「聖飢魔II 地球デビュー20周年記念 THE LIMITED BLACK MASS TOUR D.C.7 恐怖 の復活祭 FINAL」(東京国際フォーラム)

 さて、GPRAライブの翌日。わりと早く起きてホテルの朝食を食べることが出来ました。わたしのリズムに合わせてくれてすまんかったです、森島さん。でもやっぱりホテルでは寝た気がしなくて、少しずつ気持ちが落ちていきます。なのに昼ごはんのみそ煮込みうどんは食べられる自分。全然大丈夫。そのうどんでおなかがいっぱいになったのがきいたのか、名古屋駅のあたりでは最悪だった精神状態も、新幹線でぐっすり休んで品川近くで起きたときにはすっかり回復してました。そばにいてくれた森島さんには本当に感謝です。夢も見ないくらい寝た。

 さんざん森島さんに心配されながらもひとりでホテルにチェックインしたあと、歩姐さんとの待ち合わせまで時間があったので、変な話、清めの儀式な気分でシャワーを使いました。なんか気持ちがきりきりしてて、いまから目を赤くしてどうするんだ、みたいな感じだったけど、相手は悪魔だから。お別れは二度目。でも違うのは前回は別れが悲しいよりも嬉しく、誇り高く感じたこと。今回は、再結集自体に心の準備が出来ていたとは言い難かったのに、楽しさだけを十分に味あわせてまだ足りないきらいで、またさよならなんて、ということ。今年はなにもかもめまぐるしく、わたしは仕事の忙しさのあまり、心を壊して、ちょうどそれを見抜いたかのように、悪魔が現れた。だから、と思った。

 だから、わたしは来年の1月から仕事復帰だけど、悪魔の定期検診を無駄にしちゃいけない。変わらなきゃ、とあまりの可愛さに、東京駅で買った練馬大根キティとおいらんキューピーに携帯のストラップを変えた。とりあえずはそれ。それからメイクしてみても、どうしても赤くなってしまう目に自分で笑った。14帝國のときもミサのときも、泣いちゃうからマスカラはいつもつけたことがない。そんなわたしの頭の中ではずっと「正義のために」が流れていた。本当に、聖飢魔llに出会えて良かった。鏡を見れば分かるように、わたしは歳をとった。でも、まだわたしでいられるのは閣下のおかげだ。14歳のときのわたしがまだわたしの中に留まっていられるのは、閣下のおかげ。だから、頭がおかしい話かも知れないけれど、わたしは14歳のときの自分と手を繋いで一緒に出かけるつもりで、ホテルを出ました。

 歩姐さんとお茶しながらも気になるのは今日の選曲。すいません、わたし、国際フォーラムを埋め尽くすであろう何千人のうちわたしを含めたぶん5人くらいだと思いますが、「TEENAGEDREAM」歌ってください、とか云ってました。真面目な話、「TEENAGEDREAM」と「正義のために」と「世界一のくちづけを」は閣下宗にとってはたまらん魅力満開だと思うのですが…だめ?

 初めて訪れたフォーラムで18移動の山中さんとも無事に合流でき、ブログを読んで下さっていた閣下宗のかたとも「綺麗な閣下を見ましょうね」「いやですわ閣下が綺麗じゃなかったことなんかあるわけないじゃないですか」「ああ、わたくしとしたことが」と傍から見たらああ本当に宗教なんだなと思われる会話を交わしました。初対面で大変に失礼をしました。

 で、本編。まさか二曲めに「WINNER!」がくるとは思わなかったので、がぜん選曲が楽しみになったものの、それからの流れは基本的にこれまでのホール選曲と変わりなくてプチ残念だったり。しかしいつも思うんですけど「アダムの林檎」の前の閣下ってはしゃぎすぎで楽しそうすぎでかわいすぎですよね!あと、この曲を岩手県および青森南部地方のミサでやるときは、このMCはどう変化するんだろうな(笑)。

 しかし、これまでのミサでは前MCがあったのに、今回に限って、いきなりタイトルで始まったので、衝撃に撃ち抜かれた「鬼」。頭をふりながら、泣きました。大好きな曲で、自分のなかにある気持ちすべてを代弁してくれる曲だから、しゃくりあげて声をあげて泣きました。これをもう聞けないかもしれないなんて。憎んで、怨んで、愛してる。あなあさましき姿かな。閣下、有難う。聖飢魔ll有難う。特定の個人という意味でなく、わたしはこんなにひとを憎んでうらんで、そして愛してるのです。自分の存在を体言されたようで、泣いた。でもそれは浄化の涙のごとく、このラストミサにかける私から湿っぽさも奪ってくれた。閣下とジェイル代官の噛み合わないトークも楽しいことこのうえなく、笑えた。このあと、わたしはなんと楽しく「魔界舞曲」を踊れたことか。ところでみなさんそのジュリアナ扇子(てわかる?)は六年前からずっと大事に保存してきたんですか。いまなら大中か100円ショップで買えるとききました。一部の扇子は式神さんですか。 しかし閣下は美しかったなあ…(ため息)。わたしにとっての「ステンレスナイト」という曲の価値は、ラストでマイクの前でのけぞった閣下の顎のラインですが何か問題が。

 それにしても、二回目のアンコールで、「エルドラド」の前フリである「365歩のマーチ」を閣下がいつものように歌い始めたところ、なんと特別ゲスト、水前寺清子師匠登場。超満員の国際フォーラムのなか、数千人の「チーター!」コールが響き渡るそのほとんどシュールともいえる無茶苦茶さに、腰抜けるほど笑った(笑)。すごいことするなあ。それにしても、チーター、聖llを褒めるのにまず「綺麗ねえ」って(笑)。しかも自分も赤がいいって、さてはチーターも長官のビームにやられましたか。

 さて、ラストの閣下の語りにしても、最後っぽくはなかった。なので、近いうちに再結成はありえるんじゃないかと思う。でも、もしこれきりでも悔いはない。このツアーが行われた二ヶ月間。それがどんなにわたしを支えて泣かせて笑わせてくれたかと思うと、どんなに感謝しても感謝しきれない。有難うを繰り返すしかない。

 残されたわたしは、悪魔に頂いた、世間体を気にしない気持や自分らしさを削りとられることに抵抗する思いを生かしていかなきゃいけない。そうでしょう。閣下は綺麗だ。それは外見だけの話ではなく、ゆるがないまっすぐな意思を持つ力があるからだ。どんんなにキツいときでも、それを失わず、言い訳をせず、逃げ出さない。それは美しい。

 閣下でよかった。わたしの初めての唯一の本物の存在が閣下で良かった。なにより、閣下は誰よりも聖飢魔llと信者を大事に思ってくれている。わたしはアーティストとファンのあいだの心の絆なんて容易には信じられない。けれど、聖llというバンドと信者という総体をつなぐ、ゆるがないものは、信じる。どこかに行ってしまうんだからこそ、どこにもいかないでくれるひと。わたしはそれを忘れない。閣下はいてくれるから。

 しかし、それでも、7時開始のミサ、二回のアンコールで終了が11時ってありえないと思うんですが。るなさんや、しんげさんなど東京でないとなかなか会えないお友達と会う機会を逃してしまいましたが、とりあえず宗教なのでお許しください…。本当に。

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