「オレたち14帝國 vol.7?風間少佐の賢者の石?」(名古屋アポロシアター)

 さて、今日は、名古屋アポロシアターにて、第14帝國の「オレたち14帝國 vol.7?風間少佐の賢者の石?」です。前日がたまたま飲み会で、うっかりワインを楽しんでしまったわたしは、ほとんど昏倒したような状態で名古屋にたどりつきました。あれだ。吐くまで呑んではいけません。
 栄で、臣民仲間の真夜さんと待ち合わせ。今日は翌日が祝日なので、式典後のおしゃべりをたっぷり満喫すべく、真夜さんの地元にホテルを取ってあります。準備万端ですが、前日にワインを1本行ったわたしは、今夜は大人しくすると…思って…(沈黙)。それはともかく、栄といえばあのお店です。式典会場でお会いしたR嬢も、見覚えのある袋を抱えてましたが、わたしもしっかり抱える破目に。しかも、一回、店を出てからもう一度戻ってきてお買い上げ。あんな洋服全部燃えてしまえばいい(服に罪はありません)
 遅めの昼御飯は、コンパルのエビフライサンドでした。お腹一杯のボリュームと、まさに海老!といったお味が嬉しかったです。きゅうり嫌いのわたしにとっては奴らが紛れ込んでいないサンドイッチというだけでも評価は高い。奴らはどこにでも紛れ込むでな…。
 開場時間近くになって、アポロシアターに向かいました。見知ったお顔を何人かお見かけして嬉しかったです。開演待ちはいつもどきどきしてしまうなー。
 以下、ネタバレ防止のために保護色掲載とします。ご了承下さい。あと、長いです。それも許して下さい…。


 開演前のアナウンスは立花大将でした。台風18号の影響でアパートの駐車場のフェンスが倒れて自分の車のボンネットに当たったものの、前日に大家さんに「大丈夫ですよ」と請合ってしまったがゆえに、大家さんもスルー。こんなオレはどうしたらいいって、あなたどこまでわたしの好きな人ですか。ときめき。
 それが終われば、いよいよ開演。それが何回目の体験であっても、赤い光を浴びて佇む軍服のかれらを見るたびに、飽きずに胸が震える。オンブラッタが大好きだ。「オレたち?」になってから、しばらく、ここでの定光寺中将による幻創論の朗読が、式典のテーマの暗示になっている。それがカッコよくて、大好き。「物語は結末から作られる」に痺れました。懐かしの「意思の勝利だ」は言うに及ばず。
 前半。帝都と13の公国で構成される14帝國。各公国には王と貴族が存在する。貴族同士に対立が起こった際には、各公国の最高司令官たるライヒスリッターが、皇帝陛下の認証を経て、それぞれの公国の代表として戦うという、T14と呼ばれる慣習がある。それの発動により、第2公国の風間少佐と第7公国の定光寺中将が雌雄を決することとなった。
 数の上で有利な風間少佐に対し、奸計をもって対抗しようとする定光寺中将。少佐に負けては中将と名乗ることもできず、ライヒスリッターを去ることにすら成りかねない定光寺中将と、野心を隠しつつも正面きって戦おうとする風間少佐。それぞれに表立っては肩入れできないものの、各自の思惑のもと、風間少佐につく草薙大佐、定光寺中将につく春木大佐。
 しかし、定光寺中将を追い詰めていく風間少佐の知力は、そばで見守る草薙大佐を訝しく思わせるのに十分な、風間少佐らしくないものであった。定光寺中将もまたそれを知っている。定光寺中将の動きや策略を見透かしてその動きを封じる、風間少佐のその物言いや振る舞いは、間違いなくあの皇認独裁官にして帝國元帥である楠本柊生のものだった。柊生元帥は、かつて風間少佐が遺跡で拾った「仏陀の涙」という宝石の力により、風間少佐の体に宿ることが出来るようになったのだ。
 定光寺中将は、自分が戦っている相手の真の正体を知りながらも、必死に風間少佐に勝つための策略を練る。が、それもまた元帥の知略の前には見透かされてしまう。「貴官、ワンパターンなんだ」と、風間少佐の身体を借りた柊生元帥に、刃を向けられる定光寺中将は、とうとうその前に膝を折り、囁くように問うしかない。「小官は風間少佐に負けたのですか、それとも柊生元帥に負けたのでしょうか」「そのどちらでもない。時代に負けたのだ」とその上に大きく刀を振り上げた風間少佐だったが…。
 ブラボー。このシリアス展開の素晴らしさよ。T14という設定の巧さ、というかVol.11ですよ!「ミッキーマウス」って、やだもう痺れる!本来は起こり得ないリッター同士の死闘を見せるための、願っても無い設定がしっかり持ち出されて、たまりませんでした。過去の設定といいつつも、現在の帝國世界の設定として微妙に再構成されている感じが、また面白い。本当に、面白くて仕方ない。帝國はこういう過去の設定による無限のぶれが、何度も再構成されては新しい世界の形成に繋がっていくという流れのなかで成り立っている世界なのです(とわたしが妄想しています)。おいしい過去設定の生かし方が、単なるリメイクでも焼き直しでもなく、帝國のエッセンスを抽出しているようで、すごく帝國らしい。なにより、わかりやすいしね。
 
 さらに、柊生元帥の登場ですが、これはもう、風間少佐の巧さがもう筆舌に尽くしがたい。もう、見ていただくしか。だって、本当に元帥なんだもん!声の響きの完コピ具合は誰もが認めるところでしょうが、わたしが一押しなのは、視線。あの酷薄な、どこか遠くに視線を遊ばせながらも厳しい言葉を云い捨てるときの、あの目が、もう元帥で元帥で。Vol.16でパン屋を見た時の背筋の震えを思い出さずにはいられませんでした。元帥じゃないけど元帥。そして、それに惑いつつも「元帥」という言葉を出せないまま「本当に風間少佐…なのか?」としか問えない草薙大佐が良い。元帥の絶対性があそこで浮かび上がる。
 しかし「オレたち」の式典のなかで、元帥が登場することの意味というのは、見るひとの数だけ解釈があると思います。わたしは、こういうことをするのが、とても定光寺中将の作品だと感じます。戦いに敗れた定光寺中将と元帥に憑依された風間少佐の会話の場面で、それが際立つ。なんというか、まったくの自分解釈ですが、わたしはそこにある種の矜持を見るのです。「貴官、ワンパターンなんだ」「それが小官ですから」という会話に痺れたもん。物質世界と精神世界のあわいが一瞬、ゆらめいて、舞台の上で溶けるような、この感覚。これは柊生元帥でも風間少佐でもなく、素晴らしく剥き出しの目線で物語を綴る定光寺中将ならではの味。痺れる。
 しかし、本当にこの前半は良かった。ちょっと笑いも入れつつ、けれどシリアスな雰囲気が崩れることもなく、胸が震えた前半でした。
 オールナイト14。元帥の声のままの風間少佐のコールが笑えます。ここもテンポ良く、第2公国と第7公国の争いの原因について、リッターたちが意見を述べていきます。一瞬グラサンを外した大将に萌え。「楽屋を禁煙にしませんか?」という五藤中尉のひとことに、風間少佐以外はみな喫煙者であるにも関わらず、だれひとり反発しないあたりが、なんですかこの、教育が行き届いているというか、やっぱり五藤中尉最強というか。ええ、オールナイトでの五藤中尉は、にこやかに定光寺中将に引導を渡すなど、相変わらずの鬼畜っぷりがときめきでした。話を半分も聞いてないようなアックスくんはいうまでもありません。時事ネタを押さえての政治ネタとか、シリアスの前半の台詞を生かしたじゃんけん勝負とか、とにかくテンポよくってまとまっていて楽しいオールナイトだったなあ。まとめに入られたら「え、もう終わり?」って思えるくらい、コンパクトながら楽しかった。
 後半。風間少佐に負けたからには、もう中将ではいられなくなった定光寺中将の卒業式から始まります。送辞のはずが「病めるときも健やかなるときも」と結婚式になってしまう大将が素敵。また「仰げば尊し」がみなさん低音で素敵なんだ。「思い出のアルバム」でも良かったんだけど(笑)。鬼畜の目にも涙な五藤中尉とか、微妙に親切なアックスくんが可愛い。「Pちゃんさあ」を思い出したわたしはどこまでも柴犬が好き(意味不明)。
 
