「ハウルの動く城」(宮崎駿監督作品)


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 DVDでようやく観ました。わたしにとっての宮崎映画っていうのは、好き嫌いでなく、あれを否定するならわたしとはヲタ種族が違う、というリトマス試験紙みたいなもんです。お客は入ったものの、各所での評判は「わかりにくい」的なものが多かったような「ハウル」。で、観ました。なんですか。どうして誰も教えてくれなかったんですか。云うまでもなかったからですか。展開も構成も分かりにくいとかいいかげん声優使えよとうとう日本語字幕出して観ちゃったよでもキムタクは良かったとか、そんなことよりもなによりもさきに。
ハウルが
 わたしの大好きな、情けないくせに特殊能力をもってて、なおかつマザコン(あああ)な、男がここに。髪の色が変わっちゃったときのハウルの愛らしさはなんですかあれ。いろんなことが怖くておどおどで、でも不正義が許せなくて能力をふるわずにはいられない男の子。美形とか関係なく、可哀相なくらいにわたし好み。そりゃ、ソフィーもろくに関係性が出来上がらないうちから「愛してる」っていっちゃうよね!空からある日やってきた異性が無条件で家族になってしまうことに抗えないのは洋の東西性別ヲタクみな同じ。え、そういう映画じゃなかったっけ。欠点はいくらでもすでに挙げられてる映画とは思います、正直云って、よくわかんないとこあるし。でも、あの汚れた部屋を掃除するソフィーの描写やごちゃごちゃした街の様子を見るだけで嬉しい。宮崎作品には、たびたび男が汚したキッチンや部屋を女子が腕をまくって掃除する場面がある。それを性差別的にとるひともいるかもしれないけど、わたしはあれを観てるとソフィーがうらやましくてならなかった(笑)。一部の人間にとっては掃除って生理的快感だからね。
 宮崎作品って、近年になればなるほど、すごく内容が偏ってて、まず一番にヲタ受けするものばかりだと思うんだけど、違うのかなあ?自分の好きなとこだけがっちりと描き込んで、あとはさらっと流すという。そこらへんが真面目なヲタクには受け入れ難いかもしれない。でも気楽に2時間、楽しめると思いますよ。わたしはあと三回ほど、ハウルが取り乱すシーンを見ておこうと思います。ああかわいいかわいい。

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