ルパン三世PART5第20話「怪盗銭形」感想

 ルパン三世PART5第20話「怪盗銭形」の感想です。公式サイトによるあらすじはこちら(URL) 。(わたしはhuluにて視聴しています)以下の感想は、完全にネタバレですので、大丈夫な方のみご覧ください。どうぞ!

 今回のアバンは、閉店後のスーパー。奥の金庫を開けている怪しげな覆面姿の男と、見張り役らしい男の姿で始まります。見張り役の男は、覆面をしていても、あのひとと分かるあの目(まつげ!)のような気がします。“スーパーマーケット”の看板がロシア語なので、ロシアだと分かりますね。

 そしてそのスーパーの前には、金庫の番号を記していた手帳を盗まれたと警察官に訴える男がいます。そこに急に現れた、段ボールで外観を隠した怪しい車。しかし、パトカーはガムテープでドアを固定され、その車を追いかけることはできず、車は仲間を拾ってその場を去っていくのです。車のなかで覆面を脱ぎ捨てる男たち。「やったぜ新入り!」と声をかけられたのは、なんとあの銭形警部でした。ここでOP。

 場面は変わり、雪が積もった道を車で走りながら「あいかわらずさみしい風景だこと」と言うのは、ルパン三世。「絵にかいたような田舎だよなあ」なんて言うその姿は赤いジャケット。新ル仕様ですね!そしてそのお顔もなんとなく若々しく凛々しいような……。同乗している次元と五エ門も新ル仕様のスタイルです。

 次元はシケモクをくわえたまま「最近どうも仕事が楽だと思わねえか」と言います。「銭形が追ってこん」と答える五エ門に、振り返り「それだ、しつこいのがとりえだと思ってたから逆に不気味だぜ」と煙草を吸い込むこの仕草が、とっても次元さんぽい。「我らを取り逃がし続け、自信喪失。廃業して浪人にみをやつしたか……」という五エ門の台詞もらしいですね。しかしロシアでこの胸元は寒くないのかな。

 でも、それを聞いて次元は「ないない」と笑い、ルパンもくすくす笑っちゃうのです。「世界一の大泥棒のこのオレ、ルパン三世を相手にしてんだぜ。あと一歩で取り逃がしたところで名誉だと思ってほしいねえ、な?」これもとてもルパンらしい台詞だし、なによりも表情がルパン!でもそれを聞いてるふたりの仲間はなんともはっきりしないごにょごにょした「うん」で、「なんだよそのリアクションはよ、おい……」と三世さんは不服そう。もう、ここのやり取り大好き。さりげないけど、三人それぞれの関係性と状況説明が自然な会話の流れに組み込まれてて、面白いのです。

 どうやら三人がこの町に来たのは初めてではないようです。ルパンの説明によると、田舎町ではあるものの、ロシア中のマフィアの金庫である銀行や、裏で盗品をバラしてリサイクルしている宝石店、街の名物「片羽ヴィーナス像」は、戦争のどさくさで当時の町長がふんだくった王朝の本物、と盗みがいがある町とのこと。ここでタイトル。4文字しかないから、いつもよりタイプ音がゆっくりでした。新鮮。しかし、このタイトル最高だよな。

 気球に乗って空に浮かび、そこからハングライダーで飛び、マフィアの資金を強奪しようとするルパン。それを空から補佐する次元と地上で待ち受ける五エ門。三者三様のスタイルですが、それぞれちゃんと防寒仕様になっているのがニクいです。次元さんは厚めのコート、ルパンはもこもこの襟が付いた(やっぱり)真っ赤な上着、五エ門もマフラーだ。

 しかし、ハングライダーに乗ったルパンの目の前で、金を乗せた車は何者かの急襲を受け、現金が入ったケースも奪われてしまいます。「われわれが先を越されるとはな」と笑う五エ門の余裕がいいですね。しかし、ルパンはそれどころではありません。ケースを背負った姿で自分の目の前を横切ったのは、同じようにハングライダーに乗った、銭形警部だったのです。一瞬、わが目を疑うルパンですが、追っ手の銃弾が自分に向けられてしまい、それどころではなくなります。ここ、コミカルですっごく楽しい。「当たったら死んじゃうじゃねえかー」って面白いよ(笑)。

 「そんな、銭形が泥棒だと?」とにわかには信じられない様子の次元。しかし五エ門は「納得がゆく。あの流れるがごとき手際、思えばルパン。おぬしの技を熟知した銭形なれば可能。おぬしが手本となったのだ」と意見を述べます。この五エ門の台詞もほんとうにうまい。それを聞いた次元は煙草をくわえたまま「手本が出し抜かれちゃ形無しだな」と笑うのです。ここ、車の窓が下りていくのに合わせて次元の顔も消えていくのがカッコいい。

 しかしどうして銭形はそんなことを?罠だろ、と言うのが次元の意見。「同じ稼業に身をやつしたと見せかけて油断したところを、一網打尽!」と刀の鞘に手をかける五エ門。その迫力に思わず車の中を見渡して「……おまえなんか切ったか?」「……車の兜割は勘弁してくれ」と汗をかくルパンと次元がくそ可愛い。ルパンは変装しているからあれですが、とりわけ次元さんの汗のかきかたと煙草をくわえたままの口元が絶品です。今回、三人のやりとりが本当にうまい。

 やがて宝石店のシャッターが下り、店に向かおうとするルパンですが、なんとすでにルパンが変装済みの店長と同じ顔をした人間が先に店に入っていきます。店長本人はここにいないはず。「もしかしてあれは……」という五エ門の言葉に、不敵にほほ笑むルパンでした。

 そして店内では縛り上げられた守衛(?)と、盗みのお仕事に励む男たちの姿が。ルパンはそこに現れて、「お見事だこと」と、店長の変装マスクを顔からはがし、素顔をさらします。このときのルパンがすごく男前。そして、それに応えるかのように、自分もまた店長の変装マスクを顔からはがす男。現れたのは、やはり銭形の顔でした。それを見て「真似すりゃおれが隙を見せるとでも思ったか?まあちょっくら驚いてはいるけどな。だからって簡単にお縄を頂戴するわけにはいかねえんだよ」と笑うルパンでしたが、ちょうどそのときに縛られていた守衛が警報を鳴らします。

 やっぱり罠か、とあわてるルパン。そこに駆け付ける次元でしたが、銭形はルパンに見向きもせずお宝を袋に詰め、仲間と共にその場を立ち去ります。ここ、銭形がふところに手を入れたものだから、一瞬身構え、そこから出てきたのがただの袋だったから、素で驚くルパンと次元のシンクロした反応が面白いです。閉じ込められた次元とルパンでしたが、五エ門の助けで何とか事なきを得ます。しかし、とうとう頭に来たルパンは「あんにゃろ、次だ次!」と叫ぶのでした。

 次の舞台は、どうやら町の名物のヴィーナス像。「ルパンに目もくれず、宝をかっさらって逃げやがった」とさきほどの事情を五エ門に説明する次元。それを聞いた五エ門は「なるほど。ついに落ちるところまで落ちたか、銭形」と感想をもらします。それにルパンは不審気な反応です。しかし「手柄を立てれず捜査官の職を追われ、さりとて手に職もなく、思いついた手本がわれら、泥棒」と持論を語る五エ門ですが、わたしはここ笑ったな。なにげに五エ門がひどい(笑)。そしてこんな極論を言うのが次元でもルパンでもない、五エ門というのが実にらしいのです。

