「地球デビュー25周年記念・期間限定再集結 聖飢魔ll ICBM TOUR(東京国際フォーラム)

 さて、今日はこれから、東京国際フォーラムAにて、聖飢魔ll期間限定再集結ICBMツアー、ラスト2DAYSの一日目でございます。この日は新幹線に乗ったときからずっと、聖飢魔llとまたお別れする現実と、都条例の問題が最高潮に盛り上がっているところの二つの状況で頭がいっぱいいっぱいな感じでした。とくに都条例については、Twitterで常にリアルタイムの情報が入ってきて、それに一喜一憂で忙しかった…都議会民主党、頑張ってほしかったんだけどな…。しかし、その最中でも、静岡駅のガンダムを見ることが出来たのは良かった。これもまたTwitterでわたしのつぶやきにその場で答えてくれるご親切な方々がいらしたおかげ。

 余談になりますが、わたしは、ネットツールに関してはそれほどマニアックに触れてきた人間ではありません。たぶん、普通に遊んでるうちに早や10年なだけなんですが(ファイル共有系にはいっさい手を出してませんし)、そんな人間でもTwitterは面白いです。97年くらいからネットに触れていて、最初にホームページを作ったのが98年。WORDで作成したファイルを一つ一つ手打ちでFTP転送したりしてたのを、ホームページビルダーで作成するようになって、やがて自然にブログに移行したのが05年。マイミクは、リアルで面識ある友人に限らせてもらっていますが、mixiもやってます(いまは更新というよりアプリで遊んでるだけですが)。そういう風になんとなくネットツールの変遷に触れてきた素人の印象からしても、Twitterは、なんか違う。つながり感がある。サイトやブログより、ずっと手軽に様々なひとの意見に触れられるうえに、そのリアルタイム感が、便利で、実に生っぽい(当たり前なんですが)。もちろんそれには弊害もあるだろうし、自分もそんなになうなう呟いてるほうではないのですが、画面の向こうに生身の人がいる感がするんですよね。長い文章よりも、短い文章のほうがその人の本質を切り出すように思えるからかもしれません。ああ、こういうことをTwitterでつぶやけばいいのか(笑)。
 
 けれどたとえば、今回の都条例の件に関しては、Twitterをやってなかったら、こんなに自ら動くことはなかったと自分で思います。一つの事例や言葉が、多くの人に伝搬していくうねりのようなもの、それをソーシャルメディアとか名づけるのかもしれないけれど、つまり、ひとりじゃないんだという思い。それはフォローやリプライ関係なく、伝わってくるものです。同時にそこにはすごい勢いでデマや単なる希望的観測が事実のように広がっていく危険性も内包しているのですが、それを打ち消す波もまた、同時に広がっていったりする。それが単純に、面白いなと思います。自分以外の誰かがいること、それが伝わること。

 東京駅からは新橋まで移動して今回のお宿に。たとえ駅から3分の場所であったとしても、初めての場所になんとなくたどりつけるような技能は持ち合わせていないわたしなので、iPhoneちゃんには本当にお世話になりました…。ホテルで一息ついたあと、ょうど5年前の再集結の時に、ふわふわした気持ちのまま購入した服に着替えました。思えばそれがいまではわたしの外出着を一手に引き受けてくれているOZZON(公式サイト)との出会いだった…。どうしようもなく緑と柄と重なる布にヨワいわたし(たぶん前世がカエルった。アマゾンとかにいる緑が基調のくせに変な模様がはいってるやつ)にとっては、とても有難いお店です。お手ごろ価格だし、洗濯が家で出来るし、基本フリーサイズで伸びるからってそれは黙っておけばいいのか自分の名誉のために。まあ、おかげでわたしのクローゼットはOZZON岡山支店みたいになってますけど。そうか、あれから5年か…。そう思うと、いろんなことがくっと押し寄せそうになりましたが、まだまだ泣くのは早いよ、と会場に向かうことに。新橋からですが、有楽町まで、ちゃんと電車に乗りました。いくらiPhoneちゃんが頑張ってくれても、それを乗り越えそうな自分の方向音痴は甘く見ないことにしています。うん、わたし、大人になった。

