「千利休」清原なつの



 寡作の作家による千利休の評伝マンガです。絵も作風もまったく変化してないのが凄いなあ。方言バリバリの信長も秀吉も、その描かれ方がとても印象的です。お茶に親しみのない私でも面白く読めたのは一つの道を究める姿勢があったからだと思います。秀吉が絶叫する、あの場面が切ないですね…。

「バフェットの株主総会」ジェフ・マシューズ(エクスナレッジ)



 「投資の神様」で、一代でビル・ゲイツをしのぐ資産家となったウォーレン・バフェット。そのかれが直接に株主の質問に答える総会で、人々に見せる表情と言葉とは。その方面に疎い私でも小説のように面白かったです。どんなジャンルでも、ひときわ飛び抜けた人物の考える事というのは実に興味深いものですね。

「運命のボタン」リチャード・マシスン (ハヤカワ文庫NV)



 奇妙な味からSFまで13篇を収録した短編集です。
 
 ちょっと古い感じはするけど、さくっと読めて面白かったです。壮大な少女マンガSFになりそうな「魔女戦線」、せつないゴーストストーリィである「戸口に立つ少女」、落ちが秀逸な「運命のボタン」、ぞくっと怖い「子犬」「死の部屋のなかで」などが良かったです。

「それゆけ、ジーヴス」P・G・ウッドハウス(国書刊行会)



 短編集なので色んなジーヴスが見られて愉しいです。キャラ萌えといわれても仕方がない感想ですが、キャラ萌えしてるから仕方ないですね、ええ。内容は、金太郎飴のごとし展開と台詞の連続だけど、それが心地良いったらないねえ。雇用主は馬の如きもの、か…。



 短編集なので色んなジーヴスが見られて愉しいです。キャラ萌えといわれても仕方がない感想ですが、キャラ萌えしてるから仕方ないですね、ええ。内容は、金太郎飴のごとし展開と台詞の連続だけど、それが心地良いったらないねえ。雇用主は馬の如きもの、か…。

「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」ニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー(講談社)



 直接の関わりがある友人だけでなく、そのまた友人までが自分にもたらす影響や、ネット社会が広げた緩やかな関係の問題点と恩恵など、興味深いトピックスが満載の内容で面白く読めました。分かりやすく一般的な例と身近な問題を扱って読みやすい一冊です。

「犬嫌い」エヴァン・ハンター (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)



 シリーズ物も多く、著名なミステリ作家ということで、興味があったのでまずは短編集を読了してみました。ミステリだと思ってたら普通小説の作品集だったのですが、面白かったので良し。なかでも、自分が有名女優に似ていることに気づいたOLが、どんどん滑り落ちていく意識の闇を描く「映画スター」が印象的で怖ィお話でした。