ルパン三世ベストセレクション第9位「五右エ門無双」感想

 「女は五ェ門の唯一の弱点だからな」(cv小林清志)。

 ルパン三世ベストセレクション、第9位は、PARTⅢ第5話「五右エ門無双」でした!第10位「友よ深く眠れ」に引き続き、パースリの五ェ門回の登場です。いつものように、ベストセレクションが放送されていない地域に住まうわたくしが、エア感想を書かせて頂きます。ネタバレありなのでお気をつけください。あらすじはこちら→(URL)。

 冒頭、山の中の悪路をたどりながらお宝を目指す次元さんとルパン。舌を噛まないように気をつけているせいで、ふにゃふにゃしたしゃべり方になってるふたりの口調が可愛い。「まるで天国への階段を上ってるようだな」という次元の台詞がシャレてていいですね。この回の次元さんは全篇を通じて、パースリ初期らしい両目がはっきり見えるスタイルです。カッコいい。

 今回の舞台である南米アンデスの古代遺跡にたどり着いたルパンと次元、ナチスドイツが残したお宝が沈んだ場所の海図をめぐってのやりとりで、物語は本格的な幕を開けます。ナチスドイツのお宝というのは新ルパンにもあったお話ですね。しかし、ルパンたちが入手しようとした海図は謎の二人組の少年少女に奪われます。それでも、どこか余裕のあるルパンたちの笑みがカッコいい。しかし、少年のブーメランは次元のマグナム弾も弾き飛ばし、次元の帽子もその犠牲に。帽子の上部が切り取られて、髪の毛が飛び出ちゃうのに表情を変えない次元さんが可愛いやらカッコいいやら。

 ルパンと次元はひとまず退散。というわけで、海図を取り戻す役割は五ェ門にまかされますが、五ェ門は海図を持った少女に斬鉄剣を振るったところ、素っ裸になったその姿にうろたえて、取り逃がしてしまう結果に。まあ、見てる人の百人のうち百人が「おぬし、女か」と言う五ェ門の台詞に「見たら分かるだろう」とツッこんだと思いますが、わたしもツっこんだ。そして第一話では、フルヌードでこそなかったものの、この少女以上に立派なおむねをさらけだしていた不二子ちゃんには眉一つ動かしていなかったことにもツっこんだ。やはり五ェ門にとり、不二子ちゃんの裸は珍しいものでもなんでもないんだろうか……。

 ところでまったくの余談になりますが、ルパンにハマり直して、こどもの頃以来のパースリをDVDで再見したときに、この話を見て「うわあ80年代のアニメだなあ」とすっかり懐かしくなってしまったわたしなのですが、今回の再見でそのノスタルジーの原因を思い出しました。アクロバンチだ……。(古代遺跡から連想したらしい)(ヒロ×シーラに激萌えしてた少女時代でした)。

 失意の五ェ門はひとり修行に出かけルと言い残して姿を消し、ルパンと次元はブーメランに仕掛けた発信器を追い、海図を手に入れたナチスドイツ生き残りのユルゲンスのもとに殴りこみをかけます。しかし、そこに現れたのは銭形警部。「……ったく、戦犯野郎が逃げちまうでしょう」と言うルパンに対し「わしにとっての永久戦犯はおまえだけだ」という台詞がらしいですね。しかしやはりそこは首尾よく逃げ出すルパンたち。

 わたしの個人的な印象ですが、パースリのふたりはなんだか全体的に余裕があるんですよね。遺跡の場面とかもそうだったですが、「一時退却ばっかだよなあ」というルパンのセルフツッコミがそこはかとなくおかしい。ルパンが逃げ出してくるのを煙草の煙をくゆらせて待っていたり、「あいよ」と、走り出す前にポーズをつける次元さんとか。

 そして、ユルゲンスと海図を求めてミュラー姉弟を追うルパンたち。一方、五ェ門はビーチで水着姿の美女たちに囲まれて、それに耐える修行に取り組んでいます。しかし、水着姿の美女の真ん中でひとり脂汗をかくその姿は、よくいえば純情、悪く言えば普通に通報案件ではないのかしら。そんな五ェ門のところに、なぜかミュラー姉のコンドルが現れます。この「喝!」でコンドルは五ェ門に心を開くようになったのかなあ。