 会場では、ちょうど5年ぶり(!)の歩姐さんと再会。きゃー姐さん変わってないー(はーと)。帝國でお知り合いになったひとで、いまでもネット上で付き合いが続いている皆さんと共通するのは、何年ぶりでもまったく変わらずに会話が始まるということでしょうか。見る対象は変わっていっても、見ている人間は一緒だからね。届いているお花をチェックして楽しむのにもお付き合い頂きました。色々と届いていたけれど、ひときわ大きいGLAYからの花束と、参謀に美輪明宏から素敵な紫と白のお花が届いていたのが印象的でした。そして、今日のお席は二階席ながら、きっちり真ん中で、とても良い場所でした。5000人収容の会場がもちろん即日完売で、今回のツアーでは延べ60000人を動員したらしい。でも、たぶんその60000人は5000人が3会場以上参加した結果なんだろうなと思ってしまう(笑)。そんな大人げない大人たちが大集合している東京国際フォーラム、やっぱり来てよかったと思いました。以下、曲順に感想を。

 今回のツアー、初めて参加した時に、1曲目が「GO AHEAD!」だったので、ちょっと驚いたものですが、やっぱり名曲です。聖飢魔llというバンドを体現する曲といえば、信者さんによって挙げられる曲はさまざまかもしれませんが(そもそも一曲に絞れないとか)、わたしはこの曲も候補に入ると思う。己に内在する敵、つまり、自分の弱さを指摘する厳しさと可能性、それはどこまでも広がる乾いた道を歩いていくことに似ている。そうやって生きていく気高さと孤独は、すごく、聖飢魔llだと思います。そしてこの曲は、閣下が素晴らしいよ。閣下はいつでも素晴らしいんだけど、本当に、ひときわ素晴らしい。閣下の声にまず酔いしれ、演奏が表現する世界の芳醇さにため息をつく。わたし、今回のツアーは、そんなに閣下閣下云ってない(いや本当に)、それは、閣下という存在が大好きとか大事とかいうことは前提としても、まず、自分は聖飢魔llそのものが大好きだったんだと思い知ったから。その場にいる構成員全員、信者、スタッフ、みんなで創り上げる、聖飢魔llのミサという空間が、どんなに素晴らしいものだったかを思い出すことが出来ました。当然ながら、基本的にベスト盤的な選曲になっているおかげで、見ているだけで、聖飢魔llを追いかけていた10代後半から20代後半の思い出が自動的に蘇ってきてしまいます。良いことも悪いことも。得たものも失ったものも。でも、それら全部の経験がいまのわたしをかたちづくっているのだと思えば、それを消すわけにもいきません。これは、再集結ならではの感覚だと思う。

 続いての「WINNER!」はアガるよね!わたしはどこかで見た、この曲でモンキーダンスっぽい振りをする参謀が実にかわゆらしかったことから、今回のツアーでもにこにこやってたのですが…、み、みんなはどうだったかな…。お約束だと思ってるのですが…。これも聖飢魔llを代表する曲です。わたしがミサに参拝し始めた時期もこの曲が出た頃。自分としては信者であると胸を張って語れるのは、第5経典以降というわけで、すごーく思い出にスマッシュヒット。この曲が、アンコールで構成員が登場しての一曲目だったり、最後の曲だったりしたら、本当に大喜びでした。ミサの最後の曲といえば「EL.DORADO」が定番となってますが、わたしは、「WINNER!」や「悪魔組曲」で締められるVerも大好きです。

