「わたしはスポック」 レナード・ニモイ (扶桑社ノンフィクション文庫)



 人気SFシリーズ「スタートレック」のミスター・スポック役のレナード・ニモイによる自伝。
 えーと、ちとお里がしれる話をしますが、わたしのヲタ道の出発点が、この「スタートレック(宇宙大作戦)」でした(笑)。オリジナルシーズン限定。同人誌も作ったし、FCにも入ったし(いまふと気づきました。この頃から軍隊に見えない軍隊が好きだったのか自分)。それは振り返れば10年以上前になるんだけど、あの頃はスタトレの本といえばハヤカワ文庫しかなく、あとは洋書を集めるしかなく苦労したもの。それがいまやこんなに簡単に情報も溢れているのね、とTNG以降のスタトレ関連書籍の出版ラッシュにはただ遠い目をしていた元トレッキ?のわたしがこの本を手にしたのはなぜかといえば、やっぱり好きだったから、としかいいようがない。STのオリジナルシーズンのあたりで出てくるエピソードはほとんど憶えがあるものばかりで、実に懐かしく読めました。
 この本自体は、人気TVシリーズで当たり役をつかんだ俳優の人生を、とても冷静かつ丁寧に記してある自伝です。暴露的なものはないあたりが良いなあ。解説を読むと、他のキャストはそこらへんでごたごたしてるそうですが(まさかジーン・ロッデンべりイとニシェル・ニコルズがそんな仲だったとは…)そういうものとは一線を引いた態度で、当り障りない記述に徹しているあたりが、人柄なんでしょうね。もちろん、マニアには色々と言いたいことがある、ツッコミどころも満載な本かもしれないけれどね。
 ところで裏表紙に原書の写真が掲載されてるんだけど、こっちのほうが訳書の表紙よりずっと良いと思うんだけど、いかがかなあ。どうせスポックの写真を使うにしても、もーちょっと違う写真があったんじゃないでしょうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする