「チームワークがこうも決まるとすごくいい気持ちね、ルパン」(cv 増山江威子)。
ルパン三世ベストセレクション、第18位は、PARTⅡ 第137話「華麗なるチームプレー作戦」でした!わーい、大好き!さっそく、いつものように、ベストセレクションが放送されていない地域に住まうわたくしが、エア感想を書かせて頂きます。ネタバレありなのでお気をつけください。あらすじはこちら→(URL)。
冒頭から、宝石博物館に潜入したルパンによるちょっと珍しい気がする肉弾戦、つづくとっつあんとのトムジェリ的などったんばったん大騒ぎなやりとりが楽しいです。一方、床も割れているけっこう裏さびれたビルの一室でルパンの帰りを待つ次元たち。新ルのこの時期は「ルパン一味」というフォーマットが出来上がってて(銭形警部の台詞にもありましたね)、次元さんも五ェ門も不二子ちゃんもみんないっしょでルパンを待ってるのがなんというか微笑ましいです。そのまま仲良く捕まったものの、それはもちろんルパンのたくらみで、結果として銭形警部がひどい目にあって……のあたりは、大人になって見ると、ちととっつあんが可哀想な感じがしますが、きっと子供の頃はなにも考えずに笑ってみてたんだろうな、わたし。しかし、この、銭さんをいじめるルパンがとっても楽しそうでキラキラしてるように見えるのはわたしだけでしょうか。
銭形警部をうまくだまして、無事にダイヤの到着時間を手に入れていよいよチームプレイの練習というくだりは、コミカルで実に楽しいですね。目隠ししてないときは余裕だったくせに、目隠ししたとたんにボロボロで、とうとうキレてルパン相手にマグナムを乱射する次元さんはさながらバカボンの本官さんのごとし。大笑いしました。五ェ門も不二子ちゃんもそれぞれひどいめにあってブーブー言ってるし、結果としてルパンがまとめ役となだめ役になってるのもなんかおかしい。普段はルパンに振り回されがちだけど、ほかの三人もみな基本的に自分勝手で気分屋なのだ。
そして猛特訓をふまえて、宝石博物館に潜入するルパンと次元。個人的には、警官に変装した(スコットランドヤードかな?)次元さんがとてもステキでした(ええ、わたしは次元さんのお着替え大好きマン)。大丈夫と分かっていても、あの作戦が成功するかどうかはドキドキもので見守ってしまいますが、もちろん無事にチームプレイ作戦は成功して、狙いの「クレオパトラの涙」を手に入れたルパン一味はさっそうとベンツSSKに飛び乗り去っていくのでした……というラストにいたるわけです。ラストの不二子ちゃんがこれぞ北原作画!という美しさでとても素敵です。
個人的には、新ルも後期の作品だけあって、全篇を通して「これが“ルパン三世”です」と言ってもいいような話、“ルパン三世”ってこういうものだと一般的にイメージされるものを体現しているような内容だと思います。ルパン一味と銭形警部の全員にそれぞれ役割と出番があって、スピーディでコミカルで、そんなまさかな展開をルパン一味ならではと納得させるかたちでキレイにしめる、まさに過不足なき内容で、ほんとうに好き。
まあ、それが言い過ぎだとしたらシンプルに「これぞ新ル」という話だと思うんですよね。すくなくとも、新ルが“ルパン三世”の原体験であるわたしのような人間にとっては間違いなくそうです。この「チームプレイ作戦」、アイデア自体ははっきりとマンガなんですが(なんせ原作マンガのアニメ化だし……そしてモンキーパンチ先生はこの手のひらめきがそのまま具現化したようなアイデアを絵にするのがすっごく上手なタイプの漫画家さんなのだ)、このマンガっぽさが、わたしにとっては、とっても「ルパン三世」なんですよ。
こどものころ、テレビの前でわくわくしながら赤い上着のルパンが現れるのを待っていたこと、実際に見た内容は覚えていないけれど、ただもう楽しくて楽しくて、ルパンが大好き!と思ったあの気持ちだけは記憶にいつまでも残っている、そんなことを思い出しました。そして、それから何十年たっても、また違った形で「ルパン大好き」と思って同じ画像を眺めているわけです。ルパンってほんとう、すごいコンテンツだなあ……。
これまでベストセレクションに選ばれる作品はキャラ回が多かったんですが、19位の「イワノフ」といい、こういう全員に見せ場があるストーリー展開で見せる話も上がってきましたね。でも、正直言ってこの「チームプレイ」はもっと上位だと思ってました。同じようにチームでの仕事を描いた「555M」と票が割れたかな?まあ、全228話のなかで選ばれた24話なんですから、もはや順不同のレベルといってもいいんでしょう。これからも“ベストセレクション”の名にふさわしい名作がどんどん出てくるんだと思います。楽しみ!感想もしっかり書いていこうと思いますので、よろしくお願いします。