 「STAINLESS NIGHT」。今回のツアーでは、この曲前の閣下の語り、本能のままに感情をあらわに出来る場所として挙げられたものに、「WEBの電脳空間」が付け加えられたのが印象的です。ちょうどネットが爆発的に普及した直後のタイミングで、聖飢魔llは解散したのだけど、閣下のその頃の発言は、いまになってみれば非常に納得いくものが多い。ぶっちゃけ、その頃はこっちの理解が足りなかった。たとえば「20世紀狂詩曲」の「貧富以外の境界線を越え」という歌詞がありますが、わたしはそこに、なにもかも平等につながっていくとされているWEBの世界であっても、そもそもネットにアクセス出来る環境が用意されていることが前提になっているという皮肉を唱っていると解釈しています。自分の立ち位置が世界の立ち位置であると思い込みがちなこっちの感性に、一瞬、冷や水を浴びせるようなその視点が、聖飢魔llだと思いました。ていうか、「STAINLESS NIGHT」ですよ!聖飢魔llがじわじわと一般への人気を上げていたころの、突破口のひとつとなった曲であると認識しています。なんといっても閣下のポールダンスが(違)。いや、本当にね、閣下宗にはこの曲の閣下の立ち振る舞いは、たまんなんくてね…。途中のロボットダンス(違うの?)も、いと愛らしいですが、ラスト!ラストののけぞった顎のライン、絞ったウェスト、伸びた指先!たいへんです皆様、東京国際フォーラムにも、美の化身が現われましたよ!本当に奇麗だった…。

 「1999SECRET OBJECT」今回のツアー、わたくしは全部で6会場参加いたしましたが、セットリストをいいかげん覚えていても、このイントロを聞くたびにどの会場でも律儀に悲鳴をあげました。大好き。もうね、この曲に関してはね、ツアーに参加されたみなさまは御承知でしょうが、「転げまわる」の歌詞に合わせて、実際に舞台を転げまわるデーモン小暮閣下を重要無形文化物に指定するにはどうしたらいいいんでしょうね!もうね、ごろんごろん転がるの。あれ、最前列で見てたらごろごろしてるのが聞こえるはずなの、きっと。もちろんわたしは大はしゃぎです。別に実際に転がる必要はまったくないのですが、それをやっちゃう閣下を愛してます。必要などといっていれば、そもそも逆立ちで歌う必要もないよね。ああ閣下素敵。閣下最高。参謀とのコンビもさすがです。一緒にくるくる回るの。もうすっごく可愛いです。

 ここでいったん、MC。世界の殺せの時間です。今回のツアーで、フランスや韓国を回ってきた閣下が、各国語での「お前を殺す」を信者にご教授くださるありがたいコーナーです。これでいつでもフランスや韓国に行ける、と自信がついたところで、これまでのツアーだったら(なんせ「殺せ」ですから)「JACK THE RIPPER」なのですが、いきなり始まったのが、新曲「BABIES IN THEIR DREAMS 」うわわわ!この期に及んでセットリストを変えるとは。しかも新曲とは意外すぎて、すごく驚きました。でも、これも大好きな曲なので、問題なし!今回の再集結にあたって収録された新曲はどれも良い曲揃いで、それもなんだか嬉しかったなあ…。「BABIES IN THEIR DREAMS」はメロディがとても奇麗な感じですが、なにこのオシャレな聖飢魔ll、な「DESERTED HERO」もわたしの大のお気に入りです。しょせん、わたしは中?後期の信者なので、参謀の曲が本当にぴったりくるのだ、と思いました。

 続いて、「REVOLUTION HAS COME」。最後の大経典の曲ながら、手堅い印象がする名曲で、今回のツアーで選曲されたのもうなずけます。赤い照明が、曲の雰囲気にすごく合ってて、本当に奇麗なんですよね。主に閣下が。(今回は閣下閣下いわないんじゃなかったっけ、わたし)。そして、そのまま「BAD AGAIN?美しき反逆?」第一部のトリを務める、これまた名曲です。聖飢魔llのシングル曲としてはいちばん売れたんじゃないかしら。「白い奇跡」のほうが好きな信者さんが多いという印象なんですが、わたし、生で見るならこっちかも…と思うくらいに、まあね、閣下宗が喜ばないわけないよね、この曲!会場全体の信者全員の脳髄まで震わせたであろうと確信させられる閣下の歌声に、ただもう、ため息です。歌ってる閣下も、本当に気持ちよさそう。それを見ているこっちも、気持ち良い。閣下の声ってね、響きながら広がるんですよね。歌が上手いとかそういうレベルじゃなくて、ただもう心地よい音が溢れて広がっていくような、そんな歌声でした。閣下素敵。
 
