「日常地獄変?怨歌2008」(M・ストロベリーソングオーケストラ・マモノ・犬神サーカス団)(HOLIDAY OSAKA)

 大阪駅前とはいえ微妙に遠いHOLIDAYOSAKAは小雨模様。道が相変わらず曖昧でとてとて歩きながら参りました。ここは整理番号はざっとしたチェックのみ。覚えておこう。
 一人ぼっちでの参加は変わらずですが、客層は今月頭のイベントよりはこっち寄り(笑)。ていうか人が少ないよ…、中盤以降に客が来るのかな?しかしわたしは遠征ならではの貧乏性で、最初っから自分なりのベストポジションで待機です。イベントは年寄りの冷や水でも貪欲に。が最近のモットーなのです。
・M(O.A)(公式サイト
 前回の日常地獄変でもOAでした。なので見るのは二回目です。しかしなんか前回より良くなってる。スーツだったVoが白ガーゼシャツになってる(そこがいいのか)。いやいや、なんだかカッコよくなってるんじゃない?とニコニコ見守ってしまいました。うん、わたしはたとえつたない部分があるとしても、自分たちにしっくりくることをやろうとしてるんだろうなって思えるバンドが、自分のボリュームゾーンに当たるかどうかは問題外にしても、好き。初見にピンとこなかったバンドに対して、二回目でこんな好印象は珍しいなあと思ったところ、最後の曲にいたって、初見で感じた「コンセプトは一貫しようよ」というツッコミを再び行うことになるとは。M、あなどれない…。
・マモノ(公式サイト
 思ってたよりずうっと可愛いバンドだったのでびっくりして少し困った(笑)。だって公式サイトの印象がね…。このバンドに限りませんが、いまのバンドさんは本当に小道具を上手く揃えますよね。コンセプトバンド好きとしては、喜ばしい限りです。後は音もそれに合わせてくれれば…。しかし、公式サイトで視聴して曲名を確かめた「EVIL OF SOROWW」という曲が良かった。ついアマゾンで購入してしまったなんて内緒だ。悪魔コンセプトなら、ぜひこの路線でロマンチックかつメロディアスに!あと、ファンのお嬢さんたちの暴れ具合がとっても楽しそうで、髪柱の立ち方もいい感じでした。腕に噛みついてくる(!)Voの頭を、遠慮なくばしばし叩いてるところ含め(笑)。
・ストロベリーソングオーケストラ(公式サイト
 前回の「日常地獄変」で初見して以来、ずっと見たかったのです。開演待ちからなにやら客席で始まっていて、わあ寺山ぽいなあと思った。しかし、開幕したとたん始まったお芝居には、ちょっと困った(笑)。いや、わたしが芝居属性とサブカル属性を持ち合わせていないのがいけないのです。前回みたいに、ほぼ楽曲と宮悪氏のしゃべりで構成してくれたらなあと勝手に望んでいたところ、半ばでストロベリーソングオーケストラの楽曲メドレー(芳村真理もびっくりだ!)が始まってくれたおかげで、とても楽しむことが出来ました。二月以降、音源だけで楽しんでいて、実演を待ちわびていた曲たちのメドレーに、フルで聞きたいのは山々ながらも、堪能いたしました(一礼)。しかし髪を逆立てた宮悪氏、白塗りといい何本も立った髪柱といい、わたしはずっと閣下コスだと思っていたのに、せんとくんコスだとは。
 それにしても、演劇部分の、虚構と現の争いというテーマ自体は大好物なのに、ここまで来ると何故芝居がダメなのか、いっそ不思議になってくる。ストロベリーが悪いというわけでもなく、わたし自身の嗜好性の問題なのだけどね。ただ、いくぶん長く感じたのも事実。この構成はイベント向きじゃないのかもなあ。けっこうに消耗いたしました(もしかして暴れすぎか)。
 しかし前回同様、歌姫(月影美歌嬢)は相変わらずの素晴らしさでした。睫毛ひとつ震わせない無表情がいいですね。
・犬神サーカス団(公式サイト
(光と影のトッカータ?怪談!首吊りの森?欲望?サーカスの人魚?夜が終わっちまう前に…?裏路地哀歌?黒髪?夕焼け?ロックンロールファイヤー?白痴?en:自殺の唄)
 やっぱり上手いバンド見ないとね!
 いきなり結論云ってしまいましたが、そんなことも口走りたくなる、勢いと質感のあるライヴでした。凶子さん以外の団員のMCもなく、圧倒的に曲で魅せてくれました。この選曲…(ぐたり)。
 あまりにも痛ましく哀しい内容に、耳を覆いたいような気持ちにさせられるものの、楽曲の力がそれを許さない「サーカスの人魚」が、本当に良かった。凶子さんの声は、生がいちばん素晴らしい。高音の響きが、どのCDで聞くよりも印象的に鋭く突き刺さってくる。しかし、そんな「サーカスの人魚」の歌詞から、思いつきで「もうどこにも行くとこないかーい!」とコール&レスポンスを行ってしまうきょんきょんがまた愛らしい(笑)。さらに「そっか、行くとこないんだ…(笑)」と客のレスポンスにけたけたと笑っておいて、次に始まったのが「夜が終わっちまう前に…」!泣きそうになった。音楽好きであれば、どのバンドにも、他の人はいざしらず個人的に意味を持つ大好きな曲があると思いますが、わたしの犬神におけるそういう曲は、まさにこれ。夜の一瞬の疾走感と焦燥感を表現して切ないこの曲は、わたしの人生の一時期を救い上げてくれたかけがえの無い曲です。この曲があれば、わたしは思いだせる。どこにも行き場所がないまま、自分の内面だけを見つめて吐きそうになっていた時期を。
 そこからの「裏路地哀歌」と「黒髪」の流れも美しく、凶子さんの語りも鬼気迫り、素晴らしかった。迫力に圧倒された。このドラマ。この表現。好き嫌いはあれど、これをただ聞き流すことが出来るひとはそういないだろう。そして「夕焼け」。名曲揃いのミニアルバム「呪恋」でも、語りと楽曲の構成がひときわカッコ良く、ライヴ映えするだろうなと思っていたのだけど、期待以上でした。「もう、帰れないわよねぇ…っ!」という叫びから加速していく勢いがたまらない。そのままアンコールまでは一気。まさに一気。犬っ子の皆さんの勢いも一気。むしろ稲穂でもってこい(意味不明)。
 そういや、きょんきょんのMCで可愛かったのは「今日のバンド、マモノは白塗り。ストロベリーソングオーケストラも、白塗り。あと、Mは…肌色かしら?(笑)でも、あたいたち、Mのメンバーともわりと仲良くなったのよ。だから、影響受けてMも今度からたぶん白くなってるわ(笑)。あと、白塗りのバンドって?(フロアから名前が)セクアン、グルグル…、また今度、みんなでツアーをやったらいいと思うの。それに、一つだけ肌色のバンドを入れておくのよ(笑)そしたらみんなどんどん白くなって、白塗りバンドが増えていくと思うわー!」いちばん危険なのは、次のツアーでご一緒するGARGOYLEかしら(笑)。
 犬神で完全燃焼したあとは、物販でストロベリーソングオーケストラの新譜CD(おまけでDVDもついて1500円は御得!)を購入して、にこにこと帰りました。濃い面子だったけど、お目当てだけでなくても、どのバンドでも自分なりの楽しみポイントが見つけられて良かったな。また行きたいです。怖いのは明日以降の筋肉痛ですが…。

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