「GIRLS’ROCK√Hakurai」(デーモン小暮閣下)感想



 というわけで、閣下による女性ボーカル曲カバーアルバムの第二弾です。詳細はこちら。一曲目の「ヒーロー (Holding Out For A Hero)」のしょっぱなのシャウトで、とりあえず咲いたこの身としては、思っていたよりも、ずっと閣下らしいアルバムという感じです。前作「GIRL’SROCK」よりも、ポップス寄りの選曲ですが、アレンジは非常にロックなので、閣下のAOR趣味はあまり好きでないわたしも安心して聴けました。どの曲も知っている曲ではあるものの、強い思い入れがあるわけではないので、余計にこだわりなく楽しめたかな。以下、一曲ずつの感想など。
 
1.「ヒーロー (Holding Out For A Hero)」:ていうか「YouNeedDemon」って。みんなツッこむと思うけど、「Demon」って。そこを含めて、とても閣下らしい一曲になりました。北欧氣志團じゃない騎士団の演奏とアレンジが、ドラマティックな北欧HR寄りで、非常にカッコ良いです。
2.「愛が止まらない (Turn It Into Love)」:これ面白かった!確かにあの曲でありながら、閣下のオリジナルナンバーにしっかりなり得ている。これを聴いてWINKを連想するひとはいないでしょう。でもこれ、ライブでやったら、絶対に閣下、あの振り付けすると思うの。むしろしないと嘘だと思うの…。
3.「ダンシング・ヒーロー (Eat you up)」:これは原曲が元々ロック寄りということもあって、そんなに変わった印象はありません。聴きながら、荻野目がちゃんと浮かんだ(笑)。エフェクト処理された閣下のボーカルが愛らしいです。
4.「Mr.サマータイム」:閣下一押しの選曲とのことですが、ああ、閣下好きだよねこういうの(笑)。とっても気持ちよさそうに唄ってらっしゃいます。すごく自然なのです。
5.「今夜はANGEL (Tonight Is What Means To Be Young)」:これも意外なほど良かった。ライブで聴いたらシビれること確実なドラマティックな構成に、閣下のボーカルが素晴らしく映えています。
6.「雨音はショパンの調べ (I Like Chopin)」:この選曲を知ったときには、これが落ちになるかと思ったものですが(いえその)、びっくりするほど良いです。なんていうか、普通に良い曲なのですよ。閣下のボーカルと演奏、構成を含めて、小林麻美を連想させることない、素敵な曲に仕上がっています。
7.「NEVER」:これは正直、可もなく不可もなくという感じで。驚きはないのですが、つまらないわけでもない。ただし、閣下の声の表現力は、素敵です。つーか、いまさらですが、本当にわたしはこの声が好きだ…。
8.「ランバダ (Lambada)」:この選曲を知ったときには、これが落ちにな(略)。ところがどうして。ゆったりとした南国の午後が似合うような素敵にお洒落なナンバーに仕上がっています。これだけ聴かせられたら、閣下は日本のバリー・マニロウです。途中の語りがなければ、きっと亀もファンです(村上春樹ネタ)。
9.「チェリー・ボンブ ?悩殺爆弾? (Cherry Bomb)」:可愛い可愛い可愛い!これはもう楽曲の勝利(笑)。いかにもガールズロックな内容の歌詞を、愛らしくワイルドに山猫に唄いあげてるのは確かに閣下なのに、この違和感の無さはすごいな。
10.「SHOW ME」:すいません、思い入れがないといったのは嘘でした。「男女七人秋物語」は、ドラマ嫌いのわたしが水谷豊主演のドラマ以外で唯一ハマったドラマでした(水谷豊演ずる優しいけれど押しが弱い迷いっぱなしの主人公はこどものころからのツボでした。ベストは「あんちゃん」)。なので、原曲と大胆に違うアレンジに、初めて違和感。閣下に罪はありません。
11.「タフな気持ちで (Don’t Cry)」:これは普通に良い曲だ…。閣下お得意の聴かせるバラードで、アルバムの最後を締めるのにふさわしい一曲になってます。
 当たり前の話ですが、原曲が良い曲は当然素晴らしい。そして、カバー曲の出来上がりまでが、そこに左右されているような印象もします。なので、ちょっと興味を持ったかたはぜひ聴いてみてください。わたしは閣下に関しては客観的な評価を放棄しているので、そういうおすすめかたしかもう出来ません。閣下宗でなければ、通常版でも十分ですよ。閣下宗ならば、特典DVDに収録されているメイキングで「周りの皆に必要以上に目を細められて愛されている閣下」を堪能できるので、初回限定生産盤じゃないと嘘だと思います。スウェーデンにてきゃいきゃいはしゃいじゃってる閣下への女性スタッフのひとこと「遊びたいだけ遊んだら?(失笑)」には倒れた。閣下は愛されている…。
 ただ、前回の「GIRL’SROCK」から学んだことであるのですが、どれもこれもライヴで聴いたら倍増しで良くなるのが確かなのです…。今回のツアー、絶対に素晴らしいですよ…。前作の曲だって、また引っ張ってこられるうえに、メンバーがまた面白いのです…(なぜ無口になるわたし)。回れるものならば全回りで。 

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