 ここで一部終了、15分の休憩です。とりあえず、歩姐さんと「JACKは?」と慌てる(笑)。「殺せ」のMCをもうしてしまったとあっては、後半に持っていくのも不自然?しかし、あの曲をやらないのはもっと不自然。首をひねっていると、2部に入るにあたっての前説が始まりました。担当は和尚。ていうかイエイのおじさん。ある意味、今回のツアー最大の疑問は「いつから和尚はああなってしまったのか」「そもそもああいうキャラだったのか」「なにがきっかけで花開いたのか」でしたね。楽しませていただきました(笑)。

 2部の始まりSEは、「三大怪獣地球最大の決戦」。1部の「死ね死ね団のテーマ」始まりも悪くはないのですが、やっぱりミサはこれ始まりだよう(泣)。そしてそのまま「聖飢魔IIミサ曲第2番『創世紀』」につながる、この美しい流れ。何百回見ても飽きない。棺桶ががたがた揺れ始めると、胸が本当に早鐘を打つ。閣下が棺桶からゆうゆうと登場し、中央に降り立って「地獄の皇太子」って、これがミサだよ!って思わず力説してしまいましたが、本当にね、懐かしくて、大好き。自分がこの流れをこんなに好きだったことを思い出させられた瞬間でした。
 
 続いては「アダムの林檎」。この曲の前説に関しては、今回のツアー、各地でそれぞれ工夫をこらして、磨きがかかったトークが繰り広げられていたかと思いますが(個人的には名古屋において、林檎を手に取った閣下が「みずみずしいね」と他の構成員に同意を求めて振り返ったところ、そこには誰もおらず、むくれた閣下がそのまま「…悪魔の果実だからだ!」と曲を始めようとした流れがいちばん好きだ。前説じゃないけど。そしてもちろん、楽器隊がいないんだから曲が始まるわけもないこと含めて大好きだ)、今回語られたエピソードが、いちばん笑ったかもしれない。岩手地方出身の父をもつ、30代の女性スタッフ(しかも閣下のピンスポ担当)が、紅玉の呼び方を父に確認しようかどうか迷っていた…という話です。あとで、歩姐さんともさんざん話したのですが、この「30代の女性」「仕事で頑張ってる」「未だに実家住まい(つまり未婚)」というキーワードが本当に、こう、わたしらの身に染みて。名前も存じ上げないのですが、お仕事これからも頑張ってください。そして、ここでの五千人による「青森県南部地方および岩手県における紅玉の呼び方」は、本当に素晴らしかったですね。ふだんはとくに意識もせず、楽しく叫んでるのですが、五千人がそろってこんなに楽しそうにこんなこと叫んでる空間ってあり得ないよ(笑)。そして今回も「えー」「やっだー」「うっそー」「ばっかー」「コマネチ」の流れはぴたっとハマって気持ちがいいくらい。そもそもなんで「コマネチ」なのか、そんな疑問も抱く暇がないほどの全体の統一感が素敵だった。

 「RATSBANE」。だからわたしは第五経典からの信者だと何度叫んだら気が済むのか、主にわたしが。この曲はPVも本当に大好き。聖飢魔llを馬鹿にする人間には突きつけてやりたいような名曲です。ギターバトルのカッコよさがたまらない。本当に、大好き。そして続いて、ジェイル代官がメロディアスなギターを奏で始めたので、ん?と思いました。これまでのツアーにはなかった演出ですよ…と思いかけたところで、始まったのがなんと「秘密の花園」!皆さんは、五千人が一度に息をのむ音を聞いたことがありますか?わたしは今日、ここ、東京国際フォーラムで聞きました。よりにもよって「秘密の花園」!レア曲多い聖飢魔llでも、ひときわ信者人気が高い「秘密の花園」!もちろん、わたしも大好きです。たまらなく美しくて、すこし切なくて、ドラマが見える曲。聖飢魔llが持っている世界観の大切なピースのひとつです。ジェイル代官がいるから、当然といえば当然かもしれないんだけど、泣けたよ。本当に、この「秘密の花園」は良かった。この時に聴くことができて、本当に幸せだと思いました。

