聖飢魔ll 地球デビュー40周年期間限定再集結大黒ミサツアー「THE END OF SEASON ONE」(高松レクザムホール大ホール)感想※ネタバレあり

 こんにちは、くさてるです。閣下宗です。

 というわけで参加してきました。いつものように感想を書こうと思います。あらかじめ、お約束の諸注意を。

 まず、このブログを読む信者以外の人にも分かりやすいように、魔歴ではなく西暦で記述しているなど、悪魔用語が不徹底な箇所があること、および、構成員のことを「ひと」と書く場合がありますが、それはもちろん「人間」という意味ではなく、単なる代名詞としての表現ということをご理解ください(悪魔だということは重々承知しております)。さらに、言葉の端々にたいへん不遜な表現や信者として不勉強かつ至らないところが見受けられるかもしれませんが、そこらへんもどうぞご容赦ください。あと単純にレポではなく、くどくて長い自分語りの感想です。マジで。

 このツアーは現在進行形(2025.8.2現在)のため、以下の感想は完全ネタバレとなります。ネタバレありきでないとまともな感想にならないうえに、自分で書いたものながらあとで読み返したときに何のことを書いているのかさっぱり分からないためです。ご容赦ください。今後の公演に参拝される方やネタバレを求めない方は、けしてご覧にならないでください(そして参拝後に戻って読んで下さると超嬉しいです!)。

 もっとも、当然のことですが、録音もなにもしていない、ぼっち参加のアラフィフ信者の記憶に頼ったレポの為、MCの内容など不確かな部分があるかと存じます。そのあたりも気になる部分などありましたら、マシュマロかSNS(現在BlueSkyとTwitterにいます)でご指摘くださるとたいへん助かります。どうぞよろしくお願いします!

↓以下、感想です。くれぐれもネタバレ注意でお願いします。

 

 

 

 

 高松のレグザムホールは昔の県民会館ですね。高松駅から(IC対応改札が一個しかなくてビビった)歩いて10分ほどの、石垣があるホールです。ちょうど香川では瀬戸内国際芸術祭が開催されていて、外国の観光客の方も多くてにぎわいがあったうえ、海沿いの通りではベトナムマルシェも開かれていました。あらかじめ知っていればもっと早く来てのぞいたのにな。

 会場に着いたときには、「40th 土地別Tシャツ」の香川Ver「千年香妃花」を着用されている方も多く見かけました。最初はなんでこの曲?とは思ったものの(閣下ものちのMCでおっしゃってました)、現物は可愛かったです。FCで取った参拝券は、後列ながらも見晴らしが良くてなかなかの良席で、嬉しかった。今度こそ物販に、とも思ったのだけど、どうにも気持ちが逸って落ち着かないので素直に座席に座って開場を待つことに。

 セトリは変更ないだろうか、「SEASONⅡ」が発布されたから、新曲のご披露はないだろうか、とかいろいろ考えました。そして、入場の際に貰ったチラシのなかに、四国地方のプロモーターであるDUKEさんの「DOMO」ペーパーが入ってて驚いた。わたしが高校生の頃とかからあるよ、これ(閣下のインタビューが掲載されたこともあります)。懐かしかったなあ。

 開演前の構成員挨拶はジェイル代官でした。その昔、聖飢魔Ⅱのツアーで高松を訪れた際、宿泊先のホテルのエレベーターで過去、女性が事故死したという話を聞かされ、ビビッていたところに夜中に女性の悲鳴が聞こえたものだからさらにビビり倒して侍従に電話して部屋に来てもらうようお願いしたが「自分も怖い」と断られてしまったうえに、部屋を力強くノックする音が。

開けたところには、当日、高松で開催されていたジャズフェスティバルに参加していた、ドラマーのスティーブ・ガッド(wiki参照。めっちゃすごいひとだった)がいた。「Where is my wife?」と問われ「I don’t know!」と答えてドアを閉めた。どうやら自分が聞いた悲鳴はガッドの奥さんのもので、夫婦げんかしてたらしい……というものでした。

 わたし、てっきり人間の顔をした代官のイケメンさに奥様がなびいたと誤解したガッドさんが乗り込んできたのかと思ったのですが(笑)、そこまでの話ではまったくない偶然の話だったようです。代官、災難でしたね……。

