風俗嬢として働いていた作者による、書き下ろし短編小説集です。
どの話の主人公も、風俗で働きつつ、摂食障害や買い物依存、ホスト遊びにセックス依存など、こころに闇と飢えを抱えてどうしようもなく生きています。自分がこういう風に生きていないのは、たまたまのめぐり合わせにしか過ぎず、もしかしたら彼女たちと同じロッカー室にたむろしていたかもしれない、と思わせるリアリティと切なさにあふれています。これもまた自己を誰かに求めてもらいたい、愛して欲しい、なぜならわたしが自分を愛せないからという叫びに満ちて、とても痛いけれども、目を向けずにはいられない作品でした。