 ここで、不二子ちゃんが登場。ユルゲンス相手にビジネスのやりとりです。しかしみごとにしてやられ、危機……となったところにルパンと次元が現れるのですが、ここでミュラー弟のブーメラン技を「ワンパターンなんだよ」のひとことで、ボンベで海中に落としちゃうルパンの技には笑っちゃったな。「来てくれると思ったわ」とすりよる不二子ちゃんに「またあ。抜け駆けは良くねえよなあ」というルパンの声が本当にあきれてて、でも軽くって、さりげなくって、もう山田康雄さんが尊すぎてめまいがします。

 ユルゲンスの罠にかかって、石油のプールに落とされたルパンたち。そこで、ミュラー姉弟もユルゲンスに利用されていたことに気づきます。危機一髪の場面ですが、駆けつけた五ェ門によって無事に救われることに。ルパンたちは、財宝を手に入れるための潜水艇を持って逃げ出したユルゲンスを追って、ベネズエラの石油基地に向かいます。(そして、ここのヘリでのルパンたちの乗車位置が気になるわたし。次元さんの隣が不二子ちゃんなのだが、あとで乗りこんだ五ェ門が窓際なので、けっきょく三人が並んだのかな……)

 そして、単身、ユルゲンスのところに赴いたルパン。ここからの展開は原作新ルパン三世「五ェ門無双」からですね。「まさか妙な仕掛けはねえだろうな……あったァ!」のくだりはやっぱり笑ってしまいます。山田康雄さんが尊すぎて(二度目)。そしてここで、ルパンのワルサーの一発目は催眠弾の設定が出るのがファンとしては見逃せないところ。ユルゲンスのたくらみにより海中にひとり残されたルパンでしたが、ミュラー姉のコンドルと五ェ門の見事なコンビプレーで、みごとユルゲンスの乗ったミサイルを叩き切り、海図を手に入れることに成功します。しかし、どうしてこう懐いているのだ、このコンドル……。

 そしてそのコンドルをミュラー姉のもとに返しに来た五ェ門に、ミュラー姉はキスのプレゼント。テレビシリーズ全228話通して唯一の五ェ門のキスシーンです。頬を染めた五ェ門がじつに可愛いですな!そのまま「修行が足りぬ……」とつぶやく五ェ門で幕となります。
 
 この話、パースリで初めての五ェ門回ですが、主役を張るというほどではなく、あくまで中心はルパンのお仕事話ですよね。けれど、決めるところは決めていて、お話しのそこかしこでかいま見える五ェ門のキャラクターらしさが、お好きなかたにはたまらないお話ではないかと思います。全体的に深刻ではないものの、ちゃんとしたお仕事話で好きな話です。

 というわけでベストセレクションも第9位となり、これからが正念場と言う感じですね。すでにわたしは「男心」が入ってほしいという願いはともかくとして、次元回の「国境」が落ちてませんようにと祈る気持ちでいっぱいです。ただでさえ回を追うごとに長くなる傾向のあるわたしのこのエア感想ですが、「国境」は本気出すよ。読んでる人が辟易するくらいにきっと語るよ!

 といいますか、基本的にこのブログはわたしのPixiv投稿作とか、ルパン情報とかについて、思うがままに語っている場所なのですが、ベストセレクションの感想を掲載するようになってからは、それを読みに来てくださるかたもいらっしゃるようで、もったいないような有難さに喜んでいます(拍手嬉しいです!)。やっぱりわたしはルパン三世という作品が大好きで、その感想というのもいくらでも語りたい人間なもので、そんな個人的なオタクの語りをすこしでも面白く読んで頂けるならこんなに嬉しいことはありません。ときどきは紫色のフィルター越しの感想になりますが(申し訳ない)この調子で第1位まで語り続けようと思っています。どうぞこれからもよろしくお願いします!