 ここでちょっと休憩で、各構成員の紹介タイム。正直、あまり覚えてないので(主に笑いすぎと秘密の花園ショックの余韻が抜けなかったため)、不正確な記述になるのを避けるため、細々とは記せないのですが、参謀のところで「ダラダラしてきた!いかんいかん」と焦る閣下が「今日は曲も多いのに」とするっと口を滑らせたのが可愛かったです。でも、わたし、思うんだけど、聖飢魔llの構成員は、本当にみんな大好きだ。ジェイル代官に関しては複雑な思いを抱いた青春の一時期もあるのだが、それに関しては二日目の感想で語るとして、みんな、最高の構成員だと思う。可愛くて、お茶目で、カッコいい。わたしはこのバンドに出会えて、本当に良かったなあ。

 構成員の紹介が終わると、殿下による「巨乳好きのやつが踊りだしたくなるようなリズム」が始まり、イカしたダンスを踊り始める参謀(笑)。そのままの流れで「DEMON’SNIGHT」が始まりました。わたしは「DEMON’SNIGHT」で、構成全員が一列に並んだときに、今日のミサで初めて目に涙が浮かびました。うわ、と思った。この懐かしい曲で、全員がさっと並ばれたら、たまらないものがこみあげてきました。でも、まさに曲が曲なだけに、泣くとまではいかず、実に楽しく拳を上げてました。うん、楽しかった。つづく「害獣たちの墓場」は、これもまた聖飢魔llのこだわった部分、世界観を代表する曲なのは間違いないです。そして、「蝋人形の館」。これまた和尚のキャラクターが開発されていなかったら、まずあり得なかった閣下との素敵な前振りです。閣下が英語で語ったあと、和尚がそれを日本語訳で語り直す演出なのですが、和尚がちょっと英語が分かってない場面もあって、それも可愛かった。「蝋人形の館」といえば、もちろん聖飢魔llの代表曲中の代表曲なわけですが、デビュー曲でもあって、それをデビュー以来25周年記念のミサでも、こんなに楽しく、盛り上がる曲としてやれるバンドって本当に良いなあと思いました。シンプルな曲ですが、楽しさがいっぱい詰まってる曲だと思います。

 そしてそして、「BRAND NEW SONG」が始まりました…。もうね。参謀にピンスポが当たってね。あのイントロが流れた瞬間に、沸き立つあれ。あれはなんと表現したらいいですか。涙とか喜びとか、そういうものじゃない。ぶちきれたように、なにかが溢れる。これと「SAVE YOUR SOUL」の二曲は大経典「NEWS」のなかで対となっているような名曲ですが、本当に、「BRAND NEW SONG」は、卑怯。これ持ってこられたら、泣くとかそういうレベルじゃなく、文字通り魂が引き裂かれるような気持ちになります。この曲を、ミサのラスト近くでやられると、本当にたまんない。白い光と、閣下の歌声、ギターの音、ライトでなく、自らが発光しているように神々しい(悪魔だけど)、構成員の姿。メロディの奔流に必死でしがみつきながらも、懸命に己の中に焼きつけたくてたまらない、そんな瞬間が溢れる一曲でした。素晴らしかった。

 そして、そんな曲が終ったあとに、赤い光とともにジェイル代官が現われて、あのイントロ!「FIRE AFTER FIRE」はジェイル代官のものです、間違いなく。本篇最後の曲と分かっていたので、始まるのがもったいなく、でも聞きたくてたまらないもどかしさに胸が打ち震えました。この曲の持っているあの勢いと激しさ、同時にたまらなく感じるせつなさはなんでしょうね。最後の曲だから、というのとはまた違う意味で、「銀河の果てまで」という歌詞で、いつも泣きたくなります。名曲。ラストには特大の本物の炎が噴きあがる演出も。舞台にいるあいつ(見た人にはおわかりですね)が焦げないかと不安になるほどの炎でした。良かった、しびれた。