 そしてついには、派遣リッターになってしまった定光寺中将ですが、小ネタのひとつひとつが、リアリティ溢れて楽しいです。そうだ、この妙な生活感も帝國の持ち味だった(笑)。柊生元帥が憑依した風間少佐が、他のリッターに大不評なのはさもありなん。ていうか、コメディ場面になると、風間少佐の観察眼の結果がフルに見られて、本当に楽しかった。あなたどこまで元帥巧いねん(笑)、そしてこの台本を書いた定光寺中将は、あなたどこまで元帥好きやねん(笑)、という感じです。優れた物真似には必ず批評の精神があるものですが、それを思い知りました。単にカッコいいとこだけもってきたんじゃないんだ。あの、じたんだ踏む感じとか、小さな声でのツッコミとか、イラっとしながらむくれるとことか、なんかもう元帥ここにいるからいいんじゃないかなとか普通に思った
 ちょっとしたことですが、元帥の再現、というところで面白かった発見。中将を追い詰めた風間少佐AS柊生元帥は、刀の切っ先を中将の喉下に当てます。その仕草が、実に元帥らしく思えて、きゅんきゅんしていたわたしですが、式典が終わったあとの真夜さんの指摘で、実はああいう場合の元帥は、刀でなく銃を向けることが多いと思い出しました。でも、刀を振りかざすと、実に元帥らしい。風間少佐との差を際立たせる意味で、あえて拳銃でなく刀だったのかなとも思います。単にそっちのがよりカッコいいからでもOKです。
 さらに、帝國世界は、第2公国の勝利にともなうリッター民営化という流れに突き進みます。それをなんとかしようとの、風間少佐AS柊生元帥の提案が、なんと帝國銀行。金利14%には、本気で「預けたい!」と思いましたが、立花ファンドに流用されるのであればひっこめます。絵に描いたような、ハイリスクノーリターンです。しかし、ここでの立花大将の「リーマンショック」は素晴らしかった。特に、「リーマンショック2」の際の軽やかなステップには恋に落ちた。おそらく、リーマンショックは日常でもしばしば起こっているのでしょう。立花大将に幸あれ(さめざめ)。
 あと、もちろん、その帝國銀行の勧誘の場面はすっごく楽しかったです。「ロックアラウンドザクロック」が流れるだけでもときめいたというのに、そこでティッシュ配りって!配られたティッシュにはちゃんと「あなたの財産 武力で守る 年利14%」の文字が。この細かさだよ!(爆笑)。また、そんなティッシュ配りの最中の定光寺中将による電話勧誘の巧さと怪しさが、素晴らしかった。帝國銀行が破綻して、記者会見になり、フラッシュがたかれるだけでも面白かったのに、まさかの「ささやき会見」するなんて。わたしは「社員は悪くありません」と号泣するのかと思ったのに!(笑)。いやー、この「ささやき会見」は笑った。微妙な懐かしさが、またたまりません。
 
 結果として、元帥に命ぜられ、過去に戻り、風間少佐との対決をやり直すことになる中将。ここの風間少佐が良かった…。「しかし小官は時代に負けたのです」とためらう中将に対して「時代は自らで切り開くものだ!」といい放ったときの、風間少佐がたまらなく元帥だった。たまらなく。過去の元帥が時折見せることがあった、生き生きとしたきらめきのような笑顔だった。
 過去に戻り、勝負が早食いになっていて一瞬喜ぶものの、嫌いなニンジンスティックの早食いと知り、ぐったりする定光寺中将が可愛い。「オレたち」定番のリッターいぢめが、スムーズに違和感無く挿入されているのがさすがだと思いました。ご自分で身を張るあたりも。ていうか「ここでニンジンだよー、なつかしー」という小さな感想の声がわたしの耳に入りました。それだけの古参臣民のかたが未だいらっしゃるなら、わたしもまだ大丈夫と思いました。それはさておき。 