 聞こえてきた「三大怪獣・地球最大の決戦」。毎回似たようなこと言ってますが、自分の葬式のときにこれが流れたら、わたしは棺桶のなかからでも立ち上がるかもしれない(信者ジョーク)。続く「創世記」で一名ずつ現れた構成員さまのお姿に悲鳴を上げつつも、わたしの視線は運ばれてくる棺桶にもちろんくぎ付け。なんだろうな、これまでにはこのかたちでない閣下の登場場面もいろいろと見てきたはずなんだけど、やっぱりいちばんアガるのはこれだ。揺れる棺桶、噴き出てくるスモーク。そこから立ち上がる、わたしが世界でいちばん好きな悪魔さま! 閣下! キャー!

 そしてはじまる「LOVE LETTER FROM A DEAD END」! 大好き大好き大好き! ミサの一曲目(「創世記」カウントせずの場合で)って、ラスト曲と違って、ツアーが始まるまで想像つかない場合が多いじゃないですか。今回のツアーが「LOVE LETTER」なの、個人的にほんと完璧なんです。40周年記念ツアーの頭に最新の曲を持ってくるこの心意気にシビれる。聖飢魔Ⅱはいつでも「いま」がいちばんカッコいいバンドです。そして一曲目はいつも閣下に見惚れるのに忙しいわたし。まあ、一曲目だけじゃなくてミサ全体でそうなんですけどね。だって閣下だもの。閣下がいまこの空間に、存在してるんだもの。

 現在の閣下、金髪の尖り具合と、ボディのほど良いむちむち加減が素晴らしいです。ソリッドに痩せた閣下のカッコよさも認めますが、わたしはやっぱりこの太もものラインがむちっとしたお姿が大好き。10万20代の頃のようなシュッとした面持ちの素敵さとまた違った、年齢を経たからこそのいまのライン(20代のときからそんな感じだったという意見もあるかもですが、まあ否定はしない……)。ほんとただのセクハラ視線で申し訳ないですが、うっとりと眺めてました。閣下はやっぱり太ももとおしりの線が素晴らしいのです。

 そんなことを、次の「1999 SECRET OBJECT」発布当時から言ってた気がするよ! わたし成長がないな! でもしょうがない、ステージの上の閣下は、ずっとそんな感じで素敵なんだもの。同じことを何回も何回も言っちゃうのも、閣下、そしてもちろん聖飢魔Ⅱがずっとカッコいいからなんですよ。だからまた言うけど、この曲でのギタリストと閣下のターンは何十回見てもいい。閣下のマントのひるがえりかたが芸術なんですよ。実はマントって扱いが難しいアイテムなんだけど、マントをひるがえし続けて何十年の閣下はほんと美しくひるがえす。最高。

 「アダムの林檎」。聖Ⅱにはイントロで悲鳴を上げる名曲は数あるけれど(MCで悲鳴上げるのもありますね)、これがナンバーワンじゃなかろうか。「アダムの林檎」といえばあのMCなんですが、今回のあれを曲中に入れたアレンジは楽しくて大好き。現在のコンプラに照らし合わせるとかなりギリギリになったとは思いますが(MCだけど、〇くびネタも昭和の匂いがすると思った。嫌いではないよ、わたしも昭和だもの)、でもこれが無い「林檎」は「林檎」ではないと思うの……。それがこのカッコ良くて洗練(ジェイル代官のセンスは当時から洗練されたHMだと思う)された楽曲に合わせられるんだから、もう最高だよね。林檎が投げられるお約束も、とても楽しいもの。
 
 ここでMC。たしかここで、高松でのミサは、2021年の「悪チン集団接種」をのぞけば、98年の「ふるさと総世紀末計画」のライヴハウスツアーが最後、さらにはホールでのミサとしては92年の「愛と虐殺の旅立ち」ツアー以来だというお話が。「愛虐」高松公演に参加したもの、という閣下の呼びかけに、悲鳴を上げて応じたわたし。はい、わたし参拝したよ、まだ学生だったよ!(笑)(ちなみにライブハウスツアーも参拝しました。閣下が投げた「かまど」の箱をゲットしたら、ちゃんと箱の底にサインが入ってて、超感激したのを覚えてます)。

