「パーマネント野ばら」西原理恵子(新潮社)



 いやもう。西原の叙情モノでテーマが恋愛とか女の生きる道というだけで、泣くとか感動するより先にイタい。物質的に痛い。なんかもう、胸のあたりが包丁でえぐられるみたいに、痛む。
 白馬の王子さまは結局どこにもいないし、わたしたちはいつまでも生きていくのが不安で全部が怖くてたまらない。だからいつも小さな嘘をつく。おんなってどうにかなるみたい、と云いつつも、哀しくて優しいラストはその、どうにかなるだけではダメな女の子の姿を描く。せつないなあ、と思ってウェブの『毎日かあさん』を読んでびっくり。西原、鴨ちゃんとヨリを戻したんですね…。それが良いのか悪いのかわたしなどには判断つくことではありませんが、幸せになってほしいと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする