「破壊魔定光」中平 正彦 (集英社・ヤングジャンプコミックス)



 ちょっと「破壊魔定光」で忙しいお年頃でした。
 どういう話かご説明しましょうか。聞きたくなくても説明します。えー、とりあえずは、マンガです。アニメにもなりました。まず登場するのは、宇宙を放浪する異星の犯罪者「流刑隊」(その数2000万!)。そしてそれを回収するために地球にやってきた「随行体」。両者の戦いの場にたまたま巻き込まれてしまった恩義に厚い硬派な不良少年、椿定光が、破壊された随行体の頭部(ポンコツ)をヘルメットとしてかぶり変身(?)し、どんどんやってくる流刑体を相棒となったポンコツとともに回収していく…というお話です。いわゆるジャンル「ウルトラマン」?むしろ「鉄腕バーディ」?もっとも、これは物語のほんの入り口の部分で、それから物語はどんどん本格SFっぽく広がっていくんだけど(マンガはね)。
 わたしがハマったきっかけは、スカパーANIMAXで見た番組スポットの木刀を携えた白い特攻服(とっぷく)の定光の姿でしたが、漫喫でなにげなく原作マンガ読んだら、ちょっと大変でございます。さっそく自分で買い揃える勢いです。アニメもよろしいが(わたしがハマったのを見計らったかのように一挙放送してくれて有難うANIMAX…後編しか録画できなかったが、一話一話大事に見てるよ)、原作マンガがまたよろしかった。平行世界萌え。
 流刑体たちのデザインとか、ストーリーの展開とともに現れる増殖された少女と母なるもののイメージの重なりかたとかはエヴァっぽかったりもしますが、そういう既視観自体も、このマンガの魅力を損なってないと思う。確かにお約束のキャラクターも多いんですけど(これが死んだら読者は滂沱の涙だよ、って感じの絵に描いたようにいい味出してる脇役とか実に多い。)、それがいいんだよー。なにげに眼鏡度も高いよー(誰を勧誘してますかわたし)。
 しかしこんなに自分好みの二次元キャラクター久しぶりでお姉さん嬉しいったらありゃしない。とりあえず、定光がいいのです。メロ。わたしはこういう少年漫画の主役を張れるくらいに真っ直ぐなくせに、不器用で情けなくって目つきが悪いキャラクターに弱い。ところどころで気が弱いところもポイント。なのに自分の正義とか義理人情で思い切り空元気で見栄はってボッコボコにされちゃったりして、結局ヒロインに助けられちゃったりしちゃう情け無いとこも好き。むしろ好物。これで低身長だったら殿堂入りだが、定光は背が高そうだ…しかし、かれが闘う流刑体たちはみな身長が3m以上はありそうだったり、そもそも身長というよりキミ標高いくつだという感じだったりするので問題なし。きゃ。目つきが悪い自信家っていいなあ。知恵はあるけど分別はないって理想だなあ。かわいいー。
 もちろん、そんな定光と冷静な「随行体」であるポンコツとの関係も楽しいし、嬉しい。ナイトライダーのキットか、寄生獣のミギー、あるいは「うしおととら」のとらか、というようなスタンスで、冷静に定光を支えたりあるいは頼ったりのポンコツくんが実に可愛いのです。

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