「プチ哲学」 佐藤雅彦 (中公文庫)



 だんご3兄弟やポリンキーのCMなどの仕掛け人として知られる著者が「オリーブ」に連載していた哲学エッセイ…というよりは哲学雑学?「『不変』ということ」「価値のはかり方について」「前提条件が教えてくれる」などなどのテーマについて、イラストに添えられた文章のつかみどころのない問いかけが深いような。でも、歯車がぴたりと合うと「ああ!」という感じで、そこがまた面白かったです。もちろん首をかしげたままのものもあったけど。分かりやすいけれど、それだけじゃないクセモノな感じ。
 巻末の中川いさみとの対談も面白いです。「面白いものを作る人って実はすごく普通ですよね」という一言にはうなずかされるものがあったなあ。非凡なひとが成り立つ感性のよりどころって、意外と常識なのかもしれません。それを知ってないと、いかにそれからぎりぎりの匠の技で外れるか、が出来ないわけだから。刺激を受けた一冊でした。

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