 そこで閣下が「長年ご贔屓に……」的なこと言ってくれたの、すごく嬉しかった。閣下はこういうところを外さない方だとは重々承知しているのですが、やっぱり嬉しいよね。客が覚えていることに、演者も触れてくれること。それがとりわけ、地方のミサだったらどれだけ大事なことか。だって、ほんとうに、何十年ぶりだったりするんだから。その気遣いができる悪魔さまだからこそ、大好きなの。

 「STAINLESS NIGHT」。あの光る棒(そろそろ正式名称を調べた方がいいですか)を閣下が持ち出すと、それだけでときめく。閣下のライブパフォーマンスは、シアトリカルでドラマチックでありながら、やんちゃでときに可愛らしいものですが、「STAINLESS」での、どこか抑制されたようなそれでいて芯のある動きを見ると、ほんとにうっとりします。曲の魅力を増幅するドラマがある。何回見ても飽きないので何回も言いますが、ラストの閣下がのけぞるときの顎のライン、国宝ですよね。

 「満月の夜」から「赤い玉の伝説」の流れがほんとに完成度高くて好き。初見では悲鳴が出たけど、今回は分かっていて、それでも息をのんだという感じです。とりわけ「赤玉」は当時のぐいぐい進んでた聖飢魔Ⅱがまたすごくカッコイイの出してきた、ここからまたどこまで行っちゃうんだろう、というときめきを思い出しました。そして大好き「ファラオのように」! 聖飢魔Ⅱ屈指のダンスナンバーですが、これで踊らないわけがない。この曲は閣下の腰つきというか、おしりの振り方がほんとに可愛らしくて大好き。いつも思うけど、セクシーと言いたいのに「かわいい」が先に出るんだよな。おしりを振った子一等賞。それを眺めながら自分も踊るのが楽しくて楽しくてしょうがないです! 大好き。

 続く「夏休み」。初見では驚愕しすぎて、両手を上げて揺れつつも曲名が出なかった。あとで「夏休み」と気づいてさらに驚いた。爆裂聖飢魔Ⅱ懐かしすぎる。でも、今回は分かっていたので楽しく聞きました。ちょうどいまの季節にぴったりだな!とニコニコしてウェーブした。わたしはつねづね聖Ⅱの大きな魅力のひとつに、HM/HRという土台の上で「なんでもできる」「どんなことでも〝聖飢魔Ⅱ〟にしてみせる」「あらゆる制約を蹴り飛ばす」自由さがあると思っているのですが、この曲はまさにそうですね。そしてもちろん、次の曲も。

「TEENAGE DREAM」。この曲への思い入れは前回のレポでさんざん語ったのですが、やっぱりわたしにとって宝物のような一曲。聖飢魔Ⅱには多くの楽曲があります。そのなかには、いわゆるアンセム、誰もが認める代表曲以外にも、ある信者にとってはこのうえなく大事な思い入れがある、そんな曲があるのではないかと思います。わたしにとってはまさにこれ。そしてこれが発布当時に受けた評価を覚えている世代としては、その思いをおおっぴらに口に出すことはあまりありませんでした。

 でも大好きだったの。ずっと大事だったの。その気持ちを捨てたことはないし、捨てられるわけもない。こんなに美しい曲、ほかに無いと思う。そんな曲が、この40周年の再集結ツアーで選曲されたことが、わたしという信者にとってどれだけの意味を持つのか。ほんとうにありがとう聖飢魔Ⅱ。わたしの大好きな曲は、あなたがたにとっても大事な曲だったと思っていいんですよね。わたしはそれがなによりも嬉しい。何十年も信者やってきたけど、信者が受け取れる、いちばんの贈り物を頂いたと思っています。

 ここで構成員紹介。ライデン殿下は世を忍ぶ仮の姿では岡山産まれ! 高松とは海を挟んで隣り合わせということでご縁がある話をされ、まさに岡山からの参加であるわたしにとっては嬉しいかぎりでした。代官の「Year!」と和尚の「いえ~い」の違いとかも楽しかった。代官はやっぱりアメリカンだな。和尚の「うどん脳」(そういうゆるキャラがいるのです)話から、参謀が「う(右)どん脳」と「さ(左)どん脳」なら、納得いくんだよ」というツッコミまで、和やかなおしゃべりが、みなさまのお悪魔柄が伝わって来て、楽しかった。サポートのおふたりの存在感もいいですよね。RENOくんの華やかさと同居する愛らしさも素敵だし、楽屋にハチマキが置かれていて桃太郎になっていたSYUTOくんの可愛さたるや。閣下がMCでおっしゃった「経年劣化ならぬ経年〝秀〟化」なるキーワードを「経年〝臭〟化」と自虐する参謀と(確か)和尚も可愛かった。美容番長だからきっと大丈夫!

