デーモン小暮閣下「DEMON’SROCKTOUR」(名古屋ELL)

 真夜さん宅でいつまでもいつまでもいつまでも語り続けて、とうとう真夜さんに無言で布団を敷かれたのが昨夜の最後の記憶です。おはようございます。そろそろ真夜宅を出入り禁止になる予感がします。

 昼までゆっくり睡眠をとらせてもらったあとは、二人で大須行き。今日のライブには無理を云って、真夜さんにも付き合って頂くのです。だって、美少年が好きな真夜さんに、あの美少年を見せないなんて、お友達じゃないから!(断言)

 というわけで、いつもの中国茶屋でまったりとしたあとにELLへ。昨日に引き続いて柵前を取れたので、にこにこと待つ。開演までに隣の真夜さんに何回「いまからわたしの好きなひとを見ていただきます」と云ったかなんて内緒。

 セットリストは昨日とまったく一緒ながら、そこは同じものを見せない閣下です。ていうか「My Revolution」は同じものを見せて下さっても良かったですよ…。これまでさんざん「閣下はプロだから」的なことを真夜さんに吹聴してきたわたしの心中お察しください。閣下、歌詞間違えすぎのど忘れ過ぎです…(沈黙)。あーそこ、いつものことだとか云わない。しかしまあなんとか持ちこたえて終わったところに「間違えすぎー」のツッコミが入ったことを誰が責められましょうか。それだけでも閣下の背中が大きく揺れたところに、追い打ちで「がんばれー」の声援。さらに崩れる閣下のいと愛らしいことよ。しかしさすがは意地っぱり(笑)。続く「Raspberry Dream」ではまさに溜息が出るような完璧さで唄い切ってくださいました。マジで、鳥肌が立つような出来でした。素晴らしかった。なによりも、そうやって完璧に歌い終えたあとに「よしよし」といわんばかりに頷く閣下がさらに萌えでした。うむ、正しい(笑)。

 「ハート8」は今日も本当に可愛かった…。しかし、その前振りがなぜ「カブトムシを80匹育てる話」に。か、閣下、虫、好きでしたっけ?80匹て立派なブリーダーですよ。そしてこのときの、帰宅してドアを開けたとたん、カブトムシが脱走していることに気づき、脚立に登ったり、飛んでいるのを捕まえて水槽に戻すまでの動きを再現する仕草の見事さ。姫川亜弓が北島マヤの前でやった逃げた小鳥を捕まえるパントマイムを髣髴とさせました。すごいよ閣下。しかし、このMCでの白眉は、やはりカブトムシの卵について語っているときに、いきなり云った「タマゴヲカエシテクダサイ(裏声)」。「モスラ」かよ!ザ・ピーナッツかよ!これには参った。ものすごく絶妙なタイミングだったもので、腰が砕けた。思わずその場にへたりこみましたよ…。いやあ、閣下はやはり侮れない。

 そして何回見ても、本篇最後の「AGE OF ZERO」は感動するのです。白い光の中、歌い続ける閣下の姿は、まさに神々しいまでの(魔々しいかな)美しさ。あの満足げな表情と、笑顔と響き渡る、染み入ってくる歌声。たまらない。本当にたまらない。

 わたし、もうこれでいいじゃないかと思った。おおげさな言い方すれば、自分のこれからの生きかたが見えたと思った。違う生き方の可能性を否定するわけじゃないけど、わたしはこれからも本質的な意味で、ひとりで生きていく。或いは、ひとりでも生きていける人間としてやっていく。だから、手に職をつけたし、自分で自分を養えるよう頑張ってきた。生きること。生きていくこと。人生の折り返し地点まで来て(早いかもしれないが、終わりは遅く見積もるよりは早めに考えておきたい)、それでも生きていく意味が分からないまま、なんとなくよりは意味を求めてしまう性分はきっと変わりがないままで。でも、もう意味なんていらないと思ったんだ。大事なのは生き続けるという現実しかない。どんなに愛したひとも憎んだ相手も、百年たてばみな平等に土の下だから。それでも意味を残そうなんて、無理な話だろう。でも、生きていくしかないのだ。そしてそこで、閣下がいる、と思ったんだ。閣下がいる。このひとがいなかったら、間違いなくいまのわたしはここにいなかった。

 だからわたしは閣下がもし必要なら、自分の命なんかいらないよ。このひとが生かしてくれた命をこのひとに返すだけのことだもの。自分なんていらない。なくていい。閣下がいるのならそれでいい。まあそんな酔ったこと云ったところで、閣下はまずわたしの命なんか要らないわけで(何に使うんだ)、あくまでこの陶酔感を比喩表現で確認してるだけにすぎないのだけど。あと、同じようなこと考えてるひと、この日本に数百人はいると思うから、おおげさにはとらえないでほしいんだけどな。

 生活していくということは、とくに、わたしのような夢みがちなオタクには辛いことも多くって。でも、閣下と、閣下が教えてくれたライヴの楽しみがあれば、わたしはそれを支えで生きていける。次のライヴ。その次のライブ。そうやって日々を繋げていって生きていく。そうやって、生き残っていく。空しい生き方かもしれない。でも、それで生きていくことが出来れば、それだけでも十分ではないですか。閣下と閣下が教えてくれたものが自分のなかにある限り、わたしは人生を諦めたりはしないよ。

 というわけで、追加ツアーのスケジュールも発表されて(またこの発表の仕方が実に閣下でしたね…)、にこにこでELLを後にしたのでした。真夜さんも思いのほか楽しんでくれたらしく、キーボードの松崎様に撃ち抜かれていましたが、美少年も認めてくれたよ!せくしーだって云ってくれたよ!(強要してないかくさてる)。いや、でも真面目な話、あの手の音楽が好きで、エンタテイメントが好きだったら、やはり満足して頂けるライブだったと思います。追加ツアー、いまから楽しみです。演劇や邦楽の魅力を否定するわけでは全然ないんだけど、やっぱりわたしにとっての閣下はこういうライブの閣下だから。それが今年中にまた見られるなんて!本当に嬉しいことです。
 大好きです。やっぱり、世界でいちばん綺麗な閣下でした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする