ルパン三世PART5第11話「パブロ・コレクションを走れ」の感想です。公式サイトによるあらすじはこちら(URL) 。(わたしはHuluにて視聴しています)以下の感想は、完全にネタバレですので、大丈夫な方のみご覧ください。どうぞ!
今回はアバンなし。映し出されたのは「vacances du Nouvel An」(年末年始)なるプレートがかけられた、フランスのいつものアジトです。ドテラを着込んだ姿で「お正月」を鼻歌で歌いつつ、七輪でモチを焼いているルパン。しっかり準備されたコタツの上には、おせちやワイン、バナナにバケット、みかんという感じの、いかにもあり合わせで集めた感じの、でも楽しいお正月料理が並んでいます。
一方、ルパンの鼻歌に、「ルパン、そりゃ正月になる前に歌うやつだ」と言いつつ、煙草に火をつけようとする次元さん。しかしライターの火がなかなかつかず、部屋のなかをあちこち探し回ります。このごちゃごちゃした部屋の描写が楽しい。「たまには正月をまじめにやろうって言いだしたのはおまえさんだろ」という次元の台詞から、これがルパンたちのお正月であることが分かります。
そこにいきなり「出来たぞ」と五ェ門の声が。あんこだ!「お、あんころもちか、いいねえ」という次元さんの声が素直に嬉しそう。さてはルパンがいま焼いているモチであんころもちを食べるんですね。でも、ルパンは五ェ門の作ったあんを見て「分かってねえなあ、五ェ門。そこはこしあんだろうが」といささか不服そう。それに対し「いや、粒あんこそ、真理なり」と無駄にためて断言する五ェ門の楽しさよ。「おれは小倉派だけどな」と主張する次元さんといい、おっさん三人があんこであれこれ言いあう姿ってすごく可愛くないですか。わたしも次元さん派―。
すると、ライターを探していたらしい次元さんの手元から、一枚の金色のメダルらしきものが落ちます。床に転がったそれを見て、けげんそうにする五ェ門を見て、ルパンはそれを手に取ります。「ふたりとも、忘れちまったのか?パブロ・コレクションだよ」というルパンのひとことで、場面は一気に過去の場面へ。
登場したのは、赤ジャケットのルパン!キャー、新ルー!と悲鳴を上げましたよ。しかもクリカンさんがいかにも軽やかに若く演じて下さっている。これはなかなかの破壊力がありますね……とか思ってたら、濃いグレーのジャケットの次元さん、水色の着物の五ェ門が出て、さらに悲鳴。いやんカッコいい。なんといっても、わたしは、新ルががっちり原体験世代なので、もうこれだけで抵抗できるわけないんですよ……。初恋の相手が今風にお色直し、でもばっちりあの頃のままで再登場とか、うっとりするのに決まってるやん……(萌)。
そして、この三人がいるアジトの趣味の悪さ(だって室内プールに、ヒョウ柄のクッションですよ)も、すごく新ルだなあと思うわたしでした。若い頃のルパンのギラついた感じがよく出てる。
今回のお宝は、南米の麻薬王が残した「パブロ・コレクション」。しかし、そのお宝の真偽は不明……なはずが、ルパンが取り出したのは衛星写真。「PABLO」の文字が刻まれた場所を見つけ出したというわけです。場所は南米のちょいとぶっそうな地域、というわけで「五ェ門ちゃんみたいな強い人が来てくれると心強いんだけどなァ」とウィンクするルパンに「承知」と即答する五ェ門。チョロい(すいませんつい言わずにいられずに)。そして次元はグラスを一気に空けて「おれには当たり前のことを聞くんじゃねえぞ」と笑います。あ、チョロい以前の問題のひとがいた(すいません)。
