「贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き」宮部みゆき・編(光文社文庫)



 海外の傑作短編ホラーをセレクトしたアンソロジー。入門書として文句なしの内容で、既読が多くても楽しめました。
 どれも面白いのですが、少年たちの暗闇を恐れる心が生み出したものの行方を描く「淋しい場所」(オーガスト・ダーレス)、不思議な世界のなかでただ、謎が揺らめいているような美しさがある「なぞ」(W・デ・ラ・メア)、人間と人間にあらざるもの、というテーマが重くのしかかってくるような世界が苦しく、でも読み続けずにはいられない「変種第二号」(P・K・ディック)、文句無しの名作、読めばわかる「くじ」(シャーリイ・ジャクスン)などがおすすめです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする