新作歌舞伎『流白浪燦星』とりあえず感想(ネタバレ無し)

というわけで行ってきました! 楽しかったよー! 喜ばしいことに配信も決定しましたので(URL)、いつものみっちり感想は配信後に書こうと思います。↓こちらは公式とメディアによる紹介動画。


 今日はとりあえずのネタバレ無し感想などをざっと書きます。

 第一の感想はとにかく「楽しかった!」でした。わたしは歌舞伎まったく知らない人間なので、あくまでルパン作品としての感想なんですが、すごく良かった。ルパンをちゃんと知ってるひと、分かってるひとが作った感がひしひしと伝わってくるストーリーと演出でした。ちょっとしたセリフやキャラ立てがなんというか、「分かってる」んですよ。ストーリー自体も、これいつのTVSPよ、という感じの冒険活劇とちょうどいい荒唐無稽さがほんとに「ルパン三世」って感じでした。

 ていうかまず、五エ門回でした。すごい五エ門回。五エ門がぜんぶさらってった。でも、良いキャラ回がそうであるように、それ以外のキャラも決して添え物じゃないんですよ。

 以下、各キャラについての感想を。

 流白浪燦星(片岡愛之助):めっちゃ陽性でポジティブでキラキラしてて、ほんとにルパン!でした。細かいところはネタバレ感想で書きますが、ルパンならこう動く、こうするであろう、という動きが完璧なのです。カッコいいのはもちろんながら、不二子ちゃんのこと大好きなのもよかった。

 次元大介(市川笑三郎):わたしのオペラグラスはこの方に釘付け。やっばいマジ次元でマジの次元(語彙)。どちらかというとおじさん寄りの落ち着いたたたずまいの次元で、派手な活躍はルパンと五右衛門に譲った感ありますが、それもまた次元らしかった。でも決めるときは決めるんですよ! あと、ルパンとの仲良し相棒振りがにじみ出てるところも良かった。

 石川五右衛門(尾上松也):とにかくイケメン。イケメンという存在が刀を振るう五右衛門でした。キャラ付けも五右衛門らしい潔癖さがあり、カッコよく、見せ場もたっぷりあって、五右衛門クラスタのみなさまには最高のお歳暮となったのではないでしょうか……。なにもかもさらっていく五右衛門でした。

 峰不二子(市川笑也):綺麗マジ綺麗! それがお顔だけじゃなくて、仕草が完璧な不二子ちゃんでした。そして、キャラ付けが良かったの。不二子ちゃんの有能さと頭の良さがちゃんとあって、なおかつ可愛らしさと油断ならなさもあって。なにより、すべては金だけど、最後に譲らない誇り高さがあるのです。最高。あとお胸も不二子ちゃんだった。

 銭形刑部(市川中車):これはもう中車さんの芸達者振りが卑怯。笑わされたし、存在そのものが器用。いつもの「ルパン逮捕だー」という銭形警部っぷりもふんだんに使いつつ、それだけでもない。良い警部でした。

 これだけみごとなキャラ造形があって、ちゃんとしたストーリー、さらにはそれを盛り立てるゲストキャラも素晴らしくて、ほんとうに楽しい舞台でした。ルパンってホントなんでもできるんだな! そして歌舞伎ならではといえばやはり歌舞伎音楽! 三味線や笛、尺八といった和楽器で演奏される「ルパン三世のテーマ」のカッコ良さといったらなかった。そしてそれだけじゃないんですよ、あの曲もこの曲も和楽器で聴けるんですよ……。感動しちゃった。

 歌舞伎ということで、初心者には難しいのでは……というのがいちばんの不安でしたが、そこはまったく大丈夫でした。わたしは耳が良くないのでイヤホンガイドは使わなかったのですが、それでも何の不足もなく理解できました。そこはまあ、古典ではない新作歌舞伎の強みでもあるかも。あと、初心者向けにちゃんと気遣いある演出もあります。さらに、同行してくれた歌舞伎ファンの友人からすれば、「歌舞伎としても楽しい一本、歌舞伎ファンなら、ああなるほどという場面もいくつもあった」とのことでした。そういうのいいな!

 そして、いまさらではありますが、これから観覧に行かれる方にアドバイスなど。グッズを現地で購入希望の方もおられるかと思いますが、わたしが参加した17日はアクリルキーホルダーは完売状態でした。

 そして、わたしも初心者なので戸惑ったんですが、一幕目のあと、幕間が30分あり、その後、二幕目。また幕間が15分、大詰めで終了という構成です。で、物販は二回目の休憩までで終了です。本編終了後にお買い物、というわけにはいかないのでご注意を。一部グッズに関しては、松竹歌舞伎屋本舗の東京駅一番街東京本店と歌舞伎座地下木挽町広場店でも購入できますが、筋書き(パンフレット)は、演舞場のみでの販売のようでした。このパンフレット、内容充実なので、おすすめです。

 というわけで、あとは配信でもう一回見るのを楽しみにしたいと思います。みっちり語りたいとこもたくさんあるのです……(主にジゲフジ的観点から………え? ルパン歌舞伎でそれがあったの?と思う方もいらっしゃるでしょうが、そこはそれ、観てるのがわたしなので……でも、あれはたしかに以下略)。もし興味はあるけど、まだ観劇あるいは視聴を迷われているかたがいらっしゃったら、ルパン好きならぜひ、とお薦めしたいです。とりわけ五エ門クラスタのかたにはとくに。

 個人的には、これを観劇して「やっぱりルパンはいいな!」という思いを強くしました。ルパンってなんでもできる、自由なコンテンツで、だからわたしは大好きなんだ、と思いました。わたしもまだまだルパンを楽しみたいし、いろいろやっていきたい!と思います。本当に楽しいルパン体験でした。ありがとうございました!

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