さて、連続リリースされている新曲がどれもこれもいい感じの犬神サーカス団の、ワンマンライブに行ってきましたよ。ようやく事前の確認だけで、迷わずに心斎橋MUSEにたどりつけるようになった自分を褒めてあげたい。おようふく屋さんのなんば店にも行かなかったことはさらに褒めてあげたい。
以下は、順不同でセットリスト。頭とアンコール以外はあやしいです。
父親憎悪
光と影のトッカータ
黄泉の国
都合のいい女
道行き
腐乱のあなた
ディストピア
バビロニア恋物語
裸のマリー
地獄に堕ちた子供たち
気ままな旅を
たからもの
妄想天国
スケ番ロック
退化
最後のアイドル
白痴
いつか
-アンコール
死にタイム?自殺の唄
アンコール（２回目）
命みぢかし恋せよ人類！-
しょっぱなの「父親憎悪」に倒れた。いや、あのですね。今回、結局「鬼畜」をやらなかったことは個人的に納得いかないのですが、かといって「父親憎悪」は…。
思い出話になりますが、わたしが犬神に本格的にハマった時期は、ちょうど病気で休職してぶったおれてた頃でした。色んなことが混沌にダークな色合いに染まっていたころに、犬神サーカス団の「蛇神姫」というアルバム、とりわけそのなかの「父親憎悪」および「鬼畜」がどれだけの重みを持って響いたか。精神的に落ちているときに犬神を聴いてハマった、という、いわゆるお約束とはちょっと違うのが、どれだけ伝わるかなあ。ただ、この響きに救われると思ったのです。歌声とその歌詞と、楽曲に、救われると思った。わたしにとって特別な曲なのです。
というわけで、それくらいに思い入れのある曲を、いきなりしょっぱなでやられたもんで、あわあわしてるうちに、終わってしまって残念でした（笑）。これ、中盤とかラストでやられたら泣いたかもなあ…（ちなみに、わたしにとっての犬神のそういう意味でのツボ曲は、これ以外では「夜が終わっちまう前に…」が挙げられます）。
新曲について。今回のセトリは新曲中心だったので、色々と聴けて楽しかったのですが、「腐乱のあなた」とか「光と影のトッカータ」みたいな、正調犬神っぽいのは、音源に比して違和感もなく楽しめたのですが、変り種っぽいと音源では感じた「ディストピア」や「バビロニア恋物語」（きょんきょんの振りが可愛い）が、ライブで聴いたら、ようやく、すとん、と入った感じになりました。不思議なもので、ライブで受け入れたあとは、音源も新たな気持ちで楽しめるようになった。面白いです。音源がまだ未発売の「いつか」は、評判に違わぬ名曲でした。歌詞だけでも楽曲だけでも届かない、通俗かもしれないけれど限りなく哀しい世界がそこにある。泣いたという声が多いのも分かります。本当に、「いつか」なんて永遠に来ないのにね。
団員について。凶子さんは、まず、しゃべりがとても可愛かったです。「黄泉の国」の終盤近くで、カミカミに噛んでしまい、終わった瞬間に「あーっ！」って叫んだのが、超可愛かった（笑）。「もー！『黄泉の国』だから超カッコつけてたのにさーっ！」と悔しがり「がんばれー」「ドンマーイ」と声がかかると、すんすんしながら「ありがとう、あんたたち優しいわ。犬っ子優しいわ」と気を取り直す様子が、なんというか、愛されてるなあという感じでほんわかした。ダンスの先生だった「たからもの」もきょんきょん萌えには必見ですね。あの「はいー」ってなんだろうな。ここでの名MCは「いい？次にBメロいくわよ？Bメロっていうのは、教えてあげる。二番目のメロのことよ」（ここで会場爆笑）「なんで笑うのよ？Bなんだから二番目のメロよ！あたいこれでも、（胸をはって）みゅーじしゃんなんだからねっ！」かわいいかわいいかわいい！このきょんきょんのテンパり具合にけたけた笑いながら、指導通りに踊ってるうちに曲が終わってしまいました（笑）
紺地に菊が散った着物も似合ってましたね。あと、わたしは、凶子さんがヘドバンするのを見るのが大好きなのですが（黒髪長髪ヘドバンかくあれかし！）、ライブの中盤以降、ヘドバンの結果として前髪が上がってしまい、額がむき出しになっている凶子さんを見ると、めっちゃテンション上がります（笑）。あの顔を見ると、よし、これから本番だ！って気になる（笑）
でも、犬神のライブは大変だということがよく分かってきました。だって、団員全員が見たいんだもん！とりあえずは、ボーカルの凶子さんに眼が行くけど、ジン兄も可愛いのです…。今回、たまたま下手側に陣取ったので良く分かった。なにあの絶対領域。それがぴょんぴょん飛んで、アオって、笑って、すごく楽しそう。もちろん、ジョニーさんだって見たいんですよう。ギター大好きなだけじゃなくて、あの顔も、その…大好き。明兄さんは言うに及ばず。なんかあの滑りっぷりがつくづくわたしの好きな殿方ですよ…。
今回はコンセプトとかお芝居仕立てでなく、アップテンポの曲中心に、どんどん曲をやっていく感じで（いつもMCが少ないなあと思ってましたが、ガーゴイルとか閣下が多いのです。あっちが例外です）、まさにロックンロール！だったかな？ただ、そろそろ犬神サーカス団のライブを何回か見てきた結果として思うのは、定番曲の楽しさは否定しないながらも、もっと色んな曲をやってほしいなあということ。楽曲の多さとバラエティの豊かさは保障済みなので、アンコールやラストは、そろそろ「最後のアイドル」と「命みぢかし?」以外があってもいいと思いますよ。ああ、しかしこんなこと書きながらも、「白痴」は譲れないかも、と思ったわたしにそんなことを云う資格はないかもしれません。あと「赤い蛇」も…。
ただ、色んな曲を聴きたいなあと思うのです。ワンマンライブをまだ二桁回数見てない身で云うのもなにかもしれませんが、犬神の曲が大好きなのです。これからもライブを見たいです。