの人気だのという基準だけでははかれないものになっていくんだろうなという予感がひしひしとしますね。なにが来てもある意味驚き。ベスト5に選ばれるのはいったいどの話なのかというあたりがますます気になります。そしていまだ現れぬ五ェ門回。大丈夫ですか、ベスト10あたりからずらっと石川五ェ門ベストセレクションみたいなことになるのでは。それはそれで楽しみですが(笑)。
しかし、この調子だとなにが出てきても名作には変わりないのはたしか。というわけで、これからもベストセレクションの発表を毎週楽しみにしていきたいです。この調子でエア感想も書いていきたいと思っています。よろしくお願いします!