 そしてアンコールへ。とりあえず手を叩きながらも、合間に「花園…花園…」としかつぶやけなかったわたし。

 始まったのは「嵐の予感」。これも、選ばれるべくして選ばれた名曲ですね。この曲に関しては、とにかく閣下の舞いが…。なんせ最後が近くなってますので、萌えるとか素敵とかより、こんな奇麗なものがもうすぐ見られなくなるなんて!という事実にじんわりと来ました。大昔、日本舞踊を習い始めた閣下に対して、ちゃんと知識がある信者から「もうひとつですね」というコメントが寄せられたところ「褒めて育てる教育をしろ!」と本気で云っていた閣下。このエピソードが、本当に閣下らしくてかわゆらしくて大好きなのですが、閣下、本当に育ちましたよ!あとこの曲は参謀のギターソロが素敵過ぎる…。

 そして、ここでまさかまさかの「JACK THE RIPPER」!きゃあきゃあ。前半で飛ばされたので、演奏しないのかと思っていた名曲がここに!「時に19世紀末…」という語りから入られて、倒れるかと思うくらい嬉しかった!東京国際フォーラム5千人の「こ・ろ・せ!」が、すごく楽しかったです。本当に、この場所以外では叫べないことをいっぱい叫べるバンドだこと(笑)。しかも、がんがんに盛り上がっているところで、まさかまさかのゾッド星島親分の登場で、会場内の興奮は最高潮に!斧型ベース壊れてましたけど、関係ないですよね、親分!もう、わたしの首とか肩とかどうなってもいいくらいに、振りました。後悔はありませんとも。

 そして、ここで閣下のMC。楽しいおしゃべりもあったのですが、本当に、ものすごく感じ入ったので、あえてここに記します。今回の再集結に関して「聖飢魔llはこうじゃないといけないんです、あの曲のここはこうで、それじゃないとダメなんです」みたいな便りをもらうことがある、と話し始める閣下。それに対し、いま現在のこの布陣で最高のミサを作り上げてきたと語ったうえで、「長年、聖飢魔llを支えてきて応援してきてくれた昔からの古参信者の諸君…そんな保守的な子に育てた覚えはありません!」「だいたい、聖飢魔llがどうあるべきかなんてことは我々が決めることだ!」大爆笑

 東京国際フォーラム5千人の苦笑と大爆笑をわたしは聞いたね!いやー、すごいすごい閣下。本当にそのとおり。聖飢魔llなんかを選ぶ我々が、そんな保守的でどうするよ?!納得とともに、反省もして、すごく心に刻み込まれた。うん、そんな保守的な子に育てられた覚えはありません!閣下はすごい。本当に、こんな最後の最後で、まだ、わたしに教えてくれる。気付かせてくれる。閣下最高。そうやって盛り上がった気持ちのまま、いよいよ最後の「EL.DORADO」に突入です。始まった瞬間に、キャノン砲(だっけ?)による金の紙テープが噴き出して、客席に降り注ぎ、すごくすごくきれいだった。良い演出だと思いました。ただ、前MCの印象が強すぎたのと、これくらいになると、終わりと思うより「まだ明日がある!」と自分を誤魔化す防衛反応が働いて、泣くとかそんなのより、楽しむほうに神経を向けました。もちろん、大好きというか特別な曲です。ほかの曲ではまったく感じなかったのですが、この曲でだけ「あ、長官がいてほしいな」と思いました。閣下とのコーラスがすごく好きだったから。

 終了したのが、21時半。三時間半のミサでした。本当に堪能しました。

 終了後は、歩姐さんとお食事に。こういう仕切りは他人任せのふたりなのでふらふらとさまよったものの、なんとかお店にたどりつき、しばし歓談とあいなりました、姐さんも「そんな保守的な子に育てた覚えはありません」が印象に残った様子。いやーでも、あれは来るよねえ…。現在はお笑いジャンルにいる(っていうのかな)姐さんから、色々とお話を伺うのも楽しかった。ねづっちもピースも、最初に知ったのは姐さんの日記でした…。「見る目はあるのよ!」と言い切る姐さんが、もう十年近く応援しているのはカリカだそうです。そろそろブレイク必至ですね!そして、飲んだあとでも、ちゃんとホテルにたどり着き(ラストオーダー23時の店にしたことが勝因です)、楽しかった一夜を一人でしばし反芻いたしました。まだ明日があるので、湿っぽくはなりません。でも、ありがとう聖飢魔ll。あなたがたの信者でいられて幸せです。

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