 五エ門と次元の手を借りて停電を起こし、ヴィーナス像に手を伸ばそうとするルパン。しかし、そこに現れたのは、またもや銭形とその仲間でした。空から侵入しようとしたルパンに対し、かれらは地中からそれを手に入れるべく現れたのです。そのままヴィーナス像は銭形の手に。残されたルパンは再び、警備の人間の銃弾の的に(笑)。

 スノーモービルに乗って、現場から逃走する銭形たち。しかし、ひとりは次元の弾によって火だるまになって雪の中を転げることに。「雪でよかったな。ま、軽い火傷だ。すぐ治る」と言ってるときの次元さんが、マグナムで帽子をくるくると回し、いつものボルサリーノに替える、こういう細かい描写にしびれちゃうんですよね。カッコいい。さらにひとりは五エ門の斬鉄剣によってスノーモービルのハンドルを切られて、これも雪の中。

 そして、ヴィーナス像を抱えたまま、ひとりスノーモービルで走る銭形のところに、ルパンがやってきます。「こんな仕事をやるなんて、いったいどうしちまったんだ?」というルパンの言葉にも「泥棒のおまえに言われる筋合いはない」と銭形はにべもありません。「金か?」とルパンは探りをれますが、「金など要らん」と銭形は答えます。「おおそうかい。じゃあそいつはなんなんだよ」とルパンはヴィーナス像を見ます。

 銭形は「探しているものがある。おれはそれを絶対に見つけねばならん。こうして泥棒をやっていると、見つけられそうな気がするんだ」というのです。意味が分からないルパンに向かい、銭形は「おい、泥棒!おまえ名は何という」と呼びかけます。それに戸惑い、「まずは自分から名乗りやがれ」と言うルパンですが、「もっともだ。だがおれはおれの名前が分からんのだ。おれが探しているのはそれだ。おれはおれが誰なのか、それを探している」という銭形の言葉に「あんた、まさか……」と顔色を変えます。「モニエタ。いまはとりあえずそう名乗っている!」と言い、銭形は急速にスノーモービルの速度を上げてルパンを振り落とします。「また会おう!」という言葉を残して。Aパートはここまで。

 ここで、わたしは、うわー!って感じでした。いや、今回の話、予告が出た段階で、なんで銭形が怪盗なのかというのをあれこれ考えたわけですよ。銭形が盗む側に回るといえば、新ル第57話「コンピューターかルパンか」ですが、ああいう感じでもなさそうだし……。義理に負けた?騙されてる?人情話?ルパンをひっかける罠?とか思ってたら、記憶喪失って。そんなベタネタをこんなに正面から投げられて、いやもう降参です。しかも、その記憶喪失というネタが、銭形の行動、ひいてはルパンとの関係というテーマにがっちりリンクしているこの設定の見事さよ。わあ西田シャトナーさんプロだ……。

 そしてこの、とっつあんに名前を聞かれたときあたりからのルパンの表情がたまらないんですよね。すごくむくれてる。あの天下のルパン三世、ぶんむくれ(わたしの生まれ故郷ではこういう顔を「どくれ」といいます。ルパンがげにどくれちゅうがよ)。なんか勝手にお手本にされたあげくお宝も取られてるし、そのくせなんか他人行儀でいつもみたいに自分を追いかけてこないし、なんなのとっつあん?みたいなこの顔。三世さんファンのわたしにはこれがお宝です。そして、スノーモービルから投げ出されたあと、銭形の背中を見送るときの、この複雑としか言えない顔。ちっきしょー!とかどうしちまったんだよとっつあん!とかじゃないの。ただもう複雑なの。わあわあ。すごいものを見させていただきました。ルパンにこの顔をさせられるのは、世界にただ一人、とっつあんしかいないのではないかしら……。

 今回も、アイキャッチは、全7話の単発話のアイキャッチをすべて担当された、さいとー栄先生による描きおろしイラストです(URL) 今回も銭形ネタをちりばめたファンなら嬉しくて仕方ない、分かってらっしゃる感満載の素敵なものでした。いやもう、ほんとうにこれ、ブックレットに再録がないなら、イラスト集で発売してください……。

 Bパートは、盗賊たちのアジトでひとりウォッカを飲みながら、これまでのことを回想する銭形の場面で始まります。どうやら、ルパンを追っていたものの取り逃がし、やけ酒を飲んで酔っ払ったところを、盗賊の車に当てられ頭を打った(?)らしいのです。そして記憶をなくし、身分証も失った銭形は、そのまま新入りとして盗賊たちの仲間になることに。

 身についた盗みの知識は盗賊たちを助けますが、いまだに自分が誰なのかは思い出せないままの銭形。「この町と同じだ。いま、おまえの頭には雪が積もっている」という仲間の台詞がいいですね。でかい盗みをやれば、自分が誰なのかを思い出せそうになる……という述懐から、今回の銭形の行動理由も明らかになりました。そして、かれらから信頼を得た銭形は「モニエタ」=金(つまり銭)という名前をもらうことになったのでした。真っ赤な顔で「銭……モニエタ。気にいった。おれはモニエタだ!」と笑うときの銭形の可愛いこと。わたし、かつてないほどに銭形に撃ち抜かれましたよ。大変。そして、仲間が捕まり、ひとりになったこれからも盗みをやり続けると決める銭形。「でないと、おれはおれのことを思い出せんのだ……」という独白がいいですね。

 一方、アジトでこちらもウォッカを飲んでいるルパンたち。「そんなこったろうと思ったぜ」と次元は言いますが、ほんとうにそんなことだと思ったの?わたしは驚いたよ、次元さん!(笑)。思えば、最後に銭形と一戦を交えたのはこの町で、それから仕事が楽になったと語り合う次元と五エ門。ですが、あの。

 あの。ここにひとり真っ赤な顔をしてウォッカのグラスを女子みたいな口のつけ方して飲んでるキュートな赤い上着のおサルさんがいるんですけど、もしかしてこれがかのルパン三世ですか?(真剣)あの、可愛いとかそういうの飛び越えて、どうしちゃったんですかこのひと。おかしくない?「銭形を気にかけて舞い戻るたあ、ハッハア、お優しいこったルパン」と笑う次元に「ばーろーめ、そんなんじゃねえや」とか言っちゃうし。女子か。そして女子が「そんなんじゃない」っていうときは「そんなん」ってことだよ。次元も五エ門もそういうところはてきめんにニブそうだから分からないだろうけど!(ああ、だから不二子ちゃんは今回欠席なのかな、と思ったのはわたしです)そしてここで映るおつまみもなにげに美味しそうですね。PART5は食事の描写が細かくて好きだ。

 しかし、それでも、つづけて「……すくなくともいまはな」とか言って「いまおれが気にかけてんのは……」と言いかけたものの、グラスをくわえたまま言葉を止め、グラスを持ち替えたあと「ていうかよ!」って話題を変える、ここまでの一連のルパン三世がさらに大変だった。わあ。あのですね、これを永久保存するにはDVDを買う以外のなにか良い方法がありますかね。信じられないくらいに可愛い。三世さんファンのわたしにはこれがお宝(二回目)。キュートだし、可愛いし、なんかもう酔って目が座っちゃってるし「悔しいぜ、悔しいったらありゃしねえ!」のとこなんか、えっと、銭形警部に永遠に記憶を失ってもらうにはどうしたらいいのとか思いましたからね、わたし。

 そもそも、ルパンが誰かに出し抜かれる、先を行かれるということは、実はそんなにレアなことではありません(不二子ちゃんは別格な)。そういうとき、いつもルパンはムカついたし、キーッってなるんだけど、今回ばかりはなんかもうすごい。わたしがときめく。わたしは基本的に三世さんに関することでは簡単に十歳の少女に戻るので(キモいと思ったでしょう。自分でもそう思ってるから大丈夫ですよ)、とにかくルパンはカッコよくて大人で余裕があってだれよりも一番でいてほしいんですね。ルパンが誰かに負けるのは嫌だし、それでルパンがいらいらするのとかも好きじゃない。でも、今回ばかりは!なんせ相手がとっつあんです。そりゃもうしかたがない。しかも、泥棒勝負で勝てないと来たからには、こうやってルパンが動揺するのもよく分かるし、納得するし、くそ萌える。ああもう西田シャトナーさんありがとうございます。あなたはとんでもないものを盗んでいきました。わたしの理性です。

 そして酔ったうえでさらに意気上がるルパンの前に、「怪盗モニエタ」から、この町一番の富豪にが持つ「ロマノフの両目」なるお宝を盗むという予告状のニュースが現れるのです。キャー!それを見て「ハッハア、どんどん派手になりやがる」と笑う次元さんのあごのラインがくそセクシー。コバキヨさんのこの笑い声もセクシーですよね。

 場面は変わり、警備の人間を一撃で倒すモニエタこと銭形。そのときに床に落ちた手錠を見て、何かを感じたかのように、それを懐に入れます。屋敷には、町の警官すべてを配備し、警備は万全の状態(しかしこの富豪の服すごいな…)なのですが、ルパンは外から忍び込もうとします。しかし、そこに待ち構えていた警官が。顔色を変えるルパンですが、そこはみごと次元のアシストで乗り切ります。みごと、仕事を終えたあと「さむっ」っていう次元さんがまた可愛いですね。

 屋敷に入り込んだ銭形とルパンは、それぞれが「ロマノフの両目」を狙いますが、催眠ガスを噴射する手口まで同じなのです。ふたりが同時に「ロマノフの両目」に飛びかかるカットには笑っちゃった。仲良しか。いや仲良しなんだけど!とか言ってたら、そのままさらに仲良く並んでハングライダーで逃走じゃないですか。笑うがなこんなもん。そして、さきほど次元がルパンを助けたように、五エ門もまたパトカーをあらかた兜割りしてルパンをサポートしていたのでした。

 やがて、雪の中を共にかける銭形とルパン。「おれの勝ちだ、ルパン!」と叫ぶ銭形に、はっとするルパンですが、銭形は相変わらず分かっておらず「おまえ、知ってるか?」と当のルパンにたずねる始末。「さあ、世界一の大泥棒の名前……だと、思ったが、いまはどうかなあ」と答えるルパン。この顔はなんですか。けしからんくらいになんというか、もう。どうにも解釈出来て、もう。そして、生き生きしてる銭形を見て「このまま目覚めないほうが幸せかもな」と思うルパンですが、そのとき、銭形のふところから、さきほど拾った手錠がこぼれるのでした。

 そして、その手錠とルパンの顔がリンクした瞬間、手錠はルパンの手首に。それは銭形の無意識な行為でした。「おれは……なにをやっているんだ。おまえ……おまえはどこかで前にも……」とつぶやく銭形。そして、その顔を見るルパンのこの表情。怖いの?ドキドキしてるの?嬉しいの?なんかもうすごいな!

 一方、留置所にいる銭形の仲間たち。その所持品から銭形の身分証明書が見つかります。ということは、かれらは銭形の正体を知って仲間にしたということなんですね。

 動揺しつつも、盗んだはずの「ロマノフの両目」がないことに気づく銭形。それを見て「あんたがとったのは右目。ふたつそろってやっと両目だぜ」と手錠をあっさり外すルパン。カッコいい!もうほんとうにルパンがカッコいい!そしてもちろん「なにい!」と驚く銭形の足首に、その手錠ははまっているのでした。「ハッハア!泥棒勝負、最後の大一番はおれの勝ちだ!いえーい!」と軽やかに走り出すルパン。それを見て「なんだ、この幾度となく味わったようなこの感覚は……」と頭を押さえる銭形。

