「転校生・神野紫(1)(2)」田中鈴木(幻冬舎・幻冬舎コミックス)



  邪気払いの拳を持つ高校生、みどり(男)の前に現れた謎の転校生神野紫(男)。「みどりを守る」と、なぜかみどりに懐いて離れない紫の言動にいらだちつつも、いつのまにかその存在に慣れていくみどり。けれども、ふたりのまえには学園に潜むなにかの影が忍び寄る…という内容の学園怪奇物(?)マンガです。一応、BLの範疇には入るとは思うんですが、その手の描写は皆無といってもいいので、苦手な方もぜひ。
 内容的には、昔のハロウィンとかに連載されていても不思議ではないような心霊物ぽい味つけで、「邪気払いの拳」や「永遠に繰り返される文化祭前夜」などのモチーフが魅力的です。なんとなく見えてきてはいるけれど、まだ明確でない紫とみどりの関係や、伏線も気になるし、ぐいぐい先に引っ張っていくストーリーもいいのですが、一番良いのはやっぱりこの絵かな。綺麗とかいうより、マンガとして達者。キャラクターの笑った顔がこんなに魅力的なマンガはそうないですよ。

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