 明らかに皮を剥いただけの定光寺中将のニンジンと、本来の細さである風間少佐のニンジンスティックの差を、遠近法と言い張るのが、微妙にツボった。当然、定光寺中将は負けてしまい、春木大佐入魂の帝國ドリンキを呑む破目になるのですが(ここでの春木大佐のデビルな笑みが良かった)、そのまま、ライブ演奏に入ります。一気飲みのときの「身体にいい」曲も、煽りのみで面白かったのですが、そのまま「ある晴れた空の下で」になったときに、うわあ、と思いました。この曲は大好きだけど、なにより、待っているという歌詞と、元帥の復活が重なって、こみあげてくるものがあった。
 ここでこの曲があったから、わたしにとっては、ラストの、元帥が憑依した風間少佐と定光寺中将の会話が、胸に響くと同時に、素直に受け入れられるものになりました。そう、柊生元帥は、時々、こうやって帰ってくる、という言葉を。
 さらに、カーテンコールに至って、風間少佐に憑依した柊生元帥から「2月14日は空けておくように」との言葉がありました。まあ、これで期待するなというほうが無理なので、元帥が、なんらかのかたちでこの空間に戻ってくるのは、有りです、ということなのでしょう。
 もちろん、それに対して、色々と思う人はいるに違いないです。あのときの元帥の出立を見送った気持ちを思い出せば、単純に喜んで終わりじゃないひともいると思う。わたしだって、本来なら泣くどころの騒ぎじゃありませんよ。ただ、元帥の公式サイトのMOVIEを見ていたので、なんとなくの心の準備が出来ていたことと、なにより「宇宙と恐竜」を見て、いまの元帥というものへの感じかたが、かなり自然なものになったので、わたしはOKと思いました。なにより、ね。見たいじゃないですか。柊生元帥を。そして、帝國騎士団の面々を。出来れば、あの頃のみんなの姿も、同時に。それを強く願います。
 とにかく、すごくたくさんのひとに見てもらいたい式典でした。アポロに椅子を並べる必要がないくらいの人がいて欲しかった。いまの帝國、こんなに面白いのに!とわたしは思う。二時間できっちり終わって過不足なく、シリアスあって笑いがあって、たまらなく帝國なんです。帝國が好きなひとに、帝國的なものが好きになる可能性があるひとに、見て欲しい。見て欲しかった。そしてみんなで笑いたい。強くそう思った式典でした。2月14日になにがあるかは分からないけれど、今日のこの式典を体験しておけば、より自然に、その日を迎えることができるんじゃないかと思ったのです。
 まあ、元帥に関するあれやこれやを抜きにしても、とにかく楽しい式典だったと思います。本当に、いまの帝國という感じがする。幻創論という言葉が全然出てこない式典であったけど、これは幻創論を使っていないという意味ではないのですよ。そうは表現しなかったというだけのことだとわたしは思う。まあ、最後に第2公国が勝ったままなのにはびっくりしたけど。中将の面子はどこへ(笑)。わたしは毎回のようにそういうお話としての整合点をあげつらっている単に性格の悪い臣民ですが、しかしその投げっぷりもまた帝國らしいといえてしまうんじゃないかなとかいっちゃったりなんかしてもう。はい、ここまで読んで下さったかたにはお分かりですね!わたしは帝國に客観性なんか持てないんだよ、だって好きなんだもん!(やけ)
 しかし、楽しかった。いつまでも続く、ふわふわと楽しい気分のまま、真夜さんと呑みました。今日のお酒が呑めるのは、定光寺輝信さんのおかげです。とにかく楽しかったので、何度も何度も同じ台詞をリピっては、悶えたり、にやつくわたしたち。同じ話でも何度でも楽しめるわたしたち。エコです。地球に優しく帝國にヒドい(詳細不明)です。本当にホテルにしておいてよかった、だっていつもだったら式典終わって1時間半くらいしかしゃべれないものね!だからといって、そのまま、居酒屋からホテルまで約9時間話すのはどうかと思います。そして、それでも足りないんだよ…。
 本当に楽しい一夜でありました。ありがとう14帝國。これからも、大好きです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする