「死にたくなったら電話して」李龍徳(河出書房新社)
居酒屋でバイトしながら有名大学を目指して三浪中の徳山という若者が、ある日、バイト仲間に連れられて入ったキャバクラで、初美というひとりの...
読書とか音楽とか日々のつれづれについて。
居酒屋でバイトしながら有名大学を目指して三浪中の徳山という若者が、ある日、バイト仲間に連れられて入ったキャバクラで、初美というひとりの...
ひとりとは何だろう。ひとりとは俺の事。ひとりとは私の事、笙野頼子のヨリはヨリマシのよりなれど、心に千人の他者を宿しその声に耳を傾け千五...
まるでとりつかれているかのように、嘘・幻想・現実逃避で塗り固められた人生を生きている一人の女性を、著者がずっと書きつづけていた時期の作...
どこかもの哀しい。寂しい匂いのする恋愛小説です。 自分の気持ちもままならないまま、もちろん他人の気持ちもどうしようも出来ない。都合の...
お嬢様学校に集う異端者のための部活である「読書クラブ」。その運命が世界の歴史をたどって語られる連作集。素晴らしく面白かったです。マンガ...
一人の少女が綴った手紙から、作家が読みとっていく少女と母親、家族の物語。自由連想のような短文で浮かび上がっていく孤独な少女の姿は、とき...
私は、寝るときは髪を三つ編みにする。それをひねくりながら、考えごとをする。 「何を考えてんのん」 私が黙ると類はすぐ、いう。そんなこ...
『F子を覚えていらっしゃいますでしょうか』 電話の向うで、控えめな中年の女の声がそう言った。そしてその一瞬の間にわたしの中で、F子の何もか...
三島由紀夫の「黒蜥蜴」をモチーフにした平成絵草紙。 これは本物の耽美でありロマンであり、JUNEでさえある。瑠璃の欠片のような文章と...
田辺聖子、デビュー長編です。 事前知識なしで読みだしたら、明治生まれの女性のそれはそれは苦しい生活を描いた作品だったので、どうしよう...