決まりだな、あとは……と言うルパンの言葉にかぶせるように「ルパン」と甘い声がします。その声にすぐさま鼻の下を伸ばすルパンの前に現れたのは、ボーダーのタイトワンピース姿も美しい不二子ちゃんでした。青いシャドウが時代を感じますね。しかしそれを指さし「おおい、なんだって不二子が来るんだ!」と怒る次元さんがもうくそ可愛い。「不二子ちゃんに話したらどうしてもってさ」とのルパンの言葉に、露骨にあきれて顎に手をやる次元さん。そうか、新ルだもんな。このふたり、この話はずっとこういう感じで行くんだな!と気づいたわたしはもう楽しくて仕方がありません。わーい、次元さん、もっと噛みついてー。ムカついて―。イライラしてー(ウチワを振る勢いで)。
さて、どうやら現地にたどりついたらしい一行。村はここで最後だからな、と補給に余念がないルパンに対し、次元は「不二子は?」といらついている感じ。気になっちゃうの?ねえ、気になっちゃうの?(わくわく)しかし不二子ちゃんはしっかり地元のお店でお仕事でした。
それにしてもこのサファリルックの不二子ちゃん、お胸がメロンみたいで素晴らしいエロさですね。どう考えてもジャングル向きではない凶悪な服なんだけど、そこがいかにも不二子ちゃん。店のオヤジを手玉に取る感じとか、いいなあ、不二子ちゃんはこうでなきゃ、と思いました。「おっぱいの攻撃力は万国共通だったわけですね」とあきれ笑いのルパンですが、毎回その攻撃にやられていると思しきあなたが言うと説得力あるね!しかし、そんなかれらの様子を店の隅から見守る怪しい集団もいるのでした。
ルパンたちは、密林の悪路を車で進みます。揺れる車内に「んもう、船で行くんじゃ駄目なの?」と不服そうな不二子に間髪入れず「残念ながらそうはいかねえ、国際情勢ってやつでな」と口を挟む次元さん。きゃ!意地悪だ!(喜)そもそもルパンたちが狙うパブロ・コレクションは森の端っこにあり、その近くにはブラジルとパラグアイが領有権を主張する島があるため、船の航行は厳し取り締まられており、陸路のほうが安全……と説明しつつも、ルパンの視線は不二子ちゃんの長い脚に。つい手が伸びてしまうものの、ぺちっとやられてしまいます。すると、わざと車を揺らして不二子ちゃんを自分にくっつけさせるラッキースケベを狙うルパンさんが、なんだか懐かしいノリでした。
しかしまさかそのラッキースケベが後部座席のサムライとガンマンにも起こっていようとは(違)。「やれやれ、あれさえなきゃなあ」とか冷静につぶやきつつも、絶妙にお姫様抱っこの姿勢で五ェ門の膝に収まっている次元さんという絵に笑いました。可愛い。「重いぞ、次元」という五ェ門が本気で怒ってる感があるのも素晴らしいです。このふたり面白い(笑)。
夕暮れ。簡易シャワーを浴びる不二子ちゃんの前でうろつくルパン。のぞいちゃ駄目よ、と不二子に言われて「ちゃんとお座りして待ってます、ワン!」と座る三世さんの可愛さよ。いや、わたしはハードボイルドでクールでカッコいいルパン三世ももちろん愛してるんですが、こういう明るくて馬鹿ではしゃいじゃう三世さんも大好きなのです。
もちろん、それを見て「やけに水を買い込むと思ったら」とあきれる次元もね!なんであなたそんなにルパンと不二子のこと気にしてるんですかって感じですよね。いや、これはいかにジゲフジ好きのわたしといえど、純粋にルパンにあきれてるんだなとは思いますが(笑)。あまりの様子にあきれて「振ってくる」(斬鉄剣を振ってくるってことかなと思うんですが)と言う五ェ門とライターの火がつかなくてさらにイラついた次元はその場を離れ、ルパンと不二子はふたりきりに。
しかしここでさすがの不二子ちゃん。「村にいた連中は何?」とさきほどの店にいた存在をルパンに確かめます。不二子ちゃんに水をかけられ頭を抱えつつも「気づいてたの?」と笑うここのルパンのポーズがなんともカッコいい。おチャらけつつも、押さえるところは押さえてるって感じでいいですね。パブロの遺産を狙う残党の存在が示唆されたころで、表情を変えて銃弾を放つルパン。まさにその連中が現れたのです。一発はうまくしのいだものの、ロケットランチャーで狙われて車は炎上。残党はやったと喜びますが、もちろん、ルパン一味の敵ではないのです。敵の弾薬を撃ち抜く次元とジャングルの中を駆ける五ェ門のスピーディな描写がカッコいい。
「大丈夫か?不二子」と聞かれ「みくびらないで。あのていどの襲撃、気づいたわ」と言う不二子ちゃん。「敵は?」と問うと、ルパンは「次元と五ェ門がいるよ。心配ないさ」と答えます。この横顔がなんかすごい。絶対なる信頼をあのふたりに置いているのが伝わる顔だ。それを聞いた不二子ちゃんが頬を染めて「そお」と言った理由、いろいろ浮かぶけど、わたしはなんとなくそのあたりかなと思うんですよね。これに関しては後ほどまた書いてみます。
一方、ルパンにしてやられたパブロの残党たちは、どうやらブラジル軍部を巻き込むことに決めたようです……。
翌日。車を無くしてしまったため、徒歩でジャングルを進むルパンたち。ヒールのあるブーツでつまづき「もう、疲れたあ!」と黄色い声を出す不二子ですが、後ろから来た次元は「そんな格好で来るからだ」と冷たくひとこと。「いっつも同じ服着てる人に言われたくないわ」と言い返す不二子ちゃん。それに「こいつは夏用だ。生地が違う」と言い返す次元さん。
あれ……なんかヤバくない……?ふたりが会話してる……。喧嘩までいかないツンツン具合だけど、なんかしゃべってる……。もしかしてこのふたり、つきあってたりするのかしら……(違)。ここのふたり、すごく新ルっぽい作画でそれがまたたまりません。次元さんがちょっと大塚康生さんぽくて、胸板がちゃんと厚い感じで素敵なのです。
いや、真面目な話(ほんとうに真面目に言ってます)、このあとルパンがおんぶしてあげるみたいなこと言ったし、五ェ門が見つけた洞窟にみんなが順番に入るカットでは次元が不二子ちゃんの背中を押していたりしたもんだから、わたしはてっきりこれは伏線で、このあと、どこかで次元が不二子をおんぶする神展開があるんだと素直に思ってました。すごい待った。本篇終了後、予告まで待ったのに無かったよ、おかしいな。
それはともかく。洞窟の中を進んでいった一行は地底湖に浮かぶ潜水艦を見つけます。そしてその上には扉のすき間から明かりのさす階段が。そこに、目指す麻薬王のお宝、パブロ・コレクションがあるはずなのです。いざ扉を開け、中をのぞき込み、満足げに笑うルパン。それをなんとかかいま見ようとつま先立ちする不二子ちゃんが可愛かった。けれど、その扉の向こうに足を進めた不二子ちゃんは「これが……?」と呆然とすることになります。
ジャングルのうっそうと茂る森のすき間に出来た空き地。そこに並べられているのは何台もの貴重なクラシックカーでした。わたしはぜんぜんこの手のことに詳しくないので、不二子ちゃん並みにきょとんとしましたが、一台一台の名前を呼ぶルパンの声の嬉しそうな響き、次元の「なかなかイカしてんじゃねえか」という言葉、それに同調して「うむ」とうなずく五ェ門の姿は可愛かったな。しかし、それに対し「ばっかみたい。おっきなミニカーが並んでるだけじゃない」という不二子は、金銭的な価値を示唆されて、ようやく喜ぶことができるんですね。つまり、これはほんとうにオトコノコのお宝なのです。
しかし、そこでいきなり車のエンジンがかかる音が。その車はまっすぐにルパンに向かって……という場面で、Aパートが終了です。
アイキャッチ。6話同様に、マンガ家のさいとー栄先生による描き下ろしイラストです(URL)。今回も、細かいところまでしみじみと楽しい!同じ構図のようでいて、しっかりPART5とPART2の違いが出てる。とりわけPART2はOPリスペクトで、眺めてて飽きない。五ェ門の姿勢が前向きと後ろ向きに変わってるのも受ける(笑)。いやあ、いいものを見ました。
