「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」


 
S嬢のご紹介で、出ていたことを知りレンタル店に走りました。攻殻機動隊の最新作です。詳しくはこちら。以下、感想ですがネタバレとわたしの品性につながるところは保護色で記載してます(ツッコミ不可)。
 今回の作品は、同じ刺青を入れた13人のテロリストの連続自殺事件を発端に始まる新しい事件を前にした、おなじみ公安9課の面々と一度姿を消した草薙素子の活躍を描きます。あれれ、「S.A.C」は、「人形使いに出会わなかった草薙素子」じゃなかったの?と驚いたのですが、姿を消したとはいえ、別に「人形使い」に出逢ったというわけでもなさそう?なので良かったです。
 正直云ってわたしは「S.A.C」のシリーズでは、大きな政治的視点を中心にした「個別の11人」よりも「笑い男事件」のような個人の問題を中心に据えたもののほうが好きなのですが(もっとも好みなのは、そういった中心ストーリーから外れた単独作品)、今回の作品はそれでいけば、最後の最後で政治的な問題にたどりつく感じかな。原作の1.5と2が微妙に混ざり合ってる内容です。そして明かされた真相については、素子自身のことを「独善的」だと評しているあたりに救いが在るかなあと…。おかしな云いかたですが、素子の方法論には、やはり時に違和感も感じるので、その危険性も含めての視野が攻殻だという感覚があるのに安心しました
 個人的におかしかったのは、素子が姿を消してから2年もたつのに、未だに素子がいなくなったことに拗ねて(るようにしか見えない)ふらふらしてるうえ、久しぶりに逢った素子のことはみんなに黙っちゃう、バトーさんの素子らぶらぶっぷりでしょうか(笑)。分かりやすく云うと、骨抜き?(笑)。ラスト、素子の肩を抱くのに、すごーくじりじりと近づいてる感じなのが、さらに骨抜き度アップ。まあ「S.A.C2nd GIG」のラストでは、素子を探し求めてボロボロになって「もとこー!」とか叫んでるときに、当の素子は初恋のかれの腕の中、という非常になんというかその片想いってせつないよネ的場面があり、見てるわたしも涙を抑え切れなかったものですが(笑いすぎて)、それに比較するならば、本当に良かったよね!
 でも、少佐に骨抜きなのはもちろんバトーだけではありません。少佐がいなければAIが変化しないフチコマとか、トグサの下でもそれなりに頑張っていた9課の面々が、素子が帰ってきて命令を下したとたんにもっと頑張ってやる気が120%アップして、生き生きしちゃうあたりとか…。素子復活を知ったイシカワさんの台詞とかも良かったです。みんな少佐ラブ過ぎです。そしてわたし、実はちょっとだけ、素子×トグサ萌えでもあるので(いやわかりやすく云うと、少佐×9課萌えですが)、肝心なときにトグサを救う素子には萌えた。
 絵的には云うことはまったくありません。わたし的には「イノセンス」まで行くとやりすぎだと感じてしまうのですが(キレイ過ぎというか、CG過ぎというか…あくまで感覚の問題で)その意味でもいい感じ。少佐が実に美しかったです。ただ、ラストの死体描写だけが頂けなかった…ラストのラストの顔面変化の描写のためかもしれませんが、あの義体ならではの中途半端なグロさはちょっと苦手。必要なものだといわれたら、それまでです。あくまで受け手の感覚的なものとして。 
 今後も新作は作られるのかな?とても期待します。わたしはあくまでオンナコドモの感性なので、9課の活躍とか日常の日々とかをもっと見たく思います。タチコマももっと見たいなー。

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