 この構成員紹介から、SYUTOくんが美しい旋律を奏でて「BAD AGAIN 〜美しき反逆〜」が始まりました。わたし、今回の席が後列だったことからオペラグラスを一応準備してたんですね。でも、ここまではそんなものを取り出す余裕がなかった。セトリは分かっていたのでこの「BAD AGAIN」なら、とここで初めてオペラグラスを取り出し、クリアで大写しな閣下を堪能しました。いや、分かってたけど、すごいね。14歳のときに好きになった相手が、いまでも、もしかしなくても好きになったとき以上に、素敵でカッコいいんだもの。でも、オペラグラスでの鑑賞だと、全体を見渡せないうえに、ノることができないと分かったので、以後は使いませんでした。たとえ小指の大きさでも閣下がカッコいいのは分かってるしね。それにしてもこの「BAD AGAIN」は良かった。歌いあげる声量だけでなく、歌詞に込められた思いの表現力のハイブリッド。まさに閣下の真骨頂だと思う。

 続く「Kiss U Dear or Alive」! この曲に限らず「SeasonⅡ」に収録された曲はどれも好きなんだけど、やっぱりこれが初めてお披露目されたときの感激は忘れられない。聖飢魔Ⅱがつまらない曲をもってくるわけはないけれど、このグルーヴ感溢れる曲を聞いたときの「やった!」感ったらなかった。この令和のいまでも、聖Ⅱは新しいことをやってくれるんだな、しかもちゃんと聖飢魔Ⅱだよ! と思った。ミサでも映える曲だと再確認できて嬉しかったです。閣下の投げキスが無限に放出されるこの喜びよ。にしても、「Kiss U Dear or Alive」って言葉が、いかにも令和の聖飢魔Ⅱラブソングだと思う。聖飢魔Ⅱのラブソング大好きです。

 そして「有害ロック」。アガる! これはもう無条件にアガる。「有害」を歌ってるときの閣下に「一足す一は?」と聞いても答えられないと思うよ、と過去のインタビューで他の構成員がおっしゃったことがありますが、信者の私に聞かれても答えられないかもしれない。それくらいアガる。いかにも陽性のパーティソング的なやんちゃさがある。ほんと聖飢魔Ⅱってなんでもできるな、なんでもあるな! そこから、新作の「老害ロック」につながっていく流れが百万点。両者に35年の隔たりがあるんですよ。カッコ良すぎか。

 「老害ロック」、曲もカッコいいんですが、やはり歌詞が好き。今回はやっぱり「夢を続けろとやかましい/振り返るのがお好きだね」のくだりが刺さった。わたしもまた老害信者かな? と思うほど過去を振り返ってしまう人間だから。といいつつ、ここで過去を振り返りますが、いつぞやの25周年記念の再集結、東京国際フォーラムで閣下が「「聖飢魔Ⅱはこうじゃないといけないんです、あの曲のここはこうで、それじゃないとダメなんです」みたいな便りをもらうことがある」と前置きしたうえで「長年、聖飢魔Ⅱを支えてきて応援してきてくれた昔からの古参信者の諸君に言う……そんな保守的な子に育てた覚えはありません!」とおっしゃった瞬間を思い出したのですよ。東京国際フォーラム満員5000人の苦笑と爆笑。わたしも笑ったけど、閣下の言う通りだと思った。そして、でも、「呪縛は解けない」んですよ。「渇望は消えない」の。だからわたしも「Shout!」します。大好きです。

 ここでMC。「老害ロック」では、閣下の両の拳を付き合わせたまま両肩を上げる動きが楽しくて、わたしもずっとやってたんですが、ここでこれが「五十肩の予防の動き」と教えられ、わあマジでプライベートでもやろうと思いました。閣下が、大きな手術をして退院して、ステージに復帰したのがちょうど去年の8月、という話をしたのはここだったかな。そのときは2曲歌うだけでヘロヘロになったのに、いまは2時間のステージもやりとげられるようになった! と言われた瞬間、これまででいちばん大きな「良かった!」が出ました。ほんとうに良かった、おかえりなさい閣下。帰って来てくれてありがとう。わたしも人間ドッグ受けたよ。異常なかったよ! さらに、これからの後半戦も、イントロだけで悲鳴を上げるような曲を準備している的なことを言われたのは笑っちゃった。はい、その通りです。イントロだけで叫んでます!

 「MASQUERADE」。セトリは覚えているので驚きはないけれど、やはり腰が抜けるほど嬉しかった。もうオレンジのおかっぱ頭の話はしません。この「MASQUERADE」が曲そのものが美しく、オシャレで、聖Ⅱらしい毒もある、でもやっぱり楽しい曲なので、そのせいかもしれないですが、死ぬほど手扇子しなから(ほんとにあとで「老害ロック」の振りを頑張ろうと思いました)、わたしの頭を占めてたのは「楽しい!」の一言だったんですよね。この曲はもちろん楽しい、でもそれだけじゃなく、このミサの空間が、たまらなく楽しかった。ミサってこれだと思った。笑ったり叫んだり踊ったり拳を突き上げたりしながら、全身で「聖飢魔Ⅱ」を浴びること。感じること。かれらと同じ空気と時間を共有すること。配信もありがたい、絵巻教典も最高。でも、どんなに後ろの席でも、音がうまくとれなかったりしても、やっぱり参拝そのものには勝てません。別次元なんですよ。リアルタイム、同時空間、それがどんなに有難いことか。

 そんな思いがいっぱいの状態で「Brand New Song」を聞いた瞬間、ちょっと膝が折れた。泣きだしてしまった。やっぱりこの曲ですよ。この疾走感、他のどの曲にもないぎりぎりの切なさ、解散直前のあの時代の空気がそのままパッケージされたような曲。99年に解散なのは分かってる、でも本当にいなくなっちゃうの、聖飢魔Ⅱ?と思ってた時期。いろいろと大丈夫なの、と心配もしていたあの頃に、出された答えとしての名曲です。あの当時は再集結なんか絶対にありえないと思ってたんですよ。思い出すと、言葉ではとても表現できない思いが溢れてしょうがなかった。言えるのはただ、聖飢魔Ⅱが大好きだったってことと、いまでも大好きだということ。終わりが約束された相手を、だからこそ信じていたということ。たまらなかった。

 そして、まさにイントロだけで悲鳴が出る「FIRE AFTER FIRE」につながって、ああ、ほんとうに聖飢魔Ⅱが好きだって思いました。なんかもう頭が真っ白になった。わたしの好きな聖飢魔Ⅱが、ここにあると思いました。

 ここで休憩タイム。アンコール待ちのDJタイムはルーク参謀。「素敵な髪飾り」について問われるも「ぜんぶ借り物なんですよ」と答え、参謀ってここまで自虐キャラでしたっけ……と思うような語りもありつつ(笑)、10代の信者からの、ステージから見て10代の若い信者がいたらどう思うか?の質問には、とても誠実にお悪魔柄が感じられるお答えで、10代では全くないわたしまでにこにこしちゃいました。

 アンコール明けは、ジェイル代官とルーク参謀による「悪魔組曲」コーラスのコーナー。香川だから「うどん」だと思ってたのに、「かがわ」だった(笑)。そして余る一文字は、ゼノン和尚によりひらがなの「いえ~い」が採用されて、声出しも楽しかった。つくづく聖飢魔Ⅱって面白いバンドだな! それを聞いた閣下による、「これまでの香川でいちばん良かった」的なお言葉も嬉しかった。
 
 続いてはじまった「EL.DORADO」。ほんとに何回聞いたか見たか分からないこの曲だけど、飽きたりお約束のように思うことが無いのが不思議なくらい響きました。最後に持ってこられるとせつなさが勝つ。なぜなら「早く行け見失わないうちに」だから。まだ「EL.DORADO」にはたどりついていないから。でもこうやってアンコールの一曲目として準備されると、ただ曲の完成度と美しさに酔うのです。当たり前だけど、名曲。

 続く「蝋人形の館」。ここのMCでの地方ネタ、めちゃめちゃ期待してたんですが、閣下は見事に応えて下さいました。「うどん県」に「明石大橋」と「瀬戸大橋」ネタです。本州の人間が多いのではとおっしゃってましたが、隣の岡山も本州ながら、香川のことはよく分かるのでめっちゃ楽しかった。最初の「うどん県」ネタであがった悲鳴がちゃんと若かったのに感心しました(笑) みんな正直者だ! 「蝋人形の館」についての思い入れは、これまでにも繰り返し述べましたが、やっぱりこれがデビュー曲で、聖飢魔Ⅱと言えば一般の人がイメージする曲はまさにこれなうえに、なおかつ信者にも愛されている曲なの、最高だなと思いました。「ラララ」を歌うのはいつも楽しいです。

 そして最後の曲前MC。セトリが変化ないのは確信してましたので(これで最後に「では新曲、NextIsBest」とかやられたらどうしようとはちょっと思った。それはそれで号泣する自信はありました)、ほんとにただ待ち望んでいました。ちょうど瀬戸内国際芸術祭が行われている時期ということもあって、閣下が昔、とある美大のトークショーに参加した際に「アートに触れられたことはありますか」なる質問を学生に寄せられて……というお話をされました。ふざけるなと思わなかったひとは会場内にはいなかったと思うのですが、それに対し、閣下がアートというのは、なにかを描いたり作ったりするだけではない……と語られて、ほんとにうなずくしかなかった。聖飢魔Ⅱの存在そのものがアートだよ。
 
 最後の「Winner!」は、ほんとに楽しかった。そして美しかった。明るくてポジティブで、キラキラしてた。聖飢魔Ⅱにはたくさんの面がある。怪奇趣味、ポリティカル、ロマンティック、シアトリカル、愛らしさやカッコ良さ、いろんなものが詰まっている。でも、この「Winner!」という楽曲が持つ、底抜けな明るさと力強さがわたしは大好き。そしてそんな稀有な存在も、そんな存在に出会えてそこに価値を見出せたわたしも、〝Winner!〟だと思いました。まさに。聖飢魔Ⅱに出会えてよかったと思う。

 そして、この明るさとともに、ミサが終わっていく時間がたまらなく愛おしい。構成員の皆さまが手を振って去っていく背中が消えるそのギリギリまで、ありがとう、大好き、と叫び、手を振り続けました。ほんとうにありがとう、大好き。

 本編終了後、座席に座り込み、閣下の送り出しメッセージの濃すぎる地元ネタで笑いつつも、なんだかしみじみと考えていたのは、あるバンド(アーティスト)とともに、一緒に年を取っていく意味、でした。わたしはその昔、聖飢魔Ⅱが解散したあとに、聖飢魔Ⅱと一緒に年を取りたかったと泣いたことがありました。解散したかれらは、そこで時が止まってしまったと思ってたんです。勘違いでした。それはその後にかれらがこうやって再集結したから、ではなく、どの時代でもわたしは聖飢魔Ⅱを聞いていて、聖飢魔Ⅱはわたしと共にあったから。聖飢魔Ⅱは消えない。

 その事実だけでも尊いのに、こういう節目の再集結を続けることで、いまだにわたしの人生に現れてくれる。影響を与えてくれる。信じられないようなエネルギーをくれる。それを実感した出来事がこのミサの直前にありました。

 ミサそのものとは関係ない、まったくのわたくしごとです。わたし、実生活において、20年続けた専門の仕事から別の仕事に移ることになったんです。それはまったく不本意な異動でして、悔しい思いがずっとあったんですが、「Next is Best」の〝迷うことなく進め いまさら曲げてどうなるもんじゃない/ただの負けでも価値ある負けに変えて来たんだ Wrong and winding road〟にめっちゃ泣いて、力をもらったんですね。聖飢魔Ⅱに力を貰ったのはこれが初めてじゃない。聖飢魔Ⅱはわたしにいつも、いろんなものを与えてくれました。だから。だから。

 大好きです聖飢魔Ⅱ。今年の終わりまで、最後の最後まで見届けます。ありがとう聖飢魔Ⅱ。

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