さて後半。いきなりルパンに向かって突っ込んできた一台のクラシックカー。不二子ちゃんはルパンを突き飛ばして助け、次元もマグナムの弾をタイヤに撃ちこみますが効きません。それを見て「それがしにまかせてもらおう」と斬鉄剣を振るう五ェ門ですが、同様の結果に終わります。「はっはぁ、五ェ門も同じじゃねえか」とこんなときに笑っちゃう次元さんがらしくていいな。
そしてルパンは「だったら勝負してやろうじゃないの」と自分もまたカウンタックに乗り込み、不二子にチェッカーを依頼します。一気に外に走り出る二台の車による迫力満点のカーレース、しかもBGMがあのおなじみのデンジャラスゾーン!わー、新ルだあ、と、ときめきました。
一方、不二子ちゃんは「なんなのよ、もう」と言いつつも、チェッカーフラッグを背負って、ルパンがレースを走っている場所を見下ろすことのできる高い場所へ。そんな不二子ちゃんに「なにが見えた!」と大声で呼びかける次元(きゃ)。「名前よ!」と答える不二子。そう、そこから見ればあの衛星写真で見た「PABLO」の文字がそのままレースコースになっているのが分かるのです。だからこのタイトル「パブロ・コレクションを走れ」なのですね。
レースを競いつつも、ルパンは相手の車に口ひげを生やした人影を見、自分がアクセルを踏み込んだ感覚で「嬉しいか、おまえも」と自分の車に呼びかけます(ここのルパンの表情がいいなあ)。そして、最終的にゴールに飛び込む二台の車。大きな声で「どっちが勝ったんだ!」と問う次元に、力いっぱいチェッカーフラッグを振りながら「ルパンに決まってるわ!」と答える不二子が可愛い。
勝負が終わり、自分のカウンタックに手をやって「いい車だ。メンテも最高だ」とつぶやき、隣の車の運転席に座る男に、ルパンは呼びかけます。「麻薬王、パブロ」。その声に応じ、男はにこりと笑い、そのままその存在は儚くなっていきました。やがて夕陽がその場に射すと、車はボロボロに、そして運転席にはパブロの帽子をかぶった骸骨だけが残されたのです。どうなってるの?と戸惑う不二子に「見ての通りだよ。魔法が解けたのさ」というルパンが素敵です。ここ、さりげなく後ろで両手を合わせている五ェ門の描写が細かいですね。
というわけで、パブロ・コレクションはいまやくず鉄の価値しかないと知り「全部が全部ってわけじゃないわよね……?」とその場を逃げ出す不二子ちゃん。それを見て大声で笑う次元。はい、いいジゲフジを頂きました!(本気)というか次元ちゃんはこういうとき本当に楽しそうだな……。
そしてルパンはボロボロの車からPの文字のエンブレムだけを取り「お宝は頂いていくぜ、セニョール・パブロ」とつぶやきます。これが冒頭のメダル?だったわけですね。
しかしそこにいきなりの艦砲射撃が。パブロの残党がブラジル軍を抱き込んだのです。敵の攻撃を避けて洞窟の中を戻りながら「教えてあげましょうよ、コレクションはガラクタでしたって」と言う不二子に「あれはね、ガラクタじゃなくてロマンなんだよ」というルパンがとてもらしいし「だいたいおれたちが言っても信じる連中じゃねえだろ」と正論で釘を刺す次元さんもとてもらしいです。ほんとうに不二子ちゃんに意地悪でいいなあこの次元さん(本気で言ってます)。
さきほど見つけた潜水艦に乗り込んで逃げようとする一行。「美人のスチュワーデスさんがいないのがちょっと残念だけどな」というルパンに「そんなのわたしがいればいいでしょ」という不二子。さらにルパンに体重を聞かれ「レディにする質問じゃないわね」とツンとする不二子。それを見て「おい、イチャイチャなら逃げたあとでやってくれよ」という次元。
わあ。なんだろうこれはあのその。なんでこんなに次元さんは不二子ちゃんにイライラするんですかね。まあ実に新ルらしい通常運転なんだけど、ときめきますよね!(本気で言ってます)。