 そしてかれは思い出すのです。これまでのルパンとの様々な勝負の場面、これまで自分が見てきたルパン三世の姿を。ここで流れる新ルの名場面(それも正統派じゃないどこかキワモノエピソードぞろい)がたまらない、とか思ってたら、まさかのマリーちゃん登場に爆笑しました。マリーか!よりにもよってマリーか!わたしは大好きなんだけど!この2018年に公式描きおろしのマリーちゃん(化粧ちょっと厚くなってませんか)をこの目で見ることになるとは思わなかったよ、テレコムさん最高!(爆笑)そして、とうとう、銭形警部は「ルパン三世」を思い出したのでした。

 怪盗モニエタのアジトは捜索され、モニエタはルパン三世の変装ではないかということで、ICPOから銭形警部が呼ばれるという流れに。「このインターポール、ルパン専任捜査官銭形、二度とルパンに後れをとったりはしません!」という銭形の記者会見を見ておいて、車を出すルパンたち。「にぎやかな町だったなあ」と言う次元、また、「春だ」と言う五エ門の台詞に合わせるように、雪が解けたあとから顔をのぞかせる花が映ります。そしてルパンは「ロマノフの両目」を見ながら、「モニエタか。最高の泥棒だったぜ。おれの手口を盗んだんだからよ」と思い、この町を去るのでした。

 次回予告。担当はルパンです。いよいよ最終エピソード。というわけでエンゾもアミもアルベールもヤタくんも登場します。しかも舞台は現代日本!エンゾの作ったウェブサービスがルパンを追い詰める、という次回、第21話のタイトルは「時代遅れの大泥棒」でした!

 というわけで、単発話も最終回でした。いやあ、すごいものをみせてもらいました。このクオリティなら、24話ぜんぶ単発話でも、わたしはなんの問題もないと口走りそうになるくらい、どの単発話もよかったのですが(もちろん連続話だってサイコーですよ!)、まさか最後の最後で、こーんなド直球の銭形回を見せられるとは。

 ルパンと銭形のお話、というと、過去にもたくさん名作はあるのですが、これはそれらのどれにも引けを取らない傑作だと思います。なんといってもルパンと銭形、どちらもカッコよくて可愛い。そして肝心なことはひとつもセリフで語られないまま、ルパンと銭形の関係の特別さがキラキラしている。次元と五エ門も、添え物じゃなくてそれぞれに見せ場があってキャラが立っている。しかも、ルパンはルパンらしく、お宝を盗んでいる!それぞれの場面の感想は前述の通りなので繰り返しませんが、いやもうほんとうに最高でした。

 しかし大河内さんのツイートによれば(URL) 西田シャトナーさんにはまだたくさんのプロット案があったとのことで、お願いだからそれ読ませてください……という気持ちでいっぱいです。時雨沢先生に引き続き、西田シャトナーさんにもほかに何本か書いていただきたい、そんな気持ちになりました。

 さて、いよいよ次回から、PART5も最終エピソードです。アミもアルベールもヤタくんも出てくるとなると、お祭り騒ぎの予感もしつつ、ラスボスたるエンゾがどのようなかたちでルパンの前に立ちふさがるかも予想ができません。きっとあっというまに終わっちゃうんだろうなあ。わたしはほんとうに「ルパン三世PART5」が大好きです。こんなものを見ることができて、なんと幸せかと思っています。

 そんな思いで今回も感想を書きました。相変わらずの重箱の隅をつつきつつ、自分の感想という名の妄想も語っているような、オタク臭く、必要以上に長い感想ですが、読んだ方にすこしでも共感していただけたり面白いと思っていただければ幸いです。いつも拍手を押してくださる方、感想を寄せてくださる方、本当にありがとうございます。真面目に、支えて頂いています。あと4話もこの調子で書きたいです。これからもどうぞよろしくお願いします、ありがとうございました!

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