なんと潜水艦は三人乗りでした。「じゃあ、レディファーストってことで」と喜ぶ不二子に刀の刃先をつきつけて「それがしの国の言葉ではない」とすごむ五ェ門。それはそれでどうよ。「ルパン!おまえが不二子なんか連れてこなきゃみんな乗れたんだぞ!」と怒る次元さんもたいがいだけどな。どうしてこう次元さんは不二子ちゃんに(略)。
結局、だれが乗るかは次元さん発案のじゃんけんで決めることに。やることがいちいち可愛いなこの悪党どもは(笑)。しかしルパンはその勝負をトイレと言い訳して抜けます。それは、自分ひとりがここに残ることで、他の三人を助けるための方便だったのでした。「ちっ、陸海空で雪隠詰めか。しかたねえな。まあこんな状況を突破できるのは世界中でおれくらいのもんだぜ」とつぶやきながら、ジャングルに向かう背中がカッコいい……。
陽も落ち、ジャングルの闇のなかを進む軍隊を見て「あいつらの中にまぎれこめばなんとかなるか」と笑うルパン。得意の変装術でも使うつもりだったのかもしれませんが、その笑みは「いたぞ!ルパン一味だ!」という叫び声で、驚きに変わります。
それは五ェ門でした。斬鉄剣で敵を軽く倒したあと、ルパンの首にも刃を突きかけるあたりがおかしい。ルパンに対し「この包囲、突破できる男は世界広しと言えどもそれがししかござらん」と真面目に言ってのけるのがもう笑っちゃう。しかしそこにも敵の猛襲が。そして、その敵を仕留めたのはもちろん「これを突破できるのはおれくらいのもんだろう」と笑う次元でした。
そして顔を突き合わせることになった三人。そのまま「帰れよおまえら、ここはおれがなんとかすっから!」とルパンが叫べば「おぬしこそ、ここはそれがしにまかせておけ」と五ェ門が言い、「ルパンは不二子と行けばいいだろう!」と次元がわめく、という言い合いになり、結局は三人そろって敵に向かうことになるというこの流れ。もうなにこの三馬鹿トリオ!という感じで控えめに言っても最高なんですけど、ごめんなさい、わたし、最後の止め絵でげらげら笑った。新ルだと思ったらここだけTVSPリスペクトだった(笑)。
で、不二子ちゃんはひとり潜水艦で逃げるわけですが「結局、わたしより友達を取るんじゃない!」って怒るのがすごいですね。いやもうそれ言っちゃ駄目だよね、レベルで真理だよね。うん、ルパンの世界ってとってもホモソーシャルだから、そこに女の居場所はほんとうは無いのだ。そこらへんが、前半パートで不二子ちゃんがむくれた理由でもあるのかなと思ったりもしました。「ルパンの馬鹿!」って、たしかに本当に馬鹿だと思いますよ……。でもそこが可愛いの……。
やがて、海岸のカフェ?にたたずむ不二子ちゃん。もう一週間になるのに……と心配げにホットワインなどを飲みながらこの合流場所で男たちを待っているのです。やがて、そこに現れたのはまさしくボロボロの三人でした。ここからが本当に最高。何回見ても笑う。
まずは「戦車まで用意したとはなあ」というルパンに「さすがに胆が冷えたな」という次元。「ルパン、おぬしの機転が無ければどうなっていたか」と言いつつ、ぼさぼさ髪にばんそうこうまで貼ってる五ェ門の顔を見てわたしは小一時間笑った。それに斬鉄剣をふりかざす仕草で「五ェ門さまがいてこそだって。指示こそしたが、まさか本当に戦車をたたっ斬るとはなあ」と答えるルパンの可愛さよ。そして続いた次元のアップでわたしは吹いた。なんだこのかわゆさは。ボロボロなのに超かわいい。すごく楽しそう。「そのあと、ヘリが来たときは死ぬかと思ったけどよ」という次元に「実はおれもよ」とルパンが言い、「それがしもだ」と五ェ門が答え「なんだよ、いっしょかよ」と三人でわははと笑うこの展開のすばらしさ。あきれるしかない不二子ちゃん。ああ、これがPART5で不二子がルパンと別れた理由かとマジで思いましたね、わたし。
そして回想は終わり、フランスのアジトに。コタツの上の料理はあらかた片付いていて、三人が楽しく飲み食いしながら思い出を語っていたことが分かります。そこで「それがしの記憶によると、あのとき最初に逃げ出したのは次元だった気がする」とか言いだしちゃう五ェ門に、もちろん次元は抗議します。ところがルパンも「やだねえおじいちゃんは。記憶がねつ造されちゃうから」とからかいます。「てめえとたいして変わらねえだろ!」とマジ怒りする次元さんのかわゆさよ。この際、中の人のことは思い出さないようにして(笑)。やいやいと言い合う三人の夜は、どうもこのまま続いていくのでした。不二子ちゃんの言う通り、男って本当にこどもってやつですね。
次回予告。担当は銭形警部です。アニメのイベントに現れた五ェ門。大富豪の隠し財産を探すためらしいです。コスプレイヤーが色々映ってました。ていうかルパンが赤ジャケ!五ェ門も薄紫の着物だし、これもまた新ルリスペクトの一話完結モノですね。五ェ門にロマンスの香りも漂って、第12話のタイトルは「十三代目石川五ェ門散財ス」でした。カッコいい!
というわけで11話でした。大河内さんの脚本で一話完結モノということで、どんな感じか期待してたんですけど、いい新ルパンを見せて頂きました、という思いでいっぱいです(笑)。スピーディな展開、謎のお宝のちょっとリリカルな正体、カーチェイスにドタバタ。最高ですよ。
また、イマドキの感じじゃないのかもしれないけど、わたしはやっぱり不二子ちゃんはあれくらいおっぱいぶるんぶるんさせて甘え上手でズルくて、でもどこか可愛らしいところもある不二子ちゃんがいいなあ……。そして、ルパンもまた、あれくらいの好色さは持ち合わせておいていただきたい。これもまた時代の流れか、PART4でもPART5でも、ルパンはあんまりああいう感じで女の子にデレデレはしなくなってますよね。それでルパンの魅力が減じることはないのですが、ときにはルパンのこういうところも見たいなあ。だって可愛いんだもの。
あと、おっさん三人の関係性についてはね、なんかもう、すごいものを見せて頂きました。というか、こんなに臆面もなく仲良しで楽しそうな三人を見ると、見てるこっちが照れますな。ぶっちゃけ、二次創作みたいな感じでもあるんだけど、さすが公式なのは、ちゃんと三人が三人のまま、それぞれの立ち位置をしっかり守ったうえでの仲良しだということです。だいたい、これまでに50年の歴史がある作品を手がけるからには、どんなプロであってもみな「ぼくのかんがえたさいきょうのるぱんさんせい」をやるところがあって当然だと思います。しかし、それを最高のプロのみなさんがやってくれていることに、なんの文句がありましょうか。ほんとうに良いものを見せて頂いています。
そして、本編の感想でもさんざんつぶやきましたが、ジゲフジ好きとしてもいろいろと美味しくいただきました。そういう視点を持ち合わせない方からすれば、次元さんは通常運転で不二子ちゃんをうざがっているようにしか見えないでしょうが、わたしのような人間が紫のモノクルをはめると、ああいう感想になります。まあわたしの感想をわざわざ読んで下さっているかたならば、いいかげんに慣れてくださったと思いますが、これはもう永遠にこのままです。
次の12話は五ェ門回ですね。続けて一話完結をしたあとは、そろそろエピソード3に入るのでしょうか。PART5もすでに折り返し地点に到達し(マジで!)、これまでのところ、本当に楽しくて嬉しくて仕方がないです。これからもこんな感じで感想を書いていくと思います。いつも拍手を押してくださるかた、ありがとうございます。とっても励みになります。メッセージもいつでも歓迎です。どうぞこれからもよろしくお願いします、ありがとうございました!